(未完)ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング)   作:アズマケイ

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第112話

今回の戦争におけるドンキホーテ・ホーミングが自らに課した血の掟の宣誓はこれで完了した。一、エースを奪還すること。二、奪還時(制限時間が過ぎたのに)に手を出した者は皆殺しにすること。三、金獅子がきた時点で、何をしても正当防衛である。

 

白ひげに確認するように視線を投げると、たしかに聞いたとばかりにうなずいた。ひとつでも違えば血の掟に従い、落とし前をつけなくてはならない。30年間ホーミングがウミット海運に勤め始めてからかならず行っているルーチンワークである。

 

この瞬間にホーミングの覇気が完全に消失した。

 

白ひげがにやっと笑った。刀を突き刺し、両手を振り上げて、覇気を練り上げる。みしみしばきばきと音がするほどにまで練り上げられた覇気を込めて、能力を発動する。大気にヒビが入る。空間が震える。世界が震える。白ひげの十八番、海震だ。両方から隆起する海面をみて、ホーミングは白ひげをみた。

 

「マリンフォードにしかいかないよう加減したな、白ひげ。優しいことだ。沈めてイールに迎えに行かせればすぐに終わったものを」

 

「グララララッ、なんのための宣誓だアホンダラァ、台無しじゃねえか。すぐに終わったら海軍の面目丸潰れだろ、もっとあばれさせてやれよ」

 

「私は嫌だ、最初から全力で行きたい。エースを奪還しないとガープ中将が本気を出してくれないじゃないか。はやくしないと金獅子が来てしまう。そしたら私は離脱しなきゃならない」

 

「どっかの狙撃手みたいなこといいやがる。前線に出る狙撃手があるか」

 

「人には人にあったデザインというものがある。それが剣だったり、銃だったりする。私の場合はたまたま銃だっただけだ。好きで狙撃手やってるわけじゃない。もう一人は今頃インペルダウン近海だろう」

 

「準備がいいことだ。黒ひげがいるとわかってて、なんでこっちにきた?」

 

「私が来ないとセンゴク元帥が好き勝手喧伝しかねないのでね。父親の面目丸潰れじゃないか、それはよくない。とてもよくない。ただでさえエースは可哀想なくらい自己肯定感が低い子だ。支えだったトーンダイアルを取り上げやがって、許さん、絶対に許さん、殺してやる。だから奪還時に手を出せ、誰か。頼んだぞ」

 

津波がやってくる。

 

「イール達は、私達の陣営の船に近づいた時点で船ごと沈めろ。攻撃が激しくなってきたら船ごと潜伏だ。シデ達は乗り込んできたら皆殺しにしろ。ただし持ち場を絶対に離れるな。金獅子が来るまで自由に動くな。特にシデ、ドフラミンゴから挑発されてものるな」

指示をひととおり出したホーミングは、変わった形の武器を手にとる。

 

「なんだそのケッタイな武器は。ウミット海運お得意の新商品か?」

 

「数年以内に実用化予定の新兵器だ。予習にちょうどいいだろう。自分が指揮する兵器の性能を知らずに使うと事故が多発するからな」

 

ホーミングはそういって船から降りる。着地する瞬間に津波が凍りつく。ホーミングは歩き出した。

 

瞬く間に凍りついていく船の周りをすでに海底で待機していた魚人達が覇気を纏って破壊を開始。ホーミング陣営の船は移動手段を確保した。

 

そしてホーミングは引き金を引く。奇妙な形の銃だった。それはじぇるのような形状のなにかを放出し、こちらに飛んできた氷を飲み込んでしまった。そのまま落下する。津波が凍りつき無数の破片が落ちてくるが、そのまま歩いていく。

 

「指揮官がその性能を思い知る機会はなかなかない。いい機会だろう」

 

「せんちょー!船の上ってお空も入るー?」

 

「入るとも」

 

にやっと笑ったミンク族司令官が一斉に火薬に花咲く植物の種を伴う攻撃を指示する。砲撃は全て花びらと化した。ホーミングの先にはさまざまな草木が生い茂り、人が一人歩いても余裕な強度となる。

 

「私はいくが、白ひげはどうする?」

 

「好きにやるさ、そうやってきただろ。今までも、これからもな」

 

「そうだな」

 

白ひげ海賊団の大幹部クラスと大将クラスの大乱闘が始まる。ホーミングはふたたび歩き出した。港まで歩いてきたホーミングの横を中将達の大乱闘が通り過ぎていく。

 

「......ものの見事に覇気使いしかいないな。ドフラミンゴの仕業か?」

 

「あたりまえだろーが、気絶要員なんざ邪魔なだけだ。さっきの演説の時点で士気が下がるような雑魚はいらねえんだよ」

 

ホーミングはためいきをついた。どうもドフラミンゴは意図してか、意図していないのか、ホーミングの計画を的確に邪魔してくるのだ。

 

どさくさにまぎれて未来の英雄を射殺しようと考えていたのに。船の上での見聞色の時点で戦場のどこを探しても気配が見つけられなかった。ホーミングは心底残念に思いながら歩いていく。

 

「フッフッフッフッフ、なんだかんだでこういう機会でもねえと戦わねえよな。おれ達。なあ、ホーミング」

 

「おや、随分とはやいご登場だね、天夜叉ドフラミンゴ。あちらの巨人族は操り甲斐があるんじゃないのか?」

 

「あ?ありゃダメだ、ゲッコーモリアが持って帰る予定なんだよ、死体。アンタ相手に使うとぼろぼろになるからな。却下だ」

 

「いつもの雲移動はどうした」

 

「馬鹿いえ、制空権とられてんのに使えるか」

 

「それもそうか」

 

ホーミングは笑いながら武装色を込めて銃口を向ける。

 

「さて、ドフラミンゴ。一つ聞きたいんだが、今回の影騎糸は何発入れたら死ぬんだね?」

 

「フッフッフ、試してみたらいいんじゃねえか?やってみないとわからねえな」

 

「そうか。なら、ドフラミンゴにとっては残念なお知らせをしなければならないね。今回の新商品、とうとう弾数が無制限になったんだよ。科学の進歩とは凄まじいものだ」

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