オーストラリアとニュージーランドの征服のため、出撃していった魔法帝国派遣艦隊が壮絶な現代的戦闘の末、全滅した情報が入ってきた魔法帝国では、政府上層部が大混乱しながら会議を開いていた。
無論、本国の防衛やその他作戦へ配分すべき戦力、定期点検などもあるため、派遣された艦隊は決して
だが、単体でも強力な超兵器群、最新鋭艦や航空機を派遣している以上、
「あまりにも予想外と断言せざるを得ない。パル・キマイラⅠ型のみならず、パルカオンまでもが下等種族共に沈められるとは!」
「アステロイド級やノクターン級、テルス級に至ってはあまり戦果を挙げられていないとも聞いていますが……本当に?」
「敵艦船や航空機撃破の面に限って言えば、本当らしい。ただ、防衛面ではそこそこ活躍してくれたと」
「ちっ! だから俺は『シーヴァン』を2隻出すか、パルカオンを4隻に増やしておけと言ったんだ! 」
「シーヴァンは来るべき時の決戦兵器ですよ? それに、パルカオンも
にも関わらず、インフィドラグーンと同等かそれ以下の国を相手取るだけなら、比較的優位ないし圧倒的優位に立ち回れるだけの艦隊が、
なお、今回の出来事をきっかけとして、数の少なさや必須費用の多さから今まで渋っていた、極超音速高高度偵察機『
前居た惑星より小さいものの、未来転移してからあまり時間が経っておらず、魔法帝国も星の全容を掴みきれたとは言い難い。
が、現在の情勢からラティストア大陸の四方八方に自国に迫る、もしくは同等の脅威が存在する前提で行動を起こすべきだと言う、偵察部隊崩壊以降に生まれた少数派の主張が、より一層現実味を帯びてきていた。
そうである以上、無駄に渋る必要性も薄いと判断した皇帝によって、半ば強引に決められた経緯が存在している。当の本人含め、大半の政府上層部にとっては不満でしかなかったが。
「2隻でも十分地獄だろう! しかし、ここまで強力な敵が揃う惑星ともなれば……うむ。大陸間弾道誘導魔光弾のコアに『
「確かにそうかも知れませんけど……この惑星が、前居た惑星より相当小さい事は頭に入れておいて下さい。威力は、半分に抑えたとしてもかなりのものです。やり過ぎて、
「ああ、その辺は抜かりない。やるとなれば、惑星環境への影響を抑えつつ、下等種族に最大級のダメージを与えられる場所の選定は、しっかりと行うつもりでいる」
そんなこんなで、もはや怒鳴り合いと表すべき会議が長時間続くと、流石に若干落ち着きを取り戻して来たものの、飛び交う言葉の物騒さはより程度を増してしまう。
しかも、純粋な物理的重量と極超音速での落下、風属性魔法の付与による対象の破壊を目指した『衝撃弾頭』をコアとしている、大陸間弾道誘導魔光弾106発の発射態勢は既に整っている。
僕の星や天翔けし浮舟による精度の高い情報さえ仕入れられれば、上位の軍事関係者2人がスイッチを押す事で、コア魔法程ではなくても地球諸国に破壊と殺戮を招く槍が降り注ぐだろう。
地球側が迎撃出来なかったり、魔光弾そのものに不具合が生じたりしなければとの注釈がつくが。
「会議中に大変失礼かと思いましたが、火急を要する事態が発生してしまったため、お知らせするべく参りました!!」
「気にするな。それよりも、その火急を要する事態とやらを話せ」
で、そこから更に話し合いが2時間続き、いい加減休憩でもしようかと皆が思い始めてきた頃に会議室の扉を勢いよく開け、1人の光翼人が書類を携えて入ってきた。
火急を要する事態……魔法帝国に対して67隻の大艦隊が接近すると同時に、ラティストア大陸に存在している軍事施設数ヵ所から、対地誘導魔光弾と思われる攻撃を受けた旨の通信が入ってきたと、伝えるためである。
「奴らはそこまで使えるのか?! 被害状況は?」
「天の浮舟16機大破、滑走路一時使用不可、
「かなりダメージを受けたな……67隻を派遣してきた国の仕業か?」
「どうやらそのようです! 国は確か……中国とロシアと言ってました! 国旗などを確認致しましたので、間違いはほぼないかと!」
「クソッ。一体何なんだ、この
「混乱しとる場合か! ただちに本土防衛艦隊を出撃、下等種族共にコイツは癪だが……
インフィドラグーンとの
しかし、そうしていても何も事が進まないとほぼ全員が理解しているため、混乱しつつも今後の立ち振舞いについて更に時間を使い、なすべき事を決定した。