EBA 一番と四番の子供達   作:アルポリス

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これにて終了。


第4話

+サイドアウト+

 

 

 観察棟は静寂に包まれていた。

 

 今にも振り下ろされようとしていた零号機の拳はガラスの窓ぎりぎりで静止していた。ちょうどこの時、零号機の内部では悪乗りする妻を波尾が止めていた所である。

 

「いきなりどうして…」

 

 急に止まった零号機の様子に科学者たる血が騒ぐのかリツコがモニターを見つめ、原因を探っていた。

 

 誰もが呆気に取られているなか、流石の司令、副司令官両名は表情一つ変えない。

 

「原因解明は後にしろ、こちらの信号は受け付けるようになったのか?」

 

 コウゾウがそう下せば、リツコ以下、研究者達が一斉にモニターを睨みつけ、操作し始めた。数分後、代表でリツコが可能だと答えた。

 

その場にいた全員の視線がゲンドウに向かう。命令を待っているのだ。

 

「エントリープラグ強制射出を急げ」

 

 キリリッとした表情、無駄に渋い声でそう言えば、皆一応にして口元を手で押さえつけ悶えるように呻き声を上げ始めた、と、ゲンドウやコウゾウは思った。実際はリツコとミサトの話を盗み聞きしていたものたち、というか全員が全身タイツを想像して笑いを必死に堪えているという光景である。

 誰かが、笑いの隙間で漏らした一言を聞いたのか、ゲンドウが口を開く。

 

「プラグ全身タイツとはなんだ?」

 

 勘弁して下さい、職員やリツコ、ミサト、マヤまでが心の中で懇願しながら、笑い声をもらさぬよう更に必死で口元を抑えていた。何人かは壁に頭を打ち付け、痛みで逃がそうとしている。

 

 

 中々の混沌とした空間、そのあとの事を告げるならばレイが助け出されたのはそれから五分経った頃である。必死にエントリープラグを開けようとするゲンドウを見て、シリアスなシーンにも関わらず、彼女らは抑えていた笑いが再び解き放たれ、地面に蹲ってやり過ごし、男性職員は頭を地面に叩きつけ、やり過ごそうと必死だった。幸いなことにゲンドウとコウゾウはレイを助け出すのに目を向けていて咎められることは無かった。

 

 しかし、職員たちの本当の試練はその先に待っていたのだ。

 

 

 ゲンドウの手によって強制的に開けられたエントリープラグの扉から、レイが顔を出す。射出され、何度も壁に打ち付けられたにも関わらず、無傷のレイが登場したことでゲンドウが僅かに驚きを見せた。が、すぐさま表情を優しいものに変え、労いの言葉を掛けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+サイド今はレイの元おじい+

 

 

 何度も衝撃を受けたのに傷一つないのは妻が守ってくれたのだろう。妻には頭が上がらない。まあ、真の意味で妻に頭が上がったことなど一度も無いが。

 

 せっかく、妻との思い出に浸ろうとしていたのに何かが悲しくてサングラス男、今は壊したのか掛けていないを最初に視界に移さなければならないんだ。まったくもって不愉快だ。

ふむ、どうやら本当に思考が若返っているようだな、現在の思考がレイという、若い肉体に引っ張られる証拠だ。実験前ならどんな事象に関しても寛大であれたのだが、これから先はそうも行かないだろう。

 

「レイ、大丈夫か?」

 

 サングラス男、面倒だから司令にしよう、司令が問いかけてきた。

 

(わしの体はこの通り傷一つ無いです)

「……傷一つありません」

 

「そうか」

 

 な……なんだと、言葉が思い通りに通らないだと!!

 

「しかし、心配だ。念のため救護室で見てもらえ」

 

(うるさい、見た目通り怪我はないんだ、必要ない。それよりも、今考えている最中なんですよ)

「……声が頭に響きます。話しかけないでください」

 

 まったくどうなっているんだ、わしの考えている言葉がそのまま口に出されないのは虐めか何かか? 良子の奴がわしに嘘をついたのか……いやまて、良子は冗談や悪乗りはするが、嘘はつかん……確かあいつは……それにしてもこの全身タイツは首周りがきついな。考えの邪魔だ。早く脱ぎたいぞ。あれ、そう言えばぷらぐ全身タイツだったか…まあ、どっちでもいいか。誰かに直せといわれてもわしは知らん。

 

あいつは一応の安定と言っていた…まさか、まだ完全に安定していないから言葉が通らないのか、いやしかし、これから先、わしはどうやって意思相通を行っていけばいいのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+サイドアウト+

 

 

 

「……声が頭に響きます。話しかけないでください」

「!!!!」

 

 いきなり言われた、レイの暴言にゲンドウが目を見開く。自分たちの良い様に扱える人形を目指したにこれでは話が違う。

 

「レイ、零号機の中で何があった?」

「………」

「レイ?」

「………」

「何か言いなさい!!」

 

 ゲンドウが声を荒げれば、笑い悶えていた職員たちの視線が一気に二人のやり取りのほうへと向かう。

 

「……全身タイツ」

「!! 何か言えとは言ったが、何故そのチョイスだ!! 私は零号機の中での出来事を聞いている!!」

「全身タイツがきつい」

「まずその話題から離れなさい!!」

「間違えた」

 

 レイの言葉にゲンドウが安堵する。

 

「ぷらぐ全身タイツだった」

「お前まで言うか!! 結局、プラグ全身タイツとは何なんだ!!」

 

 悲鳴にも似たゲンドウの叫び声に職員は轟沈、その場は笑いの渦に飲み込まれていく。

 

「私も知らない」

「お前も知らないのか!! では、何故その言葉を敢えてチョイスした!!」

「………」

「困ったら、だんまりか!!」

「……どうやって意思疎通を行えばいいのやら」

 

 

「それは私の台詞だぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 頭に血が上りすぎて、眩暈を起こし、ふらふらと倒れこむゲンドウをコウゾウが支えた。どうやら、救護室が必要なのはレイではなくゲンドウと、笑いすぎて痙攣を引き起こし始めていた一部の職員たちのようだ。その中には当然、ミサトとリツコも入っていた。

 

 

 

 

 その後、グダグタの起動実験はゲンドウの強制退場によって終わりをもたらされる。だが、職員から笑われ、レイからは馬鹿にされたゲンドウの怒りは収まることは無く、あの場にいた職員は三ヶ月の減給を言い渡され、レイは一ヶ月の減給、及び自宅謹慎、もちろん学校には行くが。言い渡されることになる。それによって、主人公碇シンジとの対面はアニメで言うストレッチャー越しではなく、第三の使徒が倒された翌日の学校でのことになった。この世界本来の未来ではその日、レイは戦いに出されるはずだったのだ。

 

 少しずつ、原作と離れていく、レイはそう感じていた。

 

しかし、本当は初めから原作と駆け離れていたのである。それは奇しくもアニメではレイが戦いの場に始めて出るはずの話、ヤシマ作戦のときに凄い衝撃もって理解することになる。

 

 

 

そして何より、既にこの町を第三新東京だと思っていたレイは間違っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この町の本当の名は……第二新東京市であったのだ。

 

 

 

 

 




 作者は少し考えている状態です。原作のタグを変えるかもしれません。
 
 今後、読者の皆様に混乱させてしまうかもしれませんが、ご容赦を。
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