個性【死霊王】が始めるヒーローアカデミア 作:ダークネスソルト
それは幼い頃にそれこそまだ個性が発現していない4歳ぐらいの頃に両親からよく聞かされた話。
「お母さんはね。とある大災害に巻き込まれて一度死にかけているんだよ。その当時のことは今も鮮明に覚えている。辺り一面に火が燃え盛って、周りは瓦礫で溢れかえってて、お母さんも瓦礫に挟まれて動けずにいたの。個性を使って動物さん達に助けて貰おうとしたけど。あんな火の中に動物さん達がいるわけもなかった。そして死を覚悟したの。でもヒーローがオールマイトが私を助けてくれたの。笑いながら。【もう大丈夫! 何故って!? 私が来た!!】言ってね」
それはオールマイトという偉大なヒーローがお母さんを救い出す話。
僕はそのお話が大好きだった。実際にその時の動画を見せて貰ったけど、そこに映っていたのは本当のヒーローだった。
HAHAHAHAHAHAHAって笑いながら何人もの人を抱えて救い出す。
心が震えた。本当に心の底から心が震えたよ。その姿はめちゃくちゃという言葉では足りないくらいカッコよかった。
お父さんもオールマイトの話をする時はいつも楽しそうだった。
「お父さんはね、仕事柄色んな人を降霊術で呼ぶんだけど。それはやっぱり、不慮の事故で亡くなってしまった人がほとんどなんだ。その中にはヴィランによって殺されてしまった人も大勢いる。ただ、オールマイトのおかげでそれは少なくなったんだ。たった一人で国を犯罪率すらも変えてしまう、日本を平和な国にしたオールマイトは本当に偉大だよ」
楽しそうにオールマイトの話をする。
僕もそんなオールマイトの話が大好きだった。
そんな僕がオールマイトに憧れてヒーローになることを夢見る。
それは凄く真っ当で当たり前の話であった。
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僕は、否、俺は5歳の時に個性を授かった。
その個性の名前は【死霊王】、おそらく父親の個性【降霊術】の霊を現世へと降ろして交流するというのと母親の個性【動物使い】の動物を使役するという個性が合わせった結果。
霊を自由に現世へと降ろして使役するという形になったのが俺の【死霊王】という個性だった。
ただ、この個性の真の能力はそれだけではなかった。
個性【死霊王】その名前の通り、死霊の王へと至る個性。
そして王というのは自分の配下よりも強くなくてはならない。つまり、この個性【死霊王】は呼び出した死霊の持った、個性及び技術を自由にその身に宿して使えるということだ。
もちろん色々な制約もあるし、最初はその身に宿せる個性及び技術の量も少なかった。
だけど父親のおかげで毎日24時間個性を鍛え続けることが出来た俺は個性【死霊王】を恐ろしく高い水準で使えるようになっていた。
それこそ世界最強、あの憧れの最高にして最強の№1ヒーロー・オールマイトすら超える程の力を・・・。
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かくして、個性が発現してから10年の月日が流れた。
俺は今日、小さい頃からの夢だったヒーローになる為に、雄英高校ヒーロー科を受験することとなった。