夢幻都市オルバースと具現せし住人たち   作:ミカりん

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お久しぶりです。
作者の中では比較的早めの復活でした。
スマホからだと時間かかるから早くパソコンほすぃ……

一部タグ編集しました。


1章 闇に蠢く悪夢
新たな夢の街と悪夢の存在


『ヒヒヒッ、ドレミーいるか?』

「どうしたのさナイトメア。」

 

 あれから数ヶ月が経過しました。

 夢の世界では、ナイトメアが自信たっぷりにドレミーに語りかけてきます。

 

 

『遂にオレ様の夢幻王国が完成したんだよ!』

「へぇ、遂に出来たんだ。確か名前は……」

『八雲紫が付けた奴だろ?ちゃんとオルバースシティって街になったよ。あとは砂漠や洞窟などダンジョンもあるんだぜぇ?』

 

 夢の世界にあるナイトメアの夢幻王国。

 力が足りずダンジョンもかつての夢幻ダンジョン……入る度に中身が変わるローグライクダンジョンにすることは叶いませんでしたが、とても大きな街……ポポロクロイス王国全土が1つの街になったかのような広大な面積の街が遂に完成したのです。

 また、当然のように街だけではなくダンジョン……砂漠や洞窟、古城に遺跡と冒険も楽しめるようなことになっていました。

 

「なるほどねぇ……ナイトメア、行くよ。」

『は?何すんの?』

「あんたの作った世界、案内させてもらうからね!これは博麗の巫女の道具の1つで、コイツを通じて八雲紫にも見えるからイタズラしないでよ?」

『するか!まったく……俺の相方なんだから少しは信用しろよ』

「あんたの過去の所業がある限り無理。……まぁ、私は、あんたのこと嫌いじゃないから過去を繰り返さなきゃずっと味方だけどね。」

『いちいちうるさいなぁ……まぁいいよ、驚くなよ?』

 

 そう言ってナイトメアは街がある世界へドレミーを連れていきました。

 八雲紫との盟約により、2人は街の住人たちには姿が見えない妖精のような存在として降り立っています。

 そしてまずは西側にある街の港へと降り立ちました。

 

 

 

「わ、すごい……本当に街みたい。」

『ヒヒヒッ、お前たちが言う外の世界がモチーフだから仕方ねぇよ。』

「なるほどね……具現化された夢の街。まさに夢の世界ね……」

 

 得意気に語るナイトメアと感心したように辺りを見渡すドレミー・スイート。

 港では釣り人のおじさんがサカナを釣っていたり漁師が船の整備をしていたり。

 そして見慣れない赤身に黄色い背ビレの大きなサカナが釣り人の後ろでビチビチと跳ねている姿まで見えています。

 街の賑やかな音も、港まで聞こえてきているようで栄えた街というイメージがそこに存在しています。 

 

『まだまだこんなもんじゃねぇよ。さぁてこっからは商店街や住宅地だ。人様の家には興味がねぇから住宅地には行かねぇけどな!』

 

 そこまで話せば港から商店街に移動する2人。

 街の喧騒を潜り抜けながら街を東へと歩いていきます。

 そうしてやってきたのはダウンタウン。

 ダウンタウンは露店を中心とした商業地区であり、カジノや闘技場といった娯楽施設が住人たちを賑わせています。

 

「ナイトメア、カジノって何?」

『なんだぁ、知らないのかい?教えてやるから入ろうぜ、見えなくても客のプレイは見れるからさぁ』

「仕方ないなぁ……行こ、ナイトメア」

 

 そうして2人はカジノへと入りました。

 カジノの入り口にはスロット台がたくさんあり、奥には換金カウンターやコインを預けるカウンター、ポーカー台などがあります。

 

「すっごい騒がしいね……」

『これがカジノさ、娯楽施設は幻想郷にはあまりないだろ?大人の遊び場ってヤツだよ。ポーカーなんかはトランプ1つで遊べるから今度やろうぜ!』

「もう、しょうがないなぁ……1回だけだよ?」

 

 外の世界では普遍的なトランプも幻想郷では珍しいオモチャ。

 ドレミーも、ポーカーに関しては興味津々のようです。

 

 

 

 

「フルハウス!どうだ!」

「腐☆腐、私は4カードでございます。俺の勝ちというわけだぁ!ふわぁ〜はっはっはっはっは!」

「くっそぉ〜!今のはイカサマじゃねぇか?」

「そのようなことがあろうはずがございません、ディーラーも公平にしておりました。」

 

 おやおや、ちょうどポーカーの決着がついたようです。

 しかし、自信のあった役が覆されイチャモンをつけているようです。

 

「今のはイカサマじゃない、ルセアに誓って断言してやる。」「うるせぇ!イカサマなんだから金は出さねぇし返してもらうからなぁ?」

 

 おや?対戦相手である黒髪の青年の様子が……?

 

「お、おぉう、止めろお客様、それ以上気を高めるなぁ!」

「パラガス、下がってろ!こいつは俺がやる。」

「食い尽くせ、喰虚(グロトネリア)!!」

 

 黒髪の青年は、下半身が怪物に変身していき、巨大で異質な姿へと変貌してしまいました。

 パラガスを庇うように立ち向かうのは、ディーラーの青年でした。

 ディーラーの青年は、上着を放り投げ『リガルブレイド』という剣を構え青年へと向き合います。

 

「パラガス!長くは保つかわからん。客を避難させつつあのチビと最近居着いた用心棒、そして俺のバシリコスを持ってくるんだ。」

「う、うむ……では、避難する準備だぁ!」

 

 元締めと思しき筋肉質なヒゲの男はそういうと急いで客の避難誘導を始めました。

 

 

 

 

「ナイトメア!なんかヤバくないかい!?」

『ウゲゲゲ、こりゃあ『悪夢』に違いねぇ……』

「悪夢だって!?」

 

 ナイトメアとドレミーは、その性質から攻撃が当たることも当てることも出来ないため、冷静に分析をしていました。

 

『オレ様は夢魔、つまり元々は悪夢に通じるんだ。だからこそ悪夢を完全には0に出来ない。今はオレ様の力もかなり制限されている上にドレミーの力で悪夢の量はかなーり減らせている。けど、あくまでも減らすだけなんだ。』

 

 ナイトメアは完全に0には出来ないと説明しつつ、非を侘びています。

 

『だからこそオレ様は考えた。悪夢を無くせないから悪夢を喰うことを考えた。そして、悪夢に該当する悪人……今暴れているアイツは欲望の悪夢だな。ソイツを喰らうために『光の住人』を作っている。』

「光の住人?」

 

 ドレミーは新しいワードの数々に思わず首を傾げてしまいます。

 

『悪夢をオレ様が処理するには同じこの夢幻王国の住人が倒す必要がある。憎きパウロ・パカプカの息子ピエトロ王子と同じ光の意志を継いだ住人が、この世界にはたくさん存在しているのさ。そうだな……オレ様とドレミーなら見えるはずだぜ、あのディーラーから出てる光の意志を。』

 

 そう言って戦っているディーラーを指差すナイトメア。

 戦っている怪物に苦戦しながらも立ち上がる彼はやがて光のオーラを出すようになりました。

 そして、オーラは他の、例えば怪物たちには見えていません。

 

 

「ルセアが世話になったこのカジノは壊させるわけにはいかん。迷惑客は帰ってもらうぞ。」

「うるせぇガキが、俺様を甘く見るなよ?」

 

 段々と本性を顕にしていく怪物。

 何故か凄腕のディーラーは、素早い動きで攻撃をかわしては高く飛び上がり、真一文字に剣を振り下ろしました。

 

「太陽!」

「な、光が!」

 

 ディーラーが剣を振り下ろした瞬間、剣が光り輝き同時に青年の顔を切り裂きました。

 宙返りで退却し出方を伺うディーラー。

 青年は苦しそうに身悶えしながら後退りしていきます。

 

「探しましたぞレイヴァン殿。バシリコスです、何なりとお使いください」

「やっと来たか、ルセアは?」

「避難誘導を手伝ってくれております。人員も集めたので程なく来るというわけだぁ!」

 

 ここで元締めのヒゲオヤジ……パラガスがディーラーの青年レイヴァンに一振りの斧を持って現れました。

 

「いいタイミングだ、だが気を付けろ。あの客何かがおかしい。モルフに似た雰囲気を感じるが……?」

 

 バシリコスを受け取るレイヴァン。

 そして青年が本性を顕にして名乗りを上げました。

 

「ヨクモヤッテクレタナ……オレはアーロニーロ・アルルエリ、貴様ヲ殺シテソノ姿モモラッテヤル!」

「目的すら見失ったか、哀れだな……パラガス、お前は無理するな。拳で勝てる奴じゃない。」

「う、うむ……しかしあのような客は初めてだ。このままでは、せっかく作り上げた俺のカジノで夢の生活計画も、何もかもおしまいだぁ……」

 

 パラガスが冷や汗をかいて後退りしつつ、レイヴァンはリガルブレイドを腰に差しバシリコスを構えます。

 

 

 

 

「ナイトメア、ほんとにアイツラだけで『悪夢』を倒せるの?……ナイトメア?」

『黙ってみてるんだドレミー、それに光の意志デュオンに導かれし戦士はアイツだけじゃない……ドレミー、そして幻想郷の住人たちが平和を願う気持ちがデュオンの力となりこの世界にはたくさんの光の意志が宿っている。……負けはしない。』

 

 ナイトメアはキャラが変わり見た目も変化していっています。

 そして、夢幻魔王イドへと変身を遂げました。

 

『この姿になるのも久しぶりだがやはり力の維持は無理だな……ドレミーよ、悪夢を食べたら私は再び力を失いナイトメアの姿になる、安心するがよい。』

「こ、これが……夢幻魔王イド……わかった、ナイトメアを信じるからね!」

 

 悪夢を食べるナイトメア……いや、夢幻魔王イド。

 力を失いし魔王は、その力を打算込みではありますが初めて正義のために使おうとしているのです。

 そして、戦いの場では……

 

 

 

 

「モウ頭ハヤラセネェ、2度同ジ手ガ通用スルト思ウナ!」

「Door!」

「パラガス!」

 

 喰虚(グロトネリア)を開放し、暴れ回るアーロニーロ。

 暴れた反動でポーカー台が吹き飛ばされパラガスに激突してしまいました。

 レイヴァンも近付けなければ攻撃が出来ず、戦いは長引くものと思われました。

 しかし……

 

「サンダーブレード!」

「ディヴァイン!」

 

 光がアーロニーロの肉体を焦がし、そこに雷で出来た剣のような稲妻が突き刺さりアーロニーロの顔が苦悶に満ちた表情になりました。

 

「おぉ、待ちかねたぞ。」

「アイツが話にあったヤツ?ふーん……弱そうじゃん。」

「レイモンド様、お怪我はありませんか?」

「ルセア!お前も来たのか。あれ程俺は大丈夫だと……」

 

 パラガスが緑髪の少年を気にかけ、緑髪の少年は不機嫌そうに挑発をします。

 また、ルセアと呼ばれた修道士の青年……見た目は修道女ですが、彼はレイヴァンを気にかけそれに強がりでレイヴァンは応えます。

 

『グゴゲー……!貴様ラマダ仲間ガイタカ!』

「俺がかつていたリキア諸侯は絆の力を大切にする気風があってな……復讐を止めた今ならエリウッドたちの気持ちがわかる。」

『キズナ……?フザケルナ、ソンナクダラヌモノ二オレハ負ケン!』

 

 アーロニーロはそのまま志波海燕の斬魄刀、捩花を触ろうと具現化させていきます。

 

「はっはっはっはっは〜!いいぞぉ!今の俺たちを止められるものは誰もおらん!我らカジノ『サイヤンベリー』の力で、迷惑客をこの世から消し去ってしまえ〜!」

「ふん、光が弱そうならこのまま譜術で攻めてやるよ。」

 

 笑うパラガスに皮肉の少年。

 少年は再び詠唱に入ります。

 

「レイモンド様、今一度隙を。私とシンクの魔法でとどめを刺します。」

「わかった、任せておけ。いざとなったらパラガスを盾にしろ。」

「ゑゑゑ!?」

 

 しれっとパラガスをぞんざいに扱いながらレイヴァンはバシリコスを構えアーロニーロに斬りかかります。

 守りを捨てた攻めの姿勢……『死戦』の構えで突撃しながらアーロニーロの攻撃をかわしていきます。

 

「消えろ、天、空!!」

「グガガァァ!!」

 

 刹那、レイヴァンが斧を真上へと投げ飛ばし、自分も飛び上がりました。

 そのまま斧をキャッチしたレイヴァンは素早く兜割りのようにバシリコスを振り下ろし、更に素早く斬り上げると共にバック転をして距離を取りました。

 そこに……

 

「決めるよ、サンダーブレード!」

「行きます、アルジローレ!」

 

 シンクの譜術、サンダーブレードとルセアの光魔法、アルジローレの2つがアーロニーロの頭に炸裂しました。

 サンダーブレードの電圧はもちろん、光の渦がアーロニーロを包み光熱で焼き尽くされた彼は断末魔の叫びを挙げることなく身体が溶けていきました。

 

 

 

 

『今だな、欲望の悪夢……喰らわせてもらおう!』

 

 夢幻魔王イドは、その力を開放して丸焼きになったアーロニーロから出てきた『夢の煙』を吸い上げていきます。

 夢の煙はやがて宝玉……オーブとなり、オーブはイドの肉体へと入っていきます。

 

「……終わったの?」

『あぁ、終わった……ナイトメアの姿へと戻る、やはり肉体は保てないらしい。』

 

 それだけ言い残した夢幻魔王イドは、ナイトメアの姿へと戻っていきました。

 ナイトメアは少し元気になったようでしたが、以前までと変わらない様子であり、元気にドレミーの近くでヘラヘラ笑っています。

 

『さて、たまたま欲望の悪夢は処理出来たがまだまだこの世界が真の楽園になるには悪夢がまだまだあるらしいねぇ……ドレミー、平和を作って八雲紫をビビらせてやろうじゃないか!』

「しょうがないなぁ……あんなのが私の世界にいたら嫌だから付き合うよ。」

 

 カジノの事件をたまたま目の当たりにしたことでこれからやるべきことが出来たナイトメアとドレミー。

 2人の誰にも知られることがない旅は、今始まったのです。

 2人は、これからどのような戦いを見て、悪夢と向き合うのか。

 それはまた、次からのお話でお話しましょう。

 

 

 

 

「……消えたか。」

「レイモンド様、あれは……」

「知らん、だが……モルフたちとは違う印象があった。あとレイヴァンと呼べ。エレブ大陸とは違えどその名前はもう使うつもりはない。」

「レイヴァン様……」

 

 アーロニーロが消えたあと、4人は後片付けもせずに何故いきなり消えたかを考えていました。

 ルセアのアルジローレとシンクのサンダーブレードで蒸発したアーロニーロだったがナイトメアが悪夢を吸い取ったことで悪夢による具現化をしていた彼は死体すら残らず消滅したのでした。

 

「パラガス、客は?」

「全員無事でございます。だが……しばらくカジノは休みというわけだぁ!」

「当たり前だよね、ヤツが暴れたから店中ボロボロだしテーブルも破損だらけ。血に濡れたトランプとか使いたくないしね。」

 

 シンクも店の惨状に呆れ果てながら頭から血を出すパラガスをからかいます。

 パラガスの怪我ですが、これは吹き飛ばされた際に頭を打って出血していたものでした。

 

「……ならばしばらく暇になるな。俺はここを一度離れる、店が再開したらまた用心棒をしてやる。」

「レイヴァン様!」

 

 レイヴァンもまた、店が休みになるならと旅に出ることを決意したようでした。

 

「ルセア、お前はここに残れ。」

「そんな!1人では流石に……」

「お前がいれば必ず店に帰るだろう、だからお前はここでパラガスたちを手伝え。俺は1人で充分だ。」

 

 そう言ってレイヴァンはバシリコスを背中に差し、リガルブレイドを腰に差してパラガスに挨拶しに行きました。

 

「世話になったな、パラガス。店が回復したらルセアを通じて俺に知らせろ。……必ず戻る。」

「あぁ、そうか……気を付けるんだぞ。」

 

 こうしてパラガスに挨拶をしたレイヴァンは、壁に空いた穴からそのディーラー服のまま姿を消したのでした。

 カジノはしばらく休業、パラガス店長はルセアやシンクと一緒にその復興作業に。

 そして旅立ったレイヴァンのお話は、別の機会にお話しましょう……




・物語の舞台
ナイトメアの夢幻王国。
ポポローグの世界に近いが『夢幻ダンジョン』『トンクウなどのローグ世界の街』は存在しません。
代わりにオリジナル世界の『オルバースシティ』を含めた普通の世界に仕上がっています。
また、ナイトメアは八雲紫との盟約に基づき街の住人には彼の姿は一切見えず触れず、更に一部を除き干渉自体は不可。
悪夢を吸収したのはその例外に該当しています。

・カジノ『サイヤンベリー』
名前の由来はドラクエ5のオラクルベリー+サイヤ人(どちらも鳥山明が関わってるという繋がりから。)
ドラゴンボールZのパラガスが店長を努め、ファイアーエムブレム烈火の剣のレイヴァンとテイルズオブジアビスのシンクがディーラーを努めています。
また、ルセアはお手伝いということで雑務を引き受けています。
カジノではありますがダウンタウンの商工会議所に属しており健全な運営を心掛けています。
ちなみにパラガスは新ブロではなく旧ブロ……というか、ブロリーMADのパラガスです。
そしてパワーバランスの関係でブロリーは出ません。出しません。存在すらさせません。ブロリー好きの方ごめんなさい。

・夢幻魔王イド
ナイトメアとして存在していますが悪夢を喰らうときだけイドに変身します。
これは、ニチアサ系アニメの変身をイメージしています。
また、長時間の維持はできず時間が経てばナイトメアに戻ります。

・ドレミーとナイトメアの出番
悪夢を集めるこの章が終わったら出番ほぼ消えます。
主人公は、今だけ。

今回初登場作品
ファイアーエムブレム烈火の剣
ドラゴンボールZ(ブロリーMAD)
テイルズオブジアビス
BLEACH
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