(俺が呪術師を除霊しちゃったのは)わざとじゃないんです! 作:かりん2022
「ドキドキしてたけど、良さそうな所でよかった」
俺はほっとして言った。竜脈も来てるっぽいし、自然いっぱいだし、神社仏閣っぽい場所はあるし。
しかし、変な感じだ。
ここには何かいるけれど、霊的主はいなさそう。
東京なんて、京都と並んで守られてそうなもんだけど。
「なあ、ここって祠とか立てさせてもらったりして、霊的拠点作っていいの?」
「それってどんなの?」
「俺の祀る神様のテリトリーにしていいかってこと。霊的に落ち着いて、呪霊とか出難くなる、と思うけど……」
「それ、どこでも出来る? 範囲どれくらい?」
マジトーンで言われる。
「どこでもは無理かな……。あんま期待されても、その、困る」
「そっか。実験には協力するよ!」
そんなこんなで、コワモテのおっさんに紹介される。
「何しに来た」
ええ……。
「あー。そう、だな……。目指せ、東京結界網構築……?」
「結界網?」
「とりあえず、東京だけでもあんまり呪霊出ないようにしたいなって。あと、それだけやれば一生左うちわかなって」
「凄いでしょ、大型新人! 見えないけど!!」
「そんな事が可能なのか?」
「わかんね」
「まあでも、悠仁はただの水で僕を火傷させる男だからね。 期待して待ってる!」
「……はあ。しばし様子を見ようか」
ちなみに、同級生の伏黒と釘崎にはスゲー不安視されました。
勉強以外、授業別だしな。
「今日は悠仁がお仕事するから、僕らはお休みです!」
「は?」
「文脈繋がってないじゃない」
「まーまー。毛布は持ってきた?」
「一応」
「言われてたしね」
「じゃあ、座学とかしながら教室で待機だよー」
ペタペタと教室にお札らしき物を貼っていく五条先生。
「お前からわざわざ一般の呪術師にまで雨注意報を出すなど。ちょっとした混乱が起きているぞ。悠仁はそれほどか」
「多分ね。どこまで範囲かわからないから、僕はお休みしておくよ。無駄になったらなったでいいし」
そうして、学長とぬいぐるみの山、一年生担任と一年、女の子一人ではと補助監督の新田が待機することしばし。
雨が降ってきた。
「さむ……っ お花摘みに行ってくるわ」
釘崎が出ようとして、鳥肌を立たせた。
ガシャんと扉を閉める。
「すごく嫌な感じがする。ゾワっとしたわ」
「はい、野薔薇。これ悠仁が作ったお札ね。これで頑張ってお手洗い行っておいで」
頭にお札をポンと貼る。
「あ、楽になった……」
「そういうことで、雨が止むまで大人しくしてようか」
「わかったわ……」
「悠仁の仕事って何ですか」
「なんかね。ここ周辺に呪霊が出にくくするらしい」
「これで悠仁が見えないってマジですか」
「マジ。本人が言うには独学の自称霊能者だって」
「やばいですね霊能者」
「本当にね。呪力が高い人ほど効くみたいでね、僕避難してても風邪ひきそう」
雨は三日三晩降り続けた。五条は風邪を引いた。
呪いのセキュリティ的にも色々あり、悠仁は許可をもらってやった事なのに、何故だか怒られることとなったのだった……。
「日本全土でやれ派と二度とやるな派に挟まれて俺辛い」
「わかる」
「わかる」
「しかも、被害者は軒並み二度とやるな派だった」
「わかる。宿儺の指回収に行った時もうダメかと思った」
「わかる。もう二度とやるな」
「懸賞金掛けられたし、監視付けられたし」
「わかる」
「わかる」
「とりあえず、一人で日本に結界網構築なんてできるわけがねーっていう」
「でも東京はするって言ったんでしょ」
「一生掛けてな。一ヶ月じゃ無理」
「それでもスゲーな」
「一応、こっちのセキュリティや呪術師を害さない方向で頑張ってる所だけど、難しくてさ」
「何でそこまで出来て見えないの?」
「知らねーよ、なんだよ、なんなんだよ呪霊!! 人をまるかじりすんのは悪霊じゃなくて魔物っていうんだよ。ファンタジーの世界かよ」
「俺らにキレんな」
「私からしたらあんたの存在の方が理不尽なんだけど」
「とりあえず、呪術の事教えて。後、実験に協力して」
「しょうがないわね」
「上からの命令だからな。仕方ないか」
「後、鬼封じの呪布作れって言われてんだけど、どう思う? 作っていいもの? これ、五条先生とかやばくね? って思うんだけど」
「「作れないって言え」」
その後、流れるように罠依頼に向かわされる虎杖だった。