私は仲間に出会った。仲間は人間が3人。恐らくこのストーリーのメインとなるキャラクターであるモブだろう。
一人は鉄の剣と鉄の盾を持ち、一人は弓と矢を持ち、一人は棒を持っていた。棒はどうやって戦うのか分からないが、3人もいれば十分だろう。
「私はStave。よろしく頼もう」
鉄の剣を持つ男が言う。
「俺はカイル! よろしくな!」
弓を持った女が言う。
「あたしはエルダ。よろしくね」
棒を持った女がいう。
「ボクはアメリア。よろしく」
3人の自己紹介が終われば、私は次に何をすれば良いのか分からずストーリーの進行を待っていると、カイルが口を開いた。
「えっと……じゃあ、まずはお金とレベルを上げるために冒険者ギルドに行こう! 街の外にいってモンスター倒すのも良いけど、魔王倒すために他の街入るのもお金掛かるから。金稼ぎとレベル上げは並行しよう」
「分かった」
私は『分かった』としか言わないが、どうせこれはModに過ぎない。私の言葉など相手に伝わってはいないだろう。
ガイラルに対してもそうだ。雰囲気を作るために魔王討伐など簡単だと王に伝えたが、何も言わなくてもストーリーは進行したはずだ。私に拒否権は無いのだ。
そうして私はカイルに冒険者ギルドと呼ばれる木造と二階建ての建物に案内された。
建物の扉を開けば、中には西部劇のような酒場らしき空間と何らかの受付が見えた。
カイルは私に手招きしながら、受付の方へ真っ直ぐ進む。
「冒険者登録しにきました。勇者一行です!」
「あぁ、今日の。かしこまりました。登録は銀貨1枚です」
「俺たちは既に冒険者だから、Staveさん。国王様からお金貰ってますよね。銀貨1枚下さい」
カイルは私に手を伸ばした。私はインベントリを……。
あぁ、ガイラルから貰った金袋を開き、中から銀貨1枚を取り出す。
そこで私は1つのスキルを思い出す。たしか所持品圧縮というものがあったはずだ。どんなスキルか分からないが、大体予想は付く。
なので、私はカイルに1枚の銀貨を渡してから、自分の荷物に対して所持品圧縮を発動する。
発動の仕方は数多くの他のModを使っていた記憶から感覚で理解する。
そうすれば所持品は一瞬にして小さくなり、私の手の中に吸い込まれていった。
それからステータスUIを開けば、『所持品』という表記が『インベントリ』に変わっており、その中に現在の所持金とその他持っているアイテムが入っていた。
わざわざ、馴染みのあるUIが用意されている上でそれをスキルで表示させなくてはならないとは。このMod、面白いな。
「銀貨1枚ちょうど頂戴いたします。それでは、こちらが冒険者タグになります。
そちらのStaveさんでよろしいでしょうか? 冒険者の説明は必要ですか?」
「……」
「Staveさん?」
「……」
なぜ私に質問するのだ。早く進めてほしいものだ。それか若しくはストーリーを進めるには私がなんらかのアクションをしなくてはならないのだろうか?
ならば私は適当に首を縦に振った。
「あ、はい……わかりました。それでは説明いたしますね」
受付の説明を簡潔に纏めると。
冒険者には渡された名札のような冒険者タグが必ず必要で、このタグには素材が設定され、その素材でランクが決まる。
下から順に言うと。カッパー、ブロンズ、スチール、シルバー、ゴールド、ミスリル、プラチナ、ダイヤの8階級。
特に階級が上がった所で報酬などは上がらないが、報酬の高いクエストを引き受けられる。
階級が低いデメリットは、安い報酬のクエストしか出来ず、関係無いが周りから舐められやすいだとか。
階級が高いメリットは高い報酬のクエストが受けられるが、大半は高難易度。また周りからは尊敬され、よく必要にされるのだとか。
説明は以上。これらを踏まえるなら、魔王討伐に必要なのは高いランクと高い報酬だろう。
実際、魔王討伐までにどれだけの金が掛かるかは分からないが、金を沢山持つことに悪いことは無いだろう。
説明が終わるとカイルが先導することになった。
「じゃあ早速だけど、クエストに行こう。俺がしばらくは案内するけど、勇者はStaveさんだから。Staveさんに合わせて行動するぞ」
「分かった」
「それじゃあ……カッパーが引き受けられるクエストは。これしか無いな……。よし、薬草採取だ。薬草採取と言っても、モンスターは普通に襲ってくるから、守りは俺らに任せてくれ」
「分かった」
そうすればようやく私は街の外に出た。街の外には私でも馴染みのある景色である。広々とした草原と木が所々に生えている草原バイオームだった。
確か最初のクエストは薬草採取だ。その辺りの草でも刈れば良いのだろうか。
という訳で私はその辺りの地面に生えた草を手で刈る。
そうすればインベントリには『草』が一つ追加された……。
これでは薬草かどうか分からないな……。
「えっと……Staveさん。何してるの?」
「薬草採取だが??」