ハリー・ポッターと薩摩の不死鳥   作:かるかん饅頭

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ハリー、クィディッチを知る。


薩摩隼人とクィディッチ

『ミスター……えーと、島津とダンブルドア。どちらで呼べば?』

『どっちでもよか。どちらも両親から受け継いだ立派でよか名』

『分かりました。ミスター島津・ダンブルドア。トロールに無断で立ち向かった事と、攻撃呪文インセンディオで廊下を破壊した事でグリフィンドールに-30点です。ですが……』

 

これは薩摩隼人とトロールが激突し、トロールが薩摩式インセンディオを受けて爆発した後の事だ。薩摩式インセンディオの爆発でトロールは跡形もなく消し飛び、残ったのは初太刀で切断した右腕と棍棒だけが残されており、後は僅かな骨さえも残されていない。しかし、当然……爆発したので廊下もぶっ壊れており、騒ぎを聞き付けたマクゴナガル先生によって隼人は-30点の減点を受けてしまう。

 

『貴方は友を守るために勇敢にも犠牲を省みず、トロールを単独で引き受けて撃破しました。ありがとう。もし、貴方が直ぐに対処してなかったらどれ程の被害が出ていたことか。よって、グリフィンドールに80点です』

 

薩摩隼人。授業初日で大減点と大幅加点の2つを経験する。現在、グリフィンドールの点数は50+αだ。

なお、ホグワーツでは寮ごとに点数を競いあっており、授業で頑張って回答したり貢献したりすると点数が貰える。勿論、その逆もしかりだ。この点数を競いあい、夏休み(マホウトコロで言う春休み)前の終業式に点数発表を行い優勝した寮は表彰されるのだ。だが、点数を与えるのは先生の気紛れであり……並行世界のスネイプ先生(史実)は薩摩隼人に救われなくスリザリンのままだった為にスリザリン贔屓だったとか。

 

 

 

「て、大変だったね」

 

夕飯後。談話室で寛ぐ隼人、ハリー、ハーマイオニー、そして頭に大きなたん瘤を作ったロンが寛いでいた。いや、それだけではない周囲には彼等の同期であるネビル、シェーマス、ラベンダー、パーバティ、ディーンも一緒だ。噂が広まるのは早いもので、隼人がトロールを秒殺したのは瞬く間に校内に広まっていた。

 

「刃毀れなし。しかし、念のためじゃ。レパーロ」

 

刀が魔法金属 ヒヒイロガネで造られたとは言っても、消耗品。なので使った日の終りにはレパロをかけて刀を最適な状態に戻す。これぞ、日ノ本の武士でありぼっけもんの常識だ。

 

刀が最適な状態に戻った事を確認して、隼人は刀を鞘に納める。なお、今は授業中でも食事中でもないので刀は鞘ごと手に抱えている。

 

「そういや、皆はクィディッチの何処のファン?」

 

たん瘤を作ってしまったロンがそう告げる。少し前までの話題は隼人に関することばかりだったので、少しでも話をそらしたい為に魔法界では有名なスポーツであるクィディッチの話題を振ったのだ。

しかし、クィディッチは魔法界……特に欧州やアメリカ、例外として日本ぐらいでしか行われておらずメジャーなスポーツであるが馴染みがないのかマグル育ちのハリー、ハーマイオニー、ディーンは首を傾げている。

 

「クィディッチ?」

「なにそれ?」

「聞いたことは無いわ」

 

だが、クィディッチはイギリスで言えばのマグルには完全に秘匿しており、マグル育ちのハリーとハーマイオニーにディーンは知らないのだ。

 

「えぇぇー!!嘘でしょ!!」

「クィディッチだよ!?なんで知らないの!?」

「信じられない!?本当に!?」

「世界的に有名でワールドカップもあるんだよ!?」

 

とは言え、それとは反対的にクィディッチは魔法使いにとっては最高なスポーツだ。ワールドカップも開催されており、それは絨毯で基本的に飛ぶ中東やアジア圏の魔法使いも同様であり、世界各国で多くのチームが凌ぎを削っている。因みに前回のワールドカップの覇者は日本が誇るSAMURAIの皆様が率いる豊橋天狗である。本拠地は勿論、愛知県豊橋市だ。

 

「……しかし、おまんら。サッカーや野球を知っとるか?」

「「「「サッカー?」」」」

 

だが、対照的にイギリスの魔法使いはマグルの皆様が好んで行うサッカーや野球等のスポーツを行わない。これは差別主義ではなくとも、魔法使いとマグルは住む世界が違うというイギリスの考え方なのかも知れない。事実、イギリスの魔法使いとマグルでは通貨も異なるのだから。

 

「イギリスではスポーツも分けるのか。日本では魔法使いはクィディッチは勿論だが、サッカーも野球もやるぞ」

 

しかし日本では隼人の言う通り、魔法使いはクィディッチを行う。だが、イギリスと違って魔法使いもサッカーや野球を楽しむし……なんなら魔法使いとは素性は明かさないが共に競いあったり剣術で腕を競いあったりするのだ。

 

「日本は凄いんだな……そうだ。隼人はさ、何処のファンなの?」

 

と言ったのはネビルである。

 

「鹿児島フェニックスぞ。地元だしの」

「「「えっ……そこって無様な試合を見せたら切腹する所じゃん」」」

 

鹿児島フェニックス。そこは薩摩の魔法使いの皆様が暮らしている島……イギリスからは薩摩アイランドと呼ばれている場所だ。正式名所は西薩摩島であり、鹿児島本土から西にそれた所にある魔境。そんな魔境に本拠地を構えるクィディッチのチームであり、豊橋天狗のライバルである。

因みに鹿児島フェニックスのメンバーは無様な試合を見せたら「おいは恥ずかしか!!生きておられんご!!」と叫んで短刀で切腹しては病院に搬送され、次の復帰戦は圧勝する。

 

なお、薩摩アイランドこと西薩摩島に関しては夏休みに明らかに成るだろう。早かったらクリスマスかも知れないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。朝五時。鍛練場。

 

「キェェエエエイ!!」

「「キェェーイ!」」

 

毎朝恒例、グリフィンドールの寮に猿叫びの声と打撃音が響く。だが、今回からはハリーとハーマイオニーが参戦しては共に稽古を行っていた。

 

「そこのおまん。見てないではいってき」

 

ふと、隼人が手を止めて入口を見る。そこにはマクゴナガル先生と1人の生徒が立っていた。

 

「マクゴナガル先生。彼が?」

「そうですオリバー。手段は選んでいられません……ジェームズ、シリウス、セブルス、リーマス、そして豊久が在籍していた黄金時代のクィディッチチームを越え、優勝するためには彼の力が必要不可欠なのです」

 

マクゴナガル先生と話すのはオリバー・ウッド。グリフィンドールのクィディッチチーム主将であり、ゴールキーパーだ。つまり、守護神である。

 

「やあ、俺はオリバー・ウッド。グリフィンドールのクィディッチチームのキャプテンだ。俺も練習に参加して良いかな?」

 

守護神オリバー・ウッド、覚醒の第一歩であった。

 

 

 

 

 

10年後……

 

「キェェエエエイ!!チェスト!!」

 

薩摩に染まり、鹿児島フェニックスの守護神として君臨するオリバーの姿がそこに有ったのだった。




次回!!裁判が終わったクィレル先生のひえもんとり

スネイプ先生「キェェエエエイ!!」←学生時代に薩摩化
ルーピン先生「キェェエエエイ!!」←同じく薩摩化
隼人「ひえもん!!とりもしたぞ!!」←生粋の薩摩
日本生まれの闇払い「「「首をとれぇぇえ!!内臓を抉れ!!」」」←薩摩&鎌倉等々。

クィレル先生……逝く!!

夏休みアンケート(ギャグ)

  • ハリーが逝く薩摩アイランド
  • ハーマイオニーが逝く薩摩アイランド
  • ご当地魔法使い集合!!
  • ハリー&ハーマイオニー、薩摩へ

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