EBA 一番と四番の子供達   作:アルポリス

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 始まります。


間幕2

+サイドアウト+

 

 

 宇宙に上がった地上部隊は宇宙部隊と合流、これによってエヴァチームを除くすべての部隊が揃った事になる。

 

 マクロスとエクセリヲンを中心としたロンドベルは今後の対応のため、意見交換が行われることになった。

 そこで出された議題には裏で暗躍していると思われるユーゼス・ゴッツォの目的について語られることになる。

 異世界を含めた五人の艦長、そしてDC代表としてシュウ・シラカワは互いにユーゼスの目的について意見を交し合うものの全てが予想の域を出ない中途半端な予想ばかりで半ば暗礁に乗り上げてしまう。

 シュウに関しては全ての手札を出していないと五人の艦長は理解しているが、そこは暗黙として無視している。彼に求めたところではぐらかされるのが落ちだからだ。

 

 その中でエアロゲイターはユーゼスの思惑によって動かされているのではないかという予想に関しては六人の共通の認識で一致していた。

 これ以上話し合っても決定的な意見が出ない為、次の議題に移ろうとする最中、会議場の扉が開かれ、タスクがサイバスターのパイロット、マサキを伴い入ってくる。

 一パイロットでしかないタスクの登場に皆困惑するも、レイによって託された伝言を告げれば六人は目を見開いて驚きを見せた。

 特に普段冷静さを崩す事のないシュウなどは口を半開きにして驚くものだからタスクは内心で笑いを堪えるのに必死だった。レイの助言通り面白いものが見れるということでマサキ・アンドーを連れて来て正解だったが、肝心のマサキもシュウの姿に驚きすぎて口を半開きしにしていたので残念ながら笑う余裕は無かったようだ。

 

「タスク君、君の言っている事は本当なのかね?」

 

 そう問いかけてきたのはエクセリヲン艦長のタシロ・タツミだ。タスクはそれに対して素直に頷いた。

 

「ああ、ネルフは敢えて報告してないみたいだが、実際撃墜したパイロットにも話を聞いたから確実性は高いぜ」

「しかし、何故ネルフが敢えて隠した事実をあなたが知りえたのでしょうか?」

 

 不信がりながら問いかけてきたのはシュウ・シラカワだ。

 

「パイロットの一人から託された伝言を俺は告げただけだぜ。俺も聞いたときは驚いたが、まあ、あの人が率いるチームなら何となく納得しちまった」

「それが、誰か聞いてもよろしいですか?」

「ああ、あの人も構わないって言ってたから良いぜ。かつてはこの部隊に配属されるはずだったエヴァパイロットで今はネルフ所属の綾波レイだ」

 

 面識が無い四人、タシロやグローバル、シーラは眉を潜め、問いかけたシュウに至っては益々不信感を募らせる結果になったようだ。逆に面識のあるブライトとエレは驚きを見せながらも苦笑を浮かべながら頷いてみせる。

 

「タシロ艦長、タスクの言っている事は正しいでしょう。彼女とは一度だけ面識がありますが我々を混乱させるような嘘を吐く様な子ではないはずだ。まあ、別の意味で驚かされはしますがね」

「ええ、ブライト艦長の言うとおりですわ。わたくしも面識があります。彼女はとても良い子ですわ。それに不思議な子でもあります……なんと言えばいいのでしょうか、あの子はとても十四歳とは思えない思慮深さがあります。そんな彼女が悪戯に混乱させるような事は申しますまい」

 

 二人の意見を聞いてタスクはその通りだと頷いた。

 

「そうだぜ、会ったら誰でも不思議な想いをしちまうような子だ、俺も度肝抜かれたからな」

「そんな、不思議な奴なのかよ?」

 

 驚きから回復したマサキがそう問いかけてきた。タスクはそれに頷きながらも信じてもらえない時に告げろと言われていた伝言を言葉にする。

 

「あの人曰く、ユーゼス・ゴッツォはエアロゲイターの実質的な黒幕だ。俺たちを裏切ったイングラムもレビとか言う女の子もすべてはユーゼスが仕組んだ事らしい。そんで驚け、あの人はここにかつてエアロゲイターに所属していた女性がやって来るとか言っていた。で、俺とマサキはその人に会ってきたんだが、俺の勘もあの人とは敵としてあった事があると踏んでいる」

 

 その言葉に六人が更なる驚きを見せた。当然である、この戦艦にスパイがいる事になるのだから。

 

 特に自分も面識があるマサキの驚きようは六人より大きい。

 

「おい、さっき会ったって、まさかマオインダストリーから来たヴィレッタ・バディムの事かよ!?」

「ああ、そうらしいぞ」

「そうらしいぞって、スパイなんだろう!」

「んにゃ、あの人が言うには人類を助けるためこちらに寝返ったんだと。実際俺だって鵜呑みに出来ないからな、結構きつくヴィレッタに問い詰めさせてもらった。そしたら割と素直に告白してきたよ。後、判断は皆に任せるとも言っていたな」

「何だよ、俺はてっきり馬鹿みたくナンパでもしているのかと思ったぜ」

「クソッ、忘れてたぜ!!」

 

 タスクはそう叫ぶと部屋を出て行こうと反転するも、マサキによって肩を掴まれ止められた。

 

「馬鹿言うな、言うだけ言って逃げるんじゃねぇ!! 俺だけじゃ収集が付かないだろうが!!」

「あ、やっぱり駄目?」

「駄目に決まってるだろう!!」

「何だよ、俺からはもう伝える事はないぜ。あの人の言葉を伝えるのが目的だからな。それに真意がどうあれ、俺たちのやる事は変わらない。この地球やコロニーに住む人類のため立ちはだかる敵を倒すだけだろう?」

 

 その言葉を聞くとその場に居たシュウ以外は苦笑を浮かべながら肯定した。そう、例えどんな困難が降り注ごうとも自分たちのやる事は変わらない。明日を生きる人々の為に戦うだけだ。

 

「確かに君の言はもっともです。が、信憑性のない根拠を信じられるほど私は楽観出来ない性格でして。何故、彼女がそのような事実を知りえたのでしょうか? 可笑しな話だ、彼女は一度もこの部隊に所属した事などないのにまるで内情を知っているかのような口ぶりで告げてきた。彼女が現状を把握するため、この部隊にスパイを送り込んでいるのか、それとも未来を予知する能力を有しているとでも言うのか、どちらにしても彼女の伝言とやらは不自然な事に代わりはない」

 

 シュウの言葉を聞いていたタスクは堪えられないといった感じで笑い出した。それを不快に思ったのか、眉を顰め冷笑を浮かべたシュウが威圧をタスクに放ちながら口を開いた。シュウの攻撃性などを垣間見た事のあるマサキなどは答え次第では本気でタスクを潰すだろうことを理解して背筋を凍らせる。

 

「何がそんなに可笑しいのでしょうか?」

 

 しかし、当の威圧を向けられたタスクなどは目に浮かんだ涙を拭き取って笑いを抑えると怯えた様子も無く軽い口調で悪いと告げる。

 

「いやさ、あの人の言ったとおり、この話をすればあんたが突っかかってくるだろうことも予想していたからさ、で、笑ったのはあんたが言った未来予知やスパイ行動を理由に上げてくるかもしれないとも言われていたから、当たりすぎだろうと思って笑ったわけ。別にあんたに対して笑ったわけじゃないからその威圧を何とかしてくれると助かるんだが?」

「ほう、綾波レイという少女は私のことを良くご存知のようですね」

 

 突き刺さる威圧感を消し去りながらシュウは言った。どうやら、満足はしないものの取り敢えず答えとしては許される範囲だったようだ。

 

「ああ、理由はよく分からねえけど、あんたの事は良く知っていたな。人に使われるのを良く思わないくせに自分は率先して使うとか、頭が切れるからこそ物事の結末を端的に定めがちとか…って、俺が言ったわけじゃないから威圧感をまた出すのは勘弁してくれよ!」

 

 タスクの言葉を聞いているうちに目が据わり始めたシュウが再び威圧感を放ち始めたので止めるよう懇願すれば、深く息を吐き出してそれを止めた。

 

「まったく、今からでも彼女に会いたくなってしまいますね、興味が沸きました。他に何か私について言っていましたか?」

「えっと、多分だけど伝えるつもりは無かったんだろうな、独り言で呟いていたのを偶然耳にした言葉があったけど、俺にはよく分からなかった」

「構いません、教えて下さい」

「鳥篭は何時か壊されて、やがて自由の翼を羽ばたかせるとか……後、お喋りインコがどうとか言っていたから、あんた鳥でも飼っているのか?」

 

 シュウの目が見開いた。それはもう、先ほどユーゼスの死を知るよりも驚愕した表情を浮かべてタスクを凝視するものだから、インコを飼っている事はシュウにとって最大の秘密なのかと予想して、確かに目の前の男がインコを大事にしていたらドン引きするな、などを内心で思い浮かべ、地雷を踏んでしまったのではないかと冷や汗を搔いた。

 

「……なるほど、益々彼女に興味を抱いてしまいました。私が飼っている鳥を知っているとは面白い少女だ。どうやらその子は沢山の知識をお持ちのようです、私も信じることに致しましょう」

 

 僅かに目を細めて微笑を浮かべるシュウの姿を旗から見ていたマサキは即座に思った。奴は嘘を吐いていると。

 

 タスクの言葉は確かにシュウが信じるに値する価値があるのだろう、しかしそれは言葉通りの意味ではなく、シュウの思惑の何かに引っかかったからだ。

 

 それでもマサキは追求する事を止めた。いや、出来ないといった方がいい。彼には思惑の予想すら出来ていないうえにシュウ自身の考えなど理解出来ないのだ。それに加え言葉でシュウに勝てたためしがない。だからきっと自分が知るときは奴が行動を起こしてからだろうとマサキは理解するのだ。

 

 シュウが信じたことにより、話を丸まる鵜呑みにはしなくとも一応一つ懸念事項が去ったと言う方向で話は終わりを告げた。そして、ヴィレッタに関してレイより齎された伝言を付け加えるとタスクとマサキは退室した。

 

 

 

 

 

 

 二人と入れ替わるようにヴィレッタやリアル、スーパーロボの各チームのリーダーが集まり、議題は対異性人についての話が始まる。しかし、その前にタシロ艦長より皆に向けて伝える言葉があった。

 

「諸君、我々は先ほどある者より情報を貰い、マオ社より出向してきたヴィレッタ・バディムに付いて知りえたことを伝えたいと思う」

 

 その言葉に各リーダーが耳を傾ける中、ヴィレッタは採決を待つ囚人のような気持ちで瞳を閉じた。

 

 タシロの口から語られた内容に各リーダーは冷静さを持って聞くもの、憤りを露にしてヴィレッタを睨みつける者と別れ、その場所は混迷を見せた。だが、最後にタシロ含め五人の艦長の想いを代弁したことで一応の混乱は収まりを見せることになる。

 

「皆、憤るももっともな話だ。しかし、我々は彼女を快く受け入れることにした。それは我々が闘争本能だけではないという証を立てるためでもある。我々は異世界人を受け入れた、ならば敵の異星人を受け入れられるはずだ。今後、多くの異星人と相対するだろうその中で我々に味方してくれるものも現れるはずだ。遺恨ありとも受け入れる姿勢、今回はその始まりにしたいと我々は考えている」

 

 淡々と告げたタシロはヴィレッタに鋭い視線を向けた。

 

「さて、我らは思わぬ方向から君の素性を知った。仮に我らが気づかなかった場合、君はどのような行動をとっていたのかね?」

「私の行動は変わらない。この知識を人類、果てはすべての生きる存在のため扱う所存です」

「なるほど、それが、君自身とイングラム元少佐の願いというわけか」

「!?」

「言っているだろう、情報は得ているのだよ。彼が裏切りの汚名を受けてまでSRXチームを大切に思っていることはね」

「一体どのような手段で手に入れた情報か気になるところですが教えてくれないのでしょうね」

「いや、本人は構わないと言っているので告げよう」

 

 そう言ってタシロは先ごろネルフ本部に現れたイングラム元少佐と対峙した綾波レイのやり取りを詳細に述べた。これはヴィレッタを素直に受け入れさせるためにレイがタスクに託した伝言の一つである。これを聞いたSRXチームのリーダー、マヤは涙を浮かべて安堵したような表情を浮かべた。その他、各チーム複雑な表情をしながらその話を受け入れた。特にその場に居たダイターン3の万丈が見ていたことを証言したことでそれは真実味を帯びる形となる。

 

 これにより各チームのリーダーたちはヴィレッタ・バディムに対する態度を軟化させた。

 

「ふむ、どうやら君たちは彼女を受け入れてくれるようだな。感謝する。どうか、他の皆にも我々の想いを告げて受け入れてくれるよう配慮して欲しい。何、ヴィレッタ君はとても別嬪さんだ、必ず受け入れられ……どうしたのかね、この場にいる女子のわしを見る視線が一斉に汚物を見るような目になったのだが」

 

 タシロに向けられる女子の視線が変わったことに驚きそう告げれば、男子たちは皆明後日の方向に視線を向けて黙り込んだ。

 

 その中でタシロの隣にいたエレ様が汚物を相手に口を開いた。

 

「その言葉を聞いていると仮に彼女が別嬪さんでなければあなた方男の人は受け入れられないとそう仰っているように聞こえます。最低ですね」

「いや、そ、そんな事は…」

「それに先ほどの発言、この世界で言うところのセクハラになるのではないでしょうか、最低ですね」

「わしにそんなつもりは…」

「女性をそのような目線でしか見ていないとは嘆かわしい。つまり最低ですね」

「……何ってこったい」

 

 帽子を深々と被り突き刺さる視線から逃げるように項垂れたタシロの代わりにマクロス艦長グローバルがその後の議題を進行することにった。以降、エクセリヲン艦内でタシロの女性人気は一気に下落していくことになる。

 




 次回間幕3 愛、うろおぼえですか。






 次回もサービス、サービス……次で終わります。 
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