サンフランシスコ沖にて、イージス艦隊や戦闘機の対空ミサイルであっさりと撃墜された、
いつぞやの、昼間が一瞬夜のように暗くなる現象が起こる以前にはなかった大陸より飛び立ち、宣戦布告などもなく自国以外にも複数国家にいきなり現代戦を仕掛ける相手の未知なる兵器なだけあり、大手航空機メーカー職員もより真剣な面持ちである。
しかし、アメリカ含む地球世界の国々は科学を元として発展してきているため、魔法を元として発展してきた魔法帝国の技術を理解するのは、殆んど不可能と言っても過言ではなかった。
「分かっちゃいたが、バカデカいUFOの方は微塵も理解出来ん。この装置とか、何に使われる奴なんだ?」
「さあな。しかし、対空ミサイルをこれでもかと叩き込んで
「間違いなくそうでしょう。戦闘に参加した海軍や空軍の兵士から、証言も得てますし」
現に、パル・キマイラⅠ型の方については大きく破損しているものの、運良く残った反重力魔導エンジン1基や魔導電磁結界展開装置2基について、用途が全く以て理解されていなかった。
ただ、仮にこれがSFの領域に達する程の科学技術によるものだったとしても、殆んど同じ感じになる事だろう。
260mを超す巨大な物体を飛行機と同じ方法以外で飛ばす技術は勿論、ミサイルを防ぐ程の強力なバリアを展開する技術など、地球にはまだ存在していないのだ。
ちなみに、マーハスの方については回収出来た部品が少なかったが、相対したアメリカ軍の面々が部分的には第4世代戦闘機に迫る性能であると推測されると、職員へと伝えている。
「SF世界の技術とか嫌過ぎるぞ。まあ、現在の我々の技術でも対抗は可能だと分かったが、あんなのが大挙して押し寄せてきたら流石に面倒でしかない」
「ですね。しかも、今回攻めてきたエイリアン共の巨大UFOと戦闘機が最新鋭ではなく、旧式の……下手したら、骨董品って可能性が」
「おいおい、冗談はよしやがれ。と言いたいところだが、あり得るかも知れないのは怖いな」
戦闘機だけを見れば、アメリカ軍はおろか地球の先進諸国の軍にとって、正しい対処を素早くすれば全く問題にならない相手だと彼らは見ているものの、パル・キマイラⅠ型の存在が脅威度を跳ね上げていたため、警戒態勢を微塵も緩める事はなかった。
むしろ、ファーストコンタクトが領空侵犯からの中距離
「ところで、ソイツらは結構多くの国に喧嘩を売ってるんだって?」
「みたいですね。話によれば、確認出来る時点で8ヵ国程が何らかの被害を受けていると」
「なるほど……具体的な国名は?」
「イギリス・ロシア・日本・オーストラリア・中国・ニュージーランド・チリ・ペルーだそうです」
「8方面同時作戦でもする気なのか? もしかしなくとも、技術力はともかく物量は我が国を凌駕する可能性もあり得るな」
「大陸ごと、地球にやって来た宇宙人ですしね」
なお、魔法帝国の偵察部隊による領空侵犯や攻撃を受けるなどした8ヵ国は勿論、今後入ってくる情報によっては増える可能性が極めて高いものの、それらの国々を集めた緊急国際会議のリモート開催が現在予定されていた。
場合により、アメリカで実際に面と向かって話し合う事も視野に入っているが、その場合は各国の護衛艦隊派遣も問題なしと伝えられる手筈となっている。
本来なら地球では国際会議の際、軍艦で現地に外交官などを派遣するのは非難の対象となるものの、侵略的な宇宙人の存在がある以上はそう言っていられないので、致し方ない。
「君たち、少し良いかな?」
そんなこんなで、航空機メーカー職員が各々自分の仕事に精を出していた時、明らかに政府職員と思わしき人間がその中の2人に声をかけた。
普段は殆んど見ないような人物の来訪に、声をかけられた職員のみならずその場に居た半数の職員が手を止め、視線を向ける。
特段怪しい表情や振る舞いをしている訳ではないものの、明らかに普通の用事などではなく、自分たちの仕事量が大きく増えそうな
とは言え、十中八九大陸ごと宇宙から地球にやって来て、実際に自国を含めた複数の国家へ侵略行為を働く存在がある以上、どのみち忙しくなるのは確定事項であったので、不満に思う者はいない。侵略者に対する不満であれば、右肩上がりの状態になってはいるが。
「ああ、はい。勿論ですよ」
「どうぞ。まあ、例のエイリアン関係でしょうが」
「その通りだ。実はな……これを見てくれ」
「「おぉ……」」
で、声をかけられた2人が問いかけに対して了承すると、政府職員らしき人物にとあるものを見せられたが、それがかなりの衝撃的なものであったが故に、思わず声を出して驚いてしまう。
彼らが見せられたのは、先進的な港町を出た