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WILLE、AAAブンダーに帰還したシンジとアスカ。
シンジは即座に、武装した兵士に囲まれて特別管理室に放り込まれた。
アスカは自室で報告書をまとめていた。
真希波マリ・イラストリアスがじゃれつくが、冷たく相手をせずに仕上げに邁進していた。
支給されているオンボロ
「姫、つめーたいー」
「
と、内線が鳴る。
艦長公室に呼ばれるアスカ。
「
アスカの
とは言え、此方も鉄面皮であり、それを軽く流す。
「悪いけど待ってる時間が無い。状況
NERV本部への潜入班が、13号機の修復作業が進んでいる事を報告したと言う。
但し、その代償に部隊は消滅していると言う。
L結界によってでは無く、NERV側の兵 ―― 綾波Seriesの
葛城ミサトの机の上には、整備されている13号機の写真、そして迫りくる
「それで?」
冷たい声を出すアスカ。
「2号機の修復計画、プランBに変更するわ」
「物資はパリで回収したって聞いたけど」
「先ほどの話通りよ。時間が無いわ」
元々のエヴァンゲリオンへの修復可能な物資は、パリで回収出来ていた。
だが、もはやそれを活用するだけの時間的余裕が無い。
生体部品の多いエヴァンゲリオンを本格的に修復するには、大量のL.C.Lと、それに満たされたプールが必要となるのだ。
全長2㎞を超えるAAAブンダーの艦内には、エヴァンゲリオンの整備区画自体は常設されている。
だが、本格的な修復工事を行うには、そのままでは不足していた。
「なら、どうなるの?」
葛城ミサトの言う修復計画、その
対する返事は
「ニコイチよ」
「………8号機と?」
凄く嫌そうに言うアスカ。
以前にエヴァンゲリオンの強化案として、2号機と8号機の合体案が提案されていたのだ。
A.Tフィールドを2機分使えると言う事が評価されての事だった。
とは言え、戦場に投入出来る
真希波マリ・イラストリアスは相棒として永いが、その口数の多さには付き合いきれない部分を感じていての事だった。
その表情を無視して葛城ミサトは続ける。
「別よ。支援機を使うわ」
「支援機?」
「ユーロNERVで開発されていたエバー支援機。寸法が合うから使えると報告が上がっているわ」
葛城ミサトが差し出した携帯端末には、濃緑色の人型ロボットが映っていた。
エヴァンゲリオンとは似ても似つかぬ野暮ったさがある。
「聞いた事がないわ」
ユーロNERVに所属していたアスカだが、この支援機に関しては聞いた事が無かった。
故の疑念。
「元は日本の企業が開発した機体だったそうよ。それをユーロNERVが採用したとあるわ。とは言え未完成だったらしく、私も知らなかった」
「未完成? 使えるの?」
「
アスカの端末が表示するモノが変わった。
支援機とエヴァンゲリオン2号機の融合した姿となる。
右腕と制御系をエヴァンゲリオン2号機が担い、残る
背中には巨大なN²反応炉が設置されている。
その姿に美しさは欠片も無い、
「………で、コレで戦えるの?」
「あなた次第ね」
いっそ無責任とすら言える葛城ミサトの言葉に、アスカは馬鹿にする様に眉を動かす。
「
「それ位は加減して頂戴」
「………道具にそんな事を望むな」
吐き捨てる様に言うアスカ。
殺意すら感じさせる、何かがこびり付いた目つきで葛城ミサトを見る。
対する葛城ミサトも、それを正面から受け止める。
睨み合い。
「慣熟訓練の余裕はあるの?」
「実機は無理ね。整備班からは作戦
「何時も通り、
鼻で笑うアスカ。
だが葛城ミサトの表情に変化は無い。
元より、何も期待していないアスカは踵を返して部屋を出ようとする。
その背に葛城ミサトが最後の声を掛ける。
「2号機にはAモジュールを搭載するわ」
「そんなに心配しなくとも、散って来てやるわよ」
それがアスカと葛城ミサトの最後の会話であった。
アスカの去った艦長公室で葛城ミサトは目を瞑り俯く。
何かを呟く。
だが、それは誰の耳にも届く事はかなかった。
と机の上の通信機が鳴った。
それはアスカと共にAAAブンダーに帰還したシンジからの提案 ―― 要請であった。
シンジの居る特別
室内では鈴原サクラに罵倒されているシンジが居た。
拘束服姿になっているシンジ。
鈴原サクラは、拘束用のベルトを調整しているた。
「碇さんの阿呆!!」
「………ごめん、元に、元に戻したかったんだ。全てを」
「出来る訳無いやろ、阿呆やっ! 碇さん、ホンマモンのド阿呆やっ!!」
「………」
困った顔をしているシンジ。
と、葛城ミサトが口を開く。
「鈴原少尉、悪いけど時間が無いの。先に仕事をするわよ」
「艦長! すいません」
謝罪を手で制止、シンジの前に立つ葛城ミサト。
その強い視線を真っ向から受け止めるシンジ。
「で、要求って何?」
「お願いがあります。僕を初号機に乗せてください」
「………不要よ。エバー初号機はAAAブンダーの動力になっています。パイロットは不要。動かす予定も無いわ」
「多分、僕が乗る事で初号機の出力は上がると思います」
どう思う? とばかりに後ろを見る葛城ミサト。
当然の顔をして後ろに立って居た赤木リツコは、首を左右に振った。
「仮称碇シンジとエヴァンゲリオン初号機のシンクロ率は0。無駄よ」
「多分、大丈夫だと思いますよ」
「その根拠は?」
「何となく、判ったんです。あの場所で___ 」
俯いて手を開閉するシンジ。
「………一般人の貴方が戦う必要は無いわ」
「でもアスカは戦うんでしょ」
「彼女はその為の存在よ」
「知ってます。だけど、戦うんですよね?」
アスカはアスカである。
そのアスカが
衒いの無い顔で尋ね返すシンジ。
その目を見た葛城ミサトは、無意識に唇を噛んだ。
「………副長、エバー初号機に仮称碇シンジが搭乗したとして、AAAブンダーの制御系に大きな影響を与える可能性はあるか?」
「理論上、あり得ないわ」
断言する赤木リツコ、
四肢を切除されている初号機。
制御系も接続されていない。
只のエンジン動力源でしかない。
「ならば、搭乗試験の実施を命令するわ」
「艦長っ!?」
悲鳴めいた声を上げたのは鈴原サクラ。
だが、誰も視線を送ったりはしない。
シンジは挑む様に葛城ミサトを見ていた。
葛城ミサトはシンジを睨むように見ていた。
そして、赤木リツコは通信機で通信していた。
「問答は無用。やってみなさい。出来ると言うならば実証してみなさい」
シンジは黙って頷いていた。
暗闇。
蒸気の中より姿を現す13号機。
修復、そして改修が完了したのだ。
血よりも禍々しい赤い文字でScapegoat-Kaworuと書かれたエントリープラグが挿入される。
そしてもう1つのエントリープラグにはScapegoat-02と書かれている。
「では始めよう」
碇ゲンドウの宣言と共に、周囲に居たアヤナミレイの群れが動く。
そして浮上するNERV本部。
黒き月も又、上昇を開始する。
その三方を固めるNHG。
そして羽を持ったエヴァンゲリオンが飛んでいる。
目指すは1つ
南極、白き月の残骸の眠る大地。
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コレで蹴りつけようとしたら伸びた。
取り敢えずAAAブンダー。
シンジが戻る理由、戻ろうとした理由って語るべきよね。
と言う所。
急に「綾波」って言うのはどうかと思う。
本作のアスカとミサト。
完全に決裂状態。
そらねー
破で「これから(以下略」ゆーとった人が、アレだもの。
そらアスカも色々と絶望するし、一周回って納得するし、と。
ミサト側は恨まれ上等、と言うか恨まれる事でアスカの意欲を引き出そうとか考えているようないない様な。
ま、ミサトって矛盾の塊(創作者が悪い気もするけど(ガチで)なので、どうしようもない。
尚、作中で加持リョウジJrは居ない。
流産。
堕胎。
正直、そういう余力は無いでしょ、としか言いようが無い世界情勢だもの。
当然ながらも下位次元にも居ない。
逆に、だからこそ覚悟ガンギマリ勢化したのかもしれない。
愛した男の忘れ形見を自分で抹消したと言う過去が、永遠に消えない憎悪をミサトに与えている。
コレはありかもナァ
そういう事にしておこう。