青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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61話 vsイプシロン改3・復活の爆炎

後半開始早々、デザームは再びシュートを放ってきた。財前さんと壁山さんのダブルブロックも虚しく、円堂さんの正義の鉄拳も破れてしまう。このまま得点か、誰もがそう思ったその時。

 

「うおおおおおっ‼︎」

「⁉︎ 綱海さん‼︎」

 

綱海さんがゴールポストとクロスバーを利用して、シュートを腹で受けた。なんとかシュートを防ぎきり、綱海さんはフィールドに倒れ込んだ。私は綱海さんの元に駆け寄り、体を起こさせた。

 

「綱海さん、大丈夫ですか⁉︎」

「ああ……何てことねえよ。みんなで守って……勝とうぜ!」

「……はいっ」

 

力強く頷き、綱海さんを支えて立ち上がらせる。

……しかし、今のままでは状況は危うい。今の円堂さんには、グングニルを防ぐ術がない。それに、雷門には……エースストライカーがいない。今のこの空気を打開するには、どんな状況でも点を決められるエースストライカーが必要なのに……!

 

(豪炎寺さん……)

 

ふと、胸中で彼の名前を呼ぶ。お願い。鬼瓦さん、滝野さん……どうか、間に合って……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、円堂さんはグングニルの強襲に遭い、ゴール前に倒れ伏してしまう。円堂さんの負担を減らそうと、奮闘する私たちのディフェンスも虚しく、デザームに攻め込まれてしまう。

後半、試合の点差は相変わらず開いたまま。みんなの体力がジリジリと削れていく。

 

悔しい……。私では……何もできない。仲間を守れない。救えない。力となり、支えることもできない……! 悔しい……悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい‼︎

 

ザッ‼︎

 

風に髪を靡かせ、私はデザームの前に立ち塞がった。そして、高々と右足を振り上げた。

 

「⁉︎ 何のつもりだ!」

「もう……こんな想いは、したくない‼︎」

 

私は振り上げた足を、思いきりフィールドに叩きつけた。

 

「デッド……スパイクッ‼︎」

 

ダンッ‼︎‼︎

ビキビキビキィ‼︎

 

地面に足がめり込み、そこから触手のようにトゲが伸びて、デザームに襲いかかる。容赦なくデザームを突き刺し、ボールを奪うことに成功した。これで、気を緩めるわけにはいかない。加速して、イプシロン改陣内に攻め込んだ。阻んでくるイプシロン改の選手を抜き去り、さらにアクセルをかける。

 

「どけぇええ‼︎ ソニックアクセルッ‼︎」

 

ズビュウッ‼︎

 

風を孕み、突き進む先に立つ敵を吹き飛ばした。しかし、また別の相手が現れた。

 

「ヘビーベイビー‼︎」

「何⁉︎」

 

ボールが突然重くなり、何度蹴っても動かない。

 

「くそ……くそっ‼︎」

 

ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガッ。

何かに呪われたように、ボールを蹴り続ける。やらなきゃ。その強い使命感だけが、私を突き動かしていた。

 

「この程度で……っやられるかぁあぁああ‼︎」

 

ガッツン‼︎

 

「ああああああああああああああ‼︎」

 

ドッガァン!

 

狂気に駆られた絶叫を上げた。ボールに本気で蹴り込み、無理やり動かした。そして、そのまま、ドリブルで駆け上がる。キーパーと一対一に持ち込んだ。

 

「ハウリングスラッシュ‼︎」

「ワームホール……ぐわっ‼︎」

 

決まった! と思った次の瞬間。

 

ガンッ!

 

シュートはゴールポストを歪ませ、ラインの外へ出てしまった。

 

「はっ、はっ、はっ、はっ……」

 

ガクガクと足を震わせ、髪を振り乱し、赤い目だけは爛々(らんらん)と輝かせた私は、肩を弾ませてうつ伏せに倒れ込んだ。

少し……久々に飛ばし過ぎた。限界を超える力を使うと、いつもこうなる。ドク、ドック、ドックンと不規則な心拍が響く。

すぐ近くにデザームが歩み寄ってきて、私を見下ろしていた。顔を少し上げ、横目にデザームを見上げる。

 

「これほどの力を隠し持っていたとは……なかなかだな。しかし、それがもう一度できないのなら私が動くまでもないな」

「はっ……はっ……」

 

何も言い返せないほど、私の体力は限界だった。手をついて体を起こそうとしても、手に力が入らない。

私では、ダメだった。どうすればいい……? 自問自答を繰り返していると、ふと誰かの気配を感じた。

 

見てみると、フードを被った少年が、フィールドに現れていた。誰……? フードを被っているため、顔が見えない。少年はフードを自ら脱ぐ。その顔を見た時、私たちは驚愕の表情を浮かべた。

 

「なっ……!」

 

彼の名を呼ぶ声が聞こえ、私も少し首を上げて顔を上げ、少年を食い入るように見つめる。

 

「……待たせたな、円堂!」

 

そう。現れたのは、私たちがずっと待ち続けたエースストライカーーーーー豪炎寺さんだった。

 

「いつもお前は遅いんだよ!」

 

そう言った円堂さんは、心から嬉しそうに微笑んだ。

 

「っ……豪炎寺さん……‼︎」

 

震える体を動かし、立ち上がる。しかし、すぐに力が抜け、倒れかける。そこを、豪炎寺さんに抱きとめられた。

 

「後は任せろ、青木」

 

その声を最後に、私は意識を手放した。

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