(未完)ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング)   作:アズマケイ

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第64話

「やあ、スモーカー准将」

 

「気がはええな、ヴェルゴ。まだ式典やってねえぞ」

 

「ヴェルゴ中将か、ヴェルゴさんだろう、スモーカー君」

 

「やけに準備がいいじゃねえか、クロコダイル達の身柄引渡しや証拠品の押収の手間が省けてありがたいが。いいのか。アンタ、G-5の基地長になったばっかりだろう。他の連中がよく口出ししてこなかったな」

 

ヴェルゴはニヤリと笑いながらいうのだ。

 

窓際部署に配属されたばかりの大問題児、白猟のスモーカー大佐がいきなり准将になることが、部下のたしぎ曹長が准尉になることが、世界政府から海軍本部に通知された。いきなり上司になることが決定したことにどうやって新人への洗礼をしてやろうか考えていたG-5の面々は度肝をぬかれ、詳細を聞きたがる。

 

今回のクロコダイル討伐について勲章が与えられることになった。そのための昇進、そのための特別報酬だ。

 

七武海砂の王クロコダイルは、アラバスタにて砂漠の英雄として活躍、長年絶大な信頼をえて、カジノのオーナーをするなどして知られていた。

 

しかし、実際は秘密結社バロックワークスをつかい、ダンスパウダーを用いてアラバスタを重大な飢饉に陥らせて内乱状態を煽った。しかも、新世界ハチノスの王直と繋がりをもち海賊を派遣させるなど用意周到な下準備をしたことがわかっている。

 

最終的に国王軍と反乱軍を爆弾で全滅させ、その悲劇に乗じてアラバスタを乗っ取り、古代兵器を手に入れ、軍事国家を樹立し、世界に危機を与える計画がすんでのところまでいきそうだった。

 

それを止めたのがスモーカー大佐とたしぎ曹長率いる部隊。指揮したのはヴェルゴ中将。

 

クロコダイルの陰謀を知り、危険を承知でローグタウンからアラバスタまでいき、見事2名は特例任務を見事完遂させてクロコダイルを討伐し、バロックワークスを壊滅させた。

 

端的にいわれた大金星にG-5の面々は一刻も早くスモーカー准将とたしぎ准尉の話を聞きたがっている。ヴェルゴの後ろにある船にのる面子も選別が大変で、それが一番時間がかかる作業だった。

 

「昨日の今日でもうそこまで話が回ってんのか」

 

「おや、そんなに不思議なことかね?古代兵器がかかわっていた恐るべき陰謀だったんだ。世界政府が危険視するのは当然だろう。オハラの悪魔ニコ・ロビンが関わっていたというじゃないか」

 

「ああ、CP9が関わってやがんのか。それなら説明がつく。世界政府の野郎、今回の件ももみ消すつもりか。だからアラバスタのエターナルポースとか気前よく準備してくれたわけか、アンタ」

 

「随分と物分かりがよくなったじゃないか、スモーカー君。少し丸くなったな」

 

「余計なお世話だ。そんなんじゃねェ、アンタがいってたことを思い出してただけだ」

 

「キミが好き勝手やって入隊当時から私や同僚のヒナ大佐、部下のたしぎ准尉に多大な迷惑をかけてきたのは今に始まったことではないだろう。訓告処分を下した案件は心当たりがありすぎてわからないがどれのことだい?」

 

「フン......麦わらの件でおれの部下が泣いてた、それだけだ」

 

「それが身に染みているなら大いに結構だ。G-5につき次第、延期している覇気の研修を2人で全て受けるんだな。ほらみろ、私のいったとおりになったじゃないか。見聞色を使わなくてもわかる。麦わら一味とバロックワークスの戦いについていけなかったんだろう、馬鹿者が」

 

「......あァ、そうだな。同等だと思ってた奴らが悪名をあげてどんどん駆け上がっていく。この海じゃあ駆け上がらなきゃ死ぬのは、海賊も海兵も変わらねえ。進むか、死ぬか。..................たしぎにいえた義理じゃねえな」

 

スモーカー准将はそういってヴェルゴの横をすり抜けようとした。

 

次の瞬間、ヴェルゴが全身の力を人差し指に集中させて、硬化した指で電光石火の突きを放つ。

全身の筋肉が起こす力を一点に集約させ、それを硬化した指先に乗せて電光石火の強力な突きとして相手に撃ち込む攻撃技がスモーカー准将の真ん前を襲った。

 

あえて外されたが、スモーカー准将の武器である十手が破壊されてしまう。その威力は人体を紙のように貫くほど強力で、特にヴェルゴのこの技は鉄のように固く、海楼石製の十手だろうがなんなく粉砕してしまう威力でしられていた。

 

シンプルな技だが威力は高く、実弾並みかそれ以上の殺傷力を誇る上、武装色の覇気を使わずとももしスモーカー准将が会得していれば麦わらのルフィの喉を潰すことができただろう。

 

もちろん武装色との併用もできるため、それを組み合わせることで更に強力な技となる。

 

ただし自身の覇気の硬度を上回る対象に対して使用すれば突き指をして大きな隙を作ってしまう可能性もあるが、覇気すら会得していないスモーカー准将には初めから見えない世界の話ではあった。

 

「意気消沈する暇があったらもっと強くなってみせなさい、白猟のスモーカー。貴様がそれでは部下に示しがつかないだろう」

 

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