(俺が呪術師を除霊しちゃったのは)わざとじゃないんです! 作:かりん2022
反転して読んでください。
現場について、虎杖は様子を伺う。
「なーんかおかしい。あれだけ洗い流してまだこびり付いてんの……」
「呪霊をしつこい汚れ扱いすんな」
「しかもあの呪物の気配がする。宿儺の指?」
「マジか」
「今回は偵察任務ですので、雨は降らすなとの命令です」
「もしかして殺しに来てる?」
「可能性はあるな」
「マジで?」
「マジで」
「あんた相当恨みかってるわよ」
「だってあんなに人間に効くとは思わねーじゃん……」
そっとドアを開けて入る。
「わー(棒)。異空間に生きて入ることになるなんてウレピー(棒)……」
もう泣きそう。
恐る恐る進むと、肉塊が三つあった。
俺の頭が冷える。
言い聞かせるような声で、虎杖は告げた。風が吹いたように感じた。
「なあ。やっぱりさ。死んでるものが、こういう事しちゃ駄目だよ」
柏手を打つ。
衝撃波。
心を込めて。触媒である聖水を肉塊とその周囲に掛ける。
呪力がその周囲から払拭されていき、奇声を上げた呪霊が虎杖を攻撃した。
数珠を掲げた時、数珠がすごい勢いで弾けた。
特級呪霊が弾き飛ばされる。あの呪具で防いだのか? 消耗品とはいえ凄まじい威力だ。
正直言うと、すげー怖い。それでも、祈りを込めて神様に願った。
お経を唱えて、最後に声を上げる。
何かが呪霊を縛り上げていく。
「ハッ」
虎杖の気合の入った掛け声と共に、衝撃波が駆け抜け、呪霊は消滅して宿儺の指が落ちた。しばし呪力を練れそうにない。
何かがぶわりと広がった気がして、目を開けると普通の建物だった。
指が落ちている。
「お前すげーな……」
「宿儺の指。これ、なんか暗殺とか用の武器として使われてるわけ?」
「今回はそうかもしれない」
「可哀想に……。宿儺って、両面宿儺様の指って事だろ」
「そうだ」
「ちゃんと許可貰って供養してお祀りしよう」
俺は指を聖水に入れる。
振り向くと、釘崎がしゃがみ込んでいた。よく見れば伏黒も具合悪そう。
「もう……あんたは……何もすんな……」
「さーせん」
それから、帰って五条先生と話し合い、色々お買い物してもらった。
五条先生なんでも買ってくれるから大好き。
宿儺の指にはほとほと困っていたらしい。処理については一本だけ試しに任せてくれるという。
両面宿儺様は悪い逸話もあるが、良い逸話だってあるのだ。
今のままではあまりに両面宿儺様がお労しい。
触媒もあるし、上手くいくかもしれない。
両面宿儺様のこちらの逸話もできるだけ調べた。どうやら、英雄としての逸話もちゃんとあった。良かった。
道具を持って神社に向かっていると、綺麗な女の子に話しかけられた。
「お前が自称霊能者か。私は真希。先輩だ」
「よろしくお願いシャス! 先輩」
「仕事見てていいか」
「いいぜ。その代わり手伝ってよ」
そうして、俺は準備をする。五条先生達は俺が働く間はお休みである。
「コツとかあんのか」
「慈悲と畏敬の念と祈り、かな。こういうのって、やっぱり人間なんか目じゃないほど超すげぇわけじゃん? 偉大ですごくて偉い存在に、畏敬の念を抱いて礼儀を尽くすのは当然のこと」
「はあ? 大勢殺した呪霊だぞ」
「荒御魂を、昔の人達は神々として祀って鎮めて味方にしてきた。強いからこそ、味方になったらすげー頼り甲斐があるんだぜ。俺なんて、神様のお力添えがなければなーんもできないもん」
祈りはすごい力があるんだぜ。そう俺は言って、準備を進めた。
「悠仁ー。やっぱ僕も直で見る! なんか防護策ちょうだい!」
「おー。準備はしてたぜ!」
五条先生は、すげー面倒見がいいし、今回も来るんじゃないかって思ってたんだ。
柵を作って、そこにお札をペタペタ貼って、呪布でぐるぐる巻きにして、良し!
「じゃあこれから、両面宿儺様を祀ります!」
「わー!」
五条先生がパチパチと手を叩いてくれる。
正装した俺は、仲立ちを頼むべく、神降しの儀式をする。
祝詞を唱え、神降しの儀式をする。
何か巨大で呪力のないものが、虎杖に降りたのを感じた。
何かが俺に降りてきている。
その存在を感じ、祈り、乞い、願う。
目の前の存在への救いを。
そして、目の前の存在に救いを求める。
お祀りするので、どうぞ我らをお守りください。
『ふう、そうですね。私一柱でこの国の守護をというのは無理があります。こういうものは現地のものがするべきです』
そのような感情がぼんやり流れてくる。
ギリギリ。ミチミチ。
宿儺の指が、分解、再構築されていく。
断末魔もここまでは、というほどの凄まじい絶叫が聞こえる。
指が上下二つに裂けた。その事に俺はびっくりする。祈り、聞き届けてくれたんだよ、な?
縛りを強制的にギチギチに結ばされるのを、六眼が捉えた。
上を丁寧にお祀りして、下をしっかりと封印する。
その後、神様にお帰り願う。
「どう、先生。両面宿儺様は呪いの王なんだろ。だから両面宿儺様に、呪霊を追払い、呪術師を守護してくださるようにお願いしてみたんだけど」
「おね……がい?」
五条先生は恐る恐る柵から出る。
確かに、辛くない。辛くないけど。五条は内心で絶叫した。
「悠仁、さっきの何やったの?」
「神様としてお祀りした。ただ、善神の面と荒御魂の面に分かれちゃったから、こっちはしっかり封印しないと」
「善神」
「これ、20本あるんだろ。全部この処置して、安置すれば東京はなんとかなると思う」
「そっか」
「俺、なんかすげー疲れちゃった。今日はもう休むね」
「ああうん、ゆっくり休んでね?」
「なあ、悠仁。それって私もできるようになるか」
「さあ? 修行してみる?」
「やる」
呪術界の会合は紛糾した。
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以下は環境で反転できない人ようです。
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現場について、虎杖は様子を伺う。
「なーんかおかしい。あれだけ洗い流してまだこびり付いてんの……」
「呪霊をしつこい汚れ扱いすんな」
「しかもあの呪物の気配がする。宿儺の指?」
「マジか」
「今回は偵察任務ですので、雨は降らすなとの命令です」
「もしかして殺しに来てる?」
「可能性はあるな」
「マジで?」
「マジで」
「あんた相当恨みかってるわよ」
「だってあんなに人間に効くとは思わねーじゃん……」
そっとドアを開けて入る。
「わー(棒)。異空間に生きて入ることになるなんてウレピー(棒)……」
虎杖は泣きそうな顔である。あんだけすごいことやっといて、何言ってんだこいつ。
恐る恐る進むと、肉塊が三つあった。
虎杖の表情が真面目なものに変わり、何かに言い聞かせる。風が吹いたように感じた。
「なあ。やっぱりさ。死んでるものが、こういう事しちゃ駄目だよ」
柏手を打つ。したことはそれだけだ。
なのに、衝撃波が襲ってきた。
虎杖は小瓶から水を肉塊とその周囲に掛ける。
呪力がその周囲から払拭されていき、奇声を上げた呪霊が虎杖を攻撃した。
ちょうどその時、虎杖が数珠を掲げ、数珠がすごい勢いで弾けた。
特級呪霊が弾き飛ばされる。あの呪具で防いだのか? 消耗品とはいえ凄まじい威力だ。
何かが呪霊を縛り上げていく。
「ハッ」
虎杖の気合の入った掛け声と共に、衝撃波が駆け抜け、呪霊は消滅して宿儺の指が落ちた。しばし呪力を練れそうにない。
「お前すげーな……」
「宿儺の指。これ、なんか暗殺とか用の武器として使われてるわけ?」
「今回はそうかもしれない」
「可哀想に……。宿儺って、両面宿儺様の指って事だろ」
「そうだ」
「ちゃんと許可貰って供養してお祀りしよう」
虎杖は指を聖水に入れる。
振り向くと、釘崎がしゃがみ込んでいた。よく見れば伏黒も具合悪そう。
「もう……あんたは……何もすんな……」
「さーせん」
なんだその謝り方は、ふざけてんのか。
それから、帰って五条先生と何ごとか話し合い、色々買ってもらっていた。
何だかまたやらかす気がするが、俺と釘崎は休もう。何も知らない。疲れた。
宿儺の指を祀る。
悠仁の事だから、なんかとんでもない事になりそうな気がする。
監督すべきだし、興味もある。
呪術界の歴史が今日変わるかもしれないのだ。危険だけど、やっぱり見ようかな。
「悠仁ー。やっぱ僕も直で見る! なんか防護策ちょうだい!」
「おー。準備はしてたぜ!」
真希もいるようだ。天与呪縛だから関係ない……ということはない。
実を言うと、真希もほんの少しとはいえ、禊の雨の中で運動能力が落ちていたのが実験で判明してる。
それでも見学するのは、思うところがあるのだろう。向上心があっていいことである。
なんだか悠仁はガッツリと呪符だの札だの用意していたようだった。
無駄にならなくて良かったかな。きて良かった。
「じゃあこれから、両面宿儺様を祀ります!」
「わー!」
パチパチと手を叩く。
そして、悠仁の空気が変わる。
トランス状態に入ったとでもいうのだろうか? 祝詞を唱える悠仁は別人のようだ。
何か巨大で呪力のないものが、悠仁に降りたのを感じた。
そして、指に凄まじい過負荷がかかるのを感知する。
ギリギリ。ミチミチ。
宿儺の指が、分解、再構築されていく。
断末魔もここまでは、というほどの凄まじい絶叫が聞こえる。
指が上下二つに裂けた。
縛りを強制的にギチギチに結ばされるのを、六眼が捉える。
明らかに人智を超えた存在。何だこれ。何だこれ。
悠仁は何事もなく、淡々と上下にわかれた指をそれぞれ処置していく。
上は清廉で、下は禍々しい。
儀式を終えると、いつもの悠仁に戻る。
「どう、先生。両面宿儺様は呪いの王なんだろ。だから両面宿儺様に、呪霊を追払い、呪術師を守護してくださるようにお願いしてみたんだけど」
「おね……がい?」
恐る恐る柵から出る。
確かに、辛くない。辛くないけど。五条は内心で絶叫した。
お願いってああいうのだったっけ!?
「悠仁、さっきの何やったの?」
「神様としてお祀りした。ただ、善神の面と荒御魂の面に分かれちゃったから、こっちはしっかり封印しないと」
「善神」
「これ、20本あるんだろ。全部この処置して、安置すれば東京はなんとかなると思う」
「そっか」
「俺、なんかすげー疲れちゃった。今日はもう休むね」
「ああうん、ゆっくり休んでね?」
「なあ、悠仁。それって私もできるようになるか」
「さあ? 修行してみる?」
「やる」
呪術界の会合は紛糾した。
甘いマシュマロ、メッセージ、感想、評価、お気に入り等々ありがとうございます!
感謝です!
匿名感想はこちら
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
今度からマシュマロ返信することに致しましたので、
返信不要の場合はお題箱の方に感想をくださるか、返信不要とお書きください
お題箱
https://odaibako.net/u/karin2022v
感想ハードル高いという方はここ好きだけでも嬉しいです!