それではどうぞ。
「……で、貴方は何時まで私の腕に抱きついているのですか」
「ダメ?」
基山さんがずっと私の腕に抱きついて、離れない。さっきは離れてくれたのに……。
私はとにかく腕を振りほどこうとするが、なかなかほどけない。
「暴れたってムダだよ。穂乃緒ちゃんだって女の子なんだから」
「だから何です。私には関係ありません」
「…………」
「?」
突然、基山さんは黙りこくった。
どうしたのだろうかと私が頭を上げると、基山さんは私の腕を離した。
「……君の仲間が帰ってきたみたいだ。じゃ、俺はこれで」
「……? あ、あの……」
「大丈夫、また会えるよ」
基山さんが、私の腰に左手をまわし、抱き寄せた。右手を私の左頬に添え、顔を近づけられる。
何をするつもりだろうか……私はポカンとして見ていると、額に柔らかい感触がした。
基山さんは私から離れ、茂みの中に消えてしまった。私は彼が消えた茂みを見つめていた。
ふと、額に手で触れる。何故か、体が自然と熱くなる。
まさか、まさかとずっと思ってた。
でも、あの景色からして……信じたくなかった。
「え…………まさか……い、今の……キ、キ、キ……」
頬がカァァッと熱くなる。
「あ、青木ー‼︎」
「は、はいっっ⁈」
思わず、変な声が出てしまった。しかも……呼んだ円堂さんに聞かれていた。もちろん、優しく脅して差し上げましたが。
……円堂さんガタガタ震えていたけど。
雷門イレブンが、シカの像の下で集まっていた。
真っ先に、木野さんが私に声をかける。
「青木さん! 大丈夫だった? いきなり飛び出したから、心配したわ」
「えぇ……少し気分が悪くなってしまって。ご迷惑をおかけしました」
「そう、ならいいわ」
瞳子監督が淡々と言い、全員が集まったのを確認し、豪炎寺さんに言った。
「豪炎寺くん。貴方には、チームを離れてもらいます」
この一言に、全員が困惑する。
栗松さんが震える声で尋ねた。
「い、今何て言ったでヤンスか、監督? 離れろとか何とか……」
「どういうことですか?」
「さあ……」
音無さんと木野さんが顔を見合わせる。
円堂さんと風丸さんが抗議する。
「ちょっと待てよ、豪炎寺! どういうことですか、監督? 豪炎寺に出て行けなんて!」
「そうですよ、監督! 豪炎寺は雷門のエースストライカー。豪炎寺がいなきゃ奴らには」
「もしかして、今日の試合でミスったからか?」
土門さんが理由を悟るように聞く。
私は、土門さんのようには思わなかった。
何か、豪炎寺さんは私達に隠している。少なくとも、私にはそう感じた。
「え? そうなんですか? それで豪炎寺に出て行けって?」
「ちゃんと説明してください!」
円堂さんと風丸さんは納得いかない、とさらに監督を問い詰める。
でも監督は顔色一つ変えず、言い放った。
「私の使命は、地上最強のチームを作ること。そのチームに豪炎寺くんは必要ない。それだけです」
「でもそれじゃあ説明に……」
「すまない、円堂。俺はお前達とは戦えない」
「豪炎寺……」
豪炎寺さんはそう言い、去っていった。
私は無意識の内に、豪炎寺さんを追いかけていた。
「豪炎寺さんッ‼︎」
「! 青木……」
少し息が上がった私に、豪炎寺さんが振り向いた。
「本当に……行ってしまわれるのですか?」
「…………」
私の問いに、豪炎寺さんは答えない。
私はぐっと拳を握った。
「答えてください! 私は、貴方の答えを聞くまでここにいます」
「…………」
「っ……‼︎ なら、私は待ちます」
「…………?」
豪炎寺さんは、ハテナマークを浮かべてそうな顔で、私を見た。
構わず私は続ける。
「私は……信じてみたいのです。……もう一度、人を」
「‼︎」
「まだ、完全に、とは信用出来ませんが……。貴方のおかげです。私……初めてでした。信用していないと面と向かって、他人に打ち明けたのは……。だから、私は……貴方を信じて、待ちます。貴方なら……必ず、帰ってくると」
「…………ああ、俺は帰ってくる。きっと……」
豪炎寺さんはそう言って微笑み、夕日の中に消えていった。
……投稿してきた小説の中で初めて書きましたよ、キス。でもデコチューですよ⁉︎ 私個人的にデコチュー好きなんですよねぇ……。可愛くないですか? あ、個人的な意見なのでスルーおkです。
そして、青木さんの心象に変化が……?
これからもどうぞよろしくお願いします‼︎