プロ棋士の桐山くんは伊地知姉妹に拾われました   作:あまざらし

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4話 ギター担当

 現在、喜多ちゃんとボクは駅前のスタパというカフェにいる。

 

『ペペロプリプリパピプペポ ペロペロパチーナのショートで』

 謎めいた呪文を唱えさくっと注文する喜多ちゃん。

 店員さんも似たような呪文を復唱している。

 ここはいったい……住む世界が違う異空間だった。

 

 ここは無理に冒険する必要はない。

 対するボクはメニューを眺め、無難なおすすめのコーヒーを細々と注文する。

 

「ここの新作頼んでみたかったんです。ありがとうございますね零先輩!」

「いや気にしないで。ボクが相談したかったんだから」

 

 ボクと喜多ちゃんが出会ったきっかけは、将棋棋士とそのファンという関係。そんな奇妙な間柄だけど、今は敬語をやめてもらっている。こちらが相談する側だからと説得して。

 

 向かいに座る喜多ちゃんは新作の春らしさ溢れるフラペチーノを口にしながら、キョロキョロと所在なさげにしていた。

 気の利いた会話もできないし時間もないことだし、ボクは早速、相談に移る。

 

「言いにくいんだけど実は、喜多ちゃんを探してたんだ」

「わ、私ですか!? なんでしょう! えっ、もしかしてリョウ先輩と桐山先生の娘になりたいのがバレたとか。でもまだ誰にも言ってないのに何で……

 

 うん、突然の切り出しに困惑するのは分かるよ。分かるけど……。

 もしかして喜多ちゃんって少し変わった子なのかな。

 小声で不穏な発言をする喜多ちゃんを訝しむ。

 

「”結束バンド”って知ってるよね?」

「ひゃっ。先輩が何故それを!」

 ボクはバンドメンバーに喜多ちゃんがいると知った経緯や、実は他のメンバーの虹夏さんやリョウさんと友人であることを説明する。

 

「今からでも練習参加しない? 虹夏さん達も心配してたよ」

 心配してたというより焦っていたが正解だけど。

 

「ご、ごめんなさい! 先輩の頼みでも、どーしても無理なんです。だって私──全くギター弾けないから!!」

 そして喜多ちゃんはポツリポツリと参加できない理由を話してくれた。

 ギターの練習を侮っていたこと。

 どれだけ練習してもボヨンとした低い変な音しかでないこと。

 本番まで時間がなく、自分でもどうすればいいか分からなくなってたこと。

 

「桐山先生にも応援してもらったのに……わたし……うっ、ぅぅ」

「え、嘘っ、な、泣かないで! どうしよう。ご、ごめんね! こちらこそ急に押しかけちゃってごめん! ボクのことなんて全然気にしなくていいから!」

 目の前で喜多ちゃんが泣き出し、ボクは慌てた。ひとまず泣き止んでもらわないと。

 

「で、でもギターってやっぱり難しい楽器なんだね。ボーカルだけ参加するじゃだめかな? 歌が上手なだけでも凄いことだと思うよ」

「でもその今更申し訳なくて……。リョウ先輩達には”ギターできます”って見栄を張ってバンド入れてもらったのに」

 そうだろうか。今日のあの様子なら、ボーカルいるだけでも虹夏さん相当喜びそうだけどね……。

 

 そっか彼女の問題は”ギターの上達”だったんだ。

 でもどうする? 勿論ボクは使い物にならないし。

 そうなるとやっぱりギター教室の先生に習うとかなのかな。

 

 いや保険を掛けるなら……。

 

「そういえばあの子」

「先輩、どうしたんですか?」

 キョトンとしている喜多ちゃんは、ひとまず泣き止んだようだ。

 ボクはホッとする。

 

「喜多ちゃんって”後藤ひとり”さんって人を知ってる? たぶん秀華高だと思うんだ」

「後藤さん、同じクラスにはいませんね」

 

「もしかしたら別の学年なのかも。今日はピンク色のジャージを着ていて特徴的な子だったんだけど」

 よくいる学生にしてはあまりに目立つ後藤ひとりさんの服装を説明すると、喜多ちゃんは何か思い当たる節があるようだった。

「あっ、一人心当たりあります。そういえば1年2組で噂になってたあの子、確か後藤さんって名前だったかも……。後藤さんがどうしたんです?」

 

 ボクはショルダーバッグから”後藤ひとり”と名前が書かれたギターの教則本を取り出し、喜多ちゃんに渡す。

 その本を拾ったこと。本には付箋がたくさん貼られていて使い込まれた様子から、恐らくその子はギターの演奏ができるに違いないという予測も加えて。

 

「将棋だって独学だけじゃ大変だし。その子にギター教えてもらうのはどうかな?」

 本を受け取った喜多ちゃんはやるべきことを理解したみたいだ。

 これまで精細を欠いていた彼女の瞳は”ポンっ”と点火したかの如く輝きを取り戻した。

 

「私、なんか希望が見えてきました! まずは明日この本を後藤さんに返すでしょ。そしてギター教えてもらえないか相談して……。よぉーし必ず渡すから待っててね、後藤さん!!」

 

 あの気の弱そうな子が後藤ひとりさんだとしたら、喜多ちゃんに頼まれたらきっと断れないだろうな。喜び立ち上がって、気力満タンになった喜多ちゃんを眺めつつ、ボクはそんな未来を想像する。

 

 ごめんね……後藤ひとりさん。でも喜多ちゃん悪い子じゃないから。

 ボクはやさしい詰将棋よりも簡単な未来を予見し、先に心の中で謝るのだった。

 

 

 

(Side:後藤ひとり)

 

「くちゅん、風邪かなぁ」

「でも風邪になったら明日休める……うへへ、いや、ダメダメ。私みたいなド陰キャは一日でも休んだらクラスに完全に置いてかれてしまう。まだ入学して一週間。これからが本番なんだから」

 物置部屋の中でひとり自問自答していた。

 

「それにしてもやっぱり見つからない……どこにいったんだろう」

 趣味の合う友達探しのために装備してきたバンドグッズづくしのバッグ。

 そこに入れたはず本が紛失してしまった。

 あああああ、完全に裏目ったああ。

 

「あの本、気に入ってたのになぁ。今月のお小遣いも残り厳しいし……今日も友達出来なかったし……」

 不幸が重なり、私はもう失意のどん底だった。

「それでは聞いてください。新曲『今日もひとりぼっち』」

 

「ひとりちゃん~ ごはんよー」

「はいー」

 

 そして私の何もなかった今日は終わりを告げる。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 次の日

 

『後藤さんとお話できました!』

 ロインで喜多ちゃんからメッセージを受け取る。

 

『先輩、後藤さんが”結束バンド”に加入してくれました! 一歩前進です!」

 そして数時間に渡る、流れるような追加報告で、ボクはおおよその経緯を理解した。

 

 喜多ちゃんのこれまでのメッセージを簡単にまとめると……。

 要は色々と課題は山積みだけど、ギター問題は解決したってことみたいだ。

 喜多ちゃんの持ってた楽器が多弦ベースだったり、3週間でギターを弾くのは難しいとか色々あったけれど。

 最終的に後藤ひとりさんがリードギター担当としてメンバーに加わって、4人で再スタートを切って結束バンドは順調に動き出せる……らしい。

 

 後藤ひとりさん、強引に誘われてなければいいけども……。

『心配無用です、ちゃ~んと後藤さん本人の同意を得ましたから!』

 喜多ちゃんのメッセージにはそう書かれてあるが、彼女の胸中まではボクにも分からなかった。

 

 最後に送られた結束バンド4人の写真。

 後藤さん一人だけが、”どんより”していたのが妙に気がかりだったから。

 他の3人は嬉しそうだったから余計にね。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 同じ日の18時頃。

 ボクは伊地知家の玄関前でインターホンを押して待機していた。

 

 照明と薄らかに残る陽の光が、見慣れたドアを照らしていた。

 そのドアの先から軽やかな足音が聞こえてくる。

 

 勢いよくドアが開いた。 

「待ってたよ零くん! ありがとね、ホントありがとね!」

 そしてボクの左手を両手で握りしめ、跳ねるように大きく腕を上下に揺らす虹夏さんに出迎えられる。

 扉が閉まっても、はしゃぐ彼女の声は、何気ない日常がまた戻ってくるようで、ボクは肩の力がスッと抜けた。

 

「リョウには喜多ちゃん用の簡単な譜面に作ってもらってー、喜多ちゃんには譜面できるまではボーカルに専念してもらってー、”ぼっちちゃん”がリードギターやってくれるでしょー。明日の合わせが楽しみだよー!」

 緊急招集された結束バンドの集まりは、さきほど解散したばかりのようだ。珍しく虹夏さんは未だに興奮冷めやらぬ様子で自分の世界に入りこんでいた。

 

 ボクにあんなに感謝するってことは、喜多ちゃんが「零先輩のお陰なんですっ!」とか話を盛ったのかな。

 実際に解決したのは後藤さんなんだけど……。思えば犯罪じみた行動をした自覚はあるので、深く追求して欲しくないくらいだった。

 

 ところで”ぼっちちゃん”って後藤さんの事だよね。

 気になったボクは、あだ名が”それで”問題ないのか確認したが、後藤さん本人には好評らしく虹夏さんが折れたそうだ。

 

 孤高の人なのかな。

 あの格好を着こなすくらいだ。

 彼女も何かこだわりがあるのかもしれない。

 

「そうだよ、功労者の零くんにぼっちちゃん紹介しないと! ってことで、明日練習するスタジオに遊びにおいでよっ」

 メンバーでもないボクは無関係だ。

 だから断ろうとした。

 

 でも嬉しそうな虹夏さんの顔を見て、そしてリョウさんと喜多ちゃんを思い出して。

 最後にあの子も加入すると聞いて。

 みんなの演奏を聴きたい好奇心で、どうにも断ることが出来なくて。

 明日の練習に、ボクはお邪魔することした。

 

『零、お土産よろしく』

 ボクが参加することを知ったリョウさんの要望も追加されたけど。

 

 ちなみに今日の伊地知家の夕飯は豪勢にピザの出前だった。

 まるで一家でお祝いでもするムードだ。

 今回は星歌さんのおごりらしく「桐山も気にしなくていいから」とごちそうになることに。

 

 少し驚いて星歌さんの方を向くと、

「な、なに?」と、テレた顔する星歌さんがいて。

 

「いえ、ありがとうございます星歌さん」

 ボクは仄かに胸がポカポカするような。

 そんな随分と懐かしい温もりを感じた。

 

 ◇ ◇ ◇

 

「ド下手だあああ」

「えええええー。そんなそんな……(私、ギターヒーローなのに。登録者3万人なのに……)

 

 翌日の合同練習の日。

 受付の優しげなお姉さんに案内され皆の居るスタジオに入ると、虹夏さんの嘆き声がスタジオ中に響いてきた。

 

 練習スタジオというと狭く密閉されたイメージだったが、ここは想像よりも広くて豪華だ。飲食OKのテーブルスペースもあり、ホテルのようにくつろげる部屋だった。

 

「お店の人がお姉ちゃんの知り合いで特別に安くしてもらっちゃったんだー」

 って虹夏さん言ってたけど、星歌さん事前に幾らか払ってるんじゃ……と怪しむくらいには豪勢だ。

 

 そしてあのジャージの子、後藤ひとりちゃんが放心状態になっていた。

「どうもプランクトン後藤でーす……」

「売れないお笑い芸人みたいなの出てきた! ごめんごめん。でも私だってそんなに上手くないしっ」

「私は上手い」

「リョウもややこしくしないで!」

「うっ……ごめんなさいごめんなさい」

「大丈夫だからー。だからゴミ箱から出てきてーぼっちちゃんー」

 

「私がギター下手なのは分かるけど。おかしいわね、後藤さん学校では上手だったのに……って、零先輩! こんにちは。どうですかね、私、バンド女子になってます?」

 元気にこちらへ駆けよる喜多ちゃん。

 可愛らしくポーズも様になってて、周辺もきらきら輝いてると錯覚しそうだった。

 

「こんにちは喜多ちゃん。青いギターとっても似合ってるね。リョウさんが貸してくれたんだっけ?」

「そうなんですよ! リョウ先輩はやっぱり素敵ですよね!」

「そ、そうだね。あ、みんなにお土産持ってきたんだけど……今大丈夫そう?」

「零、待ってた。問題ない。だから私に渡して」

「あ、リョウさん。今、渡しちゃいますね」

「きゃっ、リョウ先輩と零先輩が会話してる。ひょっとしてここは夢なのかしら……」

「私はミジンコミジンコです」

「おーい、ぼっちちゃんー。お願いだから戻ってきてー」

 

 初めて入ったスタジオ。

 それはとっても混沌とした空間でした。

 

「はじめまして。桐山零って言います。結束バンドの皆には名前で呼ばれてるから気軽に『零』って呼んでね。えっと、後藤ひとりちゃんだよね」

 事前に人見知りと聞いてはいたので、親しみやすさをボクは心がけたつもりだ。

「あ、あ、あ、あわわわ、あばば」

「ぼっちちゃんー」

 虹夏さんの呼び声に「はっ」とする後藤ひとりちゃん。

 

 この子はボクよりも人見知りなんだと再認識する。

 ボクだって初対面の人は苦手だけど、それ以上に相手が緊張しているお陰か、妙にリラックスしていた。

 

「えっと……そうです。後藤ひとり、です。(まだ結束バンドの皆ともロクに会話できないのに。いきなり男の人との会話とか、経験が、まだ経験値が足りてない……)

「えっと『後藤さん』がいいのかな?」

「あ、ゔぎゃ……」

「それとも喜多ちゃんと同学年らしいし『ひとりちゃん』?」

 

「ひゃ……(あれでも同年代の男子に名前呼びされるって……これって”相当!”陽キャなのでは……陽キャだ。これは間違いなく陽キャ!)。へへっ。えへへへへ」

「なんかぼっちちゃん嬉しそうだね」

「後藤さん嬉しそうね」

 名前呼びでいいのかな? 

 小声で呟く彼女の早口を全く聞き取れなかったボクは、周りの反応を信用することにした。 

 

「じゃあ、えっとよろしくね『ひとりちゃん』」

「は、はい、『ひとりちゃん』です! え、えっと……れ、『零さん』。へへっ(しかもお互いに名前呼びまでっ。もう私は只の陽キャじゃない……”スーパー陽キャ”。これはもう武道館ライブも満員御礼間違いなし!)でへへへへ」

 

「ぼっち面白いでしょ」

「ぼっちちゃん面白いよねー」

「うん、面白い子だね……」

 ボクはただ頷くしか無かった。

 不思議な子だ……。

 

「伊地知先輩、オリジナル曲ですか?」

「うん、せっかく4人になったしカバー曲だけじゃ味気ないかなって。ライブまではあと3週間あるし。2曲はカバー曲、1曲はオリジナル曲を出来たらなって思ったんだ」

「でも作詞作曲は、どなたが担当するんですか?」

「まずは作曲はリョウができるでしょ」

「リョウ先輩って作曲できるんですね! 流石です、すてきっ」

「まぁ朝飯前」

 と言ってお土産を頬張るリョウさん。

 

「で、作詞は、昨日、ぼっちちゃん禁句があるって言ってたし……。ぼっちちゃんに書いてもらおうかなって思ってるんだけど。どうかなぼっちちゃん。作詞お願いできるかな?」

「えっ……」

 

 ひとりちゃんは小さな声で何かと葛藤するように呟いていた。

「ぼっちちゃん?」

「──ぁ、はい。やります」

「ホントに! ありがとうね、ぼっちちゃん!」

 虹夏さんは喜んでいるけど大丈夫なのかな? 

 

「後藤さん平気? 私のギターの練習も見てるのに……」

「が、頑張ります! 任せてください!」

「そう、後藤さんって凄いのね!」

「うんうん。大役任せたよ! まっ、間に合わなそうなら元々予定してたカバー曲やればいいからね」

 

「で、虹夏は何やるの?」

「さてそれでは休憩終了! 零くんも来たことだし、もっかい通しで合わせてみようー!」

「露骨に話題そらした。まあ時間も勿体ないし。零はそこで聴いてなよ」

 リョウさんがカッコよくベースを肩に掛け、皆も演奏の準備を始める。

 

 皆が何をやっているのか全部は分からない。

 でも最高の演奏をするために、各々のルーティンがきっとあって。

 まるで扇子でリズムをとる棋士みたいだなとボクは思った。

 

 

「じゃあいくね!」という虹夏さんの合図で皆が構え、そして、あっという間に演奏が終わる。

 

 そしてすぐにボクの反応を気にする結束バンドのメンバー達。

 

「ベース最高だったでしょ」

 自分の演奏を褒めてほしそうなリョウさん。

 

「零くん、やっぱダメだったかな……」

 全体がバラバラだったことを察してか不安な虹夏さん。

 

「歌は何とかなったと思うんですが、どうでしょうか先輩?」

 ボーカルが気になってる喜多ちゃん。

 

「へへっ、へへへっ(私はスーパー陽キャ、私はウルトラ陽キャ)

 なぜか自信に満ち溢れたひとりちゃん。

 

 

『結束力ゼロだ……』

 まず思った”その”感想を、ボクは一度忘れることにした。

 

 全体の音はギクシャクしていたことは素人でもわかった。

 でもどんな曲かなんとなく伝わったし、個人に着目したら、意外と褒めるべき点もあるし。

 

 どうコメントすべきなのだろうか……。

 明日の対局の持ち時間を少し使ってでも、ボクはコメントを考えたかった。

 

 でもよかった。

 ”ひとりちゃん”

 ずっと下を向いて演奏してたけど、座っていたボクからは、楽しんでるように見えたから。

 

 

 

 

 そして時が経つのは早いもので、スタジオを離れる時間がやって来た。

「よーし、今日はみんなで新・結束バンド初練習のお祝いだー」

 

 そんな虹夏さんの発言に、

 

「今日は人と話しすぎたので帰ります」

「えっ」

 逃げるように走って帰るひとりちゃん。

 

「ごめん、ね、眠い……それじゃ」

「えっ」

 次いでテクテクと帰るリョウさん。

 

「き、喜多ちゃん?」

「伊地知先輩ごめんなさい! 私、リョウ先輩にもらった譜面でギターの練習しないと……」

「うっ それは確かに……」

「零先輩、伊地知先輩。それではお先に失礼します!」

 更にキタ~ンと元気に帰る喜多ちゃん。

 

 そして最後に、ボクと虹夏さんだけが残された。

 

「……結束力全然ない!」

 あ、それボクが言いたかったやつ。

 

「れ、零くんは……」

「ご、ごめんなさい虹夏さん。明日対局があって。だから帰って準備しないと……」

「もう、前途多難だ!!」

 

 こうして結束バンドは再始動した。




桐山くん、結束バンドの初演奏(スタジオ練習)を聴く。
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