夢幻都市オルバースと具現せし住人たち   作:ミカりん

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久しぶりの更新でした
作者のリアルが落ち着いたのと病気療養で時間取れました←


ラシュアンの出会い!それぞれの思惑

「クロニエ……貴様の所業、畜生にも劣る下劣な行為ィ……」

「うーむ敵に回すと恐ろしいが味方にすると頼もしい。」

「バルバトス、逸る気持ちはわかりますが、今は早く迷いの森に行くことですよ。」

 

 ここは、オルバースシティから東に進んだ場所にある田舎道。

 クロニエへの怒りを顕にするバルバトスを見たビラクがぼやき、エルレインがバルバトスを諫める、そんな不思議な旅をしていました。

 旅の傭兵レイヴァンとその臣下ルセア、レイヴァンの妹プリシラ。

 アタモニ大修道院の聖女エルレインとその番犬バルバトス。

 レイヴァンたちに力を貸した元騎士の情報屋ビラクとザガロ。

 レイヴァンがアーロニーロを倒したことから始まったこの短い旅は、クロニエが潜伏するラシュアンの森の奥地を決戦の地とし、今佳境へと到達しつつありました。

 

「ラシュアンの森はあとどれぐらいだぁ……」

「ラシュアンの森は、あと3日ってところだな。」

「クロニエ……貴様の命はあと3日だなぁ?クックック……せめて、断末魔の叫びは楽しませて……」

「プリズムフラッシャ」

「ギグぁ!?き、貴様エルレイン……」

 

 ザガロがバルバトスに道程を教え、調子に乗ったバルバトスが高笑いをしたらエルレインの晶術プリズムフラッシャにより光の剣が無数にバルバトスへと降り注ぎダメージを与えました。

 リライブの杖で傷を癒やすプリシラ。

 おやおや、そんなことをしていると……?

 

『キシャァァァァ!!』

『グラァァァァ!!!』

『ぽわーお、ぐちょぐちょぐちょ』

 

 そう、魔物の群れが現れました。 

 ゴブリンと呼ばれる棍棒を右手に持ったオーソドックスな魔物と四足歩行の恐竜型モンスター、あとはウミウシによく似た茶色とピンク色の、動物図鑑には乗ってない不思議な不思議な生き物でした。

 

「下がっていなさい、ディバインセイバー。」

「道を開けぃ!皆殺しだ、ジェノサイドブレイバー!!!」

 

『ぎにゃぁぁぁぁ!!!』

『ふおぉお!?』

『ぽわーお、ぐちょぐちょぐちょ……』

 

 

 まもののむれをやっつけた!

 エルレインたちは2626のけいけんちをてにいれた!

 エルレインたちは961円のおかねをてにいれた!

 

 

 ……エルレインが呪文を唱えると、聖なる雷がゴブリンと恐竜型モンスターの周囲を取り囲み、それが収束すると同時に巨大な雷となり2匹を焼き尽くしてしまいました。

 そして、雷が効かなかったウミウシは、バルバトスが憂さばらしとばかりに斧から闇のエネルギー波を解き放ち、一瞬で吹き飛ばされたウミウシはグルグル目になって気絶してしまいました。

 

「はぁぁぁ……失望したぞ。」

「愚かな……せめて死によって魂の救済を。」

「……これ、私達は必要あるのでしょうか。」

 

 何故か息のあった勝利の決め台詞を呟く聖女と番犬。

 プリシラの呟きは、他のメンバーを代弁しているかのようでした。

 魔物の群れが襲いかかる度にバルバトスとエルレインが瞬殺していくのでビラクたちはまさに空気。

 まるでピクニックをしているかのような穏やかさでした。

 

 

 

 こうして、ラシュアンの村が目前に迫った畑道。

 時刻は夕暮れ、空は晴れ。

 綺麗な夕焼けを眺めながら一行はラシュアンに差し掛かろうとしていました。

 しかし、彼らへの刺客は既に差し向けられていたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡り、午前中の時間。

 舞台は迷いの森の奥地に移ります。

 

『……わかったなクロニエ、抜かるなよ?』

「わかってますよ………様。あの鬼共が良からぬことをしないように監視しとくってば〜」

『……貴様、よくもサイコソーダを飲みながらリモート会議が出来るものだな。まぁいい、あの不穏な連中は貴様に任せたからな』

「はーい」

 

 クロニエはとある男と通話をしていました。

 そして通話が終わり、サイコソーダの空きビンをポイ捨てしたクロニエは近くにあった掘っ立て小屋に足を運びました。

 掘っ立て小屋の扉を雑に蹴り上げれば……

 

「出番よ、鬼の兄妹。鬼の力を見せてやりなさい。」

「馴れ馴れしいわよ、ブサイク!誰があんたに……」

「いいのかしら?アンタが逆らうならアンタの兄さんがどうなるか……」

 

 掘っ立て小屋の中には白い髪をした女性と少し猫背気味なの男性がいました。

 2人は兄妹らしく顔立ち……というか雰囲気すべてが似ています。

 しかし2人は鎖で手足を固定され、兄の方は更に身体に病院の点滴のようなものを刺されていました。

 クロニエは、入口にある弓矢……シャイニングボウを構えて何発か男に向けて撃ちました。

 弓が苦手ならしく半数近くは外したり飛ばなかったりですが、2本だけ右肩と左太腿に命中してしまいました。

 しかも、矢に込められた魔力により太陽エネルギーが身体に流れた青年は火傷にも近い追加ダメージがあることが矢のあたった周りに出来た黒い痣からわかります。

 

「ぐあぁぁぁ……なんだぁぁぁ?その矢、ただの矢じゃねぇぇなぁぁぁ……?」

「お兄ちゃん!?アンタ、今何をしたの!?」

「別に?太陽の力を秘めた弓で攻撃しただけよ?さぁ、頭に当たる前に言う事を聞いたらどう?」

 

 クロニエが高笑いをしながらまた矢を番え始め、脅しをかけます。

 兄を殺されたくない女性は泣きながら拒否をし、やむを得ずクロニエに従います。

 女性の『陸』と刻印された目からは、涙を出しています。

 

「従えばいいんでしょ!だからお兄ちゃんをこれ以上苦しまないで!」

「ウメ……すまねぇなぁぁぁ……」

「キャハハハ!麗しい兄妹愛ね!……標的はアタモニ大修道院聖女エルレインとその仲間たち全員よ、これがそいつらの写真。1人倒すごとにコイツの拘束具を外してあげる、精々頑張りなさい。」

 

 クロニエはまた煽るだけ煽ってから女性の拘束具の鍵を外し、エルレインたちの写真を渡しました。

 それから兄にオレンのみ3個とミックスオレ1個を食事として差し出し、人間とすら扱わない家畜の扱いで餌を青年に与えて満足しています。

 クロニエはその後女性を引き連れて出ていきました。

 

「ウメぇ……クソぅ……自由に動けるやつが妬ましいなぁぁぁ……」

 

 1人残された青年は、力なく項垂れてその意識を手放しました。

 彼が目を覚ました時、どうなっているのか。

 今はまだ、誰も知らないのです……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その晩、エルレインたちはようやくラシュアンの村に到着しました。

 辺りは既に薄暗く、村には明かりが灯されています。

 

「クロニエェェェ!!」

「落ち着きなさい、デルタレイ」

 

 意味もなく騒ぎ出すバルバトスに光の球を3つ頭にぶつけたエルレイン。

 その騒ぎを聞いて村人たちが何人か出てきました。

 

「おいおい、なんの騒ぎだ?」

「……騒がせてすまないな、俺たちは街からやってきた旅の傭兵とその護衛対象だ。とりあえず宿を取りたいのと村の代表に話がある。案内してもらえないか?」

 

 レイヴァンが前に出てバルバトスの非を詫びつつ宿と事の仔細を説明すべく代表と話がしたいと提案した。

 

「事の……もしかして最近うちの村を荒らす魔物の件か?」

「あぁ、そうだ。」

「わかった、俺が案内してやるよ。俺はリッド、よろしくな。」

 

 リッドと名乗る青年は事情を察して他の村人を返した後、レイヴァンたちを村の代表の家へと案内していきました。

 しばらく歩いた後、森の近くに少し大きな屋敷へと到着しました。

 屋敷は、例えるならば少し大きな農家の家といった趣きです。

 その後中へと入ったリッドたちを住人たちが迎えてくれました。

 

「バイパ!リッド、おかえりー!」

「リッドか、後ろの奴らはどうしたんだ?」

「キールにメルディか、こいつらは村の魔物の件でファラに話があるんだとよ。ファラはいるか?」

「ファラ、ご飯の支度してるよー。みんなファラの友だちか?」

 

 出迎えてくれたのは青髪の少し細い青年と色黒で額に宝石を付けた女の子でした。

 女の子、メルディはレイヴァンの要件の話をリッドから聞くとパタパタと再び部屋へと入っていきました、

 すぐに戻って来たメルディは……

 

「ファラ、せっかくだから一緒に食べよと言ってるなー。今量を増やしてるから出迎え出来なくてごめんなー言ってるよ。」

「ったく、あいつらしいなぁ……なぁあんたら、飯はまだだろ?ここで食ってけよ。」

「やむを得ないな……すまないが世話になるぞ。」

 

 こうして一行はリッドたちと食事をすることになりました。

 ちなみにバルバトスは……

 

「モガー、モガー、」

「あなたがいると暴れますからね、しばらく大人しくしていただきます、食事は後でお持ちしますから。」

 

 ……エルレインによって庭に強制束縛の刑でした。

 バルバトスは、光の檻に包まれて身動きが取れずじたばたするのみです。

 声だけで迷惑になるため、ルセアの力を借りてサイレスの杖を行使してもらい叫べなくなる二重の対策です。

 そして、舞台は食堂へと移ります。

 

 

 

「あなたたちが旅人?私はファラ、一応村長になるのかな……うん、よろしくね!」

「よろしくお願いします、ファラさん。」

「いきなり大人数で押しかけてすまない、世話になるな。」

「女性の方なのですね……お世話になります。」

「そんな、堅苦しいのは抜きにしよう!私もその方が楽だから!」

 

 ファラが食事を準備し終え、姿を現しました。

 料理を自ら給仕し、全部置ききってから席について挨拶をしました。

 流石はリキアの元侯爵家、レイヴァンたちはそれぞれ最低限のマナーとして挨拶を返しました。

 エルレインも立場上挨拶をしており、気を遣わせたのもあり緊張したファラは堅苦しいのは嫌だと暗に告げました。

 

「なぁもう食べようぜ?ファラのオムレツ、早く食べてぇよ。」

「仕方ないなぁ、さ、食べようよ!食べながら話は聞くから!」

 

 リッドがお腹を空かせたとばかりに急かしたのもあり、ファラは食べながら話をすることを提案しました。

 並べられた夕食はコンソメスープと鶏肉の山賊焼き、レタスと水菜のグリーンサラダに白ご飯。そして……リッドが絶賛するファラの得意料理、オムレツです。

 メルディから増えた人数を聞いたファラはきちんとレイヴァンたちの分まで追加しているため料理の腕の高さはそれだけでも察することが出来ました。

 それから一行はファラたちに今までの経緯を語りました。

 アーロニーロの件、クロニエの件、そしてクロニエがラシュアンの森にいる件……それまで「やっぱりファラのオムレツは美味えな!」と笑っていたリッドまでもが表情を固くしました。

 

「そんな危険な人がラシュアンに……」

「……なぁファラ、まさかお前……」

 

 ファラが話を聞いて立ち上がりました。

 リッドは次の行動を予測して嫌な予感がしたとばかりに横から口を挟みましたが……

 

「行こうリッド!そんな危険な人たちほっとけないよ!」

「や、やっぱり……わかったよファラ、ただし俺も行くよ。危ねえし、お前だけじゃ突っ走って一人で死にに行くようなもんだしな。キール、メルディ、お前たちはどうする?」

 

 呆れた、とばかりにファラを嗜めるも心配になったリッドは自分が行くことを条件に許可を出しました。

 キールとメルディにも協力出来るか聞きましたが……

 

「今のラシュアンの森は僕たちが知るラシュアンの森とまったく違う。レグルス様の像がある泉には晶霊とは違う、まるで妖精のような生命体が現れ、森には魔女が住まうとされ、今まで見たことのないモンスターもいれば最近は怪しい人間や『鬼』の目撃情報もある。そんな状態で村の守りが薄くなれば村のみんなや最近ラシュアンで暮らし始めたみんなが危険だ。僕は村に残って万が一に備える。」

「キールが行かないなら、メルディも留守番してるよー。リッド、ファラ、気を付けてな?」

 

 2人は村の守りを心配して残留の意思を見せました。

 そして……

 

「プリシラ、お前も残れ。」

「お兄様……やはり連れて行ってはくれませんか。」

「俺たちもラシュアンに残ろう、見たところ魔法職ばかりみたいだ、それに森の中では馬の機動力もあまり役に立たないからな。」

 

 レイヴァンたちもプリシラ、ザガロ、ビラクの3人が残留になり、森に入るのはレイヴァン、ルセア、エルレイン、バルバトス、リッド、ファラの6人に決まりました。

 プリシラに関しては、レイヴァンが危険だからと言ってプリシラを残すことで危険から遠ざけるためでしたが。

 それに加えて更に……

 

「話は聞かせてもらった、キールたちが行けないのなら私が彼らに同行しよう。リッド、ファラ、また一緒に頼もう。」

 

 そんな食堂に、来客がありました。

 花飾りを着けた帽子に綺麗な金髪の男性です。

 男性は、リッドたちの知り合いようでした。

 

「レイス!あなたもこの世界に!?」

「レイス、お前も来ていたのか!?」

「久しぶりだなリッド、ファラ。ラシュアンを守るため、私も共に戦わせてくれ。商品も持ち込んでいるから回復アイテムなどは任せてくれ。」

 

 レイスはリッドたちとの再会を喜び、話を聞いていたらしく力を貸すつもりで腰に差したレイピアを見せました。

 

「レイス、ありがとう!」

「お安い御用さ。それと、ラシュアンの守りもキールたちだけでは不安だろう。私の商売仲間の一部もこちらに来ていてね、彼らにも力を貸してもらおう。森へはいつ?」

 

 レイスの気遣いにより、夢の2パーティが実現しました。

 レイスの問いかけにはレイヴァンが答えます。

 

「夜は危険だ……明朝より森へ進軍するつもりだ。」

「なるほど、いい判断だ。それでは私は失礼するよ、元々挨拶のために来ていたので宿屋にみんないるのでな。皆に情報を共有して翌朝改めてここに来よう。」

「助力、感謝致します。では明朝改めてお会いしましょう。自己紹介はその時に。」

「レイス、僕も行こう。リッドやファラがいいだろうが説明するなら僕が適任だ。最初から聞いていた僕がいた方がより詳しく話せるだろう。」

 

 エルレインが代表して感謝を述べ、レイスは部屋をあとにしました。

 説明役として買って出たキールも一緒に出ていきました。

 

 

 

 夢の2パーティ……

 森への突入はレイヴァン、ルセア、エルレイン、バルバトス、リッド、ファラ、レイス。

 ラシュアンの守備はザガロ、ビラク、プリシラ、キール、メルディの5人にレイスの仲間が加わります。

 

 

 

「鬼娘、期待しているからなぁ!」

「アンタの指図は受けない!お兄ちゃんのために力を貸すだけよ!」

「キシャァァァァ!」

「グラァァァァ!」

「スピッ!スピスピスピッ!」

 

 森を走るクロニエ率いる魔物の軍勢……

 

 

 

「森がまた騒がしくなりそうだな……」

「あんたには世話になりっぱなしだねぇ。頼んだよ、この森を守ってくれ。」

 

 森に住まう人間たち……

 

 

 

「この先に行けばいいわね!」

『ヒヒヒッ、博麗の巫女のカンって奴か。頼りになるものだねぇ。』

「笑っている場合?ナイトメア、あんたも頼りにしてるからね!」

 

 今尚森へ向かう者達……

 

 

 

「クロニエ……貴様だけは許さねぇ……」

「バルバトス、明日は思う存分暴れなさい。ただし、私の仲間たちには攻撃しないように。」

「オムレツが美味いから奴等は許してやろう……」

 

 ラシュアンに集まりし勇士たち……

 

 

 

 ラシュアンの森を舞台にした戦いが、明朝より始まるのでした。

 それは、次のお話でお話することにしましょう……




・話の流れ
実は今回で決戦の予定でしたがリアルがゴタゴタしてるうちに今話のプロットが消失したため一部プロットを練り直しました。
その際の追加したエピソードで6000文字近くなったので繰り越しました。

・鬼滅の刃
実は作者は鬼滅の刃未視聴です(厳密には善逸初登場くらいまでなら漫画で見た)

・シャイニングボウ
元ネタはファイアーエムブレムifに登場した魔力を参照する武器。
日輪刀に代わる武器をファイアーエムブレム出典で考えた結果こじつけ採用。
風花雪月のシステム上誰もが鉄の弓くらい持てるので無理やり使わせてみました、FEHでクロニエが弓持って季節イベントに……うん、モニカならともかくクロニエなら無理か←

・ラシュアンの村
原作でもラシュアンの惨劇以前の村長がファラの父親だったのでファラが村長になりました、カムラン現村長は知らん←
それとレイス以外のエターニア組4人は同じ家に暮らしてます。

・ファラの家
原作と違いかなり大きな建物になっています。
寮のようになっており部屋数もあるため4人で生活出来てるし外泊も出来ます。
客室はバンエルティア号の客室イメージ。

・レグルス様の像の泉
実は伏線、ヒントは作者の更新停止した過去作に出てきたヤツ。

・主人公不在?
ドレミーたちがいきなり合流するボツ案がありましたが話がまとまらなくなってボツ化しました。
このパーティ、ツッコミが不在である。

・次回更新日
多分年内に出せるはず。しばらく作者が病気療養するので。
(コロナとかじゃないよ)
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