(俺が呪術師を除霊しちゃったのは)わざとじゃないんです! 作:かりん2022
「うーん、上手くいかない」
呪力って本当にいうことを聞いてくれない。
「焦りは禁物だよ」
「はい、アシュ様」
望んで滅びる所を出張で助けに来てくれた大悪魔アシュタロス様。
この方のおかげで、実験が曲がりなりにも形になった。
アシュタロス様には感謝しかない。
「今の私はさほど力がないし、権限も与えられていないから、力になれなくてごめんね」
「そんな、全然……!! 全てはアシュタロス様達のおかげです!!」
「じっくり行こう、悠仁。君も人柱となって神となるなら、数百年の単位で見なくてはならない」
「はい、アシュ様」
「アシュ様ばかり頼るんじゃなく、あんたもきりきり働きな!」
「はい、メドーサ様」
そうして、俺達は一生懸命実験を繰り返していた。
世界平和の為なんて言わない。自分のエゴの為に、頑張るぞ!
その頃呪術界では。
「いや、参ったね!! また呪霊達が呪力の供給が途絶えたのを感知したよ。次は一ヶ月分とかかな?」
「よし、わかった。上層部は皆殺しにしよう」
「五条さん、支持します。やっちゃってください」
「私も次期当主として支持する。流石にこれは……」
「耐えろ、五条。全て済んだらわしも協力するから」
楽しげな羂索とブチ切れそうな若き術師一同。
そもそも、虎杖は五条先生の救出と一般人の救出をしたのである。犠牲をだしたわけではない。なのに何故、虎杖を捉える為に渋谷でたくさんの人を攫った呪詛師と協力させられているのか。
「とりあえず、大前提として傑の体返せよ。話はそれからだろ」
「それは困るな。人工の呪霊を作る恐るべき霊能者の前で、戦力は少しでも必要だろ」
「あ“? 神々がバックについてないなら、僕一人で十分だし、ついてるなら勝てないんだから話し合いで解決するしかないだろ」
「随分と弱気な事だね? 私と君がいれば最強、だろ?」
「は?」
呪霊による写し身と分かっていても、ブチ切れた五条は攻撃をする。
「やれやれ、今代の六眼は短気なことだ」
やれやれと肩をすくめる二人目の写し身。
「五条先生。あとで殺しましょう。必ず殺しましょう」
「私としても元気になりたいメカ丸につけ込んでいうことを聞かせたのは許せない。だが、もう少し耐えてほしい」
「いいかい、悟。恐るべき侵略者の前に、弱い私達は群れるしかないんだ。ほら、弱者生存だっけ?」
「お前が! お前が傑を語るな!!」
「……確かに、私は呪詛師で、呪霊全盛期の平安時代の再来を目指しているけれど。でも、私は人間に許された枠組みで1000年掛けてコツコツと根回しして達成しようとしている。それを、異世界から来て、異世界の価値観と正義を押し付け、一人の意思で勝手に世界を左右しようとする。これをチーターと言わなくてなんと呼ぶのかな。虎杖は、悪そのものだよ」
「っ」
「確かにそうだと思わんか、六眼」
「気に入らんのは確かだな」
「僕はチートでもどんな手段でも、平和が訪れるなら、八兵衛様が救ってくれるならそれでいいんじゃないって思ってる」
「なんだと!?」
「貴様にプライドはないのか!」
「俺も平和ならそれで」
「呪霊退治を全部やってくれるとしたら万々歳では?」
「加茂家の使命が……いやでも平和になるならそれに越したことは……でも平和になるとは限らないし」
「それは困るなぁ。案外軟弱者なんだね、悟」
「なんとでも言えよ。ただ、何も話してくれないのは……辛い」
「五条先生……」
「そんな悟に理由をあげるよ。僕が封印を解くと、全国の呪いを埋め込んだ人々が受肉する。津美紀は助かったみたいだけど、他の人はそうはいかない。どう? 1000人を自分のエゴのために見捨てるかい?」
「お前」
「羂索……!!」
「決まりだな。非術師に被害を出すわけにはいかん」
「虎杖を捉え、その秘密を暴くのだ」
こうして、議論は紛糾していた。
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