東方のシェフ   作:多聞丸

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白玉楼にて野点の品を出したことにより、協力を受けたケン。いよいよ地底にある地霊殿へと行くことにする。


#13 いざ、地底へ

ー妖怪の山麓ー

ケン(そろそろ来る頃かな…)

 

スタスタ…

 

咲夜「待たせたわね」

妖夢「遅くなりました~」

早苗「地底まで護衛しますね!」

 

ー3人に護衛を頼む前ー

妹紅「地底ってどういう場所か?」

ケン「ええ、霊夢さんが危険だと仰っていたのでどんな場所か知っておきたいと思いまして…」

妹紅「…あそこは地獄だよ」

ケン「…地獄…」

妹紅「あそこは元々縮小された地獄でね…今は鬼が住んでいるんだ」

ケン「鬼とは…」

妹紅「伊吹萃香って宴会の時いたでしょ。頭に角があってひょうたん持ってたやつ」

ケン「はい、宴会で見かけました」

妹紅「あれが鬼。頭に角が生えていて酒が好き、オマケに粗暴で人ではまず勝ち目がない、そして人間に対して賭け事を持ち込んできたりする。賭け事に勝てば財宝が貰えるが、負ければ攫われる」

妹紅「鬼だけじゃなくて怨霊もいるからね…妖怪も近づかないし」

ケン「幽霊と怨霊の違いってなんですか?」

妹紅「怨霊は妖怪に取り付くと殺すことができるんだよ。人間にとってもあまりいい存在じゃないし…」

妹紅「だから地底に行くにはそれなりの実力のある人間を誘った方がいいかも」

 

ー現在ー

事前にいく日を紅魔館、白玉楼、守矢神社に伝え、妖怪の山の麓で待つことを伝えた。もちろん3人には誰と共に行くか話してある。

咲夜「さて…行くわよ」

ケン「お待ちください、ここまで来て少しお腹が空いていると思います。一旦食事をしましょう。天狗の皆さんにも許可を取ってます」

早苗「ケンさんの料理ですか…楽しみですね」

咲夜「でもこの人数で足りるかしら?」

ケン「大丈夫です。世界には調理道具を使わずに料理をする方法が有ります」

妖夢「道具を使わずに…?」

 

蓮の葉で鴨肉を包み、その上に泥を被せる。それを土の中に入れて…

 

ケン「そのうえで焚き火をします」ボォォ…!

早苗「焚き火?!」

ケン「こうすることで火の温度が土の中に伝わってオーブン…蒸し焼き状態になるわけです」

妖夢「な…なるほど…」

ケン「これを叩き割ると…」

ケン「叫化鶏の完成です」

 

ー少女&青年、食事中ー

 

咲夜「美味しかったわね」

ケン「叫化鶏は元々盗んだ泥棒が鶏肉の処分に困って泥に包んで隠し、焼いたところ大変美味だった事からできた料理です」

妖夢「そんな由来が…」

ケン「そろそろ地底へ行きましょう」

早苗「そういえば地底には鬼がいるらしいですが、その対策は…」

ケン「はい、してきました」

 

ー地底への入口ー

咲夜「ここから地底へ行けるわ。ただ、途中で妖怪と出会う可能性もあるから注意してね」

ケン「分かりました」

 

ー地底への道中ー

咲夜「ランタンを持ってきて正解だったわね」

妖夢「な…何か出そうです…幽霊とか…」

早苗「…妖夢さんの半分は幽霊じゃ…。それに白玉楼に幽霊なら沢山居ますし…」

妖夢「に…苦手なものは苦手なんです!」

 

『へぇ…幽霊が苦手…』

 

妖夢「ひっ?!なんですか?!」

キスメ「なら…その首、置いてけ~」

ケン「?!」

妖夢「い…」

妖夢「いや゛あああああああああ?!?!」ダダダ!!

早苗「ちょっ?!妖夢さん?!」

咲夜「とにかく追いかけるわよ!」

 

ー?ー

妖夢「いや゛あああああああ?!」

?「おっと、ここは通せんぼだよ」

妖夢「だ…誰ですか!」

ヤマメ「土蜘蛛と言えばわかるかな?」

早苗「妖夢さん、やっと追いつきました…?!」

咲夜「あなたは土蜘蛛…!」

ケン「土蜘蛛…!?」

ヤマメ「キスメ、ありがとね」

キスメ「ちゃんと追い立てたでしょ?」

咲夜「鶴瓶落としまで…」

ヤマメ「あたしらは人間を食べる妖怪だからね…ノコノコやって来たのが運の尽き…ってね」

早苗「そ…そんな…地底に入る前に全滅なんて聞いてませんよ?!」

ヤマメ「ん?そこの男…幻想郷の住民じゃないね」

ケン「私は外来人なので」

ヤマメ「…そういえば地上では外来人の男が珍しい料理を作るって言ってたな…」

キスメ「…そういえば地上に言ってる妖怪が言ってたね…」

ヤマメ「…あんたがもしかして料理人?」

ケン「恐らく…」

ヤマメ「…じゃあ珍しい料理をひとつ作ってくれてら地底まで案内してあげる。不味かったら殺すけどね」

ケン「…分かりました」

 

ー数十分後ー

ケン「お待たせしました、マロングラッセです」

ヤマメ「栗のお菓子?」パクッ!

ヤマメ「ん~!甘くて美味しいじゃん!」

キスメ「もう一個食べてもいい?」

ケン「どうぞ」

早苗「でもケンさん。砂糖持ってきてないですよね、なんでこんなに甘いんですか」

ケン「甘草を使いました」

妖夢「なんですかそれ?」

ケン「これです」

咲夜「確か…漢方薬の材料だっけ?」

ケン「はい。甘草は砂糖の200倍の甘みがあるので現代でも甘味の材料として使われています。ちなみに取りすぎると血液が上がったり浮腫んだりするので摂りすぎは良くないです」

ヤマメ「じゃあ約束だ。地底に連れってやるよ」

ケン「ありがとうございます」

ヤマメ「こんな面白い男を殺すのがもったいないしね。ちなみになんで地底に行くんだい?」

ケン「…それは…」

 

ー説明中ー

 

ヤマメ「記憶を失ってるねぇ…それでわざわざ忌み嫌われてる地底に来るなんて勇気あるな…」スタスタ…

キスメ「あれが旧都の入口だよ」橋

?「…あら…地上の人間がここになんの用かしら?」

?「…ヤマメ、あんたから甘い匂いがするわね。私に黙って甘いものを食べるなんて妬ましいわね」

ヤマメ「…また始まったよ…」

ケン「あの少女は?」

妖夢「恐らく橋姫ですね。橋を守る妖怪だったと思います」

 

橋姫…パルスィの元ネタは宇治橋姫だと言われている。生きたまま鬼になって後に渡辺綱に腕を切られた。ちなみに橋はこの世とあの世の境目を表す場所としても有名である(一条戻り橋など)。

 

咲夜「橋姫は嫉妬深いのよ」

ヤマメ「パルスィ。この人達、地底に行きたいから通してくれないかしら?」

パルスィ「そもそも人間を地底に連れ込むのはあまり良くないのだけれど」

パルスィ「…あんた、なにか匂うわね…甘い匂いがするわね…」ケンを指さし

ケン「お…俺ですか?」

パルスィ「…なるほど…ヤマメは彼に何か作ってもらったのね…妬ましいわね…」

パルスィ「私にも何か作らないと妬み殺すわよ。ヤマメよりいいものじゃないと尚更ね」

ケン「…分かりました。火は使って大丈夫でしょうか?」

パルスィ「…好きにすれば?」

 

ー数十分後ー

ケン「お待たせしました。和林檎の春巻きです」

パルスィ「…春巻き…何それ?」

ケン「中国…いえ、外の世界の料理です。立春の頃に芽を出す物を包んだものです。紅魔館から頂いた和林檎を甘草とともに煮詰めて甘くしてあります」

 

※和林檎は西洋林檎が入ってくる前の中国から伝わった林檎のこと。西洋林檎と比べ酸味、渋味が強く昔は胃腸を整える薬としても使われていた。現在は西洋林檎が主流であるが、僅かに和林檎も存在している。

 

パルスィ「…」パリッ…

パルスィ「…!」

妖夢「美味しいですね」

早苗(こんなに早く料理を作るとは…)

咲夜(食材一つ一つの特徴を知って、それを活かす。簡単そうで意外と難しい点をしっかりと押えている)

ケン「どうですか?」

パルスィ「…」

 

スッ…

 

パルスィ「…行きなさい…」

ヤマメ「お~。パルスィを退かせた」

ケン「パルスィさん、ありがとうございます」

パルスィ「ふ…ふん」パリッ

ヤマメ「この橋を超えた所が地底の町、旧都だよ」

ケン「ありがとうございます」

ヤマメ「まあ、道中鬼とかに絡まれるから気をつけてね」

ケン(いよいよ地底の町だ。ここからは気を抜かないようにしよう…)

咲夜「行くわよ」

ケン「はい」スタスタ…




#13はここまで。ケンの鬼に対する対処法はいかなる方法か…。今回出てきた料理は全て信長のシェフに書かれています。気になる方は是非。あと2話ぐらいは地底編が続きそう。4月から就職なのでこんなに早く更新できるかな…(特殊な職種なので…)。

ちなみに…皆さんは小説の話数、どのくらい続けて欲しいですか?(作者が考えているのは45話くらい。アイデアが出ればもう少しかけるかも)

  • 30話程度
  • 35話程度
  • 40話程度
  • 45話程度
  • 50話程度
  • 55話程度
  • 60話程度
  • それ以上やれよ!気合い入れろ!!
  • 作者に任せる。思うまま書け
  • その他!(コメントでお願いします)
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