幻想郷に広がる大空   作:味噌漬け

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初投稿だから実質、初心者な味噌漬けです。
REBORN愛が再熱&東方茨歌仙最高&リハビリ込みということで書いてみました。
多分、熱が冷めるまでは続くと思う。
オープニングは『88』でよろしくどうぞ。


大空来る!
第一弾 いつもの日常 いつもの非日常


「痛っったっっ!!?なにすんだよリボーンっ!?」

 

「うるせぇぞダメツナ。曲がりなりにも俺の生徒がこんな点数とりやがって。情けねぇったらありゃしねぇ」

 

 ほのぼのと鳥のさえずりが聞こえる平和な町『並盛』。そのとある一軒家の二階ではいつものように黒いスーツと中折れ帽子を身につけた()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 意味がわからない?大丈夫である。

 この家では部屋が爆発することも、幼児がハンマーで殴りつけるのも、その幼児が赤点のテスト結果を握りしめ、青筋を立てながら高校生に銃を向けるのも日常茶飯事なのだ。

 

「い、いやだって!ここ最近、九代目も手伝いもあって忙しかったし…」

 

「いやもへったくれもねぇ。俺がいない間にサボったテメェの自業自得だ。それにだ…曲がりなりにもボンゴレの十代目が仕事と勉強(プライベート)を両立できねぇでどうする?」

 

 テスト期間の間、リボーンは日本を離れ、イタリアにいたらしい。

 

「いや俺はまだボスじゃないし…。それに学生は勉強がしご――」

 

「なら、仕事くれぇしっかりしやがれ」

 

 その瞬間、幼児は思い切り飛び上がり、少年の脳天に踵落としを決め込んだ。

 

「ぐぱっ!!?」

 

 ゴンっと重い音と共に少年は地にふせる。

 そんな童顔とハニーブラウンのツンツンヘアーが特徴の彼の名は沢田綱吉(さわだつなよし)

 元々、平和に暮らす平凡な中学生であったが、ある日、幼児……いや当時はまだ赤ん坊であったリボーンと名乗る家庭教師が現れ、あろうことか最大最強のイタリアンマフィア【ボンゴレファミリー】の10代目ボスとしての教育を受けさせられることになったのだ。

 数々の仲間や敵と出会い、命をも懸けた戦いや楽しい日常を経て、綱吉は誰もが認めるボス候補として成長を遂げる。

 そんな彼は今、九代目の勧めで平和に高校生活を送っていたのであった。

 

「……ったく最近、何もないからって平和ボケしやがって。今日は久々にねっちょりだぞ」

 

「ひぃぃぃっ!?ねっちょりは嫌ダァァァァっ!!」

 

 ねっちょりと聞いて、顔を青くし身を震わせる綱吉。

 リボーンは綱吉の額に銃口を向けようとしたその時

 

「ツナおかえりー!!」

 

「ランボ待ツ!」

 

 ガチャリと部屋のドアが開くと同時に、二人の子供が勢いよく入ってきた。

 アフロヘアーと牛柄の服が特徴の男の子――ランボと、彼を諌めるチャイナ服の少女――イーピンである。

 この二人は沢田家の居候なのだ。

 

「ツナ!俺っちとゲームで遊ぶんだもんね!」

 

「ツナさん帰ってきたばっか!疲れテル!」

 

「イーピンうるさいんだもんね!」

 

 綱吉と遊びたいランボ、リボーンに仕置きされた彼を気遣うイーピンの二人の追いかけっこに「ハハハ…」と苦笑いする綱吉。

 この光景だけで、彼はこれこそが平和なのだと安心するのだ。

 とはいっても、居候とはいえ二人は弟分と妹分である。兄貴分として喧嘩は止めなければならない。

 

「こらこら二人とも。喧嘩は止めろよな」

 

 柔らかい優しげな表情を浮かべ、綱吉は二人の間に立つ。

 

「イーピンいつもありがとうな。俺を気遣ってくれて。でも、ランボはただ俺と遊びたかっただけだから大丈夫だよ」

 

 そして、綱吉はランボに視線を向ける。

 

「ランボ、これから、俺…勉強しなくちゃいけないから。終わったら遊べるから、その時まで待てるか?」

 

 遊べるだけの体力が残っていたらの話ではあるが。

 しかし、兄貴分として弟分の潤んだ目に応えないわけにはいかない。

 

「むー!嫌なんだもんね!!ツナ、最近遊んでくれないんだもんね!!」

 

 そこで折れないのがランボ。誰よりも子供で純真であるが故に自分の欲求には我儘だ。

 

「(確かに最近、平和とはいえ……ある意味忙しかったからな)」

 

 主に9代目からの仕事や、リボーンの訓練などいわば不可抗力であるが。

 しかし、それでも構っていないのは事実である。だが、それでも今は厳しい。今にも後ろの家庭教師が睨んでいるのだから。

 

「ごめんなランボ。今は無理だけど、必ず遊ぶから……。約束だ」

 

 綱吉はそう言って小指を差し出す。

 ランボはそれを不思議そうに見つめた。

 

「約束……?」

 

「ああ。男と男と約束だ」

 

 ランボの小さな指とのゆびきりげんまん。

 イーピンとランボはまるで空を見上げるが如く、綱吉に視線を向けている。

 その後、自分の指を見たランボは満足気に頷いた。

 

「仕方ないんだもんね!!ランボさんは大人だから、子供のツナのワガママに付き合ってあげるんだもんね!」

 

「ランボ調子ノラナイ!!」――とイーピンのツッコミが冴え渡る。

 我儘なのはお前だろう……と言いたくもなるランボの反応だが、このウザさはランボが元気になった証だと綱吉は思っていた。

 最後に綱吉がランボとイーピンにキャンディを渡すと、彼は完全に機嫌を直したようで美味しそうに飴を口に含んだ。

 

「お前、珍しいな。前はランボが癇癪起こしたら、さっさとぶっ飛ばしてたのに」

 

 後ろを振り向いて言うと、リボーンは鼻で笑う。

 

「ふん。部下を諌めんのもボスの役目だからな」

 

「ランボはまだ子供だぞ。部下でも何でもないの。ランボの将来はランボ自身が決めるんだから……。俺の事情で決めつけるわけにはいかないだろ」

 

 それを聞いたリボーン呆れた顔をしていた。

 

「まだ、んなこと言ってるのか……。それ他の守護者にも言ってんじゃねーだろうな?」

 

「………だから、守護者じゃなくて友達だって!元からマフィアだった獄寺くんはともかく…山本やお兄さんまで引き込むわけにはいかない。それに…マフィアなんてやらずに済むならそれが一番だよ」

 

「…………このダメツナめ」

 

「……!どうせ俺はダメツナだよ」

 

 リボーンの反応にイラついた綱吉はさっさと机につこうとする。

 そして、ランボとイーピンがはしゃぎながら部屋から出ようとした時――

 

「ぐぴゃっ!!?」

 

 ランボがすっ転んだ。

 それはもう綺麗に転んだ。

 弧を描くが如く、バナナですべったかのように転んだ。

 

「ランボ!大丈夫か!!?」

 

 思わずランボの元へと向かう綱吉。

 しかし、そこで異変が起きる。

 

「ツナ!上だっ!!」

 

「上……?……げっ!!?」

 

 リボーンの声で見上げると、そこには一つのバズーカ砲があった。しかもそれはただのバズーカではない。当たった対象を5分の間だけ十年後の自分と入れ替えるタイムマシーン、その名も【10年バズーカ】。

 転んだ拍子にランボのアフロから飛び出してきたのだ。

 

「んなっ――」

 

 短い断末魔をあげ、綱吉はバズーカにすっぽりと包み込まれる。

 ボンっ――と大きな音と共に煙が部屋を満たしていく。

 

「ツナ!!」

 

 煙が晴れ、リボーンが綱吉を呼んだその時には――

 

「…………!?ちっ!」

 

 リボーンは歯を噛み締める。平和ボケしていたのは自分だったかと心底後悔するように。

 そうリボーンの視線の先には10年後の綱吉はおろか――誰もいなかった。

 

◇◇◇

 

「痛てて……ここはどこだ?10年後……の並盛なんだろうけど…」

 

 綱吉がいたのは民家の中でも学校の中でもない。

 木漏れ日が美しい森の中であった。

 

「なんか前もこんな感じだったよなぁ…」

 

 棺桶の中じゃないだけ、まだマシと言えるか。

 綱吉はひとまず立ち上がって、周りの観察から始める。かつてその身に起きた似たようなトラブルを思い返しながら。

 

「(……いや、でも何か違うような)」

 

 うっすらではあるが微妙に纏わりつく違和感にモヤモヤしつつも綱吉は歩く。

 ここは並盛なのか……いや、()()()()()()1()0()()()()()()……と。

 

「あー。考えたくない。いや、でもこういう時の勘って大概当たるからなぁ……」

 

 もしも今が10年後ならば、ここが並盛じゃないとしても良い。本当にまずいのは10年後じゃない場合……例えば1年後や2年後……下手すれば50年以上後など、10年バズーカが正常に機能していないのなら元の時代へ戻れない可能性があるからだ。

 

「お腹へったー」

 

「……?」

 

 木の影からひょっこりと顔を見せる少女。

 金髪とくりっとした目、そして大きいリボンと……なんとも可愛らしい見た目をしていた。

 

「え、えーと……」

 

「お腹空いたのだー」

 

 なんともあどけない少女に綱吉は困惑を隠しきれない。こんな森の中を親も友人もなしにいることもそうだが……なによりも己の勘が警鐘し続けているのだ。

 そう――()()()()()()()……と。

 

「なー」

 

「な……なに……?」

 

 全身を襲う悪寒に身を震わせ、顔を青くする。

 勘づいただけではない。気がついたのだ。幼女の顔にところどころ赤い何かがついていること……そして、木陰に広がる赤と、その上にある何かの骨の存在に。

 

「ひっ……ひえ……!ほ、ほね!?」

 

 あまりにもグロテスクな光景に思わず後退りする綱吉。

 そして、相対する幼児(おさなご)な少女はそんな綱吉をまるで草食動物を狙う獰猛な獣の如き眼で見つめながら口を開く。

 

「お前は食べて良い人間かー?」

 

「え……?」

 

 Life() or() Dead()の鬼ごっこが始まる。




お久しぶりです味噌漬けです。
REBORN愛の再燃焼や、東方projectの漫画(東方茨歌仙大好き)もあり、当作品を書くことに至りました。 
シューティングは才能皆無で、遊べる環境もないのでプレイはしてないです。Switch版のやつが楽しみで仕方ない。
次の更新は一週間後。仕事関係との兼ね合いもあり、出来る限り週刊でやりたいなと。

下にはせっかくなのでキャラ紹介を書きます。
REBORNのキャラについてわからない方はぜひ、参考になれば良いなと。

【沢田綱吉】年齢16歳 属性“大空”
 中学生の時、突如襲来した赤ん坊家庭教師によりマフィアのボスとしての教育を受けることになった極々平凡な少年。
 とにかく身に降りかかる隕石を全力で振り払ってきた結果、誰もが認めるボス候補に。本人も外堀が埋まっていることには気がついているが、それでも割り切れない部分はありまだまだ継ぐかどうかは悩み中。
 今は九代目ボスの勧めから高校生活を送っていたが、突如幻想郷に飛ばされ、命を掛けた鬼ごっこする羽目に。この巻き込まれ体質は今も昔も健在だ。
 やはりREBORN系クロスオーバー作品を作る上で10年バズーカは最高である。

【リボーン】年齢不詳 属性“晴”
 九代目の指令で当時中坊であった綱吉を教育することになった、一流家庭教師兼世界最強の殺し屋。
 世界最強の赤ん坊“アルコバレーノ”の元一員。
 見た目は幼児だが、これはとある呪いによるもので本来の姿は長身&ハンサムである。
 綱吉にトラブルばかりを持ち込むが、それでも平凡以下で何をやってもダメな綱吉を見捨てず、時には叱咤を、時には激励を、時には暴力で彼を導いてきた。そのため、この二人の信頼関係は抜群。理想の師弟関係と周りからは言われる。
 綱吉が何故決心をつけられないのか…その理由もわかってはいるが、これは綱吉や仲間達で解決しなければならないことだと見守っている。

【妖怪】年齢不詳 属性“不明”
 某暗闇妖怪。可愛らしい見た目と反しながら、獲物を喰らう雑食系女子。
 今回食後に見つけたのは、プルプル振るえる小動物一匹。食後の運動の開始である。
 ……この子になら食べられても良いかも……いや、やっぱり勘弁したいかなぁ…。
 
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