幻想郷に広がる大空   作:味噌漬け

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REBORNワールドの住民って東方にあってもおかしくない、とんでも能力持ち多いよね。
イーピンの筒子時限超爆しかり、ランボの電撃皮膚しかり、フゥ太のランキング能力。さらに、ユニの未来予知に白蘭の並行世界の知識の共有、そして骸の六道輪廻。やべぇのばっかや。
ちなみに今回の話は軽めです。


第三弾 一夜明けて

 

「(ここは…?)」

 

 綱吉がいたのは民家の中でも学校の中でもない。

 木漏れ日が美しい森の中であった。

 

「(なんだっけ……?そうだ俺、ランボの10年バズーカに当たって、10年後に来たんだった)」

 

 綱吉はこの森に見覚えがあった。ここはかつて、10年バズーカで未来に飛ばされた時に最初にいた森である。

 それならば5分経つまで待てば良いかと思い、綱吉は草の上に座ろうと腰を下ろした。

 

「(ん……?なんだ?何か固いものが…?)」

 

 腰を下ろした場所は柔らかい原っぱのはずなのに、まるで何か固い箱に座ったかのような感覚であった。

 

「(一体なにが……って。んなっ!!?)」

 

 綱吉はその思わぬ物体に目を見開いた。

 

「(な、なんで棺桶がー!?しかも見たことあるデザイン!!?)」

 

 そう綱吉が座っていたのは棺桶。それもただの棺桶ではない。綱吉がかつて1()0()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 

「(また何か詰まってるのかなぁ?また俺の身体とかじゃないと良いけど……)」

 

 綱吉はその棺桶の蓋に手をかけ開けようとする。

 すると……

 

「ダメツナ!その蓋を開けんじゃねぇ!!」

 

「(えっ…?リボーン?なんでここ…()()()()?あれ?というか、幻想郷って…)」

 

 突然のリボーンの怒声に呆けた表情を浮かべる綱吉。

 そして、次の瞬間……綱吉は我に帰った。

 

「(って、なんで俺、この蓋開けようとしてんのー!!?)」

 

 普段、臆病な綱吉からしたら考えられない行動である。綱吉はそんな自分の行動に驚きのあまり蓋から手を離した。

 ……しかし、時はすでに遅かった。

 

「(うわっ!!?)」

 

 炎だ。棺桶から七色の炎が吹き上がる。

 しかし、その炎に美しさはない。その色はどこか燻んでおり、汚く濁っていた。

 その炎は重たい蓋を吹き飛ばし、森中へと飛び散っていく。その光景に綱吉は恐怖のあまり飛び退いた。

 

「(んなぁぁぁっ!?森が燃えてっ!!)」

 

 最初は燃え始めた森に驚いていた綱吉であったが……次に目にした光景に顔は青ざめるどころか、生気を失うほどの衝撃を受ける。

 

「(な……なんで…。なんでみんながそこにいるんだよ!!?)」

 

 そう……綱吉の目に映るのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「(獄寺くんに山本……。お兄さんに雲雀さん…そしてクロームに骸も!!)」

 

 また別方向には

 

「(ランボやイーピン、フゥ太にビアンキ……)」

 

 また別方向には

 

「(ハルに……京子ちゃんまで!!?)」

 

 彼らだけではない。家族や友達。今までの戦いで出会ってきた全ての仲間達が森中に倒れ込んでいる。今にも炎によって燃え尽くされようとしていた。

 

「(やめろ…やめてくれ……)」

 

 綱吉の顔は絶望に染まり、その声は震えている。

 しかし、その身体は動かない。

 恐怖や驚きのせいではない。まるで金縛りのように全身が固定されている。

 

「(なんで動かないんだよ。こんな時に…みんなが目の前にいるのに……。このままじゃみんな死ぬのに!俺のせいで……俺のせいで!!)」

 

 戦えるはずなのに。救える力があるはずなのに…。身体だけが全く動かすことができない。ただ家族が……友達が……仲間がただ燃えていくのを見ているだけ。

 自分の不注意が原因で仲間が燃えていく絶望に綱吉の心は限界を迎える。

 

「(なんでお前、そこから動かないんだよ…。お前なら何とかできるだろ。お前なら…お前だけでも逃げられるだろ……。このままじゃお前まで……)」

 

 支離滅裂。

 自暴自棄

 もはや綱吉も自分で何言っているのかわからない。

 だが、それでも綱吉の口は止まらない。止めることができない。

 

「(頼むから何とか言ってくれよ…)」

 

 目の前にいる黒い帽子を被った羽根のない天使。

 いつも理不尽ばかり押し付けてくるが、ダメツナな自分をいつだって見守ってくれた最高の家庭教師。

 

「リボーンッッッ!!!!」

 

 最後に綱吉が目にしたのは――

 目の前にいるリボーンが…ついに炎に飲み込まれた瞬間であった。

 

◇◇◇

 

「慧音さん頼まれた教材、倉庫から持ってきましたよ」

 

「ああ。ありがとう。そこの机に置いておいてもらえるか?」

 

 次の日の朝、綱吉は一宿一飯のお礼として、慧音の仕事の手伝いをしていた。

 

「あ、はい。わかりまし……ぎゃっ!!?」

 

 しかしそこはやはりダメツナ。物を運んでいる最中、躓いてすっ転ぶドジっ子体質は健在だ。

 

「だ……大丈夫か!?」

 

 書類整理のために教卓についていた慧音は豪快に転んだ綱吉に思わず視線を向ける。

 その綱吉はというと……

 

「だ、大丈夫です。資料もなんとか…」

 

 何とか資料だけは床ににぶつけないよう器用に転んでいた。

 綱吉は立ち上がると資料を置き、慧音に向かって苦笑いする。そんな彼を慧音は心配そうに見ていた。

 

「やはり、もう少し休んでいた方が…」

 

「い、いえいえ!大丈夫です。すみません……俺、昔っから鈍臭くて…」

 

 綱吉は冷や汗をかきながら両手をぶんぶんと振る。

 慧音は綱吉の怪我の有無だけ確認すると「無理はするなよ」と優しく声をかけた。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 綱吉は恩人の前でドジを見せた気恥ずかしさからか顔を赤く染め、慧音から視線を逸らす。

 そして綱吉は心の中でため息をついた。

 

「(正直疲れてるけど…今は眠れそうにないんだよなぁ。夢見が悪かったというか。よく覚えてないけどさ………)」

 

 何かとんでもない夢を見た気がするが、その内容については覚えていない。そのためか綱吉の心中は微妙にモヤモヤと不安が燻っている。

 

「(ひとまず今は目の前のことだ……な……)」

 

 思考を切り替えた綱吉は、慧音に他に何か必要なものがないか聞きに行った。

 

◇◇◇

 

「今日から暫くの間、みんなの授業のお手伝いをしてくれる沢田綱吉先生だ。みんな、ちゃんと言うことを聞くようにな」

 

「「「はーい!!」」」

 

「よ、よろしくね…」

 

 広い教室に子供達の元気な声が響く。

 まさか自分が先生と呼ばれる日が来るとは…。綱吉は人生何が起こるかわからないものだと思った。

 

「それでは沢田先生。生徒達の様子を見ていてほしい。偶に寝る生徒もいるからな」

 

「あ、はい。分かりました」

 

 慧音の仕事の手伝いも終わって少しした後、綱吉は教室で子供たちの授業の手伝いをすることになった。

 手伝いといっても、気分が優れない綱吉に授業見学をさせることで、少しでも気分転換をしてほしいという慧音なりの配慮であった。

 

「ねーねー!沢田せんせーい。しつもん良いですかー?」

 

「え?な…なにかな?」

 

 女子生徒の一人が元気良く挙手をする。

 綱吉は変な質問が来ませんようにと祈りながら返事をした。その期待はすぐに裏切られるのだが。

 

「せんせいは慧音先生の恋人ですかー?」

 

「んなっ!?ちちち、違うから!!」

 

 綱吉が顔を赤くしながら否定すると、その女の子は何か新しい玩具を見つけた時のような笑みを浮かべる。

 

「えー。それじゃあ…好きな人はー?」

 

「え……す、好きな人って…」

 

 綱吉の脳裏に笹川京子やハルといったガールフレンドの姿が浮かび、さらに茹で蛸のように顔が沸騰していく。

 

「あはは!綱吉せんせい顔真っ赤!おもしろーい!」

 

 女の子は小悪魔のように笑う。

 

「じゃあ!俺もしつもーんっ!!綱吉せんせいーーーー」

 

「んな!ちょ、待っ――――」

 

 生徒達は恥ずかしがる綱吉を面白がってか、絶え間なく質問し続ける。

 結局、慧音が止めるまで質問攻めが続き、授業が始まる時にはすでに綱吉の気力は空っぽになってしまったという。

 

 

 




本日もご愛読ありがとうございます。
くっそ忙しいですが、何とか書いております。
今回も軽くキャラ紹介載せときますね。

【沢田綱吉】
 年齢16歳 
 属性…大空

 慧音に拾われた小動物。
 直ぐに帰れないことに意気消沈するも、一晩寝ると頭を切り替えて、今は慧音の手伝いをしている。
 まさか自分が先生と呼ばれる日が来るなど想像していなかったため、少し感慨深い。

【上白石慧音】
 年齢不詳 
 種族…半人半獣
 能力…歴史を食べる(隠す)程度の能力(人間時)
 属性…霧

 綱吉を拾った寺子屋の教師。
 ゆっくり綱吉を休ませたかったが、手伝いたいという綱吉の申し出を断り切ることができず、軽い仕事だけを任せた。すると、綱吉の事務処理能力が意外と高いことがわかり、少し驚いている。

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