ハリー・ポッターと薩摩の不死鳥 作:かるかん饅頭
この日、ロンは忘れないだろう。薩摩からやって来た問題児(魔法処放逐)と後に薩摩に染まってしまう事になる親友の出会いだったのだから。
ガタンゴトンガタンゴトンと揺れる汽車。そんな汽車のコンパートメントに座る人物は3人。1人は日本からやって来た島津・ダンブルドア・隼人。そしてそんな隼人と向かい合うように座るのは2人の人物、ロン・ウィーズリーとハリー・ポッターの2人である。
((相席したけど、なんか気まずい……))
ロンとハリーは心の中で囁いた。無理もないだろう、それは全ては目の前で寛ぐ1人の人物のせいであった。なにを隠そう、目の前の薩摩隼人のせいである。
純粋な生まれもっての魔法使いの家に産まれたロンは幼少期の頃から魔法に触れて育ってきた。だから非日常という物に触れ合ってきた。それに対してハリーは幼少期の頃に両親を亡くしてはマグルの叔母夫妻に育てられた。因みにマグルとは一種の差別用語であり、魔法が使えない一般人の事を指すもので主にイギリスで使われている。
だが、目の前の黄色人……薩摩隼人はマグル育ちのハリーは勿論のこと、魔法育ちのロンからしても異常だった。だって日本刀なんて物騒な物を持っているし、腰には鞘に仕舞われているが……杖というよりは刃渡り40センチ程の木刀が提げられている。
「あの……それらって」
「杖ぞ」
「二本とも?」
「杖ぞ。こっちは刀とも呼ぶが」
ガチャリと鯉口を切っては刀身を見せてくる隼人。うん、紛れもなく本物の日本刀だ。なお、腰の鞘に仕舞われた杖も見せてくれたが、何処から見ても刃渡り40センチの木刀であり、握りのグリップ部分も含めれば50センチは超える杖としては大きな物だ。
「これ……本当に杖?」
「仕方ないの……なんじゃ?イギリスの魔法使いは杖は魔法を使うだけの武器なのか?」
ロンの言葉に対してそう告げた隼人は左手で杖……というか木刀を握り、その刃先をハリーに向ける。
「レパーロ」
独特のイントネーションで放たれた修復の呪文 レパロ。その力はハリーの眼鏡に働き、レンズにヒビが入っていてフレームも少し曲がっていた眼鏡は新品同様に修復されたのだ。
「えっ!?凄い!!なにしたの!?」
「ん?おまん、一般家庭育ちか?イギリスは随分と遅いの。日本じゃ6歳から魔法学校に通うぞ?こんなの朝飯前じゃ」
「「6歳!?」」
そう、日本では6歳から魔法学校に通うのだ。日本の魔法学校は魔法処……イギリスではマホウトコロと呼ばれている。ホグワーツ等の欧州の魔法学校は11歳から入学出来るのだが、魔法処はなんと6歳から入学できるのだ。
イギリスでは入学前の段階では主にホームスクリーニング、各自宅で親や兄弟から魔法を教えて貰える。だが、魔法処では僅か6歳から魔法学校に入学して魔法の勉強を行うのだ。
「おう、俺は元々……日本の魔法学校。魔法処に小1の頃から通ってて、小5の時に『来年度からホグワーツに編入しろ』なんて言われての。そんで今年からホグワーツに転校じゃ」
と隼人はロンとハリーに教えた。なんでも隼人は今年の7月まで日本の魔法処に通っていた。だが、隼人は余りにも優秀すぎた&ハチャメチャ過ぎた。ただでさえ魔法処は過酷な環境故かデンジャラス&ヤヴェー人材が多いのに、そんな魔法処を放逐されるとはどんな事をしでかしたのだろうか?
「日本にも魔法学校が有るんだね。うん、僕は両親を亡くしてね……最近まで自分が魔法使いだなんて知らなかったんだ」
「そうか。因みに俺は島津家のぼっけもんと、薩摩とイギリスの交流の末に薩摩に移り住んだダンブルドア家の子供じゃ」
「「ぼっけもん?」」
「魔法使いって意味」
なお、薩摩では魔法使いの事をぼっけもんと呼ぶようだ。恐らくは独特の訛りでのイントネーションなのだろう。
「君も魔法使いの家に産まれたの?僕もなんだ!!」
ロンも魔法使いの出であり、実は由緒正しい所の出身なのだ。
そんな時だった。
「ねえ、此処にヒキガエルが来なかった?ネビルのヒキガエルが居なくなったのよ」
そこに茶髪で可愛らしい少女が現れた。
「カエルは見ておらんぞ。ヒキガエルなら食べても旨いのがな」
「「カエル食べれるの!?」」
「そう。ありがとう。所で貴方達は?私はハーマイオニー・グレンジャー」
彼女はハーマイオニー・グレンジャー。マグル出身の魔女であり、両親は歯科医をしている。11歳になって、初めて魔法という存在を知った子供の1人である。
ホグワーツでは毎年、ハーマイオニーのようにマグル出身でありながら魔法使いとしての素質がある子供達が毎年何人かが入学するのである。マグルから魔法使いが産まれるのは珍しい事ではなく、結構あるのだ。勿論、その逆もしかりであり、魔法使いの一族でありながら魔法が使えない子供も産まれる事がある。
「俺は島津・ダンブルドア・隼人。日本からきたぼっけもんぞ」
「僕はハリー・ポッター」
「僕はロン・ウィーズリー」
挨拶は大事だ。なので、ハーマイオニーの挨拶を返す。
「ハリー・ポッター?それに貴方、ダンブルドアって?」
「おう。アルバスのじじどんは俺の親戚ぞ」
「「「じじどん!?」」」
因みにアルバス・ダンブルドアとはホグワーツの校長である。
そんな時だった。
「うっ!?」
ハーマイオニーが何者から背後から押され、見知らぬ3人組が入ってきた。
「やあ、此処にハリー・ポッターが居るって噂を聞いてね」
とやって来たのはプラチナブロンドでプライドが高そうな少年、そしてその取り巻き2人がやって来た。そのプライドの高そうな少年はドラコ・マルフォイと名乗った。
「やあ、ポッター君。彼等と付き合わない方が良いよ」
そしてマルフォイは序でに教えてくれた。ロンの家系は家族を養うのも大変な程の貧乏で、ハーマイオニーの家はマグルであり「穢れた血」とも。因みに穢れた血はマグルから産まれた魔法使いを示す差別用語である。
「おい、おまん。差別主義か?」
「差別?イエローモンキーもホグワーツに通うのかい?とんだ時代だね」
その時だった。ゆっくりと、隼人は立ち上がる。そして……
「チェストォォオオオ!!」
「ぐぅぺぇぇぇぇえーーーー!!」
マルフォイの顔面に渾身の右ストレートを叩き込んだ。右ストレートを受けたマルフォイは物凄い勢いでコンパートメントの外に吹き飛び、鼻から沢山の鼻血を吹き出しながら倒れてしまった。
「「ドラコ!?」」
「チェストォォオオオ!!」
「「ひでぶ!!」」
取り巻き2人もチェストの犠牲と成ったのだ。
「首を取る価値さえもないの」
鼻血を出して倒れた3人の人物から視線を反らし、何事もなく座った隼人。そう、この3人は首を取る価値さえも無いのだ。むしろ、とっても自慢にすらならない。ならこのまま無様を晒した方が良いだろう。
『まもなくホグワーツに到着します。まもなくホグワーツに到着します』
そして物語はホグワーツに進む。
次回は寮の組分け。
グリフィンドールに問題児が入り、薩摩伝説が幕を開ける。
夏休みアンケート(ギャグ)
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ハリーが逝く薩摩アイランド
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ご当地魔法使い集合!!
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