(未完)ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング)   作:アズマケイ

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第65話

スカイピアの黄金を求めてドレスローザを出発したベラミー海賊団は偉大なる航路後半新世界から、前半楽園のジャヤに上陸した。

 

ログポースが空を示したから、近くに行く方法があるはずだ。ジャヤはあくまで中継地点でしかない。

 

ジャヤは気候は比較的温暖な「春島」で、漢字の「臼」のような形状をしている。その形状から北の入り江はマウスベイと呼ばれ、西には中心となるモックタウン、南東には鬱蒼としたジャングルサウスグレイブが茂っており巨大な昆虫やカタツムリ、更には南しか向けない鳥サウスバードなど様々な生物が生息している。

 

はずれにはウミット海運の港があるため、シマを荒らされたとして血の掟に従い処刑されたくなければ立ち入ってはならない。ジャヤ全体が実質ウミット海運の支配圏だが、モックタウンはジャヤの中心となる街で通称嘲りの町。 治安は最低で毎日強盗や殺人が横行しており、海賊が落とす金で成り立っている。あまりの無法ぶりに、海軍本部からも見捨てられている。

 

そのため、よほどのことがなければ血の掟による処刑は行われず、ウミット海運の支配圏にして唯一血判が必要ない場所でもあった。

 

モックタウンの一角には海の上にリゾートホテルが建てられていた。あるいは別荘が建てられており、このあたりだけは静かで優美な自然を眺めることができる。ベラミー達はそこのトロピカルホテルの支配人をよびつけ、貸切にしたいからいくらか聞いた。

 

ドレスローザの凶弾がわざわざジャヤに現れたと受付令嬢から聞いていた支配人。すっ飛んできてドフラミンゴファミリーならウミット海運と深い繋がりがあるから無料でいいといってきた。

 

「ハハッハハッ、必要ねえなァ。おれ達はドフラミンゴファミリーじゃ、まだねえんだ。ベラミー海賊団だァ!覚えとけ!いくらだ、さっさと言えよ」

 

ドレスローザの凶弾なのにドフラミンゴファミリーじゃないから金を払う。意味のわからないことを言われて、支配人は戸惑いの顔をしていると、女が呆れたような顔でベラミーをぶん殴った。

 

「痛えッ!?なにすんだ、リリー!」

 

「またアンタのせいで勘違いされてるじゃない。アタシ、やめた方がいいっていったわよね、ベラミー」

 

「すまねえな、支配人。ドレスローザの凶弾てのは、こいつの自称なんだよ。おれ達はドフラミンゴファミリー傘下希望の海賊やってんだ」

 

「おい、サーキースまでなにいってやがる!そのうちおれはほんとにドレスローザの凶弾になるからいいんだよ!」

 

「2年たってるけど?」

 

「いつなるんだよ」

 

「なるためにわざわざジャヤまで来てんじゃねーかッ!!」

 

「あーもーこいつは......」

 

「体良く追い出されてんじゃん、ベラミー。いいかげん、もっと頭つかおーよぉ。指示待ち人間はいらないってドフラミンゴいってたじゃーん。もっと考えて動いてほしーんじゃないのー?いわれたことやってても変わんないってぇ」

 

「ノーティス出てんだから、おれ達それなりに学あるだろ?ドフラミンゴはそこ期待してるんじゃないのか?」

 

「はやくドフラミンゴファミリーに仲間入りしたいのはほんとだしぃ。そのうち既成事実みたいになんないかなーってのもあるのよねー。七武海だから役に立つならシンボル貸してくれるかなーって思ったけどぉ、ドフラミンゴの試験はなかなか厳しーんだよねぇ」

 

「てめーらうるせえぞ!どさくさに紛れてボロクソに言ってんじゃねーよ!!」

 

ベラミー海賊団のやりとりを見て、ドレスローザの凶弾が世間の印象とはだいぶ違うことに気づいたのか、支配人は計算をしてくれた。金額をおそるおそる提示するとベラミーが一括で現金で支払った。お札を数える支配人はすでに笑顔が隠しきれていない。ごゆっくりどーぞ!と受付嬢達がチップを生まれて初めて見た金額にハートを飛ばす。とりあえずの拠点が出来上がった。

 

ノーティス生まれの彼らは裕福な暮らしが退屈でたまらず、当時北の海で暴れ回っていたドフラミンゴファミリーがカッコいいと小さい頃から憧れて海にでた。ある意味で頭のイかれた集団だった。東の海によくある海賊であるともいえる。普通は生活が安定している人間ほど、死と隣り合わせの海に出るなんてありえないのだ。学校を出て会社で働くか、家業を継ぐか、自分で会社を起こすか。非加盟国の人々が喉から手が出るほどほしい生活を捨てて海に出た。

 

普通に考えるなら北の海の非加盟国出身者が幹部を務めるドフラミンゴファミリーに受け入れてもらえるわけがないのだが。

 

ただの憧れだけで偉大なる航路新世界のドレスローザに居座ることができるくらいの実力を身につけてしまったのが彼らのいかれ具合をよく表していた。学があるから効率よく強くなれるのか、金で解決できることを知っているのか。それとも知識があるから危険を回避できるのか。

 

船長のベラミーがドフラミンゴに追い出されるたびに足りないと言われたことを知る。鍛えるために馬鹿正直に行動するのが経験としてついてくる。この繰り返しできているのが、余計たちが悪かった。

 

とりあえずの拠点を確保したベラミー海賊団は、一番上のホテルの窓から地図をみて位置確認をする。

 

「まずは空島への行き方よね」

 

「そうだな、手分けして探すか」

 

「あ、あたし、あそこ行きたーい!うそつきノーランドの末裔が住んでるって聞いたんだけど!めっちゃ行きたくない?」

 

ベラミー海賊団全員がその声にマジかマジかと窓に殺到する。教育水準がデフォルトで高いベラミー海賊団。普通に識字率も高くうそつきノーランドの絵本で生まれ育った正当な読者だった。

 

「待て待て待て!行きてーが、めっちゃ行きてーが!空島の情報探すのが先だろ!?」

 

「でもぉ、ベラミー。支配人とか普通に鼻で笑ってなーい?」

 

「そこら辺の奴らに聞いてもダメだろうな。ウミット海運のお膝元のくせに、主要産業のダイアル養殖の始まりが空島って知らないあたり終わってるだろ。バロンターミナルとか見学会超人気じゃねえか」

 

「アタシも抽選当たってたらいけたのになー。家飛び出した唯一の後悔だわ」

 

「ウミット海運のお膝元で空島馬鹿にするとか、ドフラミンゴが無知はいらねえってキレるのわかるわー」

 

「おれら、2年前はそうだったんだからな。忘れんじゃねーぞ」

 

「わーかってるって、ベラミー。大丈夫大丈夫。2年前よりは強くなったし、すぐ死ぬってこたーないっしょ」

 

「まあ、死んだら死んだでそれまでだしな」

 

好き勝手喋っていたベラミー海賊団に、リリーが声をあげた。

 

「とりあえず、まずは情報収集するわよ。いっこだけ注意して欲しいんだけど、特にベラミー」

 

「つうかおまえだけな」

 

「なんだよ、リリー」

 

「ドフラミンゴがいってた空島のこと、いくら馬鹿にされたからって騒動起こさないでよね。ただでさえバネバネの実の覚醒目的で億超え海賊に喧嘩売りまくってやばいことになったんだから」

 

「なにいってんだ、億超えの海賊なんてそこいらにうじゃうじゃいるだろうが」

 

「絶対、騒動起こさないでよね!わかった!?せっかくいいホテル拠点にできたのに、追い出されたら空島にいけなくなるわよ!?」

 

「ハハッハハ......わーってるよ」

 

「ほんとぉ?」

 

「ダメだ、信用ならねえ。やっぱおれついてくわ、ベラミー。リリー、他の奴らと一緒に回ってくれ」

 

こうしてベラミー海賊団は情報収集を開始したのだ。

 

「おまえらも黄金郷狙ってんのか!うし、ゾロ!この喧嘩買うぞ!」

 

「了解だ、船長」

 

「ハハッハハ、賞金額はそっちのが上だろうが、負けねえ!空島の黄金はおれらのモンだ!」

 

「しかたねえ、2対1にするわけにはいかねえからな。おれも混ぜろ」

 

「「騒動起こすなっていってんでしょうが!!」」

 

彼らはナミとリリーにボコボコにされたのだった。

 

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