青き炎、エイリアと戦う   作:支倉貢

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80話 vsザ・ジェネシス1・最終決戦開始

フィールドには、既にザ・ジェネシスが並んで立っていた。その中心には、グランがいる。

 

「……とうとう来たね、円堂くん。穂乃緒ちゃん」

 

私たちを認めたグランの口が、弧を描く。円堂さんは数歩彼に歩み寄り、大声で返した。

 

「ああ! お前たちを倒すためにな!」

「俺はこの戦いで、ジェネシスが最強の戦士であると証明してみせるよ」

 

相変わらず、グランは余裕を崩さない。その態度が少しイラついて、意地悪な言葉を放った。

 

「最強だけを求めたサッカーの、どこが楽しいのですか?」

「!」

 

明らかに、グランの表情が変わった。しかし、彼は私の言葉に反論する。

 

「……それが……父さんの望みなのさ」

「?」

「父さん……?」

 

私は眉を顰め、円堂さんは疑問を持った単語を復唱する。

 

「俺は父さんのために最強になる。……最強にならなければならないんだ」

「誰のためとかなんて、関係ない! ヒロト、お前自身はどうなんだ⁉︎」

「円堂くん。お互いの信じるもののために、全力で戦おう」

 

円堂さんの問いには答えず、ジェネシスはポジションについていった。

私はそれを見て、円堂さんに向き直った。

 

「円堂さん。私たちもポジションにつきましょう」

「……青木」

「私も、彼の真意はわかりません。なら、この後に知ればいいだけです」

「…………ああ、そうだな! よし、みんな! みんなもポジションについてくれ!」

 

円堂さんを促してから、背を向けてポジションにつくグランを見つめる。

あの時見た弱々しい彼は一体何だったのだろうか。私だけに見せた弱みなのか。それとも、あの姿はまやかし……? いや、戦いにそんなことを考える必要はない。余計なことを考えすぎては、命取りになる可能性だってある。……まあ、サッカーでそんなことはありえないが。

エイリア学園最強にして最後のチーム、ザ・ジェネシス。彼らを倒せば全てが丸く収まる。私はそう確信していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷門イレブンもポジションにつき、全ての準備が整った。円堂さんはリベロとしてフィールドに立っている。私も、FWのポジションにつき、豪炎寺さんと並んでいた。

 

ーーピィィィィッ‼︎

 

最終決戦の始まりを告げるホイッスルが鳴り響き、ジェネシスのキックオフで試合が動き出した。

相手はパスワークを利用して、次々と雷門イレブンをすり抜けていく。流石、エイリア学園最強を名乗るだけあって、なかなかこちらの流れに乗らせてくれない。まあ、当たり前か。

相手が遠くからロングシュートを放つが、飛び出してきた円堂さんのメガトンヘッドで止められる。すっかりリベロが板についたようだ。私は少し笑みを浮かべてから、前線へと攻め込んだ。

鬼道さん、一之瀬さんとパスが繋がり、さらに私へとボールがまわった。

 

「……!」

 

必ず、点を取る。決意を込めて足を動かした。

だが、もちろんそこにDFが阻んでくる。私は体勢を低くした。

 

「邪魔をするな」

 

グッと地面を強く蹴り付け、駆け出した。

 

「ソニックアクセル‼︎」

 

進化して更に強くなった必殺技。巻き起こした風でDFを蹴散らし、シュート体勢に入った。

 

「行くぞッ! デモンズファイア‼︎」

 

渾身の力で蹴り飛ばしたボールが青い炎を纏い、GKに向けて飛んでいく。しかし、相手の小さいGKは余裕の表情を浮かべてキーパー技を発動した。

 

「プロキオンネット‼︎」

 

三角形のオーラの中にシュートが吸い込まれ、GKの手中に収まってしまう。

 

「‼︎ くそッ……」

 

悔しさに、奥歯をギリッと強く噛み締める。豪炎寺さんも驚いた様子で相手GKを見た。

ボールは気付けば中盤まで運ばれ、私はバッと振り返る。私よりも淡い青髪を靡かせた少女が、ゴール前にいるグランにパスを送った。

しまった。だが、時既に遅し。

 

「流星ブレード‼︎」

「止めろ、立向居‼︎」

 

円堂さんの激に応えようと、立向居さんは究極奥義を放つ。

 

「ムゲン・ザ・ハンド‼︎」

 

黄色く輝く4本の手が、流星ブレードを食い止めようとがっちりボールを抱える。しかし、その威力はやはり並ではなく、流星ブレードはムゲン・ザ・ハンドを粉砕しゴールネットを揺らした。

先制点は、ジェネシスからだ。

 

「くっ……!」

「……わかっただろう? 最強はどっちなのか」

 

グランは余裕の笑みを浮かべて、ポジションへ戻っていく。そんな彼の姿を苦々しく見つめながら、私は拳を握り締めた。

苦戦は、覚悟していた。恐らく、今まで以上に激しい戦いになるとは。

しかし、グランが私たちに与えた先制点の衝撃は、私たちを揺らすのに充分だった。

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