(未完)ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング) 作:アズマケイ
ベラミー海賊団の海賊旗は舌を出した唇のマークである。ドフラミンゴから一向に許可をもらえないので、先走って特注したシンボルであるスマイルマークは額に入れて船長室に飾ってある。バレたら没収されるため、基本的に航海に出ている時だけ出している。実はドフラミンゴファミリーの手配書も飾ってあったのだが、モネに見つかって雪に変えられてから飾るのをやめた。
ベラミーとサーキース2人が賞金首で、総合懸賞金(トータルバウンティ)9300万ベリー。船の名前は「ニュー・ウィッチ・ベロ号」。
自称ドレスローザの弾丸ことハイエナのベラミーが船長。短い金髪で額に傷があり、サングラスをしている。早くスマイルマークを刺青に入れたい25歳。懸賞金は5500万ベリー。
ビックナイフのサーキースが副船長。水色の天パで紫色のサングラスをしている。本当はスマイルマークを刺青にいれたいがまだドフラミンゴファミリー傘下じゃないため入れられていない25歳。懸賞金は3800万ベリー。
ALLRと書かれたキャップを目深に被っている男が戦闘員のロス。
短い金髪でメガネをかけた男が航海士のエディ。腕にログポースをつけている。
黒髪の短髪で、右の眉の上には21というタトゥーがある男がコックのヒューイット。
他のメンバーよりも大柄で、両端にボンボンのついた帽子を被っている眉毛がない男が狙撃手のリヴァース。
黒髪が特徴的な女がマニ。ロスと同じく戦闘員。
ピンクの長い髪を一つに束ね、泣きぼくろが特徴のミニスカナースの美女が船医のミュレ。
そして、赤いバンダナを巻いた金髪ウェーブにサングラスの女がリリー。構成員だが、実質ベラミー海賊団のまとめ役。
そんなベラミー海賊団は、カラーギャングのような服装をしているのが特徴で、オシャレに気を遣っているのがすぐにわかる格好だった。全員が北の海の裕福な国ノーティス出身である。
偉大なる航路後半の海新世界からドフラミンゴファミリーの傘下に入るための試練として、スカイピアの黄金を探しに、わざわざ楽園のジャヤに逆走してきた。
普通に考えて、新世界でオシャレな格好で航海できるのは意味がわからなくて怖いと評判なのだが、麦わら一味はまだ新世界にいったことがない。だから、ベラミー海賊団が現れたとたん、モックタウンであらゆる犯罪行為を犯していた連中が一斉にひく理由がよくわかっていなかった。
「どんだけミンゴ好きなんだよ、お前」
憧れは止められないんだを地でいくベラミーがシャンクスに憧れて海賊を始めたルフィにはちょっとだけ気持ちがわかる気がしたが。意気投合して話をしていくうちに、だんだんひいていくことになった。
海賊王になりたいルフィにとっては、誰かの傘下になりたい気持ちも、自分達以外の海賊旗を掲げるどころか刺青に刻みたい気持ちも、むしろ新興宗教の教祖様みたいに飾る気持ちも全くもってわからない。
さすがにベラミーは行き過ぎだが、エースが白ひげの傘下に下り、出世して部下になり、海賊王にしてやりたい気持ちはこんな感じなんだろうかとルフィは思った。たしかエースは白ひげのシンボルマークをでかでかと刺青にしていたはずだ。誰かの傘下に入りたいと思った人間は、だいたい刺青を入れたがるのかもしれない。
アーロン一味にいた頃のナミと違って自分から入れたんなら問題ないだろう。結構引いてますという態度を崩さないルフィにベラミーは怒った。
「ドフラミンゴを勝手に変な渾名で呼ぶんじゃねーよ!ドフィって呼んでいいのはファミリーでも大幹部クラスだけなんだぞ!?」
なんか違うとこでマジトーンで怒られて、さすがにルフィは冷や汗がうかんだ。
「いやしらねーし」
「今知ったろ、訂正しろ!」
「えーやだなげえ」
「人の名前に長いもクソもあるかァッ!!」
「やめとけルフィ、こうなったベラミーにはなんかかてねえ。やめとけ」
「えー」
ついさっきまで本気で殺し合い寸前の喧嘩をしていたゾロは、うっかりドフラミンゴのことで挑発した瞬間にベラミーが悪い顔で笑いながら武装色纏ってぶん殴ってきたことを思い出してルフィをとめる。またやったら殺すと真後ろで仁王立ちしている航海士と構成員に全面降伏したばかりだ。
「ギャハハハハ!!しっかし、たまたまガレオン船が空から降ってきて、空島スカイピアの地図見つけたから黄金を探してえだなんて、何て豪運なのに無知な奴らだ!!ロマンがあるじゃねえか!!嫌いじゃないぜ!」
「無知ってなんだよ、しつれーだな」
「笑いたくもなるだろッ!あるぞ空島!」
「ほんとかー!?やったな、ナミ!きいたか、やっと空島知ってるやつに会えたぞ!!」
「なんで断言できるのよ、ベラミー」
「ハハッハハ、さっきいったじゃねーか!ドフラミンゴの入団試験なんだよ、空島スカイピアの黄金はッ!」
「つーかウェザリアが人工島だけど空島だろ?空島バロンターミナルで風船狩りできるし、ダイアル養殖の見学は超人気だし」
「待って待って待ってなんでそんなにポンポン情報でるのよ!?」
「どっちもドフラミンゴの古巣のウミット海運がやってんだよ。ウェザリアは大事な取引相手だしな。ファミリーに入りたいのに知ってなきゃただのアホだろ」
「ま、そのアホが2年前のアタシらなんだけどね」
「じゃーどうやっていくんだ?ベラミー」
「しらねえ」
「えっ」
「知らねーっていってんだろ、麦わらァ。入団試験なのに教えてもらえるわけねーだろ。だから探しに来たんだよ、おれ達も!」
ルフィとベラミーは互いに見つめあって、にやっと笑った。
「先に見つけた方が勝ちな!」
「いーや、手にした方が勝ちだ!」
「自分の船に持って帰った方が勝ちにしようぜ、おれはハイエナのベラミーだからなァッ!」
「おまえ、さては悪いやつだな!?横取りする気満々だな!?」
「ばーか、ハイエナは狩りが得意なんだよッ!横取りすんのはライオンだ!」
「そうなのか!?」
「横取りする種類もいるわよ、船長さん」
「えっ、どっちだよ!」
「んなことどうでもいいわ、張り合うな!」
「はやく行く方法探しにいくわよ、ベラミー。いつまで張り合ってんの!」
「痛えッ!」
「いてッ!」
こうしてベラミー海賊団と麦わら一味はそれぞれが空島スカイピアの黄金をもとめて情報収集にいったん別れたのだった。
「ベラミー、ベラミー、やっぱ街ん中ダメだって。ウミット海運の人らに言ったらめんどくさいことになりそうだしぃ。うそつきノーランドの末裔んとこいこーよー!もう知ってる人あそこしかいなくない?」
「そうだな、ここまで探してダメならいくか」
「よし、それならお前ら、一回船に戻るぞ!そんでサインもらおうぜ!」
「いやスカイピアの情報聞きなよ、ベラミー」
「リリー、おまえうそつきノーランドの末裔のサイン欲しくないとか嘘だろ!?お前ほんとにノーティス生まれの正当な読者か!?」
「えっ、いや普通に欲しいけど、ちゃんと目的は果たさないとダメでしょ?ドフラミンゴは儲け話持って来いって言ってたのよ?黄金持って帰るだけじゃダメじゃない?」
「そんなもん、行ってから考えりゃーいいんだよ!こんなとこでうだうだ考えてたら、麦わらに先を越されちまうだろうが!航路とかダイアルとかそれっぽいもん持ってかえってきてから考えりゃあいいだろうが!」
「そこまで頭回るのになんでドフラミンゴと会うとああも会話がすれ違うんだろうな、ベラミーは」
「アタシに聞かれても困るわよ、サーキース」
はやくこいと叫ぶベラミーに2人は笑って返したのだった。