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世界は蒼を取り戻した。
海は青さを取り戻した。
空は青さを取り戻した。
陸は青さを取り戻した。
NERV本部第1発令所を飛び出し、蒼さを見た葛城ミサトは大きくため息をついた。
「シンジ君たちはやり遂げたのね」
「ええ」
「初号機の反応は?」
「ロストしています。2号機、8号機、13号機も全てです」
「そぅ………カルヴァリーベース上空の空間以上はどうなってるの?」
「生き残ってる観測機器で得られた情報は全て、
「っ………シンジ君も、アスカも、マリも、誰もみんな帰ってこない訳ね」
「残念ながら………」
「___ 」
小さな声で何かを呟き、そして腰から拳銃を抜いた。
流れるような動きでこめかみに筒先を合わせようとする。
が、出来ない。
赤木リツコが拳銃を握って止めた。
「贖罪の積り?」
「そんな良いものじゃないわ。只、終わったんなら、もう楽になりたい。それだけよ」
生気の無い、疲れ切った目をする葛城ミサト。
先ほど前の凛とした空気は、そこには無かった。
「アスカを道具として使った、使いつぶした。あの子が只の女の子だって判ってたけど、ええ。私は指揮官としてそうした。シンジ君だってそう。この結末は見えていた。14年前の時だって、あの子もこうと決めたらやり遂げる強い子だった判ってた。笑えるでしょ、そんな冷徹な指揮官が14年前には家族だって、ハッ、家族ゴッコをやってたのよ」
「ミサト…………」
「だからサ、リツコ。終わって良いでしょ。終わらさせてよ」
「そうね、あの子達への責任ならそれで良いわね。でも残念__ 」
赤木リツコの言葉が終わるよりも先に、伊吹マヤが駆け寄ってくる。
喜色満面といった所は、20代前半の頃を思わせる雰囲気である。
「葛城艦長! 高雄代行から、回収に来てくれるとの事で……す、けど? どうしました??」
「最高のタイミングよ、マヤ」
「はぁ?」
見上げた空には、高雄コウジの指揮するAAAブンダーの生き残りが乗っている避難船が見えていた。
「ミサト、部下への責任はまだ残ってるわよ」
「………」
「終わりかけた世界で貴方がかき集め、貴方が鼓舞し、貴方が引き連れたのがWILLE。逃がさないわよ?」
「………そうね、仕方ないわね」
表情を取り戻し、背筋を伸ばして歩き出した葛城ミサト。
赤木リツコはその背中を見ながら煙草を吸った。
14年前の煙草。
かつての自分の席、その引き出しに入っていた煙草。
「辛いわね。目に染みるわ」
指揮官として歩き出した葛城ミサトに代わって、赤木リツコは世界を救った子ども達を悼むのであった。
暗転。
明転。
青い空。
青い海。
そして、青いソーダ味のアイスクリーム。
「味を感じるって、しみじみ14年ぶりよね」
ソーダ味のアイスクリームを齧るアスカ。
「美味しい?」
「冷たくて、甘い」
シンジの問いかけにとっても甘いと笑うアスカ。
繋いでいる手と手。
そんな2人に無粋に声を掛けるのは真希波マリ・イラストリアス。
「アチシ達って水以外は何も取れなかったからにゃー」
「私も14年ぶり」
クーラーボックスの中に手を入れるのは綾波レイ。
自分の髪の色とそっくりなソーダ味のアイスクリームを取る。
「アンタは寝てたんでしょ」
「起きてた」
「バカシンジは寝てた筈よ」
「碇君はそう。でも私は不寝番」
「アンタも大変だったわね」
「そうでも無い。碇君と一緒だったから」
「………」
マウントだと言えるような物言いに、ビキっとばかりに引き攣った顔になるアスカ。
綾波レイは気づかない。
とはいえ、繋いでいるシンジの手の柔らかさが冷静さを取り戻させる。
「ま、これからはシンジはアタシと一緒だけどね」
「そう? でも家は一緒」
「部屋割りの話だっつーの!!」
やいのやいのと盛り上がるアスカと綾波レイ。
と、そこに最後の1人がやってくる。
「お待たせ。ピートパラソル取って来たよ」
「ご苦労様、カヲル君」
渚カヲルだ。
「担当だった荷物、忘れたのアンタじゃないの」
「ハハハハハッ 手厳しいね」
「アイス食べる?」
「有難う、リリス」
「私はリリスじゃない。綾波レイ」
「ん、ごめんごめん」
5人は木陰を出て連れ立つ。
海に向かって。
泳ぐために。
世界を満喫する為に。
「でも、ここ、何処なんだろ?」
歩きながらシンジがぽつりと漏らす。
気が付いたら居たのだ。
南の島っぽい場所に。
5人で。
大量の食料その他の生活物資が揃っている大きなコテージで目覚めたのだった。
島を調べたけど誰も居なかった。
通信機器も無い。
絶海の孤島といった有様だ。
だから、開き直って遊ぶことにしたのだった。
「判んない。コネメガネ、アンタ、何か判る?」
「残念ながらアッシでもコレは良く判んない」
「ま、世界がくれたご褒美だって思っておこう、シンジ君」
「猫が居た」
「アンタ、本当に自由ね」
「?」
やいのやいのと盛り上がる5人。
そんな少年少女の先には、残骸となったエヴァンゲリオンが見守る様に立っていた。
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コレにて完結
そんな感じ
矢張り、〆は苦労した子ども達がハッピーになれるとか、そんな感じで
最後のシーン
イメージはウ=ス異本のアレですな
シンのAfterなSSでも1つは、アレを念頭に置いた作品を考えているのですが、ま、先に此方と言う事で(お