EBA 一番と四番の子供達   作:アルポリス

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          始まりますのよ。


惣流再来日

+サイド今はレイの元おじい+

 

 

 妙に体が重く感じて、旗とここはまだ夢の中なのかと思っていたら、わしの顔に水滴が落ちてきた。その感触に夢ではない事に気づいたわしは瞳を開けた。

 

 顔の穴という穴から水分を垂れ流している不細工なカガリの姿が眼前に映り込み、わしは思わずアニメでも有名なあの言葉を告げてしまう。

 

「知らない…カガリ」

「なに!? 記憶喪失だと!? 医者だ、医者を早く!! レイが目覚めたのに知らないあたしとか言い出したぞ!! それはどんなあたしなんだ!!」

 

 わあわあ、騒ぎ出したカガリを横目にわしは自分の今を把握しようと試みる。腕には点滴が何本も刺さっており、清潔にされたべっどに寝かされているようだ。

 

 通常稼動のカガリの声に呼ばれて医者らしき男が入ってきた。そしてわしの脈拍などを測り、正常なのを確認すると二つ質問してきた。

 

「この泣いている女性は誰だか分かりますか?」

「……カガリ」

「特徴は?」

「バ…ゴホゴホ、元気」

「記憶も正常、判断能力も良好と。安心して下さい、カガリさん。妹さんは至って正常です」

 

 固唾を呑んで見守っていたカガリにそう告げる。しかし、カガリは不安そうに口を開いた。

 

「でもな、先生、レイの奴は知らないあたしを知っているらしいんだ。あたしも知らないのに何で知っているんだ?」

「ああ、カガリさんは天然なんですね。困ったな、私の周りにはあまりいない存在だからどう対処すればいいのか」

「先生! どうか真実を伝えてくれ! 覚悟は出来ている」

「真実はカガリさんが、バ…ゴホゴホ、だという事なんですが…」

「あたしの事じゃないぞ! 先生!!」

「もう嫌だ、この天然」

 

 嘆き苦しむ医者に涙混じりのカガリは尚も詰め寄る。その姿が哀れでわしは口を挟む事にした。

 

「知っている…カガリだった」

 

 そう修正して述べたらカガリは容易く安心してくれた。チョロすぎるだろう、カガリ。それを見ていた医者は呆気に取られながらも去るのは今だと思ったのか足早に退室した。

 

 その後、ニコニコと笑みを浮かべながらバナナの皮を剥き、差し出してきたので食べさせてもらった。バナナを租借している間、わしが寝ていた間の詳細をカガリは教えてくれるようだ。

 

 あの戦いの後、操縦席でわしは意識不明の状態で発見され、病院に運び込まれるも意識が回復することは無かった。その間に操縦席からシンジ君が吐き出されたらしい。検査を受けたシンジ君にもわしの事は伝えたらしいのだが、シンジ君は驚く事も嘆く事もせず意味深に休んだら戻りますよと一言述べただけに留まった。当然、ミサトさんやリツコさんは科学的根拠が無いので信じてはいなかったが、後ろ髪を引かれながらも戦いはまだ続くという事でエバ二体とその操縦者を連れて愚連隊に出向したという。カガリは一応本部所属扱いだったので共に行く事はなかったようだ。

 

 それから約一週間、わしは眠り続け、その間甲斐甲斐しくも世話をしてくれたのはカガリだった。訓練の合間のすべてをわしに付き添い、体を拭き、寝返りをうたせ、病室に寝泊りしてくれたらしい。だからこそ余計に目覚めた時、感動して泣いてしまったそうだ。

 

「一週間は長かった。仕方ないだろう!!」

 

 わしがじっと孫を見るような目で見つめていたらカガリは顔を赤らめてぶっきら棒に叫んだ。可愛い奴である。

 

 わしに関した話が終わると今度は世界の情勢をカガリが、あのカガリが、何度も言うが、あのカガリが……ぷぷ。

 

「おい! 今なんか、失礼な事を考えただろう!!」

 

 もうその能力は桑さんや、アムロ君のような新人類のようではないか。わし限定でなければもっと活用できたのにもったいない。

 

「もう話さないぞ!!」

 

 おや、これ以上はカガリがへそを曲げるのでやめるとしよう。素直に謝って許してもらい、改めて話を聞く。

 

 あの後、愚連隊は再び三部隊に分けられて各陣営の対処に当たっていたようだ。そのおかげか、地上は落ち着きを見せたようだ。異世界から侵略も対処されたらしい。それが四日前。

 

「それで、部隊は再び合流、戦場を宇宙に移して戦う事になり、辛くも宿敵ジオンを打倒し、その勢いのままジュピトリアンを退けたんだが……」

 

 木星にあった天使の輪という人の精神を支配して操り人形のようにしてしまう装置が行き成り空間転移を行い地球上空に現れたのが一昨日前、それは大気圏を突入して伊豆沖に沈没、その影響で津波が起きて日本近海は多大な被害に陥った。

 

 しかし、いくら木星人とはいえ、元は同じ地球人、そんな独自の技術があるのなら今頃地球圏は更なる被害を被っていたはずだ。

 

「レイもそう思うよな、で、スタッフに聞いたところジュピトリアンとエアロゲイターは大戦前から接触がなされていたのではないかと言う見解がネルフでは有力視されているらしい。実際、エンジェル・ハイロゥのワープ技術に使われたエネルギーはこの前あたしたちが戦ったアストラナガンの使ったワープに酷似していたことから見てほぼ確実だ」

 

 そうなると天使の輪が地球に落ちたのは故意によるものかもしれん。

 

 駄目だ、最近トンとゲームの知識が思い出せなくなってきた。確か理由があって落ちたはずだ。そしてそれはエバに関係したものだったような、なかったような。

 

「そうなのか?」

 

 理解できないのか、カガリがそう問いかけた。故意については何となく予想できるので伝えてみれば感心して頷いた。

 

「なるほど、エアロゲイターの目的を隠すためジュピトリアンを隠れ蓑にしてエンジェル・ハイロゥを作らせたわけか。そうだよな、早々自分たちの技術力を他人には渡せないよな。そんで目的を果たすために作動されたわけだ」

 

 あくまで予想だとカガリには告げておく。

 

「そうなると、敵の目的は日本だよな」

 

 予想が当たっていればの前提だが、わざわざ伊豆沖に落としたんだ、日本に何かしらの行動を起こすだろう。

 

「それって、うちなんじゃないか?」

 

 カガリもそう思うか?

 

「うん。うちってなんか他の研究所より秘密主義だろ。それに技術力も他とはなんか違う気がするし、エアロゲイターって数年前から地球の技術力に目をつけて監視していたって言うからようやく動き出したうちをこの際だから調べつくしたいとか思ってるのかも」

 

 だが、結局はすべて予想から成り立つものであって真実とは限らない。そう思っていたら、カガリが眉を潜めて呟いた。

 

「だから、指令は零戦と初号機を凍結処分にしたのか」

「戻ってきて?」

「言うのを忘れていた、初号機と弐号機がさっき戻ってきたぞ。で、シンジには会えたけど弐号機パイロットには会えなかったよ。シンクロ率検査を行っているらしい」

 

 そうなのか、他の部隊はどうなっているんだろうか。

 

「戻ってきたのは二人だけだ、シンジが言うにはネオジオン側に動きがあったとかで部隊が分けられたらしい。シンジたち以外は宇宙とエンジェル・ハイロゥの調査で出払っているみたいだ」

 

 この時期に凍結する意味、確かゲームでもエバ三機が戻ってきて、いきなり初鰹が凍結されて……この地下施設に……倒せなくて…あれは、あれは、そうだ!! 

 

 わしは重い体を無理やり起き上がらせて点滴を引き抜こうとするもカガリが慌てて止めに入ってくる。

 

「まて、レイ。いくら意識が正常でも体は衰弱してるんだぞ!!」

「最悪の敵が…来る」

「無理だ、エバに乗れる状態じゃない」

「それでも……あれは駄目だ」

 

 あの敵はわしが止めなければならない、でないと、このままではアスカちゃんが壊れてしまう。あんな兵器を使わせては駄目だ。

 

「馬鹿、自分の体を大切にしろと言っただろう!!」

「すぐに準備を」

「駄目に決まっている!! レイの代わりにあたしが何とかすれば良いだろう!?」 

「危険」

「そんなもの、あれに乗っている時点で分かっていた!!」

 

 得意の馬鹿力でカガリは無理やり私を寝かすと医者を呼び、駆けつけた医者に鎮静剤を打たせた。

数分もしないうちに意識が混濁し始める。

 

「あたしが必ず何とかして見せる。だからレイはゆっくり眠っていろ」

 

 こうなっては仕方ない。わしは力を振り絞って口を開いた。

 

「槍…を」

「あれが必要なほどの敵ってわけだな。分かった、出し惜しみはしないから安心してくれ」

 

 

 

 

 その声を聞いてわしの意識は闇に飲まれた。

 




 次回 黒幕、襲来






 次回もサービス、サービス……もっとやれ、頂きました。ハイ、喜んでぇぇ。
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