【完結済】MASKED GUITER HERO ぼっちちゃん 作:リチウム
また、前話で☆9のバーに色が付きました。
そして、時々日間ランキングに乗ったりするようになりました。
ウレシイ、ウレシイ……
今回は作詞会議と作詞確認会のお話です。
そして、山田株は果たして高値を付け続けられるのでしょうか?
今回も、高評価、感想、ここすき等お待ちしております。
第3回バンドミーティングより、数日後……
時は放課後、場所は秀華高校の階段裏。
ここはぼっちのぼっち飯専用スペースであったのだが、ここ1ヶ月で喜多とのギター練習スペースと化している。
だが、今日の集まりはギター練習のためではない、前回のミーティングで決まったオリジナルソングの作詞のための集まりだ。
「そ、それじゃあ、ノートを拝見してもよろしいですか?」
「もちろんよ! 後藤さんの要望通り、私の今の思いをいっぱい書き留めてきたんだから!」
まず前提として、喜多は作詞の経験などない。
そんな人間にいきなり作詞をさせてもまともなものが出来上がるはずがない。
ましてや、二人で一つの楽曲を作るとなれば本職でも大分苦戦すること請け合いである。
そのためにぼっちが取った手法は歌詞ではなく思いを書き起こしてもらい、そのエッセンスを自分が抽出して歌詞にするという方法だった。
さらに、内容がとっ散らかるのを防ぐため、二人の共通のお題を出してソレに関連する内容だけに絞り込んでもらうことでより編集しやすいようにした。
コレなら喜多の生の感情を活かしつつ、ちゃんとした楽曲のための詞にできるはずだ。
自分が書く薄暗い歌詞にはない、想像で書く薄っぺらさの無い本物の陽の感情。
ソレがあれば喜多の口から呪詛が流れ出すような状態は阻止できるはずだ。
自分も作詞をするためにヒントとして中学時代の作詞ノートを掘り起こしたりしたのだが、控えめに言って『呪詛』以外の何物でもなかった。*1
ソレを考慮すれば、例えどんな内容が来ようと自分一人で書くよりはマシだろうと思える。
深呼吸してノートを開く。
きっとノートの中はお砂糖とスパイスと素敵なものがいっぱい*2に違いない。
意識を固めておかねば数行で
そうして、意を決してノートの内容を確認すると出るわ出るわ陽キャの感性!
ぼっちは吸血鬼が聖書の一節に蝕まれるような気分*3でページを捲っていく。
そうして、たった数ページの内容を死力を尽くして読み切り、振り絞った力で持ってノートを閉じる。
「あ、あの、とても良かったです……。
すごくキラキラしてて、夢とか憧れみたいな思いがいっぱい詰まってて……。
とてもわたしには書けない内容でした」
「本当!? ありがとう、後藤さん!」キターン!!
「がっ!!」
ぼっちに褒められた喜多はまたしても光った。
いつもならなんとか耐えられたのだが、直前に大量の陽キャ成分を摂取したぼっちには耐えられなかったようだ。
全身が痙攣してぶくぶくと泡を吹き始めるぼっち。
「だ、大丈夫!? 後藤さん!! 今、保健の先生呼んでくるわ!」
そうして、すぐさま救助活動に移ろうとする喜多の腕を何者かがつかんだ。
さっきまで泡吹いて倒れていたぼっちである。
「だ、だ、大丈夫です、喜多さん。
陽キャ成分の過剰摂取でこうなっただけなので……」
「何そのアレルギー症状!?」
もしかしなくても後藤さんって結構変な人なんじゃ、と今更ながら気付く喜多。
そんな喜多を後目に、ぼっちのほうもノートを取り出してこちらに手渡してきた。
「そ、それより、こちらの歌詞もお願いします……。
喜多さんの歌詞よりもだいぶ暗いですけど……」
そう言って手渡されたノートの内容を確認する喜多。
そこにあったのは確かに暗い内容の歌詞。
孤独の辛さや夜の寂しさ、夕暮れの切なさが書き込まれた一節は、しかし
『普通になりたい』と暗い目で語っていたぼっちにも、やはり私と同じ憧れがあるのだと確認できた喜多は少し暖かい気持ちになった。
「後藤さんの歌詞も、私、好きよ。
なんだか、ロウソクみたいで、暗いけど……、暖かいと言うか……」
「そ、そ、そ、そうですかね~、えへへへへ」
自分の歌詞の感想にポジティブなワードが出てきたことで浮かれるぼっち。
「それじゃあ、この内容は後日、まとめさせてもらいますね……」
「うん! 楽しみにしてるわ!」
そう言って、ノートをバッグにしまうぼっち。
互いのノートの内容は個人ロインで共有した。
「それじゃあ、バイトに行きましょうか」
「あ、ハ、ハイ、ソウデスネ」
浮いた気分が一気に沈んだ。
労働。
陰キャにあらずとも心を蝕む人類普遍の闇である。
ウキウキ気分の喜多ちゃんの後ろを歩くぼっちが煤けて見えるのは、夕陽だけが原因ではないのは明らかであった。
◆ ◇ ◇ ◇ ◇
アレから数日、ぼっちは産みの苦しみのさなかにいた。
言わずもがな、歌詞の編集作業である。
現段階でも、歌詞の原型とも呼べる部分はできている。
大方針として、喜多さんのパートをサビに使い、自分のパートをそこ以外にすることでサビの部分の明るさを引き立てる歌詞を目指すことにした。スイカに塩みたいなものだ。*4
問題は、自分のパートが塩通り越して泥になってないだろうかという懸念が抜けないことにある。
確かに、内容は期待通りになってる気はするのだ。
自分の暗いAメロ、Bメロで溜めて溜めてサビで爆発させる感じは間違いなくうまく言っている……、はず……。
なのだが、漠然な不安が抜けきらず、根拠もなく何度も書き直しては元に戻す作業を繰り返し、その内に不安がますます増大していく負のスパイラル。
いわゆる183現象*5というやつだ。
紙が擦り切れるまで同じ内容を書いては消してを繰り返すさまは新手の呪術か何かにしか見えず、母親が少し心配そうにチラと様子を伺うばかりだ。
一方、父親の方は後方理解者面でうんうん頷いていた。
かつて、バンドのフロントマンとして、楽曲制作も担当していた身としてはその苦しみが痛いほど分かるのだ。
そして、そういうときほど、実は第一稿が一番出来が良かったりするところも。
そんなうめき苦しむぼっちにロインの通知が届く。
そのなんてことのない一文が、今のぼっちには死刑宣告にしか見えなかった。
◇ ◆ ◇ ◇ ◇
「ぼっちちゃん、おはよう!」
「おはよう、後藤さん!」
「あっ、はい、おはようございます……」
後日、ぼっち含む4人は下北沢の駅前にいた。
いつも制服な3人は休日ということもあって私服で来ており、いつもとは違った印象を受ける。
ちなみにぼっちは言わずもがな、いつものジャージ姿である。
さて、今日はなんの集まりなのか。
ロインでは知らされていなかったが、ぼっちには心当たりがあった。
そう、作詞だ。
前回会議から今日で1週間飛んで1日。
進捗どうですか*6? と聞かれてもおかしくないタイミングだ。
いや、ソレはまだいい。
なにせ、こちらには提供できる現物があるのだから。
だが、ソレのクオリティは保証できない! というかわたし自身がそう思ってるのにそんなものを進捗として見せて良いのか!?
喜多さんの歌詞を冒涜してるとか言われないか?
いつものネガティブスパイラルに陥るぼっち。
「ぼっちちゃん、ぼっちちゃ~ん!」「はっ!」
「ぼっちちゃん、調子悪い? 今日はアー写撮影辞めとく?」
「アー写撮影?」
「そう! この前思いつかなかったけど、まだあったんだよバンドらしいこと。
ってことでアー写を撮ろう! ……って思ってたんだけど、顔色悪い日にとってもしょうが無いしね」
「あっ、いえ、大丈夫です元気一杯です左上だけはご勘弁を!」「ゔっ……」
写真→欠席→左上という地獄の連想ゲームがぼっちのネガティブスパイラルを断ち切った。
あと、何故か喜多ちゃんに流れ弾が飛んだ。
「この前ライブ出るためにとったやつがあるけど、ぼっちはまだいなかったから。一応見る?」「あっ、はい」
そう言って渡された写真には元気一杯の虹夏と少し斜に構えた山田。
そして、左上に真顔で配置された
(こんなひどいアー写初めて見た……、いや、ある意味ロックなのか?)
「まあ、そんなわけで、今日は天気もいいし、みんなの予定も空いてたから、アー写撮っちゃおっかなって」
「えっ! そ……、外でですか?」
「スタジオで撮るのはお金ないから無理」*8
(下北の街中で写真撮るなんて、陰キャにはハードル高すぎる!)
ただでさえ、未だに下北を歩くだけで毒ダメージを食らうぼっちにとって、そこで写真撮影など自殺行為以外の何物でもなかった。
あらゆる写真撮影と言う行為にダメージを受ける。陰キャの悲しき習性である。
「まぁ、外じゃなくてSTARRYでもいいんだけど、アー写ってバンドの方向性とか、メンバーの特徴を1枚で伝える大切なものだからさ」
「じゃあ気合入れて撮らないとですね!」
写真撮影と言う行為でHPが回復する。陽キャの習性である。
旅先でやたらと写真を取る陽キャが目撃されるのは、その習性を利用しての事に違いないのだ。
「その通り! ライブハウスのサイト告知やフライヤーや雑誌、どんなところで使われてもインパクトがある感じにしないと」
「だそうだ」
「わ……、わかりました。
でも、ちょっと歌詞持ってきてるんで、撮影後に見る時間を作ってもらっていいですか……?」
「おっ、なかなか仕事が速いね」
「本当!? 私もどんな感じになったのか楽しみだわ!」
こうすることで、アー写撮影が早めに終わるかもしれない……
ぼっちにしては珍しい頭脳プレーである。
もっとも、その肝心の歌詞の出来で悩んでいたので苦肉の策*9と言わざるをえないが。
「よーし! それじゃあ、アー写撮影の旅にぃ、レッツラゴー!」
「おー!」「おー……」
◇ ◇ ◆ ◇ ◇
アー写撮影は順調に進んだ。
虹夏いわく、貧乏バンドマンのアー写の定番スポットを階段、フェンス、植物の前、公園と順調に消化していき、最後にぼっちが発見した良さげな壁を背景に撮影して今日の行程は終了した。
そして、最終的なアー写は最後の良さげな壁を背景とした写真に決まり、いよいよぼっちの歌詞のお披露目会とあいまったのである。
撮影会の途中で、ぼっちの魂が抜けたり、見た目がグリッチ*10を起こしたり、ツチノコ*11になったり、モンスター*12になったりしたが、いつものことなので割愛する。
流石に落ち着けるところで確認しようということで、山田のオススメらしいカフェに移動することとなった。
明らかに自分の人生に縁遠いオシャレカフェということで入る際に挙動不審になったのだが、そこら辺は手慣れた喜多と虹夏によってスムーズにテーブルに誘導され、被害は最小限に抑えられた。
「それじゃあ、早速歌詞拝見ターイム!」
「あっ、表紙に後藤さんのサインが書いてあるわ!」
「すいません、カレーライス1つ」
早速ノートを開こうとする虹夏、表紙のBocchi☆サインに気を取られてる喜多、カレーを注文する山田。
相変わらず結束力のない面々である。
3人はそうしている間にも歌詞を読み進める。
3人で1冊のノートを見る都合上、テーブルの向こう側に3人集まり、ぼっち1人だけがこっち側にいるのだが、自身の作品を審査されているプレッシャーからか圧迫面接のように感じてきていた。
心臓が跳ね、顔色が青を超えて白になりつつある中、3人がノートを閉じる。
神妙な面持ちでこちらを見る3人。
や、やっぱり駄目だったのかな……
どうしても全体的に暗い雰囲気が拭えないし、なんとか喜多さん成分で中和できたと思ったけど……
いや、そもそも陰キャの感性が
ああ、結局のところ、編集だろうとわたしに明るい歌詞を書くことなんてできなかったのか……
所詮わたしは陰キャを感染させるだけの陰キャゾンビよ……
なにか目玉的な部位が取れかけてるぼっちに虹夏が代表して声をかける。
「ぼっちちゃん、この歌詞「あっ、カレーライスこっちです」間が悪い!」
マイペースにカレーを受け取る山田。
そのままいただきますを済ませ、食べ始める山田。
気勢は削がれたが、改めて虹夏が発言する。
「それじゃあ、改めて。おほん!
ぼっちちゃん、この歌詞、わたしはすごくいいと思うな!」
「私もよ! 後藤さん! なんだか、私が書いたのにもっと詩的っていうか、バンドらしい歌詞になっててスゴイって思ったわ!」
「ほ、ほ、本当ですか!?」
珍しく目がキラキラしているぼっち。
「うんうん、なんだかあたしもバンド始めたくなっちゃうようないい歌詞だよ!
って、もう始めてるんだけどね」
「私も、私の思いがギュッと詰まってて、なんだか私よりも私の思いが溢れてる感じがするわ!」
「うん、ごちそうさまでした」「おい」
この歌詞が いいねと君が 言ったから 六月五日は作詞記念日*13
珍しく褒められて浮かれ気分のぼっち。
「リョウはどう? コレでいい曲かけそう?」
皿を店員さんに手渡し、口元を拭く山田に声をかける虹夏。
山田はコップの水を飲んでから、口火を切る。
「正直なところ、安心したって言うのが本音」
「安心、ですか? やっぱり、あんまり期待されてなかった感じで……」
「いや、歌詞そのもののクオリティは心配してない。
ただ、先週『バンドらしい歌詞』を書いてくるって言ってたから、売れ線ぽい当たり障りのない歌詞を書いてくるんじゃないかって心配してた」
その言葉に少しドキッとしてしまったぼっち。
実際のところ、そうするべきかギリギリまで悩んでいたからだ。
だが、結局自分らしさを活かすことにしたのは、本編世界線とは違いボーカルとしての視点があったからだ。
とはいえ、それでも不安が拭えないからこそ喜多を巻き込んだ部分もあるのだが。
「でも、この歌詞はぼっちと郁代の個性がちゃんと乗ってる。
だから、安心した。これはちゃんと『結束バンド』のらしい曲だから」
そう言って穏やかに笑う山田。
「ぼっちと郁代には話してなかったっけ、前のバンドどうして辞めたのか」
「いえ、聞いてません」
「わ、わたしもです」
「……私は前のバンドの青臭いけど、真っ直ぐな歌詞が好きだったんだ。
でも、売れるために必死になって、どんどん歌詞を売れ線にして。
それが嫌になったから辞めたんだ。
辞める時もちょっと揉めたりして、バンドそのものが嫌になってた頃……」
『ねぇ。暇ならベースやって!』
『何で?』
『だってあたしリョウのベース好きだし!』
「そう、虹夏に言われて、もう一度バンドやってみようかなって。
個性捨てたら死んでるのと一緒だよ。
私は
「先輩……」
「リョウさん……」
想像以上に切実な話に、喜多の胸の奥がキュッと傷んだ。
自分の動機の軽さに、それ以上に自分の過去の行いに改めて罪悪感を覚えた。
そして、また一つ決意を新たにした。
一方、ぼっちは恐怖と安堵を覚えた。
一歩間違えば、そんな心の傷を抉るような歌詞を見せていたかもしれないと言う思いと、ソレを防いだ自分の判断と幸運に感謝した。
「だから、二人にはこれからも自由に書いてほしいんだ。
バラバラな個性が集まって、一つの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」
「うんうん! やっぱりバンド組むからには、みんなの良いところをいっぱい見せていかないとね」
「さて、そろそろ出ようか。
正直、一刻も早くこの曲を書き上げたい」
そう言うと、足早に席を立ち、そのまま店のドアを開けた。
──お会計を済ませずに。
「あっ、そうだ。虹夏、奢って」
「おい、ここお前のオススメじゃろがい」
「最近草しか食べてなくて限界で……」
「じゃ、じゃあ、私が出しますから」
喜多が声を上げる。
実際、その貧相な食生活の主原因が自身の多弦ベース買い取りにあるのだから、いつもの憧れとは別にそう切り出すのも無理はない。
「いや、甘やかしちゃ駄目だよ、喜多ちゃん。
アレから月跨いだから今月のお小遣い出てるの知ってるんだからね。
それでこうなってるってことは、またしょーもない買い物したに決まってるんだから」
「バンドマンなら楽器と機材は設備投資。プロなら経費で落ちる内容」
「で、トゥイッターでMy New Gearってそのまま寝かせてるんでしょ、いつものパターンだ」
「虹夏、お店の人が待ってる。あんまり待たせるのも迷惑だから」
「誰のせいだと思っとるか!」
虹夏が抗議するが、結局そのまま虹夏払いで決着した。
もっとも、『今日の分は給料から天引しとくから』の一言で、山田に膝をつかせたのだが。
こういう時、経営者の親族は強い。
結局、山田は少し項垂れたまま帰路に就いたのであった。
◇ ◇ ◇ ◆ ◇
深夜、ギターとベース、キーボードを並べつつ、机に向かう少女の姿があった。
少女はDTM用のDAWソフト*14にMIDIキーボード*15で音楽を打ち込んでいく。
ソレが一段落すると、大きく背筋を伸ばし、ホッと小さく息を吐いた。
そして、出力されたmp3*16のファイルに名前を入力していく。
『Distortion!!』*17、結束バンドのオリジナルソング、第一号の完成の瞬間であった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
「できた」
「えっ、早くない?」
アレからまだ1週間も経っていない、STARRYの一角にて、山田はそう切り出した。
「インスピレーションを活かしたかったから、ちょっと頑張った」
「あー、もう、そう言って、ここ何日も寝てないでしょ。珍しくクマスゴイもん」
「授業中に寝溜めしてるから大丈夫」
「だいじょばないの、今日は早めに上がって。なんなら、家で寝ていってもいいから」
「恩に着る。でも、コレをみんなに聞かせてから」
「はいはい。そういえば、ぼっちちゃんと喜多ちゃんはもうそろそろかな?」
そういった直後に二人がやってきた。
喜多はいつもどおり元気いっぱいなのだが、ぼっちの方はなぜか山田と同じくクマがすごい。
そのためか、喜多がぼっちに肩を貸しながら歩いてきている。
「あ、あの……、歌詞……、また、できたんですけど。
ちょっと、その、2曲ほどなんで、読んでいただけないかなと」
どうやら、この前の山田の発言に触発されて、追加で書いてきたようだ。
「後藤さん、ここのところ、寝る間も惜しんで書き続けてるみたいで……、
早く読んで安心させてあげたいんです」
喜多もまだ歌詞の内容は見ていないようだ。
見るならみんな一緒にということだろう。
「あ……、あと2曲、追加……」
そう呻くと、山田は倒れた。
何かが限界を超えたらしい。
「リョ────ウ!! しっかりして~!!」
「先輩! 大丈夫ですか!?」
そうやって、二人が山田を支えようとしたところで、喜多の隣がカクンと落ちた。
どうやらぼっちもつられて落ちたようだ。
「後藤さん! しっかり!! 後藤さ~ん!!!」
結局、新曲の確認と新たな歌詞の確認は、翌日二人がしっかり寝てから行うこととなった。
そして、ぼっち含む二人はまたしても虹夏の家に泊められることとなったのであった。
今回も高評価を頂いた、以下の方々に心より感謝を。
敬称略です。
☆10 カプリコイチゴ味 Mihiro-in-Circumf
☆9 黒南瓜 けちゃっぷかみ メンタス ゴマあざらし Kakukaku123 もんぺの妖怪 humility Rife ドリアスピス ノーバディ621 NBRK ソニオール
今回の話では、喜多ちゃんが作詞の一員として本格始動しました。
もちろん、主はぼっちですが、サブとして、色々と活躍してくれることでしょう。
そして、山田は山田でしたね。
でもなんか儚さを感じちゃうのは自分だけでしょうか?
こんなしおらしいキャラだっけ? まあ良いか。
次回はオーディション回……、になったらいいな。