東方のシェフ   作:多聞丸

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犬走椛と射命丸文を監視役として妖怪の山に入ったケン。目的地の守矢神社に到着した。


#11 信州の味

ー守矢神社ー

ケン「お久しぶりです、早苗さん」

早苗「ケンさん?!」

文「知り合いでしたか?」

早苗「この前の博麗神社の宴会で会いました。ケンさんはその時に参加者に料理を振舞っていました」

文「ほうほう…どんな料理でしたか?」←メモ用意

早苗「外の世界の料理ですね。幻想郷にはない海の魚を使った料理が多かったです」

椛(海の魚…一体どこからそんな物を…)

文「海の魚…どこから手に入れてきたんですか?」

ケン「紫さんです。前回、料理を出した時に定期的に外の世界の材料を持ってきて下さることを約束してくださいました」

椛(紫…!妖怪の賢者、八雲紫か!稗田阿求だけでなく八雲紫とも知り合いなのか!)

早苗(八雲紫にさえ料理を提供してたんですね…!)

文(…あの胡散臭い八雲紫が善意の為に彼に協力するのだろうか…いや、それは絶対に有り得ない。何か計算があるはずだ…)

?「なんだ…騒々しいじゃないか」

?2「なんだ、早苗。お客さんかい」

早苗「神奈子様!諏訪子様!」

神奈子「天狗と…ん?そっちの男は…」

諏訪子「宴会で料理を出していた男か」

ケン「お久しぶりです」

神奈子「で、こんな所にどうしたんだい」

ケン「自分の記憶を早苗さんの能力で解決できないかと思いまして…」

早苗「…ケンさん。私よりもいい解決方法があると思いますよ、『奇跡を起こす程度の能力』と言っても何が起こるか分からないですし…」

ケン「それでも大丈夫です。よろしくお願いします」

早苗「…分かりました。少しお待ちください」

 

ー少女呪文詠唱中ー

 

早苗(…記憶よ…甦れ…!)

早苗(…!きた!)

早苗「はぁ!」

ケン「?!うっ…?!」

文「?! ケンさん!」

ケン(頭が…痛い…?!)ズキッ!

 

ー?ー

ケンの目の前に広がる光景…それは大きな部屋であった。大きな部屋にテーブルと様々な料理が並べられている。それを人がよそっていく。厨房では何かを調理しているのかジュゥゥ…という音。

 

ケン(ここは一体…)

?『ケン、付け合せのポム・スフレを頼む』

ケン(あなたは一体…)

そう話しかけようとした時、目の前が明るくなった。

 

早苗「だ…大丈夫ですか?!」

ケン「…はい、大丈夫です」

早苗「…何か思い出せましたか?」

ケン「一瞬だけ…」

 

ーケン説明中ー

 

早苗「…おそらくバイキング会場ですかね…」

文「バイキング?なんですかそれは」

早苗「決められた時間内に並べてある料理を自分で選んで食べる食事です。私が東京に行った時にやった事がありますけど楽しかったですよ」

椛「へえ~…自分の好きな物を時間内なら何個でも食べられるんですね~」

ケン(…言われてみればあれはバイキングのような物だった…あれが俺の働いていた職場なのか…)

早苗「う~ん…思い出したのは一瞬だけだったようですね…。まだ私も力不足ですね…」

ケン「いえ、一瞬だけでも思い出せたのは大きいですよ。ありがとうございます」

ケン「お礼に何かお作りします」

文「ケンさん、頭痛の方は…」

ケン「もう大丈夫ですよ」

早苗「…」

 

ー守矢神社、台所ー

ケン「さて…食材は…」

早苗「…」

ケン「早苗さん。早苗さん達はどこからこの幻想郷に来ましたか?」

早苗「えっ…はい、諏訪です」

ケン(諏訪…長野県か。そろそろあれが取れる時期…なら作る料理は…)

早苗「…ケンさん、すいません…。私の力不足で…」

ケン「早苗さんは気にしないでください。元々幻想郷で自分の記憶と名前すら分からなかったのです。自分の元いた場所の記憶を思い出せただけでもかなり大きいですよ」

早苗「でも一瞬だけでしたし…」

ケン「それだけでも十分ですよ」

早苗「…そう言っていただけるとありがたいです。良ければ手伝いましょうか」

ケン「はい、ではそれを石臼で引いてください」

早苗「これは…そばの実。ということは…」

ケン「はい、信州そばを作ります」

 

ーその後ー

ケン「お待たせしました」コトッ…

神奈子「お、夏そばか」

諏訪子「懐かしいね~…昔は時期になると打ち立てのそばを地元の人に頂いていたよ」

文「ん~…美味しいですね」

椛「麺状のそばは初めてです」

 

※昔はそば切りよりは蕎麦がきとして食べられていた。そば切り(現在の麺状のそば)が広まったのは江戸時代以降になる。

 

ケン「今回は10割そばにしています。時期的にも夏そばの旬です。蕎麦を挽いたのも作り始めてすぐなので香りがいいと思います」

神奈子「…あんたの料理の腕なら私たちを驚かす料理をいくらでも作れるだろうに。あんたはその食材の活かし方をちゃんとわかってるね。気に入ったよ」

ケン「ありがとうございます」

 

ー夕刻ー

ケン「今日はありがとうございました。それに地底に行く護衛も頼んでしまって…」

神奈子「なに、故郷の味を作ってもらったお礼だ」

諏訪子「また作っておくれ」

文「そろそろ行きますよ」

ケン「はい」

早苗「ケンさん。…無事に元にいた場所に戻れるといいですね」

ケン「早苗さんもありがとうございます」

 

ーケンが帰ったあとー

早苗「思い出したのはバイキング会場か…」

早苗(どこかのお店で働いていた…それは事前に分かってた)

早苗(でも作るレパートリーは和食、洋食、中華、魔理沙さんの話によればスイーツで咲夜さんを破った…)

早苗(…なんで彼はあんなに料理に詳しいんだろう…。プロの料理人でもジャンルによって得手、不得手があるし…)

早苗(…謎が深まるばかりですね…)




#10はここまで。この作品の早苗はかなりまともです。原作や他の二次創作のように常識破りをしたり常識に囚われないというわけじゃないので注意してください(--;)。原作でケンが思い出すのは2巻。それからようこや果心居士との話で自分を思い出してきます。幻想郷は長野県にあるらしいので今回は長野県の料理です。ちなみに主は静岡生まれ、長野県へは数回しか行ったことしかありません。

#12の行き先を決めます。アンケートに御協力お願いします!

#25でかくエピソードは?

  • 博麗神社
  • 妖怪の山(新キャラ登場?)
  • 魔法の森
  • 紅魔館
  • 地霊殿(地底)
  • 妙蓮寺
  • 人里(新キャラ登場)
  • 白玉楼
  • 妹紅とのエピソード
  • その他(コメントでお願いします)
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