(更新停止)ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング)   作:アズマケイ

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第129話

今から3週間ほど前に遡る。

 

マリンフォード頂上戦争の中継を繋いでいるシャボンディ諸島にて。麦わらの一味と共謀して天竜人3人を人質にとった大事件を起こしたと冤罪をくらった超新星達は、命からがら逃げ出したはずだった。

 

しかし、ニュースクーのマリンフォード頂上戦争という大事件勃発の可能性ありという号外を受け取り、世界の行末を目当てに、一度は逃げ出したはずのシャボンディ諸島に逆走してきたのだ。麦わらのルフィがまたド派手に暴れているのをみていた彼らは、死の外科医が麦わらのルフィと同盟関係にあると知ることになる。

 

そして。

 

「ロジャーの意思を継ぐ者達がいるように、ロックスの意思を継ぐ者達もいる。血縁を断てどあいつらの炎は消えることはねえ。そうやって遠い昔から、脈々と受け継がれてきた。そして、未来、いつの日かその数百年分の歴史を背負ってこの世界に戦いを挑む者が現れる」

 

白ひげはいったのだ。

 

「センゴク、お前たちは、世界政府は、いつかくるその世界中を巻き込むほどの巨大な戦いを恐れている。すでに準備を始めているせっかちな野郎がいるから尚更。奴に手を出したら、おれがゆるさん。おれ達は興味はねえが、宝を見つけたとき、世界はひっくりかえるのさ。誰かが必ず見つけ出す。ひと繋ぎの大秘宝は実在する!!!」

 

高らかに宣言する世界最強の男、白ひげの新時代到来を目撃することになる。

 

「よくきけ、てめえら。海賊なら!!! 信じるものはてめェで決めろォ!!!!白ひげエドワード・ニューゲートは、お前たちが本気で海賊王を目指すってんなら、いつの日か最果ての地で雌雄を決する日がくることをここに宣言する!!それまで海賊王という空の王座は誰にも渡さねえ!!」

 

超新星達の胸に去来するものは様々だったのだが、とりあえず真っ先に動いたのはキッドだった。

 

「あああああっ!!トラファルガー、あの野郎!!あれはそういうことだったのかよ、見せつけてくれるじゃねえか、クソがッ!!」

 

そして、キラーと共に怪僧ウルージのところに向かうのだ。

 

「ビブルカードよこせ、怪僧ウルージ。今から逆走してくるから、拠点はどこか教えろ。てめえ、初めからそのつもりで超新星に名を連ねてやがったな?いい根性してんじゃねえか。ニコ・ロビンとテメェで何が違うんだ」

 

「そう怒るな、キャプテン・キッド。お前さんの勘は正しかったということだな。持っていけ。しかし、私も海賊。新世界にいくから拠点がどことはいえんが、もし会えないのなら空島バロンターミナルにいきなされ。お前さんの望む者達がおる」

 

「バロンターミナル......ウミット海運......人堕ちホーミング......そういうことか。白ひげがいってたことはそういう意味か。いい度胸じゃねえか」

 

ビブルカードをひったくるように受け取ったキッドは、麦わらの一味とハートの海賊団に先を越されたことにイラつきながらキラーと共に船に向かう。振り返らなくても超新星達が怪僧ウルージに向かっているのがわかる。

 

「ロックスの意志......ロジャーの意志......よくわからねえが白ひげがいうんだ。なんかしら違いがあるんだろうよ。四皇どもはどっちかってんなら、戦う相手を考えねえといけないわけか。めんどくせえな」

 

「色々調べてみる必要がありそうだな、キッド」

 

「あァ、死ぬか生きるか、そんな覚悟もねェ奴らは生き残れねえ、おれ好みの新時代がやっと始まったんだ。いくらでもやってやる。誰も見たことのねェ新しい時代だ、なにをやるにしても一番最初にやったやつが先を行く。麦わら達にいつまでも遅れをとるわけにはいかねえからな!」

 

そして、キッド達は、歴史の本文を求めて楽園を逆走することになったのだ。その最中に新世界から逃げ帰ろうとする臆病者達の船が気に入らなくて、全て沈めた。歴史の本文に辿り着くたびに、麦わらの一味、あるいはトラファルガー、もしくは怪僧ウルージの痕跡をみつけることができた。それが気に入らなくて、新世界から楽園にきた奴らとぶつかることもあった。

 

麦わらのルフィが同行者を伴って3週間後にマリンフォードとインペルダウンに再襲撃してから追悼に服しながら世界に喧嘩をうる一面記事をみた。

 

あるいはトラファルガーが新たな七武海となった号外のニュースを見た。超新星の頭いかれたやつは麦わらの一味だけだと思っていたが、どうやらトラファルガーもそうらしいとキッドは気づくのだ。どちらもキッドと同じく海賊王になることを公言してやまなかった連中だ。実力も申し分なかった。キッドが次あったら消さなければならないと思うくらいには。ただ。

 

「同盟、あれきりじゃなかったのか。継続したまま潜伏しやがるとは」

 

その意味に気づかないやつはきっといないはずだ。

 

「どんだけ先いってんだ、あいつら。本気で狙いにいってんじゃねえか、クソッ」

 

まずは同じステージに立たなければならない。麦わらの一味は潜伏期間のため接触することができない。ダメもとでシャボンディ諸島でレイリーを探してみたが、ぼったくりバーの愛人の女はキッドが嫌いなようで教えてはくれなかった。ただ、必死で探す様子にちょっとは可愛いところがあるじゃないと笑いながら、教えてくれたことがある。

 

「ロジャーはね、船員達に堅気に手を出したら死ねって掟を敷いてたの。ロジャーの意思ってのは速い話がそういうこと。坊やのこと、嫌いな奴がいるのはわかるわよね。これでもわからないなら、死ぬしかないわよ、坊や。頑張ってね」

 




この連載だとビルカ文明の人間はポーネグリフが読める代わりにバロンターミナルからでられない→ウルージ達だけ海賊やってる(エネルとロビンの会話より)→ローが軽率にも歴史の本文読んでくれとシャボンディで超新星の前でやらかす→白ひげが歴史の本文読まないと海賊王無理だと暴露→シャボンディの中継みてた超新星、ウルージとローのやりとり思い出す→「あああ」

というわけで、ウルージ達は自らニコロビンの代わりになるべく海賊をしています。

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