Persona3 Temperance 作:人ちゅら
あ、本作はこのままバニラ(PS2版)&P3Pのハイブリッドでいきます。
(整理できてないことをハイブリッドと言い張る)
「彼は養護教諭の
理事長――
ここは月光冠学園の学生寮、
クラシカルな洋館を思わせる地上四階建ての西洋建築の中は薄暗く、照明も何故かムーディな雰囲気を演出してしまっている。
学生寮としてどうなんだコレ。
「えっと、どうも」
あなたの素っ気ない挨拶では、生徒たちの印象を良くすることは出来なかったようだ。
夕方、仕事終わりに保健室からそのまま連行されたので、心の準備ができていなかったのだ。
軽いパニックの中から出た覇気のない声は、ただただ困惑を伝えただけだった。
「外傷治療には自信があるそうだから、負傷した際には遠慮なく頼らせていただこう」
いち早く立ち直ったのは、一度顔を合わせていた
ワインレッドのスカーフが無いことを除けば、着ているものは昼に見た制服と変わらない気がして、あなたの混乱は再度深まる。
「大丈夫なんですか? その、だって影時間には――」
彼女の隣にはピンクのブラウスを着た少女。
こっちは私服だよな?
「ああ、
「そうなんですか。その、この人も研究所の……」
「ああ、いや。彼は違う。彼の■があの時の事故でね」
「そうなんだ……えっと、ですか……」
ああ、
あなたの実の■は確かに十年前、爆発事故で亡くなっている。
しかし再創世前の記憶では、その死因は
だが再創世後はどういうわけか、
ふたつの事実が共存して矛盾しない記憶を「おかしい」とは感じながらも、死別してから六年が過ぎていた。
新しい生活にも慣れたし、心の整理もつけたつもりだ――それでも記憶が刺激されれば、少なからず心が揺れてしまうことは否めないが。
だからその違和は“
遺体は見つからなかった。
研究所のひどい損壊、散乱する肉片は混ざり合ってしまい、科学的調査にも限界があったそうだ。
あなたの中のふたつの記憶は混ざり合い、今では
その地に今は
なにか関係が有るのだろうか?
機会があれば彼女に聞いてみることにしよう。
「そっか。あなたの■も……」
「……済まない」
ゆかりと美鶴が何か言っているが、考えに没頭しているあなたには聞こえていなかった。
* * *
「ふむ。場所を変えようか。そろそろ時間だ」
理事長に肩を揺すられ、呼びかけられて、ようやくあなたは我に返る。
時間とは……ああ、そろそろ午前0時か。
「観察の欠かせない少年が居てね。昨日、入寮した子なんだが」
階段を登って最上階の一室へ。
細い通路と壁面いっぱいの特大モニターは、まるで映画で見る作戦室のよう。
そしてそこには、一人の少年がベッドに横たわる姿が映し出されていた。
なるほど。
彼か。
あなたの目には、枕元からジッとキタロー少年の寝顔を覗き込んでいる