ハリー・ポッターと薩摩の不死鳥 作:かるかん饅頭
「インセンディィオオオオ!!」
薩摩隼人が左手に握る日本刀の刀身が莫大な熱エネルギーを帯びる。
薩摩隼人や鎌倉武士、全ての始まりとも言える始まりの戦闘民族 平安武士等々の日本の武闘派魔法使いが持つ日本刀や薙刀等々の武器は特別な金属で造られた逸品だ。日本でしか手にする事が出来ない特別な魔法金属……オリハルコンの亜種でもあるヒヒイロガネを使うことによって杖と同じく魔法を使うことが出来るのだ。
インセンディオのエネルギーを帯びて灼熱の刃と化した刀が右腕を根本から切断されたトロールの腹部に深く突き刺さる。そして、刀身から莫大な熱量がトロールの肉体に注がれ……十分に注がれた所で薩摩隼人は日本刀をトロールから抜いて後ろに跳躍して距離を取る。そして、日本刀を鞘にしまうと……トロールは盛大に爆発して消し飛んだ。
「いや……嘘でしょ!?どんな使い方なの!?」
魔法省とロンは思った。普通にインセンディオを使ってほしいと。
クィレルという先生が居る。彼はホグワーツで現在、闇の魔術に対する防衛術を教えている。
防衛術を教える教授は毎年変わっており、去年はルーピン先生、その前はスネイプ先生、その前はホグワーツ外から招いた教師と一年ごとに変わる仕組みと成っている。何故なら防衛術の科目はヴぉるぜもんより呪いが掛けられており、1年で交代しなければ成らないのだ。では1年置きでローテを回せば?と思うかも知れないが、何が起こるのか分からないので最低でも2年の空きを開けてから経験者が入るという仕組みだ。なので、最低でもルーピン先生は来年は出来ないのである。
「しかし……本当にトロールを放つのですか!?」
『当然だ。あの子供が強くなる前に殺す必要がある、ハリー・ポッターより優先だ!!ジャパニーズピーポーは怖いんだよ!!』
だが、そのクィレル先生は善良な先生とは言えなくなっていた。にんにく臭いわ、怪しげなターバンを巻いてるわ、独り言が最近多いわと怪しい点が満点だ。それもその筈、クィレル先生の後頭部にはヴぉるぜもんが取りついているのだから。なお、クィレル先生はヴぉるぜもんに寄生されているという所を無しにしても、ヴぉるぜもんに心酔しており完全にデスイーターである。
「ばっバレたら……どうしよう!!私ではスネイプとルーピンに勝てませんよ!!」
『バレなければ良いのだ』
そしてクィレル先生はトロールを解き放った。なお、一度薩摩化したスネイプ先生とルーピン先生の戦闘力を5000とすると、クィレル先生の戦闘力は5である。つまり、瞬殺される。
「ばっバレたら……」
バレたら勿論、ひえもんとりである。先ず、助かることは無いだろう。
「なによ!!」
「だから、お前は友達が居ないんだろ!!僕達に着いてきて!!」
そんな事は知らず、呪文学の授業終り。隼人、ハリーは目の前で口喧嘩するロンとハーマイオニーを見る。
先程は呪文学の授業であり、急遽呪文の先生に成ったルーピン先生の楽しくて分かりやすい授業が行われていた。今日は魔法を改めて実技と簡単な座学で教わる物であり、ルーピン先生が物を浮かべる呪文 ウィンガーディアム・レヴィオーサを見せてくれた。
発音が難しい呪文であり、しっかりと発音しないと上手く発動しない時がある。
「ヴィンガーディアム・レヴィィオザー!!」
「なんでそれで発動するの!?僕、普通にやって出来ないのに!!」
なお、隼人は独特のイントネーションだが出来る。
だが、その発音の事でロンはハーマイオニーの指摘が気にいらなかったのか、口喧嘩に発展してしまったのだ。
「貴方のはレビオサーっだって!!」
ロンがハーマイオニーに向かって声真似をしたり、やれ友達がいないだを言ってバカにする。ここまで来ればちょっとした虐めに成りかねない。事実、ハーマイオニーは泣いてしまっている。
「ロン、そこまでだよ……」
ハリーがロンを停めようとする。
「だってさ、ハリー!!」
だが、ヒートアップしたロンは停まらない。だが、ハリーがロンを停めようとした訳はロンの為でもあるのだ。
「チェストォオオオオ!!」
「ひでぶ!!」
ロンに拳骨が降り注ぐ。余りの痛みにロンは頭部を抑えてしまう。何故なら、ロンの頭頂部に拳骨を落としたのは隼人であった。
「おまん……おなごを泣かすな。おまんは何時からそんなつまらん男に成りよった?」
変な言い訳をすれば2発目のチェストが飛んでかねない。これは不味いと思ったのか、ロンはなんとか弁明をしようとするが……時既に遅い。
「チェスト!!」
「うんぎゃ!?」
2発目の拳骨がロンに降り注ぐ。
「おまん。ハーマイオニーは俺の友人ぞ」
「ロン。弁護出来ないよ」
ロン、完全論破。気が付けばハリー、ロン、ハーマイオニー、そして隼人以外の生徒は居なくなってしまった。どうやら授業が終ったので、サークル活動だったり寮に帰ったりしたようだ。
その時だった。ズシン、ズシン、ズシンと何かがゆっくりと此方に向かってくる。それは……
「おまんら!!此処からのけ!!」
巨大な棍棒を右腕に持つ巨大な怪物トロールであった。トロールは隼人達を見付けると、その巨体を用いて走り出した。勿論、隼人達を殺すために。
「えっ!?」
隼人はハーマイオニーを担ぎ、後ろに飛び下がる。ロンとハリーも身の危険を感じて走って隼人とハーマイオニーの所に下がる。
「急いで先生を呼ばなきゃ!!」
「でも、先生でも勝てるか分からないわ!!」
ハリーは急いで先生を呼ばねばならないと主張し、ハーマイオニーは先生でも勝てないかもしれないと告げる。確かにどちらの主張も正しい。
トロールは怪物であり、並の魔法使いでは勝てないかもしれない。何故ならトロールは危険度が高く、大人の魔法使いさえも返り討ちにするのだ。
「おまんら下がってろ。俺があやつをチェスト関ヶ原」
隼人はそう告げ、ハーマイオニーを降ろした。一歩前に踏み出し、刀を抜刀する。抜刀し、両手で構えて身体を右に力一杯捻る。身体を捻ることにより、力を解放した瞬間に莫大な遠心力と膂力で相手を一撃で屠りさるのだ。
因みにチェスト関ヶ原とは島津家に伝わる隠語で、ぶっ殺すという意味である。
「隼人!?」
「ぐぉおおお!!」
示現流の初太刀は正に必殺。トロールが振り下ろした棍棒は力を解放した隼人の一撃で……トロールの右腕ごと切断!!更に返しの刃、裏太刀蜻蛉により腹部に深く斬撃を付けられてトロールは苦痛の叫びをあげる。
「ぐぅおおおお!?」
「タフぞ。なかなかの首と見た。よいごわす……おまんに敬意を払い、魔法を使おう」
初太刀は終わった、裏太刀蜻蛉も終わった。ならば此処からはタイ捨流と魔法を組み合わせた実戦剣術の出番だ。
「インセンディィオオオオ!!」
インセンディオ。それは炎の呪文であり、本来は炎を杖から放出して相手を焼き尽くす呪文だ。だが、薩摩のインセンディオは一味違う。
薩摩隼人や鎌倉武士等が持つ刀や薙刀等の武具はもう1つの杖とも言える。日本でしか取れない希少な魔法金属 ヒヒイロガネで打たれた武具は杖と同じく魔法を使うことが出来る。薩摩のインセンディオは刀身にインセンディオのエネルギーを纏わせ……
「ぐぉおおお!?」
相手の身体に杖or刀をぶっ刺して0距離でインセンディオを流し込み……
エネルギーを流し終えた隼人は刀を抜き取り、トロールから下がり刀を鞘にしまう。次の瞬間、トロールの身体は爆発して消し飛んだ。
これぞ、薩摩の大地が産んだ実戦剣術と魔法を組み合わせた力である!!
「クィレル先生。まちたまえ」
「我々が何も知らないと思ったか?大陸狼の嗅覚は哺乳類トップクラスなのだよ」
「ひっ!?」
『ジャパニーズピーポーこぇぇぇええ!!アイェェェェエエエ!!トロール殺すなんてアイェェェェエエエ!!』
そしてクィレル先生。スネイプ先生とルーピン先生に捕まり、後日……ひえもんとり決行である。
「チェストォオオオオ!!チェスト!!」
「「チェスト!!チェスト!!」」
翌朝。鍛練場には木刀を振るうハリーとハーマイオニーの姿が増えていた。
次回!!ハリー、ハーマイオニー。薩摩化への第一歩を踏み出し、隼人はクィディッチを知る?
オリバー「君はどこのファンだね?」
隼人「薩摩フェニックスぞ。後は豊橋天狗」
なお、豊橋天狗はハリポタ世界に実在してます。
そして……オリバー。最強のゴールキーパーへの道が始まる。
夏休みアンケート(ギャグ)
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ハリーが逝く薩摩アイランド
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ハーマイオニーが逝く薩摩アイランド
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ご当地魔法使い集合!!
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ハリー&ハーマイオニー、薩摩へ