俺は白ひげ海賊団の副船長   作:紅蓮 蒼華

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皆さん初めまして。他作を読んでくれてた人はお久しぶりです。
異能バトルっていいですよね。無双もいいしチートだって素晴らしい。

ですがやはり、徐々に強くなるのは熱くなりません?
※ただし序盤から強いかどうかは除く





俺は白ひげの最初の家族

 

 ここは、偉大なる航路の後半"新世界"にある国、[スフィンクス]。

 

 世界政府加盟国が世界貴族に払う「天上金」すら払えないほど貧しく、もはや国というより村といった方が適切だった。

 

 特産品と言えるものは何もなく、特徴を挙げるならば、国名と同じ名前である巨大な人面のライオンがいるくらいだろうか。

あとはと言えば、緑豊かな土地があり、外から稀にやって来る海賊以外には治安の悪さは見受けられず、らんらんと降り注ぐ日差しの下で、

子供達の笑い声が聞こえる。

 

 そんな場所の中央にある、とある孤児院の前の広場で、カンカンカンッと、木の棒同士がぶつかり合う音がし始める。

カンカンカンッ カンカンカンッ 風を分断する音と共に拡散されるその音がし始めると、周囲の家々から人が現れる。

 

 

 

「あなた、仕事の時間ですよ?」

 

「あぁ、そうだな、この音が鳴るって事はそういうことだな」

 

「井戸の水汲んでくるねー!」

 

「ママー、今日もあの“二人”のとこに行っていい?」

 

「危ないから近すぎないようにね?」

 

 

「今日もがんばろうかね」

 

 

 この国に活気が生まれるタイミングとなっているこの音の発生源には、二人の少年がいた。

 

 一人はまだ10にも満たない筈が、大人顔負けの大きな図体を持っていた。黄金色の髪で、野望に満ちた眼をしている。

そんな彼が手に持つのは木槍。鉄製でなくとも重いはずのソレを片手で軽々と持ち上げ、豪快に振り回している。

 

 そしてもう一人は、比較的高身長であり、二人共ながらもシャツ越しからですら分かるほどの筋肉質な肉体を持っている。

赤銅色の髪をショートに刈り上げており、その眼もまた、燃え盛る煉獄が如くの色を持っている。

そんな彼が持つのは木刀。豪快に、大胆に襲いかかるリーチ外からの木槍を丁寧に、受け流してゆく。

 

 

 

「グラララ‼︎今日こそお前に勝って、弟になってもらうぞ、アドラぁああ!!」

 

 

「テメェこそ負けたら可愛い子紹介してもらうゼ、エドぉおおお!!」

 

 

 グラララ、と特徴的な笑い方をする大男の名前は「エドワード・ニューゲート」

この国の貧しさを子供ながらに理解し、海に出て行こうとしており、家族という存在に憧れを抱いている。

そんなエドワードは、海に出るには独りでは長く続かないと直感的に感じており、目の前にいる少年…「アドラ・ドラベル」を弟として連れて行こうとしている。

 

 アドラは、察しているとは思うが、ちょっとした(?)マセガキであり、女の前では見栄を張ろうとする。数十年先で活躍するグルグル眉毛の黄髪コック程ではないが、同世代の中では一番早く異性に興味を抱いており、孤児院の中で圧倒的高身長で圧倒的マッチョ、白馬の王子様さながらの輝く黄金色の髪で顔面偏差値も上位に入っているエドワードに恋慕する女子が多いせいか、エドワードに向けるその目には嫉妬憎悪怨念僻み殺意憤慨侮蔑激昂…などが含まれており、ドス黒いこの世の全ての悪感情をその双眼に宿している。

(余談だが、アドラ自身もかなりの美少年尚且つ女顔の為に人気は高いが、高身長男子に憧れる女性が多い為エドワードと比べると霞んで見える。ただし、霞んで見えるだけで国内男性人気ランキングを数値化したら実質の2位ではある。女顔だから男性人気も高いがそれ含めても2位である。エドワードは死すべし死すべし)

 

 これだけを聞くと、なぜエドワードはアドラを仲間に、弟にしようとしてるのだろうと疑問に持つだろう。

実際エドワードは、彼に初めて会ったときは赤い髪のハナッタレとしか思っていなかった。

 

 

(グラララ…ッ やっぱり俺ぁ、お前と共に出てぇなァ!)

 

 

 しかし、今のエドワードには、アドラの価値が誰よりも視えていた。

先じて述べるならば、彼のその身体能力だろう。身長333cmのエドワードに比べ、180cmとほぼ二倍差のある相手との闘いで、

大男の埒外の豪筋で振るわれるリーチ外からの槍の乱撃は、例え新世界レベルの海賊だとしても骨折程度で済むなら御の字と言える。

それと疲労感も漂わせず何時間も正面からぶつかり続け、反撃すらしていくアドラの人外具合がわかるだろうか。

 

 だが、アドラの評価すべき点はそれだけでは無い。

普通ならば幾千と打ち合う中で折れるはずの、アドラの持つ至って普通の木刀のダメージが多少のささくれが目立つ程度に抑えられている事から、剣の技しかり、力の受け流しも異常にうまいのは言うまでもない。そもそもエドワードが振るう槍を受ける時点で10回も持つわけがない。

 まぁ、他にも有るのだが、それはいずれ分かる事だ。

 

 

「いい加減にくたばりやがれアホンダラァああ!」

 

 

 しつこく、すばしっこく、ねちっこく。相手の嫌がる所三セットのアドラを離そうと、少し気合を入れて、木槍を横一文字に払う。

石製ですらないはずのその一撃は大木ですらものともしないが、当たらなければ意味はないと言外に伝えるように後方に跳んで躱すアドラ(そもそもその一撃で風流が乱れて体勢が崩れるのが普通だがそれが起きないアドラはやはり人外)。

 

「アホはテメェだエド!お前の一撃で出来るクレーターを直す人の身にもなりやがれこのすっとこどっこい!」

 

「終わった後に俺も手伝ってんだからいいじゃねえか!!」

 

 朝の6時に始まり11時まで激しい乱舞をやっても尚口も動かせる人外等に、国も人々は慣れてしまっていた()。

だが、いつもその様子を見ている人ならば、今の様子に今までとは違う何かを感じるだろう。

 

 

「グラララ…おい、知ってるかアドラ」

 

「あ?……うぇ?」

 

 

 エドワードに再び接近しようとしていたアドラが突如、素っ頓狂な声をあげる。ただ、それは仕方のない事だった。

 

 

「刃ってのは、片手で振るより両手で振る方が強えェんだとよ…ッ」

 

「ーなにを悟ってしまったみたいに言ってんだこのエド野郎!?普通は槍は片手で振るわねェんだよ!」

 

 

 何時も頑なに片手で棒切れを振り回すように槍を振るうエドワードが、ここで初めて両手で構えた。

 

 

「正気かエド!?俺お前の片腕の一撃でも辛えのにそれやっちゃうの!?嘘だと言ってくれよ⁉︎」

 

「正気…だとォ?」

 

 

 エドワードは両手で握る木槍を上段に持ち上げる。

一歩前に足を踏み込み、全力で下ろす。

 

 

 

「生憎そんな面倒なモンは、最初から持ってた覚えは無えなァ‼︎」

 

 

 

 

 

ーーーーーー衝突

 

 

 

 

 

 砂埃が舞い上がり、国全体が悲鳴を上げ、人面ライオンことスフィンクスは逃げ惑い、人々は今日はスゲェなぁと呑気な感想を抱く。

獣より図太い人しかいないこの国を穏やかな国と言っていいのか疑問であるが、慣れはやはり素晴らしい(?)。

ただし、エドワードのこの本気の一撃は本来ならば地震ですら飽き足らず、地割れを引き起こし、周囲の海流を荒らし、モーセとは違うがこの国が二分になる筈だった。

 

 

 ただ、現実はそうならなかった。

 

 

ドサッ

 

 

 舞い上がった砂埃が薄らぎ、その全貌が見えた時、そこには巨大なクレーターと、その中央に沈む赤髪の少年の姿が現れた。

 

 

「…グラララ、アドラ!!俺の弟になれ!!」

 

 

「なる前にィ…加減を知れよ………脳筋がァァ……」

 

 

 

 アドラ、821戦 0勝1敗 820引き分け

 

 

 

 

 

 

この日、後に“四皇” “世界最強の海賊”と世界中から畏怖される大海賊団が、結成された。





某小説風紹介

  【アドラ・ドラベル】

種族:人間
職業: 剣士

ステイタス

力:B - 耐久:A ++ 器用:S + 敏捷:A


《木刀・315代目牛角》
・自作でなんの変哲もない、ただの木刀。強いて言うなら普通のよりも多少肉厚。
・普通の男子の様にチャンバラに憧れて自作を始める。エドワードとの初陣に初代牛角使うもエドワードの拳の一撃にて粉砕され、その後ステゴロ。
・今では途中粉砕されてないが、途中までエドワードと戦いながら木刀を作る事が多く、数秒あれば店に出せる程の立派な木刀が出来る。
・木刀としての質が変わろうと結局エドワードの拳の前には皆同じと言う事を、本人は未だ気付いてない。
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