東方のシェフ   作:多聞丸

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古明地さとりに記憶を読んでもらい、本当の自分を思い出したケンこと『葛城賢一郎』。残る謎、自分がなぜ幻想郷にたどり着いたかを探していく。

※アンケートの結果、魔法の森に決定しました!


#16 魔女達のティーパーティー

ー地霊殿ー

妖夢「葛城…賢一郎…」

早苗「なるほど…賢一郎から1文字取ってケンですか…」

咲夜(…早苗の話によれば奇跡の力で見えた記憶は自分の職場だったらしい…。早苗の話を聞くに間違いなく外の世界の料理人。ならなぜ彼は幻想郷に迷い込んだのかしら?)

さとり「…どうでしたか?」

ケン「…自分の名前は思い出せました。しかし他の記憶は…」

さとり「…こうなると別の方法を探すしかありませんね…」

ケン「…それは永遠亭と浄玻璃の鏡でしょうか」

さとり「…そうですね。ケンさんの記憶が戻ることを祈ります」

ケン「はい、ありがとうございます」

さとり「…それとさっきのピラフの作り方…教えてください」

ケン「はい、分かりました」

 

ー地上、地底へ続く穴前ー

ケン「皆さん、ありがとうございました」

妖夢「いえ、色々な料理を学ばせてもらいました」

早苗「楽しかったですよ」

咲夜「…今度、紅魔館に招待するわ。その時、また新しい料理を教えてちょうだい」

ケン「はい。お気をつけて」

ケン(…あの記憶は確かに俺が子供の時のものだ。俺の記憶を取り戻していけば…俺は元の世界に戻れるのだろうか…)

ケン(そろそろ夜になる、早く帰ろう。妹紅さんは竹林の前の小屋で待っているはずだ)スタスタ…

 

ー竹林の小屋ー

妹紅「ケン、おかえり。何か分かった?」

ケン「…自分の名前が分かりました」

妹紅「…そっか。ほかは?」

ケン「いえ、まだ全てを思い出すには記憶が足りませんでした」

妹紅「ゆっくり探そう。それよりケン、今日のご飯は何?」

ケン「はい、人里でいい野菜が売っていたのでそれでなにか作りましょう」

妹紅「早く帰ろう、ご飯が楽しみだ」

ケン(…今はまだ幻想郷で暮らしていく選択をしているが、記憶を取り戻して帰るか残るか選択する時が来たら俺はどっちを選ぶだろうか…)

ケン(こっちでの生活はかなり新鮮味がある。ただ向こうの世界に戻った時に俺は果たして元の生活に戻れるのだろうか…)スタスタ…

 

ー翌日ー

妹紅「ご馳走様でした」

ケン「それでは、俺は人里へ行ってきます」

妹紅「気をつけていくんだよ」

ケン「はい」

 

ー人里へ行く道中ー

ケン(今日は何が手に入るんだろうか…そろそろ新そばが取れる時期だし蕎麦粉を使ったものを作っても…)

 

ー上空ー

?「ん?あれは…ケンじゃないか。紅魔館に行った時に菓子をご馳走してもらった時のやつだな」

?「…いいこと思いついたぜ」ニヤ

?「…」シュゴーー!

 

ー地上ー

ケン「…よし、今日は…」

 

オーイ!

 

空から魔法使いの格好をした少女が自分の元に降りてきた。

 

ケン「…貴方は宴会や紅魔館の洋菓子対決にいた…」

魔理沙「霧雨魔理沙だぜ。よろしくな」

魔理沙「なあケン。今から魔法使いが集まってお茶会するんだぜ。何か作ってくれよ」

ケン「えっ…しかし俺は人里に…」

魔理沙「いいだろ、買い物くらい後で出来るって。それにアリスも待ってるんだ、早く行こうぜ」

 

そういうと魔理沙はケンを自分の箒の後ろに乗せると高く舞い上がって行った。

 

ケン(…今日、慧音さん達に新しい料理を教えるつもりだったんだけどな…)

 

後日、ケンは慧音に謝った(慧音は怒ってなかったが)。

 

ー魔法の森、アリス邸ー

2人の乗った箒がアリスの家に着いた。

 

魔理沙「よっと…到着だ」

ケン(…高速で飛んでいて落ちそうになったな…)

アリス「魔理沙、遅い…あら?」

魔理沙「まあ、そう言うなよ。ケンを連れてきたぜ」

ケン「お…お久しぶりです。名前は…」

アリス「アリス・マーガトロイドよ。アリスって読んで」

ケン「よろしくお願いします。アリスさん」

アリス「ふふ…よろしく。ケンの料理は紅魔館や宴会でも見たわ。とても美味しかったわ」

ケン「ありがとうございます」

アリス「そうだ、これからお茶会をやるんだけどケンも参加しない?」

ケン「いえ…そういう訳には…」

アリス「大丈夫よ。いつも誰か誘ってやってるし」

ケン「…では少しお待ちください」

 

ー数十分後ー

ケン「お待たせしました。アフタヌーンティーセットでございます」

アリス「すごい豪華ね…魔界でも見た事ないわ」

魔理沙「おい、どうやって食べるんだぜ?」

ケン「ティーフーズは上からペイストリー(ケーキやマカロン)、スコーン、サンドイッチでございます。初めはサンドイッチ、次にスコーンのようにしたから食べていくのが作法です」

ケン「今回はきゅうりとレタスのサンドイッチ、スコーンとブルーベリージャム、1口サイズのケーキを用意させてもらいました」

ケン(本当は色々な作法があるが、楽しいお茶会をとやかく言うのは無粋だろう)

魔理沙「ほ~…中々美味そうじゃないか」

アリス「ええ、彩りも綺麗ね」

ケン「アフタヌーンティーは元々イギリスの貴族が空腹を紛らわすために考案したと言われています。イギリスでは紅茶を濃く煮出し、最初はそのままで、2杯目は砂糖とミルクをたっぷり入れて飲むロイヤルミルクティーが主流でございます」

アリス「それじゃあ、いただましょう」

 

ー茶会ー

アリス「うん、美味しいわね」

魔理沙「うん、うめぇな」ゴクッ…

ケン(…記憶を取り戻した時、俺は幻想郷の住民と笑顔で接せられるのだろうか)

魔理沙「…ケン、なにか悩んでいるようだな」

ケン「えっ…」

魔理沙「…何を悩んでるかはしらねぇけどよ、私は今のケンが好きだぜ」

アリス「今のケンって…幻想郷に来る前のケンのことなんて知らないくせに…」

魔理沙「それはお前も同じだろ?」

ケン「…魔理沙さん、ありがとうございます」

魔理沙「褒めても何も出ねぇよ」

 

ーその後ー

アリス「楽しかったわ。またお茶会をやるからその時も招待してもいいかしら」

ケン「はい、またその時は新しい料理を作りますよ」

魔理沙「帰ろうぜ、ケン」

アリス「ちゃんと妹紅さんの所まで届けなさいよ」

魔理沙「分かってるぜ」

ケン「アリスさんもありがとうございました」

 

バシューー!!

 

アリス「…ケンが無事に記憶を取り戻せるといいわね」

アリス「今度ケンにアフタヌーンティーセットの作り方を教えてもらいましょう」

 

ー上空ー

魔理沙「いや~楽しかったぜ」

ケン「いえ、喜んで頂けたら」

魔理沙「今度は茸でなにか美味いもん作ってくれよ」

ケン「はい、作りますね」

 

2人を乗せた箒が人里を超えて竹林の方へ飛んで行った。




#16はここまで。アフタヌーンティーは原作27巻に出てきます。紅茶が英国に伝わるのは江戸の後期です。それまでは緑茶やコーヒーがイギリスで飲まていました。アフタヌーンティーは産業革命が起こった江戸後期辺りにできたもので、幻想郷では知らていないかと。さて…次回は香霖堂になりそう?

#31の話の舞台はどこにする?

  • 博麗神社
  • 妖怪の山(守矢神社)
  • 魔法の森(霧雨魔法店、アリス邸、香霖堂)
  • 紅魔館
  • 人里(寺子屋、稗田家)
  • 地底(地霊殿)
  • 白玉楼
  • 霧の湖
  • 命蓮寺
  • 太陽の畑
  • 妹紅とのエピソード
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