EBA 一番と四番の子供達   作:アルポリス

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 ゲストをお呼びしたいと思います。特務機関ネルフ総司令官碇ゲンドウさんです。
司「よろしくお願いします」
ゲ「問題ない」
司「さて、ヤシマ作戦において元おじいの綾波レイさんがジオフロントに穴をあけたことで、どうやら原作が、ずれていったようなのですが、ゲンドウさんはどう思いますか」
ゲ「問題ない」
司「なるほど、ネルフには些細な事だということですね。さて今日は宇宙暦××年を念頭に置いてその時系列にスポットを当てたいと思います、では、どうぞ」



                       冗談です。


その時、原作が外れた

+サイド今レイの元おじい+

 

 

 前回の戦いで泡や地下基地を破壊するところだった、元おじい、今はレイちゃんです。あの後、わしだけ司令室に呼ばれ、サングラス司令と渋い男冬月氏に軽く三時間の説教を受けて疲労困憊の極みになりながらも家に帰って就寝。

 

 翌日、共同作戦を行った外部部隊は出航、シンジ君は見送ったらしいがわしは見送ることは出来なかった。

 

 二週間の自宅謹慎処分を受けたからな!!

 

その後のわしは平穏無事に学校生活と深夜アニメ謳歌を一週間送ることが出来たので謹慎も悪くないと思ったものだ。

 

ちょうど一週間後の夕方、鳴り響く携帯に起こされて何事かと出れば、どうやらシンジ君が独立部隊ナントカベルに出向するから見送りにぐらいこんかい! というミサトさんからのお叱りのお電話で…それはもう、愛想が無いのだから態度くらい可愛げであれ、つまり見送りぐらい言われないでもしろと文句を言われながら目的地に向かうことになった。

 

 そして今、眠たげな顔で独立部隊ナントカベル……この際愚連隊でいいか、その愚連隊の戦艦にいるのである。

 

 ちなみに、本当はわしも出向するはずだったのだが、零戦が陥没したため、発掘作業が難航、理由は零戦の足先にえすナントカ機関が刺さっていてそれの回収作業も含まれていたからだ。殆どそれのせいで改修作業が出航まで間に合わず操縦者だけが行くのも何なので敢え無く見送られることとなった。

 

 これがホントの見送られたレイがお見送り、なんてな!!

 

「全然面白くないですから!! 何ですか、見送りの言葉がそれって!!」

 

 ヤベッ口に出していた。シンジ君の突っ込みで回想妄想を終えたわしは、ぶりっちの情景に驚いた。艦長のノア氏はわしを見てポカンと口を開けているわ、アムロ君なんかは口元に手を添えて笑っている。ミサトさんは顔に手を当てて項垂れているわ、赤木さんは若干口元を痙攣させている。ただ、坊やだけがさんぐらすで表情を隠していて分からない。が、視線はきっちりわしに向かっていた。

 

(ここは、話を戻す意味で……)

「驚いていただけましたか?」

 

 わしがそう言えば、若干思ったこととは違うが概ね合っているので良しとしよう。ノア氏は瞬きを繰り返して頷いた。良し来た!

 

「……驚いてくれました」

 

 ミサトさんたちの方を向いて言えば、赤木さんは目に見えて青筋を額に浮かべた。

 

「レイ、私たちはパイロットの年齢で驚かせようと思ったわけで、そんなダジャレで驚かそうとは思ってないわよ」

 

 ミサトさんが可哀想な者を見るような目で見ながら諭してきた。そこを尽かさず赤木さんが指摘する。

 

「何を言っているの、葛城三佐、そもそも驚かそうとは思ってないわよ、相手が勝手に驚くだけ。今回はこちらの部隊に小学生やら妖精やらがいるから驚かなかっただけでね。言葉は正確に伝えなさい。私まで馬鹿に思われてしまうわ」

 

 酷い言われようだ。可哀想にミサトさん。同僚と上手くいっていないらしい。ここは慰めなければ。

 

 わしはミサトさんの肩に手を当てて口を開いた。

 

(ミサトさんは馬鹿なわけが無いさ)

「ミサトは馬鹿……」

 

 ですよね、そうなりますよね、これで何度目だ、わし!! 取り敢えずミサトさん、わしにちょーくすりーぱーは止めて、息が吸えないから、死んじゃうから!!

 

「ミサトさん!! レイさんの無表情が土色になってきてますから!!」

「葛城三佐、ブリッチでの殺生は勘弁願い無いだろうか、気持ちは分かるが」

 

 シンジ君とノア氏の計らいでなんとか死を免れた。危うかった、岸辺で若かりし日々の妻が手を振っていた。あれは、帰れ帰れと言っていた様な気がする。しかし、帰る場所は零戦になるのだろうか。

 

「中々の意味でエヴァパイロットは驚かせてくれる」

 

 渋い声で坊やが呟いた。そこ、わしの耳にははっきり笑い声が聞こえているからな、馬鹿にしているのは何となく分かるぞ。

 

 結局、見送りはグダグダの雰囲気で終わりを告げた。

 

 空を翔る戦艦を遠めで見ながら、わしは残り一週間の謹慎を楽しむため、帰りにビデオ屋に寄ろうと心躍らせながら走り出した。ところが、最初の一歩を踏み出した直後、どこに隠れていたのやら、何人もの諜報部の人に囲まれるという事態に陥り、捕らえられた宇宙人宜しく両脇を抱えられ、司令室に強制連行されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+サイド碇シンジ+

 

 

 出航したアーガマのブリーフィングルームで僕は同乗のパイロットたちに色々な質問を受けていた。

 

 まずはあの鉄の城と呼ばれるマジンガーZのパイロット兜甲児にエヴァとは何か聞かれた。それに知らないと答えれば、今度はコンバトラーVのメインパイロットの葵豹馬に使徒とは何か聞かれた。それについても分からないと答えていたら、次から次に質問が来る。それにどう答えていいか分からず黙っていたらゲッターロボパイロット流竜馬に庇われる形で質問攻めを止めてくれた。

 

こういった押しが強い人たちは苦手だ………と、レイさんに会うまでなら思っていただろう。残念ながらこの人たちより個性的なあの人がいたおかげで苦手意識はなくなっていた。

 

 レイさんと出会えばそんなものはゴミ箱に捨てた方がいいと思うだろう。たちの悪いことにそれを僕は感謝しているところだろうか……というのは羞恥で思った言い訳だ。本当にレイさんと会えて良かったと思う。僕にとってレイさんは頼りになるオッサンぽい姉で、手の掛かる妹のようなオッサンと言ったところだろう。

 

 あれ、結局レイさんはオッサンなのか? 

 

あの顔で中身オッサンとは何故だか勿体無い気がするが、僕はそっちの方が断然好きだ。当然肉親的な意味で。レイさん、奥さんいるらしいからそういったものは抱いたところでって話だし。

 

「シンジ君、質問攻めを止めて何だが、一つだけ聞かせて欲しいことがあるんだが?」

 

 そんなことを考えていたら竜馬さんがばつの悪そうな顔で聞いてきた。僕はそれを自然な笑みで了承する。こう言ったところが出来るようになったのもレイさんのおかげだ。

 

「先ほど、一人の女の子が奇声を上げてアーガマから降りていったんだが、彼女はもしかして、この間零号機に乗っていたパイロットではないだろうか?」

 

 はい? 奇声を上げた女の子って。

 

「あ、それ俺も聞いた。なんか、一週間休みだ、やっほぉぉいって叫んでいたかな。可愛いのにちょっと残念な感じだったよ」

 

 そう言ったのはダンクーガサブパイロットの式部雅人さんだ。

 

「え、僕が聞いたのは違う叫び声でしたよ。確か、アニメ三昧ばんざぁぁぁいって叫んでいました」

 

 考えるようなそぶりで告げたのはジャイアントロボ操縦者、草間大作君だ。

 

「ちげえ、ちげえ、俺が聞いたのは衝撃的だぜ、あの子、ロボダインエース全作が待っているぅぅぅぅぅって叫んでいたんだよ。若干叫び声が和訳訛りで聞きづらかったけど、あれは絶対ロボダイエースだった。すげぇよ、あのマイナーロボットアニメを知っているなんて俺の師匠になってもらいたいぜ。そもそも、ロボダイエースっていうのは、第二新東京テレビ、通称テレ新東の深夜二時代にやっていた、不朽の名作ロボダインのリメイク作品で、ロボダイの機体見直しで更にかっこよくなったのにも関わらず、視聴率が悪くて三十六話で打ち切りになったんだ、しかし、しかしだ!! その後、テレ新東にロボダインファンの抗議の電話があり、急遽、深夜三時代に続きが再開されたんだが、お知らせも何も無くて更に視聴率は悪くなるいっぽう、その理由がファンすらにも知られず殆ど見ていなかったという逸話がありながらもそれを全作持っているなんて凄すぎる。何が凄いって未だにDVD化されてないって事なんだよ、分かるか、シンジ! お前と同じパイロットの名前は?」

「あ、綾波レイです」

「そうか、レイ師匠か、師匠は何時ごろこちらに来られるんだ?」

「く、詳しくは分かりませんが、零号機改修が終わり次第です」

「そうか、そうか、ちゃんと出迎えなければいけないな。師匠の好きな食べ物とかはあるか?」

「…バナナですかね」

「クソッ今から、R-1に乗ってバナナを買ってこないとグバッ」

 

 先ほどから熱く語ってくれたのは、SRX計画のパイロット、ダテリュウセイさんだ。後半は何を言っているか理解できなかったが、今後ろから棒のようなもので後頭部を強打されたのは理解できた。ちなみに強打した本人は同じSRX計画のイングラム少佐だ。失神したリュウセイさんをイングラム少佐がさわやかな笑顔で引きずっていく姿を見て思わず心の中で手を合わせた。

 

 明日、会えますようにと。

 

 とにかく話を纏めるとレイさんは僕の見送りに来たにも関わらず、その後の予定を楽しみにしていたという事。あの時、ブリッチで解散して即効、走り出したところを見ているから僕よりアニメ三昧に大きく比重を置いていたという事。こんなところか。

 

「結局、あのパイロットとはどういう関係なんだ?」

 

 ニヤニヤした表情で豹馬さんが聞いてくる。だから僕は答えた。

 

「誰ですか、そのパイロットって?」

「いやだから、零号機の女の子で」

「零号機ってありましたっけ?」

「この間の戦いで…」

「目の錯覚じゃないですか。連戦が続くと錯覚まで見てしまうんですね」

「おい、それは俺を馬鹿にして」

「もう一度言います。零号機ってな・ん・で・す・か?」

 

 僕が出来る最高の笑顔でそう問えば、豹馬さんは怒りから一転青い顔して震え出す。

 

「俺、疲れてたんだな。ごめん、今のは忘れてくれ」

 

そう、ぼそりと呟いてブリーフィングルームから出て行った。その後を甲児が追いかけてお前は悪くない、皆、戦争が悪いんだと語りかけながら一緒に出ていく。

 

 僕は笑顔のまま、他のメンバーに視線を合わせれば、皆一様にして視線を明後日の方向に向けて僕の前から去っていった。最後にこのメンバーの良心だと思う、竜馬さんが僕の肩を叩き憐れみの目で見て、

 

「今度合流する時に俺からも言っておこう、不謹慎な発言は慎むように。少なくとも声には出さない方が良いとね」

 

 そう言った。僕は笑顔から一転、泣きそうな表情を浮かべて頷いたのだった。

 

 

 

 

 つまりは。

 

 

 

 レイさんの薄情者ぉぉぉぉ。

 




司「さて、このシンジ君は原作のシンジ君とは掛け離れた存在になっていくことになるのですが、それはまた別のお話でお届けしたいと思います。お時間が来ました、次回は原作から外れた綾波レイの今後にスポットを当てたいと思います、ゲストのゲンドウさん、ありがとうございました」
ゲ「問題ない」
司「それしか言えねぇのかよ!!」
ゲ「いまだ、原作の乖離は序盤、次回もお楽しみにしていたただければ幸いです」
司「それは私の台詞だよ!!」
ゲ「問題ない」
司「今あんたをぶっ飛ばしたい気分だ」



                             冗談です。
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