ブラッシュ・アップ・ぼっち!   作:氷英

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ぼっちちゃんの師匠ムーブ難しい…。
オリキャラ動かすの大変すぎる…。

とても時間がかかりましたがなんとか投稿。


後藤ひとり2周目Ⅶ

「曲できた」

 

「「「おお~」」」

 

リョウさんの家での1件から数日後

STARRYにて結束バンドメンバーミーティング開始

 

初っぱなに新曲を披露する…『ギターと孤独と蒼い惑星』

 

「かっカッコいいです…!」

 

「お!いいじゃ~ん!」

 

「さすがリョウ先輩!」

 

感想は概ね良好、この曲にネガティブ感と反骨心の

オンパレードの歌詞が付く…私抜きのバンドに…

受け入れてもらえるだろうか…?

 

「ぼっちの歌詞のおかげでインスピレーション湧いた」

 

「あっ…でも暗すぎるかも…」

 

「ぼっちらしくていいと思うよ。きっと誰かに深く刺さるんじゃないかな。よっ作詞の天才」

 

リョウさん不自然なくらいにほめてくれるなぁ…

後で加入させやすいようにしてくれてるのかな?

 

「うへ、うへへへ…」

それはそれとしてほめられてうれしい…

 

「ふっ…ふふ」

 

「むむむ、リョウ先輩と後藤さんなんで急に仲良くなってるんですかー!」

 

「お2人は波長が合うんでしょうか?」

 

「せせっ先輩!私も頑張ってるんですよ? 見てくださいこんなに弾けるようになりました!」

 

「うん、凄い」

 

「あっリョウさん、私もぼっちさんに教わり始めて少しレベルアップしましたよ!」

 

「うん、サーヤも凄いね」

 

実際2人は上達が早い…

サーヤさんは基礎がしっかりしてるし

喜多さんは1周目よりも飲み込みが早くて驚いた…

 

「これは…本当に私の夢叶っちゃうかもな…」

 

虹夏ちゃん…大丈夫だよ…今度こそ…

 

「よーし、じゃあ来月ライブできるようお姉ちゃんに頼んでくるね!」

 

「えっまだ言ってなかったんですか!?」

 

「大丈夫!この前もすぐ出させてくれたもん!」

 

残念ながらそうは問屋が卸さない…

このまま頼んでも店長さんは…

 

 

 

 

「は?出す気ないけど?」

 

「え?」

 

これは予定通り…今日から練習しっかりしてあげないと…

 

「集客できなかった時のノルマなら払えるよ?」

 

「そういうことじゃなくて実力の問題」

 

あと1週間でなんとか形にしなきゃ…

 

「5月のライブみたいなクオリティだったら出さないから…一生仲間内で仲良しクラブやっとけ」

 

店長さんの言い分は正しい…お客さんはその人達の時間とお金を使ってわざわざ来てくれるんだ…中途半端な演奏はできない…

 

「いっ…未だにぬいぐるみ抱かないと寝れないくせにー!!」

 

「いやどんな捨て台詞だよ…」

 

「見ます?」

 

「な!?お前これいつ撮った!?消せ!今すぐ消せ!!」

 

リョウさんこういう写真何枚も仕入れてるのかな?

もしかして私のもあったりする?

 

「もう、リョウ先輩、サーヤちゃん、追いかけますよ!ほら後藤さんも!」

 

「あっはい」

あっ待って私が最後尾だとまた店長さんに…

 

「あっ待ってぼっちちゃん」

 

ほらー…また私伝言役…

 

 

 

 

 

 

「…とっという訳で1週間後にオーディションがあります」

 

「もー!なら最初からそう言えばいいのに!

お姉ちゃん言葉足らずすぎ!」

 

「な~んだ!じゃあ合格さえすればいいんですね?」

 

「う、きっ緊張します…」

 

「あっわ、私がちゃんと練習付き合いますので」

 

「最終手段として2人のパートはオケ流しとくからそれで乗り切ろう」

 

「ダーメ!エアバンドじゃないんだよ?」

 

 

 

バイトの後恒例となった3人での練習

喜多さんとサーヤさんに各パートを教える…

 

「なるほど!このおさえ方がFコードっていうのね!guitarheroさんそういうの解説してなかったから初めて知ったわ!つまりここのフレーズはこう弾けばいいのね?」

 

「あっはいそうですその感じです」

 

うん…喜多さんはguitarheroの指の動きだけ完コピしてただけあって基礎を理解したらメキメキ上達してる…

これでボーカルもやるんだからやっぱりすごい人だな…

「ぼっちさん!今初めてミスせずに弾けました!もう一度弾くので聴いててください!」

 

「あっはい、すごいです。でもミスを減らすのも大事だけど、自信を持って弾ききることも重視しましょう」

 

「はい!」

 

サーヤさんはとても素直な音色を奏でる子だ…良い意味でも悪い意味でも…演奏に感情がのりやすい…オーディションの空気感に飲まれなきゃいいけど…

 

代わる代わる2人のパートを一緒に弾いたり、難しいところの弾き方を丁寧に教える…私が今結束バンドに貢献できる唯一のことなので力も入る…絶対オーディション合格させるからね…

 

 

「…」

 

「…」

 

「?ふっ2人ともどうしました?」

 

「ううん、なんでもないのよ?」

 

「はい、なんでもないですよ!」

 

(やっぱり後藤さん…すごくうまいよね?)

 

(ぼっちさん…師匠って呼んでいいかな?)

 

 

「でっでは一度通しで弾いてみましょうか」

 

 

ジャーン…

 

「どうかしら?後藤さん」

「…どうですか?ぼっちさん」

 

ほぼ同時に聞かれた…正直力みすぎな気がするし

細かいミスも所々ある。けど店長さんは

完璧な演奏を求めているわけではないはず…

 

「あっはい、さっ最後まで安定しているように聴こえました…ふっ2人ともすごい上達速度です」

 

良い感じだ…これなら来週までに仕上がりそう…

 

 

 

 

オーディション前日、まだ正規メンバーじゃないので

当然のことながら全体練習には参加できない…

と思っていたのだが、喜多さんとサーヤさんの

強い希望により特別に見学を許された…

 

「よーし、練習はここまでにしようか!明日に備えて今日はゆっくり休んでね!」

 

「「「お疲れ様でしたー」」」

 

なんとかまとまってるようには思えた…けど…

 

「…」

 

サーヤさんの表情が冴えない…緊張してるのは当然として

何か別の要因があるように見える…

 

 

 

 

どうしても気になってSTARRYを後にするサーヤさんを追いかけた…

 

「サッサーヤさん…」

 

「はい?…あっぼっちさん…」

 

「あっあの…」

あれ?追いかけたはいいけど何て声をかければいいんだ?

しまった完全にノープランだ…気のきいた言葉が出てこない…

 

「だっ大丈夫ですか?」無難オブ無難…

 

「…微妙…ですね…」

 

やっぱり何かあるんだ…

 

「あっわっ私でよければそっ相談にのりますよ…」

 

「…よくわからなくなっちゃって…」

 

「わっわからなく…ですか?」

 

「皆さんとする演奏は…楽しいです…ただ…」

 

言葉に詰まってる…どう言えばいいのかわからないんだ…

頭の中ではわかってるのに他人にどう伝えればいいのかと

悩んでるみたい…私もよくこうなるからわかる…

 

「だっ大丈夫です…ゆっくりでいいので…」

 

 

「みっ皆さんと合わせれば合わせるほど自分の未熟さがわかってきて…それを補おうとするために練習頑張りました…」

 

「はい…」

 

「でも間違えないように正しく弾かなきゃ…って思えば思うほどミスが増えて…」

 

「はい…」

 

「あー私まだまだだなー…こんな私がメンバーにいていいのかなって思ったら自信がなくなってきて…」

 

「…はい」

わかる、すごくわかるよ…

 

「そんな状態が続いて…弾いても楽しく感じなくなってきて…また私の飽きっぽい性格が出てきたようで…そんな自分が嫌になってきてて…」

 

「…うん」

この子は私だ…不安で押し潰されそうになってた時の私だ…

「わっ私が初めて人前で演奏するって時に…い一緒に演奏した人に練習でド下手だって言われました…」

 

「えっぼっちさんがですか?」

 

「いっ今でも人前で演奏するのが苦手なままで…さっ最初なんかダンボールを被ってステージ立ったんです」

 

「ダンボール!?」

 

あっ引かれた…でもいいや…

「あっえと…つ、つまり何が言いたいかというと…サーヤさんはスゴいんです!」

 

「…」

 

「わっ私が結束バンドのファンになったきっかけは、サッサーヤさんが私と違ってすごく楽しそうに弾いていたから!」

 

これは半分本当だ…あの時すぐ気絶しちゃったけど、直前に見えた彼女の姿はとても眩しく輝いて見えたんだ…

 

「まっ間違えたっていいんです!オッオーディションダメだったとしてもそれでもいいんです!ただ、サーヤさんにはその時その時の音楽を楽しんでいてほしいんです!それがサーヤさんが1番魅力的に見える瞬間だから!!」

 

「ぼっちさん…」

 

しまった熱が入りすぎた…これはドン引きされちゃうな…

 

「ありがとうございます…自分の音楽を褒めてもらえるとこんなにうれしいんですね…ぼっちさんにそんなふうに思ってもらえてたなんてうれしいです…」

 

「あっ明日例えどんな結果になっても私はずっとけっ結束バンドのファンなので!!」

 

「…はい!えへへ、なんだか気が楽になりました…難しく考えすぎてたのかな…?」

 

「そっそうですよ!」

 

「ありがとうございました!私、がんばります!明日見ててくださいね!」

 

「あっはい!」よかった…元気出たみたい…

 

「あーそれと1ついいですか?」

 

「えっあっはい」

 

「“さん”付けは…無しがいいです」

 

「あっ…うんわかったサーヤ…ちゃん」

 

 

 

 

 

 

「ぼっちちゃん」

 

晴れやかな表情で帰っていったサーヤちゃんと別れ

自分も帰ろうと踵を返したらすぐ側に虹夏ちゃんがいた

 

「あっ虹夏ちゃん…」

 

「サーヤちゃんどうだった?」

 

そうか…虹夏ちゃんも異変に気付いて追ってきてくれてたんだ…

 

「あっはい、大丈夫そうです…明日がんばりますって言ってました」

 

「そっか~帰り際元気なかったように見えたから心配になってね…でもぼっちちゃんが元気付けてくれたんだね!ありがとう!」

 

「あっいえそんな大したことは…」

 

「明日は私達最高の演奏するから見届けてね!」

 

「…はい!」

 

バイバーイ!と言いながら大きく手を振って虹夏ちゃんは帰っていった…明日は…きっと大丈夫…

 

 

 

 

オーディション当日

 

演奏準備を進める前で待つのは店長さん、PAさんそして私

一応店長さんに同席させてほしい旨を伝えたら

 

「え?なに言ってんの?ギターの子たちの先生なんでしょ?見ててやってよ。さすがに審査はさせられないけど…」

 

とのこと…忖度する気はないけど…いや、しちゃうかも…

サーヤちゃんは…うん、緊張してるけどとても良い顔してる

 

「結束バンドです!じゃあ『ギターと孤独と蒼い惑星』って曲やりまーす」

 

この目線でこの曲を聴くというのは新鮮な感覚だ…

…うん、良い感じ…昨日の練習より何倍も迫力が増してる…

この音…サーヤちゃん…今全力で楽しんでる…!

 

 

 

 

 

 

ジャーン…

 

「「「「ありがとうございました!!」」」」

 

 

凄い…一体感が段違いだ…!これならきっと…!!

全員の視線が店長に集まる…

 

「…いいんじゃない?」

 

あっ…この言い方は…

 

「と言いたいとこだけど…ドラム、肩に力入りすぎ。

ギターボーカル、下向きすぎ。リードギター、ミスった時動揺しすぎ。ベース、自分の世界に入りすぎ」

 

うん…

 

「でもまあ、お前らがどんなバンドなのかはっていうのはわかった」

 

大丈夫だ…

「つっつまり合格ってことですよね?」

 

「そう言ってんじゃん」

 

「「「えー!!」」」

 

リョウさん以外の3人が驚く…

 

「もー!お姉ちゃんわかりにくすぎ!」

 

「やった!やったねサーヤちゃん!!」

 

「はい!!」

 

ギター2人が抱き合い喜びを分かち合う…

よかった…本当によかった…

 

「後藤さん!」

「ぼっちちゃんさん!」

 

ほぼ同時にこちらを向き手を振ってくれた

私は慣れない…というか一度もやったことのない

サムズアップで応えた…これ両手でやってもいいんだったっけ?…まあいいか

 

 

 

「それじゃあチケットノルマ1500円×20枚だから

1人5枚ずつね!」

 

そうそうノルマ5枚…そうか私バンドメンバーじゃないから

ノルマは考えなくていいのか…サーヤちゃん大変だぞ…

まあ最初はなかなか売れなくて苦労するかもしれな

「早速友達に連絡して誘ってみますね!」

 

 

あーそうでしたサーヤちゃん普通に友達たくさんいらっしゃる陽キャでしたね忘れてました申し訳ございません…

 

 

 

 

あれ?でもちょっと待って…

本当にそれでいいのかな…?

私とリョウさんは知っている…

このライブがどんなライブになるのかを…

台風が直撃して誘った友達のほとんどが来れなくなって…

あの空気の中やるライブを果たして今のサーヤちゃんが

乗り切ることが出来るだろうか…

私の時はどうしてたっけ…?

 

 

…あ

 

 

思い出したのはパック酒を愛飲し、命よりも大事なベースをしょっちゅうお店に忘れてくるあのお姉さん…

 

私にお客さんの前で演奏する楽しさと大切さを教えてくれた人…

幸い私はあの人にいつどこに行けば会えるのか知っている…

サーヤちゃんにも本番前に体験してもらおう…

会いに行こう…

 

 

廣井きくりさんに…




次回成長と兆候

おまけ↓

山田リョウ2周目終了時

「では山田リョウ様、17年間お疲れ様でした」

「あの、私今回友人のために結構頑張ったんですけど、確かにやけ食いした野草に当たって食中毒で早くに亡くなりましたけど」

「はあ」

「それで来世の方はどんな感じになってますか?」

「えー山田リョウ様の来世は…渓流釣りの餌用に飼育されているブドウムシ(ブドウスカシバの幼虫)ですね」

「…あ?」

山田リョウ3周目終了時

「では山田リョウ様、96年間お疲れ様でした」

「あの私友人が亡くなってからは誰からもお金を借りたりせず結構真面目に生きてきたと思うんですけど…来世の方どうなってますかね?」

「えー山田リョウ様の来世は…アメリカカリフォルニア州に自生するタンブルウィードですね」

「…タン…何て?」

「こちらになります」

「…ああ西部劇とかでよく地面転がってるやつ…」

そして4周目へ…
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