異伝・シンヱヴァンゲリヲン   作:◆QgkJwfXtqk

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結-2 死闘! WILLEvsNERVなパート

+

 動き出したNERV本部の映像を厳しい顔で見ている葛城ミサト。

 場所はAAAブンダーの艦橋。

 様々な報告や指示が交差している。

 最終合戦準備だ。

 

「正気を疑う光景ね」

 

「………もう、残って無いわよ」

 

 赤木リツコの独り言に、珍しく雑談めいて返す葛城ミサト。

 それから高雄コウジに声を掛ける。

 

「主機、状況はどうか?」

 

「当初の予想値より4割は出力が上がっとります。振動その他、一切なし。安定してます。行けますよ、艦長」

 

「そう」

 

「取り合えず、乗り込みは__ 」

 

「作戦開始時までに乗ってくれてれば良い。詳細は其方に任す」

 

「了解です」

 

 高雄コウジの手元にあるモニターには、特設された主機管理室が映っている。

 現場で、()()の調整を行う部屋だ。

 居るのはプラグスーツを着たシンジだ。

 

「結局、俺たちは子どもに頼る訳だ」

 

「………子どもも何も、ニアサーの疫病神に、外見だけが子どもってだけじゃない」

 

 北上ミドリが愚痴る。

 

「それだけ幼い内から戦わされてたって事だ」

 

「私だって、家族や故郷を___ 」

 

 北上ミドリの怨嗟。

 それを批判する事も否定する事も容易い。

 だが、高雄コウジはそれを選ばなかった。

 傷は誰もが負っているからだ。

 ほろ苦い感じで口元を歪め、そして肩をすくめた。

 

 

 

 外も見えない部屋、薄暗い中でパイプ椅子に座っているシンジ。

 俯いている。

 と、扉が開く。

 入ってくるのはアスカだ。

 

「アスカ………」

 

 俯き気味のアスカ。

 垂れた前髪と逆光とで顔が見えない。

 

「………乗る、訳ね」

 

「うん。せめて僕が出来る事をやっておきたいから」

 

「…そう…………」

 

「僕も……うん、僕が出来る事で、アスカが帰ってくる場所を護るよ」

 

「アリガト」

 

 うっすらと見えているアスカの口元が微笑まし気に歪んだ。

 と、そのアスカの背を推す人間が出た。

 空気を読まない奴、マリだ。

 

「姫ェ、アチシもわんこ君に挨拶したーい!!」

 

「時間が無いから、とっととやれ」

 

「あいよー 愛しのわんこ君との時間に割り込んでメンゴ! と云う訳でわんこ君、久しぶり!!」

 

「え、えっと初めまして? いや、え?」

 

「判らないかな、学校の屋上で逢ったんだよ? 真希波マリ・イラストリアス。改めて宜しく」

 

「アノ時、空から降って来た」

 

「そー そー 久しぶりだニャ」

 

「あっ、はい」

 

 シンジに近づき匂いを嗅ぐ仕草をする。

 微妙な顔で引いているシンジ。

 アスカが仲裁に入る。

 

「シンジ、コレにマトモな会話を求めるのは無駄よ」

 

「姫、ひどーい!!」

 

「ウッサイ」

 

 やいのやいのと言う一時。

 だが、それも終わる。

 合戦準備(戦闘配置)30分前の命令が出る。

 空気が変わる。

 

「行くわよ、コネメガネ」

 

「合点承知!」

 

 エヴァンゲリオンに乗る為に部屋を出ようとする2人。

 と、何かに気付いた表情となったアスカが、マリに先に行けと言う。

 訳知り顔のマリ。

 

「姫、ごゆっくり。じゃ、わんこ君。幸運を」

 

 2人っきりになるシンジとアスカ。

 

「最後になるかもしれないから1つ、言っておく。シンジ、14年前、何時も作ってくれたお弁当、ありがとう__ 」

 

「最後……って!?」

 

「黙って聞いて。色々とあるのよアタシも」

 

 部屋から外に出る姿勢のまま、シンジと顔を合わせないままにアスカは独白の様に続ける。

 振り返っては駄目だと言う自戒の様な態度だ。

 

「だから言う。あの頃、アタシはアンタの事がきっと好きだった。でも、今はもうアタシは大人になった。そういう事」

 

「アスカ………」

 

「時間だから行くわ。じゃあね」

 

 シンジの返事を待つことなく歩き出すアスカ。

 立ち上がってその背を追おうとしたシンジ。

 だが、その眼前で扉はしまった。

 そして電気音と共に、電気が赤い暗色に切り替わる。

 

 

 

「姫、スッキリした?」

 

「………そうね、スッキリした」

 

 

 

 最後の決戦を前にした葛城ミサトに因る演説。

 それをWILLEのスタッフは、それぞれの持ち場で聞く。

 

「NERVと碇ゲンドウは南極を目指している。だがそんな事を許す必要は無い。洋上にて決着を付ける。AAAブンダー、発進!!」

 

 衛星軌道上からの動力降下を開始するAAAブンダー。

 圧倒的な速度。

 空気圧縮による過熱をA.Tフィールドによって遮断する事で可能とした力技。

 

「敵、発砲を確認!」

 

「怯むな! この速度に当てられるものか!!」

 

「無茶だっ! 速度が設計許容の1.3倍を超えてますよ!!」

 

「この速度こそがAAAブンダーの武器よ。速力を落とすな! 主機、調子はどうか」

 

「問題ありません。坊主はよくやってくれてます」

 

「余計なことは付け加えるな!」

 

「艦長! こちらの発砲は!!」

 

「しなくて良い! どうせ当たらない。進路そのまま、反航しエバー2機を突入させる」

 

 鬼気迫る葛城ミサトの指揮。

 その戦意が乗り移った様に、ブリッジクルーも無駄口を叩かずに目の前の現実に対応する。

 ブリッジ正面に大きくなっていくNERV本部。

 葛城ミサトの口元が歪む。

 笑う形を取る。

 歯をむき出した笑み。

 獣めいた顔。

 

「交差まであと30!!」

 

「急減速用意!」

 

「用意良し!!」

 

「カウント!」

 

「3…2…1…Now!!」

 

「急制動!!!!」

 

 A.Tフィールドすら使った急制動は、慣性を殺す勢いでAAAブンダーを減速させる。

 轟音。

 周辺に浮いていたエヴァンゲリオンが衝撃波で吹き飛ばされている。

 

「エバー出撃!! 発砲開始!! 進路、任意方向への離脱実施!!!!」

 

 

 

 花火めいて、船体各部から火砲を放つAAAブンダー。

 その極めつけに乱暴な作戦行動は、NERVの意表を突くモノであった。

 

「葛城君も、実に乱暴だ」

 

 褒めるが如く口にする冬月コウゾウ。

 だがその指揮は的確であった。

 NERV本部直衛のエヴァンゲリオン部隊に、2号機と8号機への迎撃を命令すると共に、自身はNHGシリーズを指揮してAAAブンダーを狙った。

 

「碇、此方は手筈どおりBußeの掌握に向かうが、大丈夫だな」

 

『問題ない。()は自ら儀式場に入った』

 

「そうか、では此方は任せて貰おう」

 

 離脱するAAAブンダーを追撃する3隻のNHG。

 圧倒的な火力の差が追い詰めていく。

 粒子砲とレールガンと言う差。

 そもそも砲の数が違う。

 AAAブンダーも、奇計めいて戦艦ミサイルを用意していたが、その程度で補える差では無かった。

 せめて、N²兵器でも使わねば、A.Tフィールドを持ったNHGシリーズに遠距離で被害を与える事は難しいのだ。

 逃げの一手となるAAAブンダー。

 それが致命傷にならないのは、NHGシリーズを上回る推力と、操舵主である長良スミレの技量あればこそであった。

 

「初号機の力か? あの推力は。だが所詮は未完成艦。とは言え沈める訳には行かないので加減が難しいな」

 

 AAAブンダーを掌握する為の特殊エヴァンゲリオン、Mark.09-Aも待機しているが現状で投入した所で、即座に振りほどかれるのがオチと言うものであった。

 

「さて、どうしたモノか」

 

 そうつぶやいた瞬間、NERV本部より赤い光の柱が上った。

 

「始まったか」

 

 

 

 NERV本部への突入に成功した2機。

 抵抗してくるエヴァをぶちのめしながらの快進撃。

 そして中枢に到着する。

 13号機だ。

 火器を集中する2機。

 だが、届かない。

 

「A.Tフィールド!? だがまだ起動していないなら! やるわよコネメガネ!!」

 

「合点承知!!」

 

 A.Tフィールドを合わせようとする2機。

 だが、届かない。

 ゆっくりと起動する13号機。

 吠える。

 その咆哮で8号機は吹き飛ばされる。

 

「コネメガネ!?」

 

 残る2号機にもダメージが入っている。

 擱座状態になる2号機。

 ゆっくりと迫ってくる13号機。

 

「………さようならバカシンジ」

 

 アスカは小さく呟くと、インテリアに特設されていたスイッチを押した。

 Aモジュール、ANGEL-Bloodの2号機への注入であった。

 そして眼帯を脱ぎ捨てる。

 封じられていた眼窩、それは空洞であり、そこから蒼い光が零れ落ちる。

 

「ああああああああああああ」

 

 2号機の使途化による、時間制限付きのOverModeだ。

 アスカの首にあったDSSチョーカーが起動、励起状態に入る。

 作動する迄の短い時間。

 それで13号機を始末する積りであった。

 発光し巨大化した2号機。

 13号機に殴り掛かる。

 だが、その手は13号機の口に吸いこまれる様に喰われていた。

 13号機の4本の腕が2号機を捉える。

 2号機の首元まで喰らう13号機。

 必死に機体を操ろうとするアスカ。

 エントリープラグが真っ暗になった。

 

「駄目だったか」

 

 無力感を噛みしめるアスカ。

 回転するDSSチョーカーを見て、そして目を瞑った。

 脳裏に浮かんだのはシンジの笑顔だった。

 14年前の日々。

 笑顔で弁当を渡してくれるシンジだった。

 

死に(知り)たくなかったな」

 

 だが、DSSチョーカーが完全に作動する前に、アスカの体は2号機のエントリープラグから消え失せていた。

 

 

 

 

 

 

 




+
 そう言えばコレ
 式波ブンダーならぬ碇ブンダーだった(w
 取り敢えず、何故にシンジがAAAブンダーに戻ったのかと言う所を決めておく必要があるよね。
 決戦時、アスカの傍に居たい。
 或いは、何かがしたい。
 出来るんじゃないのかとか、そんな思い。
 シンEva、思わせブリな沈黙だけで物語を進めるので、正直、そこら辺はイヤンな感じ
 視聴者置いてけぼりの作り手の自己満足&純化
 そう言う意味では、芸術作品ですか? と言う初期に抱いた自分の評価って間違って無かったかなとか思う訳で
 ええ。
 現代芸術と言う、解釈のアレな、色々と純化したソレを見ていると(デザイナー以外が、その意図を初見で正確に把握するのは無理とか、そう言う感じで

 そう言えばヤマト作戦。
 エヴァ2機、空母に乗せてサーフィン(いい波だ! マクロス25かよ!!)って、どういう前提で準備してたんやろ
 突入云々なら、ミサイルに括りつけてた方がええやろ
 或いはブースター
 ニミッツ級めいた空母2ハイ
 いや、その前のパリ戦で戦艦を複数
 なんつーか、その絵が欲しいだけでやってるのがナァ
 もう少し、理屈が欲しかった
 後、腕エヴァとかマジでダサい
 作画カロリーの低下が目的なのかもしれないけども、動力源isナニ? 腕にコアがあるなら、あの形である必要性ってあんの?? とか、そのPowerどうやって出すの?
 腕だけの存在、その筋力だけでどーすんよ?
 本当にモー
 絵的な面白さ(※当人にとって)だけでやったんだろうナァ
 或いは締め切りの問題で、やったかだな
 8/32で作る夏の宿題かよってーの

 後、雑魚相手の無双って、正直ダサいよね
 鉄血、1期の例えばvsタービンズ戦の緊張感とか格好良さとかがスゴイけど、2期のジャスレイ戦で、そう言うのがあったかと言えば、ね

 尚、アスカオリジナル。
 設定が謎だし、そもそも、後で意味が出て来ないので消す。





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