異世界放浪記   作:isai

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暇潰しとしてAIノベリストで遊んでいる最中に長くなったなぁと思い、不意にハーメルンに投稿しようと考えました。(深夜テンション)
本作品は完全に作者の趣味ですので日本語が至らない箇所やその場のノリで書いている部分が大半ですので大目に見ていただけると幸いです。
一部AI生成ですので改行がおかしくなっている箇所が多々ありますが面倒なのでそのままにしておきます。温かい目で見守っててくれると幸いです。


転生

目が覚める。太陽が燦燦と照り付け心地の良い草の絨毯で意識が覚醒した俺はふと違和感に気付く。

自室で眠りに入ったはずなのに風を感じる。やや布団よりも堅い感触に眉間に皺が寄るのがわかる。

 

「……え?」

 

一瞬、思考が止まる。

寝ぼけているのか? そう思って頬をつねるが痛いだけだ。

どうやら夢ではないらしい。

しかしそうなると俺はこの状況を把握しなければならない。

 

「もしかして転生した?」

普段ならば両手を挙げて喜ぶシチュエーションであるが実際に遮る物のないただ、だだっ広い草原の中にポツンと取り残される俺は不安の方がやや勝っている。

取りあえず立ち上がって周囲に目を配るも、見えるものが忌々しくも頭上に存在し続けるお天道様と普段目にしている雲以外無いようなので、

 

「とりま歩くか…」

そう結論付けたのであった。それから1時間ほど歩いただろうか。

日差しは強くジリジリと肌を焼く感覚はあるが汗ばむ程ではないので助かっている。

喉が渇いたので水場を探すことにした。

幸いにもこの世界に来てから身体に不調はなく、むしろ調子が良い。

職場と自宅の行き来ばかりの体には良い鞭であるだろう。

だがこうも歩き続けて一向に人工物が見当たらないのは、ほんのり残っていた異世界に対する興奮も失せるには十分の理由であった。そんなこんなで更に30分程歩いていると、遠目に何かが見える。

 

目を凝らすとそれは森だった。

ようやく文明に触れられると思うと心なしか足早になる。

そしてしばらく歩いて行くと、森の入り口らしきものが見えてきた。

「そういや異世界の定番でいくと…」

 

「ステータスオープン!」………反応無し

 

「能力開示!」………反応無し

 

手で空間をなぞっても反応は無かった。

その場で飛び上がっても跳躍力も変化が無くただの人間である事を確認した俺は

落胆しつつ森へと歩を進めた。

森の中に入ると、そこは薄暗く生茂った木々が太陽の光を遮断しており、涼しいと言うより若干寒いくらいであった。

しかし、そのおかげで体力の消耗が少なく済んだのだから感謝するべきであろう。

それにしても暗い。

俺はスマホを取り出そうとポケットに手を突っ込むもどこから入ってきたか砂を触るだけでそれ以外のものはなかった。

そういや寝る時は充電しっぱなしで寝ることに気付く。まぁ今更どうしようもないのだが。

 

「さて、どうするか」

流石にこのまま何もせずに帰るわけにもいかない。

取りあえず散策でもしてみる事にしたが、ここの森は木が密集していて見通しが悪く、また地面も木の根っこなどで凸凹が激しく

やや運動不足気味で使われることのなかった筋肉は森に入って10分もせずに悲鳴を上げていた。

 

休もうと木の根に腰を掛けようとすると、視界の端に妙なものが映った。

そこには見たことのない動物がいた。

全身真っ白な毛で覆われた狼のような見た目をしているが、大きさは俺と同じくらいだ。

 

そいつはこちらを見るなり姿勢を落とし臨戦態勢に入る。

「これって所謂魔物って奴じゃね?死ぬわコレ」

異世界に転生し2時間は経っただろうか、早くも栄光を掴み取るはずだった異世界戦記の終焉をもたらすものが唸り声をあげ

腹を満たそうと今か今かと飛び掛からん様子であった。俺は今まさに人生最大の危機を迎えている。

 

体長は大体同じくらいだろうか。

向こうの方が少し大きいかもしれない。

何にせよこれはヤバそうだ。

だが体は生きたがっているように、震えながらも逃走に向けて足に力が入っていく。その時、不意に後ろの方でガサガサと音がした。

 

俺は思わず振り返ると、そこにもまた別の白い生き物が現れた。

今度は先程の奴よりも一回り小さいがやはり俺と同じ位の大きさはある。

しかも二匹だ。挟み撃ちにされた形となる。

今度こそ死を予感した。痛いのは嫌いなのでいっその事地面に頭をぶつけ気を失ってしまおうか考え始めたところで天啓が下りてきた。

「大声だしたら相手もビビるか?」

そう思い立った後の行動は早かった。

精一杯肺に空気を突っ込みそれを放った。

 

「アアアアアアアアアアアアアア!!」

 

すると二匹の動きが止まった。

 

「アアアア…ハッハッハ!」

そして俺は叫んだ勢いのまま駆け出した。

端から見れば狂人であった。人気はないのにほんのり羞恥心が芽生えたがやってしまったことはしょうがない。

上擦った奇声を上げながら全力疾走する狂人

その後ろには白い狼

 

「ああ、終わったな……」

走り始めて1分も経っていないが、既に体力の限界を迎えた俺は諦めの境地に達していた。

「こちとら仕事と自宅の往復で終わってんだよ! こんな無理に決まってるやろがい!」

誰に毒づくわけでもなく独り言を漏らすが答えるのは狼の荒い息遣いのみ。それも徐々に近づいてくる。

もうダメだと半ば諦めかけた時、目の前に突如として現れたものに咄嵯に飛びつく。それは大木だった。

普段なら絶対しないであろう行為だが、この時の俺はどうかしていたに違いない。

木にしがみつき死に物狂いで上へと目指していく。

 

木登りなんて小学生以来だろうか。

しかし今はそんな事を考えている余裕は無い。

枝に手をかけ、次の枝へ手を伸ばし、ひたすら上に登ろうとする。

やがて下を見ると、狼たちは遥か遠くで吠えていた。どうやら逃げ切ったようだ。

「死ぬ…かと…思った…」

やや太い枝に掴まり酸素を求める体にこれでもかと深呼吸をする。

どうやら異世界戦記は終わっていないようだった。

 


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