EBA 一番と四番の子供達   作:アルポリス

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中二カヲ「馬鹿にして! 君こそ、言葉の端々が中二臭いよ!!」

Qカヲ「僕の言葉は純然たる事実さ。人間が神になれないのと同じようにね」

中二カヲ「クサッ!! 中二クサッ!!」

Qカヲ「別に構わないよ、僕にはある子を幸せにすると言う崇高なる目的があるんだ。君如きに中二病扱いされても痛くも痒くも無いよ」

中二カヲ「ぐぬぬぬぬ、同じ顔なのに負けた気がする!!」

Qカヲ「勝ち負けに拘る時点で君の器のでかさが知れてしまうよ?」

中二カヲ「うわぁぁぁぁぁん(泣)」

 何処からか駆けつけてくる足音が聞こえる。

カガリ「誰だ!! カヲルを泣かした奴は!!」

Qカヲ「僕は君を知らない……誰だ?」



               続く? 






 始まります。


第三話

 

 

 闇に閉ざされた何も無い空間、その場所に集う十二のモノリスたちにスポットライトのような光りが当たる。先のネルフ本部襲撃の戦況を聞き及び、集結していたのだ。

 

『やはり、モビルスーツでは荷が重かったか』

 

 11と記されたモノリスが告げると、他のモノリスたち、毎回集まっているほうの連中、が一斉に良いとこ取りするな、この仮病野朗と文句を上げた。

 

『仕方がないこと、我らは恐怖を感じる不完全な群体にすぎないのだから』

 

 10と記されたモノリスが厳かに告げるも、カッコ良いこと言ったつもりでもやっている事は小学生のずる休みに使う理由を述べて布団の中、震えていただけだから、というツッコミが尽かさず入った。

 

『くくっ、それでも我らは再び舞い戻ってきたのだ。人は弱くもあり、強くもある、そうだろう?』

 

 07と記されたモノリスが、先ほどからあらぬ空間に12の数字を向けているモノリスに対して忍び笑い含めながら言い放った。しかし、馬鹿にしたようなあからさまな言葉にも12と記されたモノリスは沈黙を貫いている。

 

『止めてあげなさい、07、彼は――』

『てめぇは黙っていろ、09!! この裏切り者め、生死をさ迷ってそのまま死ねば良かったものを!!』

 

 窘める様に09が言葉を放つも、01のキールが遮るように怒鳴り散らして黙らせた。

 

 発言をさせてもらえない09が嗚咽を漏らしながら言い訳染みた言葉を吐き出すも、その声を拾うものはこの場所にいない。この場所にリア充は不必要なのだ。

 

 そんな中、沈黙を貫いていた12がポツリと呟き声を上げる。

 

『金髪の年増も青髪の年増も無理だった……もういい、死にたい』

 

 先ごろの合コンで失敗した奴だった。

 

 死にたいと呟いたりするもの、09を糾弾するもの、ずる休みをしたモノリスにネチネチと嫌味を聞かせるもの、中々のカオス空間に一つのモノリスが言葉を発した。それは全てのモノリスに一瞬で浸透して静寂させる。

 

『もう良いじゃないか、生きていればなんでもよい。我はそれをあの地獄から学んだよ』

 

 08と記されたモノリスの言葉は深く、そして重い。

 

『良くぞ、還ってきた』

 

 01を始め、全てのモノリスが再開を喜んでしまうのも無理は無い。08のモノリスは先ほど、ゼーレに従う信者によって命からがら監禁及び拷問部屋から助け出され、この場所に集う事が出来たのだ。

 

『さて、これで我らは揃った。なれば祝音を盛大に鳴らさなければならん。その為には立ちはだかる忌むべきエヴァを排除せねばなるまい。我らが悠久の平穏と平等、空から飛来する災厄から人の存在を残すため、毒を持って毒を制止するだろう』

 

 代表のキールがそう宣言すれば粛々とそれを受け入れるモノリスたち。

 

『いささか、数は少ないが致し方あるまい。これよりエヴァ初号機を人柱として人類補完計画を発動させる。ただし、09、てめぇは駄目だ!』

『!?』

『冗談だ、最後は所詮一つとなるのだから』

『ほっ』

 

 モノリスたちが機能を止めるかのように次々とフェイドアウトしていく。そして最後に残された01、キールもまたこの空間の闇に溶け込むかのようにフェイドアウトしていく。その寸前、キールの口が僅かに開いた。

 

『もしも我らの願いが叶わなかった暁には…あれに寄生してしまった悲しき怨念が顔を出すかもしれん』

 

 すべてのモノリスが消え去りその空間は闇が支配するだけの場所となる。

 

 最後にキールの声が響く。

 

『しかし、それもた、我らに相応しい終わりかもしれんか……何者!?』

 

 

 

 荒げるキールの声とそのすぐ後に聞こえてきた鈍い打撃音を最後にその場所は完全な無音になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+++++++++++++

 

 

 

 

 ミサトからネルフ本部を急襲してきたモビルスーツ部隊及び、侵入部隊が撤退した旨を4号機の中で聞いたカガリはぽかりと開いた上空を見上げた。晴れ渡る空が眩しい。

 

「これから、か」

 

 最後にレイと会話した時、彼女は警告していた。これから先、この場所に現れるエヴァが自分たちにとって最大の敵になるのだと。九機にも及ぶ量産型エヴァンゲリオン、飛行機能を搭載した軽量型のそれは装甲が薄くも非常に優秀な再生機能を持ち合わせているらしい。

 

「決して油断せず、確実にコアを潰すこと」

 

 これに尽きるとレイは口を酸っぱくしながら告げてきた。その助言を無駄にしないためにも気合を入れなおす。

 

 警告音と共に上空に現れた九機の奇怪な戦闘機、その下腹部に埋まるようにして存在する白い何か、戦闘機はそのまま上空を移動しながらその白い何かを躊躇無く落した。

 

九つのそれは落下しながらも天使のような白い翼を広げ、悠々と上空を飛び始める。やがて地上で見上げるエヴァ三機を嘲笑うかのように規則的な動きで上空を旋回しだした。

 

『エヴァシリーズ……完成していたの』

 

 通信からアスカの憤りを孕む低い声が聞こえてきた。それにカガリは頷いて肯定する。

 

「最後の総力戦だ。あたしたちだけであれを消滅させる」

 

 自分と同じようにレイの助言を二人に伝えるとそれぞれ了承した。

 

『でも、僕たちだけで大丈夫かな』

『あんた今更何言ってんのよ、ロンドベルはまだ木星圏内で立ち往生、あたしたちでやるしかないじゃない』

 

「来るか分からない部隊を当てにして戦えば、油断を招く。大丈夫だ、シンジ。お前はこの二週間で強くなった。あたしやレイのお墨付きだ、アスカもそう思うだろう?」

 

『そうね、あたしも油断できないくらいには強くなったと思うわ。所詮、エヴァを動かすのはイメージ力、それを養うには身体も鍛えないと駄目なわけだけど、それさえ培われれば、後はママたちが応えてくれるはずよ』

 

 この二週間、シンジはレイの監修の元、カガリとアスカによって身体を鍛えられた。むしろ拷問に等しい扱きだったとシンジは断言している。

 

 たかが二週間、されどその二週間で体に刻み込まれた苦痛は逆に相手を破壊するイメージとなってそれを糧にするエヴァにフィードバックされるだろう。

 

 

「あたしたちは強い、例えそれが想いだけでも、言葉だけでも、このエバに乗っていれば可能にしてくれる」

 

 4号機のツインアイが鈍く光る。

 

 

『きっと、独りだったら心細かったかもしれない。ううん、最悪やられていたかも。けど、今は大切な仲間がいる。だから見ていてママ、あたしは勝つわ』

 

 弐号機の六つの瞳が怪しく光り輝き始める。

 

 

『……レイさん、僕は……僕は、あなたに誇れる男でありたい。だからこそ負けません、きっと勝ってみせる』

 

 初号機のツインアイが淡い光りを灯す。 

 

 

 上空を旋回していた量産型が三機を囲うよう地上に降り立つと翼を収納して血の様な唇を開いて卑下した笑い声にも似た声を上げる。瞳がないのにも関わらずその表情は獲物を狙い定めているようだ。

 

「一人三体だ、いくぞ!!」

 

 

 カガリの掛け声と共に本部を守護する三機のエヴァは九体の量産型に向けて駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

++++++++++

 

 

 

「老人は切り札を出してきたか、こちらも急がなければならないようだ」

 

 ゆっくりとした歩みでガブの部屋と呼ばれる場所を踏みしめながらゲンドウがその場に佇む巨人の手のひらを見据えた。

 

 その視線に真っ向から対峙するかのように見下ろすのは零号機の手のひらの上に凛とした姿で立つレイだ。

 

「丸腰で来るか、ゲンドウ。それではお前に勝ち目は無いぞ?」

 

 リリスの魂が込められた零号機を有するレイの言葉は事実だ。この組織のトップであろうとも唯の人にエヴァを止める事は無理な話である。それでもなお、ゲンドウは歩みを進めて零号機に近づいてくる。

 

「そう思うならばさっさと零号機で丸腰の私を排除すれば良い」

 

 レイの格好から出来ないと理解しているからこそ、そんな挑発をしてくる。

 

自分の甘さに内心自嘲的な笑みを浮かべ、零号機に指示を出して手のひらを下げさせる。適度な場所に下げられた手のひらから地面に降り立った。

 

「お前の事だ、切り札の一つぐらいは用意していると思ったからこそ、わしは零号機と共にこの場所へやって来たというに、これでは弱いものいじめだな」

 

 プラグスーツではなく何時もの制服を着ていることからも零号機に乗るつもりなど選択肢の中には無いのだ。幾ら敵とはいえ、唯の人間にエヴァを嗾けるほどレイは落ちぶれていない。何より、あくまでレイにとって零号機は何かあったときの抑止力として連れて来ただけで、初めから嗾けるつもりは微塵も無かった。

 

「切り札か、お前の言うとおりそれは存在する。だが、今はその時ではないようだ」

 

 そう言うとゲンドウから今まで歩いてきた背後を振り向いて口を開く。

 

「どういうつもりだ、赤木博士」

 

 その言葉にレイもゲンドウの背後に視線を合わせる。そこには幽鬼のような歩みでこちらに近づいてくるリツコがいた。

 

 リツコの口元がゆっくりと開き、視線を下げていた顔を上げる。

 

「どういうつもり……ですって……クソサングラスの分際で生意気ね」

 

 狂気を宿した瞳がゲンドウを射抜く。

 

 その眼光の鋭さに思わず恐怖したゲンドウは本能から即座に正座をして頭を下げた。何故か、睨まれていないレイですら土下座をしてしまうくらいの迫力がリツコにはあった。

 

「何が理由で怒っているかは知りませんがごめんなさい、あなたのお母さんがうざくて色ボケババアと言ってごめんなさい、キョウコ君にそっくりな雰囲気は止めて下さいトラウマですからごめんなさい」

 

 ゲンドウが呪詛のように謝罪を繰り返す。レイは黙って頭を下げたままだ。

 

「お前の軽い謝罪如きで私の心に負った傷が癒えるとでも思ったか、このクソが」

 

 もう、サングラスの部分すら外して吐き捨てたリツコがゲンドウの頭を踏みつける。

 

「お前は、この私を、小便小娘の代わりとしてゼーレに売った。そして連れて行かれたあの場所で、あの色ボケクソ老人どもは私の逆鱗に触れた」

 

 足に力を込めたことでピンヒールの角が後頭部に突き刺さるとゲンドウが悲鳴を上げた。レイは下げながらもその様が目に入り、内心で悲鳴を上げる。

 

「分かるか!! 老人たちの前に現れただけで、これ見よがしにため息を吐かれ、まるで私の存在など待っていなかったような雰囲気を醸しだす。呼んだのはてめぇらだろうが、何で私が空気読めよとか、思われなきゃならない!! で、よくよく理由を問いただしてみれば、小便小娘の女子中学生が良かったですって舐め腐るのも良い加減にしろ!!」

 

「ひぃっ、後頭部が痛い、痛すぎてユイとの再開が出来そうですぅぅ!!!」

「まあ、色ボケロリコンクソ老人は私のリークで今頃、日本の暗部に拷問されているだろう。これで一つ、私の傷は癒えた。次はお前らだ、クソと小便小娘」

 

 標的の中に自分も入っているのか、内心で驚愕したレイは頭を勢いよく上げた。

 

「お待ち下さい、リツコ様。わしはあなたが素敵な女性だと常々思っておりました。ただ、わしの事を実験動物のような目で見ておりましたからこそ、あの時は反発してあんな思ってもいない言葉を吐いただけに過ぎません!!」

「あ、ずるいぞ!! 抜け駆け――ぐふっ」

「黙りなさい、クソが」

 

 足に更なる力を込めてゲンドウの言葉を強制的に黙らせた。リツコの狂気を宿した瞳がレイを射抜く。逸らしてなるものかと腹に力を込めてリツコを見つめる。やがてリツコの宿していた狂気が幾分和らいだ。

 

「そう、それは私も悪い事をしたわ。そうね、あんな不快な目は嫌よね、私もクソ老人の視線に晒されて理解したわ。ごめんなさい、レイ。あなたを許すわ」

 

 内心でガッツポーズを作りながらも表面上は無表情でこちらも謝罪を口にすれば、晴れて標的からレイは外された。

 

「さあ、残りはお前だ、いかに懺悔の言葉を述べようとも許すつもりは無いが、な」

 

 懺悔の言葉を封じられ成すすべが無くなったゲンドウの頭から足を退け、髪の毛を鷲掴みにして強制的に顔を上げさせる。

 

「血祭りの時間よ、お祈りは済ませたかしら碇総司令官?」

 

 世界の終焉の前にゲンドウの終焉を告げる言葉が放たれた直後、溜め込まれたLCLの赤い海が水しぶきを上げる。

 

 その様にゲンドウが畏怖にも似た驚きの声を上げた。

 

「馬鹿な、私はまだ命令を下していない!?」

 

 その場所に隠されたゲンドウの切り札がリリスの存在に我慢できず本能に従い浮上する。それを目で捕らえたレイは僅かに目を見開く。それも仕方が無い、目の前の存在は今頃、地上で量産型を相手に奮闘しているはずだからだ。

 

「初……鰹」

 

 

 ツインアイを赤く光らせた初鰹、ではなく初号機が今にも零号機に襲い掛からんと雄叫びを上げていた。

 

 




 次回 Air/その辺りの話を君に 2






 次回もサービス、サービス……思ったよりも早くできてびっくりです、自分が。
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