東方のシェフ   作:多聞丸

19 / 50
香霖堂から帰ったケン。新しい植物を育てる畑と新たな種子を手に入れるために太陽の畑に行くことにする。

※アンケートの結果、太陽の畑に決定しました。


#18 向日葵の心

ー妹紅の家ー

妹紅「慧音に畑の件を聞いたんだけど、人里の一角をケンに格安で渡してくれるって。そこで野菜の育て方を教えて欲しいと」

ケン「ありがとうございます」

妹紅「それで早速、人里に来て欲しいって言ってたけど」

ケン「分かりました」

 

ー人里ー

慧音「ここが畑の場所だ。人里の中心部からは少し離れているが市場からはそう離れていない。畑の管理は私の信頼出来る人に任せようと思う。売上は…」

ケン「いえ、売上は結構です。こんな部外者に人里の一角を使わせてもらってますし…」

慧音「いや、こちらもケンの料理には世話になっている。種も提供してくれるそうだし…」

 

結局揉めた(譲り合い)がケンが売上の3割、管理する人が7割の形で収まった(なお、管理してくれる人も納得済み)

 

ケン(野菜を育てるとなると肥料が必要だ。肥料があるか無いかで格段に野菜の出来が違う。江戸時代になるまでは肥料と言えば草木灰や人糞を使っていたが、江戸時代には油粕や干鰯が肥料として使われていた)

ケン(人糞などで作るよりは腐葉土などを混ぜて作る方が栄養価も高い)

慧音「どうした?」

ケン「あ、すいません。この辺で肥料を売ってくれる場所を探しているのですが…」

慧音「肥料はこの人里にも売っておるはずだ、私も探そう」

ケン「はい」

慧音「じゃあ、私は明日ここの畑を管理してくれる人を紹介するよ」

 

そういうと慧音は立ち去っていった。

 

ケン(…幻想郷にも肥料はあるらしいな。また新しい植物の種が手に入ったらここで育てることにしよう)

ケン(そういえば…人里から南の方角にはまだ言ってなかったな)

ケン(…聞いた話によれば花を使う妖怪がいるらしい。その人物は太陽の畑にいると言っていたが…)

ケン(…阿求さんに止められた場所だ。行くにしても準備が必要だな)

 

ー数日後ー

ケンはその日はたまたま里の外に用事があった。里の郊外に住む野菜農家や畜産農家から料理の材料を買い、帰宅していた。その途中、行きとは違う道で帰ろうとした。

 

ケン(…やはり畑で野菜を育てるには新しい植物の種が必要だ。少し危険だが、太陽の畑によるとしよう)

 

ー太陽の畑ー

ケンは太陽の畑に着いた。一面に向日葵が咲いているところである。向日葵畑の入口の看板にこう書いてあった。

 

『この先、太陽の畑 死を望む者以外即刻去るべし』

 

明らかに他の場所とは雰囲気が違う。だがしかし、勝手に人の畑に入るのはどうだろうかとケンは考えた。

 

ケン(ここでしばらく待たせてもらおう)

 

ケンは入口で止まった。

 

それから何分かした頃、1人の女性がこちらに近づいてきた。傘をさして、白いカッターシャツとチェックの入ったロングスカートを着た女性である。ケンも人里で何度か見たことがある。

 

?「…あら、バカの人間とは違ってあなたはこの畑の中に入らないわね」

ケン「…なにか入っては行けないような気がしたので」

?「それで正解ね。もし入ってきたら肥料にしてたもの」

 

なんて恐ろしいことを言うんだ、この女性は…。

 

?「…貴方、人里で何度か見かけたわね。料理を作っているのかしら?」

ケン「ケンと申します」

幽香「ケン…なるほどね。私は風見幽香、この太陽の畑に住んでいるもの…と言ってもたまに人里に出たりするけどね」

ケン「…」

幽香「…貴方、命がおしくないのかしら?人もあまり来ないこんな場所に来て」

幽香「…まあ、中に入りなさい。話は聞いてあげるわ」

 

ケンは家の中に案内された。

 

ー幽香の家ー

幽香「…なるほどね、植物の種を貰いにここにね…」

ケン「はい」

幽香「…良いわよ、少しぐらいなら分けてあげる。貴方は聞き分けの聞かない妖怪や人間とは違うものね」

ケン「本当ですか?」

幽香「ええ…ただし1つ条件があるわ」

ケン「なんでしょうか」

幽香「あなたの料理の腕に興味を持ったわ。1品、何か作って貰えないかしら?」

幽香「そうね…花の料理にしましょう。ただし、私は花を司る妖怪。花は使わない。それでいいかしら?」

ケン「分かりました、少し台所を借ります」

 

ケンは葛粉を取り出して鍋で溶かすとそれを箸を突っ込んだ。

 

ー10分後ー

ケン「お待たせしました。葛粉の飴細工、向日葵の仕立てです」

幽香「…なぜ向日葵かしら?」

ケン「あなたは花に関してとても気を使っている。話を聞いたところによれば花を荒らした者に関しては生きて返さないと。その中でも向日葵を愛していると聞きました」

幽香「…だから私に向日葵を食べろと?」

ケン「向日葵は花言葉で情熱的という意味があります。花に関して情熱的な貴方に向日葵が相応しい…そう考えました」

幽香「…」

 

幽香が飴細工の破片を折って食べた。

 

幽香「…甘いわね」

ケン「飴ですので」

幽香「…欲しい種があるなら持っていきなさい」

 

ー太陽の畑、入口ー

ケン「ありがとうございました」

幽香「…飴細工、美味しかったわよ」

ケン「次来た時はまた新しい料理を作ります」

 

スタスタ…

 

幽香(…面白い男ね…。私を見た途端幻想郷の住民は大抵どこかに隠れるか逃げる…)

幽香(でもあの男は話をしている最中、私の顔から目を背け無かった…)

幽香(…あの男、気が弱そうに見えて気丈。1度決めたことに関しては絶対曲げない覚悟を持ってる)

幽香(…あの男…)

 

『長生きできないわね』




#18はここまで。原作では飴細工ははずでしたが幻想郷では向日葵に変更しました。長篠の戦いでケンが囚われた際に信長、家康に出した料理です。飴細工は平安時代に唐の飴職人が仏寺の供物として作ったのが始まりだと言われています。歴史が古いのですね(砂糖が伝わったのは奈良時代)。

#19のアンケートを取ります。アンケートに御協力お願い致します!

皆さんの好きなエピソードって何?(参考に)

  • 1~3話(目覚めし地~寺子屋)
  • 4~6話(博麗の巫女~平成)
  • 7~9話(阿求登場~洋菓子対決)
  • 10~12話(妖怪の山~白玉楼)
  • 13~15話(ヤマメ~さとり)
  • 16~18話(魔理沙登場~幽香)
  • 19~21話(永遠亭~ケンの決断)
  • 22~24話(命蓮寺~にとり)
  • 25~27話(忠節の菓子~追憶の菓子)
  • 28~30話(食わず嫌い~在りし日)
  • 31、32話(酒の流儀、輝夜の難題)
  • 全話好き!!
  • いや…普通…。
  • つまらんな!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。