ゼファーさんなら出来たぞ?
ゼファーさんなら出来たぞ?
A. あの人バリバリのエリートじゃん。
終焉/HAPPY END
「あんまり俺から離れないでくれ。正直言うとこんな作業、慣れてないんだ。
何かあってからじゃ遅い。俺だけならともかく、場合によっちゃ、君たちの雇い主も危ない」
先頭を走るゼファーが、声を潜めて警告を飛ばす。
私と柊、そしてゼファーは今、マドロック家の所有する工場にいた。連日異常とはいえずとも大量の
この人選に意味があるのか、という点については、アリスさん曰く『プロの技を見て学んどきなさい』とのこと。さらにいえば私たちが団員の中でも戦える方だからだろう。
もちろん、第一目標は戦闘ではないし、交戦などしない方がいい。だが、それでもというやつだ。念には念を入れて、戦闘員が行った方がいい。
よって、少数精鋭。この潜入作戦に参加している全員が
三人の中で誰が一番抜きんでいるかと言われれば、圧倒的にゼファー・コールレインだろう。
戦闘中にも感じたことだが、音や気配を消すということに長けている。
そういう能力と、研磨により完成された暗殺者。本人はあまりうれしくなさそうだが、会合でチトセがこいつなら大丈夫といっていた理由がよくわかる。
だから、今回の作戦は彼が中心となる。
「俺なんかがリーダーなのは嫌だろうけど、まあ耐えてくれ」
「いえいえ。全然。音を消せる星なんて私たちが持ってないですし」
「精一杯、着いていきますよ」
足音を消しながら、周囲の音を聞きながら、静かに大胆に進んでいく。
その能力は、振動操作。
周囲へと振動を放ち、その反響で構造を理解したり、音を打ち消したりと、かなり汎用性に長けた力である。
「……ま。こういう後ろめたいことには慣れてるさ。まあとはいえ、万が一なんて普通にあり得る。君らでも何か気になることがあったら言ってくれ」
病的な間での臆病さと神経質さ。
万が一、億が一と、自分の能力をとことん冷静に見つめて手を打ち続けている彼は当然、戦闘どうするかなど用意してないはずがないわけで。私はこの役立たず発言を素直に飲み込むことはなかった。
しばらく進むと、さ、と手で制された。
「ここから先は
前回はここでバレて逃げたんだが……どうするか」
すなわち、突き進むか、迂回して別ルートを探すか。
「別の道を探しましょう。ここから先、
「俺もそう思います。ここに来るまでにいくつか脇道があったので、そこに何かあるかもしれない」
「……そうだな」
私の決断に柊が乗っかり、ゼファーも首肯する。
そうして引き返すと、しばらくして私の首筋にひりつくような感覚が襲った。
唐突な変化。ならばこそ、見逃せない。
「ゼファーさん、なんかおかしい。俺、なんか胸が軋むみたいに痛い」
「柊もか。私は首がひりひりするんですが」
私たちの訴えにゼファーは首をかしげる周囲を見渡し。
「…………」
壁をしばらく手の平で撫でてはじめ、突然止まったかと思えば、押し込んだ。
隠し扉が、あったらしい。
「……何か、この先にあるかもしれない」
ゼファーがつぶやき、行こうと促した瞬間。
ぼん。
というかわいらしい音と共に、柊の胸元が
訳も分からないうちに、今度は自分の首がゴトリ、と落ちる。
最後に見た光景は、自分や柊の死体を見るゼファー
その後、どこからともなく現れた
めでたしめでたし。
〜HAPPY END〜
どうしてこうなったのか、自話までに考えてください。
そしたら更新されるはずです。