EBA 一番と四番の子供達   作:アルポリス

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 合言葉はロボダインエース!!



               始まります。


第三話

+サイド今はレイの元おじい+

 

 

 

 地下基地を崩壊に導きそうになった、元おじい今はレイです。実際行ったのは元妻、今はリリスですがね。

 

 さて、先ごろ完了寸前の改修作業中に暴れ出し、すべてを水の泡にしてくれた零戦は今目元に大量の隈をこさえた整備班と開発班が死に物狂いで作業を行っている状態だ。時折、独り言のように碇指令死ねと呟く姿がちらほらと見えているのを見ない振りしてわしは作業風景を眺めている。

 

 あの後、コウゾウ氏から零戦が暴れないよう監視して欲しいと懇願され、アニメ三昧を泣く泣く諦めてここにいるのだが、あれがゲンドウの命令だったら即効で帰路についていただろう。ゲンドウはそれを理解していたのか黙っていた。意外と人の見る目はあるらしい。

 

 わしは何気なくそこにあった改修案の資料を眺めた。

 

(なるほど、横文字ばっかりだが、何となく把握できた。装甲は青だということは、アニメの零戦改になるのはこの時か……せっかく一つ目なのだから角をつければあの、ろぼっとになるのに)

「一つ目…角…」

 

「君はザクが好きなのかな?」

 

 いきなり声を掛けられてわしは資料から視線を上げた。そこには開発班の主任らしき人がわしの言葉を聞いて問いかけてきたようだ。

 

 わしが思っていたことと若干違うが、あのアニメも好きなので頷けば主任は隈越しに目を細めた。

 

「俺も好きだ。あの一年戦争時、俺は理数系の学生だったんだがテレビでザクを見たことで小さい頃の夢を思い出してね、この道に行こうと決めたんだ」

 

 主任は過去を振り返るかのように空虚を眺めていた。旗から見たら、大量の隈と青白い顔が相まって少し頭の螺子が外れたような人に見える。

 

(小さい頃の夢か、どうな、夢だったのか)

「どんな夢」

「君みたいな少女には分からないだろうが、深夜にやっていたあるロボットアニメがあってね。それを見ていた同志は皆パイロットになりたいなどと思っていたようだが俺はその時、ロボットを作りたいと思ったんだ。そして実際動くザクを見てその頃の夢を思い出して今はここの主任をしているというわけさ」

「ろぼだいんえーす」

 

 わしが見るはずだったアニメを無意識に口にしたとき、主任は物凄い形相でわしの肩を掴んできた。

 

「君は!! かのロボットアニメ、ロボダイエースを知っているのかい!?」

 

 わしは揺さぶられながらもコクリと頷けば、その場にいた整備班と開発班の大人が口々に凄いだの、こんな少女がなど、ここにも同志がなど、言いながらわしをキラキラとした眼差しで見つめてきた。

 

「そんな、こんな近くに我々の同志がいたなんて我々の眼はどこまで節穴だったのか。それなら、君が言うモノアイと角とは試作型ロボダイのことなんだね!?」

 

 言って、主任がきらりと目を光らせた。わしもそれに習い、きらりと目を光らせて頷いた。

 

 そう、わしはこの零戦をこの世界に来て始めて見たアニメ、ろぼだいんえーすの試作型に似ていると思ったのだ。後継機は主人公が乗る二つ目ろぼだいんなのだが、試作型は過去の回想にのみ登場する主人公の兄が乗っていた機体で一つ目と天にも昇る直角の角が特徴である。残念ながら敵との戦いで死亡していて過去編の数話しか出てこない。通は何故か試作型を好む傾向がある。それは何故か。

 

「あの生臭い戦いが好き」

 

 わしがそう言えば、流石同志よ!! と大人たちに高らかに称えられた。

 

「そうなのだよ、昨今派手な武器と派手な演出が流行となったロボットアニメにおいてロボダインは人間くさい戦闘描写を行うことで有名だ、特に試作型ロボダインはそれが如実に現れている。高性能ナイフで敵起動兵器の起動系部分を切断して機能停止に追い込んだり、十キロも離れた場所から静かに狙撃で動力部分を狙い粉砕する。一個大隊との戦いでは敵基地に自ら潜入、戦闘する場所を特定してその場所に地雷などを含めた兵器を設置して大規模な爆撃を行った。唯一の派手な演出はロボダインの動力として使われたエネルギー『テレカリュイレーヴィス』だろう、それでも超加速アクセラレーションを行うことが出来る事や、ロボダインの駆動系に使われた人口筋肉リゼリクションの活性を促し、機体の予測馬力を一瞬、十倍に引き上げられる程度だ。そして知らされる最終話付近にてお約束のロボダイの秘密。あれは暴論だという意見もあるが、結構結構。ロボットアニメは暴論と御都合主義で成り立つ素敵アニメでいいのだ!!」

 

 高らかに宣言した主任を囲いながら整備班と開発班が拍手を浴びせて口々におめでとうと祝福を上げる。最後にわしも、主任に視線を合わせ、僅かな微笑を添えて拍手しながら一言おめでとうと告げた。

 

 そしてそれは彼らの終わりを告げる一つの劇だった。

 

 

 ロボダインの父という名の作者にありがとう。

 

 

 ロボダインアニメの母という名の製作者にさようなら。

 

 

 そしてチルドレンという名のロボダインファンすべてに。

 

 

 おめでとう。

 

 

「五時間の休憩を与える。その可笑しな妄想を終えて戻って来い」

 

 

 改修状況の視察に来ていた、コウゾウ氏がそう命令を下せばその場にいた私とコウゾウ氏以外がその場に倒れて失神するかのように眠りに付いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 休憩が項をそうしたのか、その後の改修作業は物凄い速さで行われた。特に開発班の主任の意気込みは鬼気迫るものがある。曰く、我らは同志の乗るエバを改修しているのだと、生半可のものでは同志が喜ばない、後に開発されたエバすら超える最高の代物を我らが創り出すのだ。という意気込みを部下や整備班に宣下して過去の改修案を破棄、新たな改修案でもって作業に当たっていた。そんな彼らを見てコウゾウ氏は。

 

「手を抜かれるよりはましか」

 

 と、ぼそりと呟いて整備室を後にした。

 

 そして一週間という短期間で怒涛の作業効率を叩き出すことに成功、エバンゲリオン零戦改は日の目を見ることになった。

 

 それは本来、かのゲームではありえない話だった。それが行われてしまったのだ、ゲームの話もまた変わってしまうということもありえなくは無いのかもしれない。

 

 

 

 

 

 シンジ君を乗せた独立愚連隊が南あたりあ島で起きた謎のわーぷに巻き込まれ地球から行方不目になったとゲンドウから説明がなされた翌日、わしは全身タイツを纏い零戦改に乗って、ある火山活動が今も行われている山に来ていた。

 

『今回、葛城三佐に変わり、作戦の指揮を執ることになりました。宜しくお願いします』

 

 若い男性参謀がわしに通信を行ってきた。わしにそれは頷いて答える。

 

『先の南アタリア島に向かう道中にて第六使徒の撃破及び南アタリア島におけるEOTにて出現した第七使徒を出向中のエヴァ二機が撃破したことを確認、その後、司令部はこの火山に第八使徒が存在することを突き止めました。今回はそれの撃破です』

 

 その話を聞いて、これがもうゲームでもアニメでもない話なのだと理解するしかない。

 

「捕獲ではなく、撃破?」

 

 一応、確認の意味も込めて尋ねれば参謀が頷き口を開いた。

 

『残念ながら三十分ほど前に羽化を確認しました。よって、撃破です。この付近の住人は退去済み、戦闘が予想される場所には既に武器を多数配置していますので思いっきり暴れて下さい。仮に武装が終わろうとこの宙域に控える戦闘機により補給武器を投下しますのでご安心を』

 

 至れり尽くせりという奴か。

 

『そして最悪敗北してもこの場所ごとN2兵器で消滅させます』

 

 そこは原作と変わらないのか、ゲンドウもここにあるリリスよりも使徒撃破を優先するつもりなのだろう。その判断に間違いは無いとわしは思う。しかしだ、それはここ作戦を見届ける彼らも巻き添えにするということだ。それをわしはわしである限り認められない。偽善といわれようともわしの目と腕が届く場所のものを壊されるのは我慢ならない。

 

「その必要は無い……あなたたちは勝利の宴の算段を決めていれば良い」

 

『あなたの言葉は何故か、心強く感じます。我が同志よ、あなたの勝利を確信して勝利の宴でも考えるようにします』

 

 お前もか、ぶるーたす君。

 

『改修された零戦の初戦です。我ら同志に存分な戦いをお見せ下さい』

 

 そう、ここにはわしの戦いを見るために整備班と開発班の皆も来ているのだ。一応、整備や開発したものの確認などという名目を歌っているが実際は野次馬だ。そんな彼らに呆れはするものの無様な戦いは見せられないというもの。こちらの気合も上がってしまう。これが、ゲームなら気合を五回も掛けた状態だ。ちなみに同志たちはこの機体を零戦と呼ぶようになった。わしとしては嬉しい限りだ。

 

 わしらがそのような会話をしていると急増で作られた作戦本部に警報が鳴り響いた。

 

『敵第八使徒、火口付近まで浮上、このまま外に飛び出すようです。零戦は戦闘中域に移動して下さい……我らに勝利を、同志パイロット!!』

 

「行って来る同志作戦参謀……同志開発整備諸君に感謝を」

 

 若い参謀はろぼだいんえーすにおいて必ず一話に一作戦を立案する主人公の親友に憧れてこの職に付いたそうだ。故に作戦参謀同志と呼ばれるようになった。開発班や整備班の皆も同じように憧れる存在がいるらしい。

 

 

 

 

 

 わしは通信を終えると、感動する彼らの声を背後に感じて戦場へと走り出すのだった。

 




 ゲームには存在しなかった第八使徒の出現にネルフ本部は浮き足立つも、ロボダインエースの同志は揺るがない。何故ならロボダインは一度として戦場から逃げなかったからだ。


 次回 見知らぬエヴァ零号機改


 
 次の話もサービス、サービス…出来るかなぁ
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