青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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12話 綺麗

吹雪さんが雷門のユニフォームに着替え、紅白戦の練習をすることになった。

実は先程、エイリア学園が白恋中への襲撃を予告してきたのだ。

わざわざ襲撃を予告してくれるなんて、侵略者のクセして礼儀正しいものだと思いつつ、私はその襲撃予告を聞き流していた。

 

そして、私が今何をしているかと言うと、1人で格闘の特訓。

空に向かって、拳を突き出す。これをずっと繰り返す。

地味だけど、型を意識しなければならないため、かなりキツい。

 

「…………ふぅ」

 

顔に滴る汗を拭い、見渡す限りの銀世界を見る。私の中の赤黒い世界とは大違いだ。

何色にも染まらず、純白の世界。

とても美しい……。

そろそろ時間だ。私はこの美しい世界から目を背け、白恋中へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー夜。私はなかなか寝付けないでいた。私は寝袋から抜け出し、静かに外へ出た。

空は、昼間のような澄んだ青空ではなく、星が輝いていた。

……これはこれで美しい。

それに比べて、私は……体がボロボロになり、何も無い。

どうして私は…………。

少し、自分の運命を呪った。

 

「穂乃緒ちゃん」

 

誰かが、儚げな声で私を呼んだ。

まるで、愛おしいとでも言うようなその声に、私は振り返った。

彼が、立っていた。奈良で、私をあのローブの男達から助けてくれたあの人が。

 

「基山……さん……」

「久しぶりだね、穂乃緒ちゃん」

 

にこっと微笑み、私に歩み寄る基山さん。

月明かりが、彼の顔をより幻想的に照らしていた。

 

「? あの……基山さんは、此処の方なのですか?」

「違うよ?」

 

え? では何故此処に?

…………まさか。

 

「ーーーー‼︎」

「おっと、危ない危ない」

 

ストーカー、と言おうとしたら、基山さんに口を手で塞がれた。

ストーカーじゃないのかしら?

 

「じゃあ貴方は一体何が目的……?」

 

おかしい。

私は基山さんと初めて会った時、奈良に住んでいる人だと思った。

でも、北海道にいる。仮に奈良に住んでいて、此処まで来たとしても、北海道まで来るのは簡単ではない。

私が警戒しながら基山さんと対峙していると、基山さんは私の腕を引いた。

 

「⁉︎」

 

基山さんの手が、私の前髪に触れた。

そして、ぱさっと前髪を払われた。

 

「‼︎‼︎」

「……これは」

 

私の赤黒い視線と基山さんの翡翠色の視線が交差する。……見られた。私の目が。

私は基山さんの手を振り払おうと、必死に暴れる。基山さんは、私の腰に手をまわし、顎を引き寄せた。

嫌だ……見られたくない。今までずっと隠してきた、私の目。

顔を逸らそうとするが、基山さんはじっと私の目を覗くように見つめる。そして、ふと基山さんが口を開いた。

 

「…………綺麗だね」

「……へ……………………?」

 

思わぬ言葉に、マヌケな声を出した。

基山さんは、相変わらずうっとりと私の目を眺めていた。

 

「こんな綺麗な赤色……初めて見た。俺の髪と一緒かな? あ、でも……ちょっと穂乃緒ちゃんの方が濃いかな?」

「綺麗……? 何言ってるんですか。私の目は……こんな……」

「?」

 

私の目は、昔からずっと忌み嫌われていた。

何故なのか理由も分からないまま過ごしていた。

でも、この人は、私の目を……綺麗って……。

 

「ねぇ、穂乃緒ちゃん…………」

 

基山さんは、私を見つめたまま、私が耳を疑う程とんでもない事を言い出した。

 

「…………俺と一緒に、エイリア学園に来ない……?」




なんて急展開。
さて、ヒロトと青木が急接近‼︎
次回もお楽しみ下さい。
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