(未完)ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング) 作:アズマケイ
インペルダウン、それは世界政府が所有する世界一の海底大監獄。建物は凪の帯の海中に造られている。獄内は複雑な迷路の様な構造の上、至る所に監視用の電伝虫が目を光らせている。
また、付近の海には巨大海王類が泳ぎ、海上は無数の大型軍艦によって常に警備されている。その警備体制の厳重さは「鉄壁」と称され、侵入も脱獄も不可能とされる。
付近の海に「正義の門」があり、門が開いた時に生まれる政府専用のタライ海流に乗らなければ辿り着くことができない。
基本的に囚人達は牢に入れられ、能力者は海楼石の手錠や足枷をさせられる。囚人達は死ぬよりも辛い拷問に日夜苦しめられることとなる。
囚人達が閉じ込められるフロアは地下1階から地下6階まで存在し、順にLEVEL1からLEVEL6の呼び名でランク付けされている。
囚人達の危険度によってどのフロア送りにされるか決定され、危険度が高い囚人程地下深くのフロアへと送られより厳しい拷問を受ける。
その光景の悲惨さは正に「この世の地獄」と呼ばれるに相応しいものである。
創立以来、長年にわたり鉄壁を守り抜いている。実は100年以上前に捕まった海賊モーリーが秘密裏に脱獄に成功しているが、誰も知らない。
ハートの海賊団と同盟を結んだ麦わら一味だったのだが、パシフィスタおよびバーソロミューくまの襲撃で壊滅。ルフィはくまのニキュニキュの能力で女ヶ島に飛ばされ、当初の目的とはだいぶ違うが、紆余曲折を経てインペルダウンに侵入。派手に暴れては仲間を作り、とうとうレベル6まで到達する。しかし、すでにエースは処刑するために送られた後であり、中に閉じ込められてしまったのだった。
「───────ここを抜けたきゃ、おれを解放しろ」
「!?」
「おれならこの天井に穴を開けられる。どうだ麦わら......クハハハッ」
「おまえ、ここで捕まってたのか、クロコダイル!!」
「金獅子の話は存分に聞けたんだ。そろそろ脱獄してやろうと思ってはいたが......白ひげと海軍が戦争を始めるだって?クハハハッ、そいつはちょうどいい。あのジジイの首を取るチャンスがそっちから来るとはな!」
「............」
「おれはその戦争に興味がある!!!おれの能力があれば......おれもお前もここから抜け出せる。悪い話じゃねェはずだ。互いにメリットはあんだろう?」
「..................ほんとに抜けられるのか」
「ああ、今すぐにでも」
「おまえはビビの国をめちゃくちゃにした奴だ、ホントはいやだ、おまえなんか」
「クハハハ、あんな国もう興味ねえよ」
「ホントにやだけど、トラ男と約束したんだ、しかたねえ。だしてやる」
「ジハハハハ、あの白ひげが海軍と戦争するだと?海軍自ら新世界の均衡を破るとはなに考えてやがるッ!!おい、麦わら小僧。その話、少し聞かせろ。てめえがさっきから喚いてるエースってのが、ロジャーの息子ってのはほんとうか」
一瞬であれだけおれも出せと騒いではデスウインクを食らっていた囚人達が静かになった。
「そうだけどそうじゃねえ」
「そうか!!たしかにホーミングの息子かもしれねえんだったな。長生きしてみるもんだな!」
「なんだこの舵輪(だりん)!?よく生きてんな、じーさん!」
「あァ、これか?ウェザリアにやられたんだ。抜けやしねえ」
「舵輪のじいさん、クロコダイルの知り合いか?」
「クハハハッ、天下の金獅子が舵輪呼ばわりか!おまえの名声も今や遠くなりにけりだな、じじい!!」
「いつまで笑ってんだ、クロコダイル。今ここでしんどくかァ?......まあ、27年も経つんだ、仕方ねえ。ホーミングの野郎が血の掟でミーハー共を皆殺しにしてなきゃ、とっくの昔に脱獄してた。あいつが今来てんだろう?麦わら小僧、おれも出せ。この大海賊時代に、ロックスかぶれの元天竜人なんて、どんなイカれやろうなのか確かめねえと気がすまねえんだ。正義の門なんざおれの能力の前にはなんの意味もねえからなァッ!!ジハハハハッ!」
「黙れ、金獅子ッ!!ホーミングさんのことをこれ以上悪くいう奴は誰であろうと許さん!ルフィくん、後生の頼みだ!!わしも連れて行ってくれ、必ず役に立つ!!」
ついさっき、エースのことを教えてくれた魚人だった。エースとは5日間完全に陸地という条件下ではあったが、決闘の勝負がつかなかった縁もあり、ずっと親しくしていたという。ルフィはじっと見つめたのち、うなずいた。
「そうね、解放しましょう、麦わらボーイ。たしかにこいつらがいれば相当な戦力になる。ヴァナタが戦争を無茶苦茶にしたいっていうんなら、海軍本部へいくっていうんなら、尚更つれていくべきよ」
「わかった」
手錠を外し、外に出す。シャワー浴びたいとか、タバコが欲しいとか、剣が欲しいとか。ルフィが散々急いでいるといっているのに、約2名がいきなりわがままをいいだしたため、しぶしぶルフィ達は5・5に逆戻りする羽目になるのだった。