ー妹紅の家ー
妹紅「?! は…鼻に抜けるな…」
ケン「本場のバターチキンカレーです。鶏肉は使えないので鴨肉で代用しましたが…」
妹紅「前にケンが作ったカレー…もどき?とはまた違うね…」
ケン「スパイスを足したことで味に深みが出たからでしょうね。あまり幻想郷の住民はスパイスになれていないようなので、もう少し少なめにした方が…」
妹紅「いや、普通に美味しいよ。所でそのスパイスって言ってたかな?それを何個か混ぜてたけど…」
ケン「カレーは複数のスパイスを混ぜて作るのが一般的です。本場インドではスパイスを市場で買って各家庭で調合します。家庭によって味の変化が出るのでスパイスの組み合わせは無限大にあります」
ケン「その中でもカレーに必要なのはクミン、コリアンダー、ターメリックです」
妹紅「…よく分かんないけど…美味いな!」
ケン「喜んで頂けたら嬉しいです」
妹紅「…」
永琳(記憶の病気については様々よ。中には治ったと同時に消えてしまう人もいる)
妹紅(…言えるわけがない…)
ケン「俺は人里に行ってきます」
妹紅「う…うん。今日は休みだからゆっくりするよ」
ケン「? はい」
ガラガラ…ピシャ!
妹紅「なんて言えばいいんだよ…」
ー人里、稗田家ー
阿求「?! こ…これは…」
慧音「阿求の使用人に作って貰ったやつとはまた違うな…。こっちはなんというか…奇天烈というか…」
ケン「これでも妹紅さんに作ったものよりスパイスの量を抑えています。辛さは抑えられているかと…」
阿求「な…なるほど…」
慧音「だが、後を引く味がいいな。カレーか…」
ケン「小さいお子様がいる家庭では蜂蜜やすり下ろした林檎を入れてあげるだけでもかなり辛さが抑えられ甘くなりますよ」
慧音「問題は香辛料の方だな…高いから一般市民には作れない…」
ケン「紅魔館や幽香さんに相談して増産してみましょう」
阿求「…もしかして幽香さんに会ったんですか…」
ケン「はい」
慧音「な…何かされなかったか?」
ケン「…?いえ、料理を振舞って植物の種を頂いただけです」
慧音「そ…そうか…」
阿求(勇気があるというか無謀というか…)
ーその後ー
阿求「かれー…美味しかったですよ」
ケン「それなら良かったです」
慧音「ケン、少し話そう」
ケン「はい」
ー夜、寺子屋ー
慧音「さて…話す事だが…ケン、妹紅に少しでも長くいてあげてくれ」
ケン「…?はい」
慧音「…ケン、妹紅の正体を知っているか?」
ケン「妖怪…ですか?」
慧音「いや、妹紅はれっきとした人間だ。私は…妖怪と人間の半々だが」
ケン「人間…それなら霊夢さんや昨夜さんと同じでは…」
慧音「…妹紅は蓬莱人だ」
ケン(蓬莱人…聞いたことがない人だ…)
慧音「…簡単に言えば不老不死の人間だ。妹紅は奈良時代から生きている」
ケン「?!」
慧音「…かぐや姫の話を知っているか?」
ケン「え…ええ…」
慧音「…物語の最後、富士山で不死の薬(蓬莱の薬)を焼く話があるだろう。彼女はその山登りの際ついて行って蓬莱の薬を奪ったんだ」
慧音「…そしてそれを飲んでしまって死ねない蓬莱人に変わってしまった」
ケン(…あの物語の後にそんな話が…)
慧音「…妹紅は何百年という長い年月を得て幻想郷にたどり着いた。いまは理解してくれる人もいるが妖怪であれ人間であれいつかは寿命が来る。私もいつまでいられるか分からない」
慧音「…妹紅がケンの話をする時、妹紅はいつも楽しそうな顔をするんだ」
慧音「…ケン、幻想郷にいる間だけでもいい。妹紅のそばに居てやってくれ」
ケン「…分かりました」
ー妹紅の家ー
ケン「海の幸のリゾットです。紫さんから頂いた海の幸を干した物です」
妹紅「うん、やっぱりケンの料理は美味しいな」パクパク…
ケン「…妹紅さん」
妹紅「ん?」
ケン「…慧音先生から言われました。妹紅さんは蓬莱人…不老不死の人であると」
妹紅「…そうだよ」
ケン「もし宜しければ話してもらってもよろしいですか?」
妹紅「…うん」
ケン「…少し、飲みましょうか」
妹紅「…そうだね」
ー数分後ー
妹紅「…あれは私がまだ不老不死の薬を飲む前の話だ。私の父は輝夜に一目惚れをして結婚を申し込んだ。私の父以外の4人も同時に輝夜に求婚したんだ」←少し酒を飲んだ
妹紅「…その時、輝夜が私の父含めて5人に難題を出したそうだ。その中で私の父は『蓬莱の珠の枝』をお題に出され、偽物を輝夜の前に持っていった。輝夜も迷ったらしいが、最終的に職人たちが屋敷に訪れて父に抗議…私の父は散々恥をかかされた」
ケン(竹取物語にでてきた話だ。確かお題を出されたのは『車持皇子』…モデルになったのはたしか…藤原不比等、奈良時代の人だ。慧音先生の話と合う)
妹紅「…それで考えたんだ。どうすれば輝夜に復讐できるかってさ…。それで帝が山で輝夜から貰ったものを燃やすから奪って復讐してやろうって」
妹紅「それから私は帝の一行について行った。だけど冬山の用意をしてなかったから行き倒れてさ…その時に岩笠という男に助けて貰って一緒に頂上を目指したんだ」
妹紅「…それで山頂について、輝夜からの贈り物を燃やそうとした時に木花咲耶姫っていう神が現れて、輝夜から送られたものが不老不死の薬であること、不老不死の薬を槍ヶ岳で燃やすように言われたって訳。それで槍ヶ岳に行こうとする岩笠を…」
妹紅「…突き落としたんだ…雪山の中に…」
ケン「…」
妹紅「…それで岩笠から奪った蓬莱の薬を飲んだ…。それからと言うもの私はいくら歳が重なろうと歳を取らない蓬莱人になった訳…」
妹紅「……私はこの不老不死の能力は神様からの罰だと思っている。今も後悔してるよ…岩笠落としたことを…」
妹紅「…ケン、幻滅した…?罪人なんだよ…私は…。ケンとは違って…」
ケン「…正直に話して貰ってありがとうございます」
ケン「…でも俺は、罪人であろうとなかろうと妹紅さんは妹紅さんだと思っています。反省してるならいいじゃないですか」
妹紅「…ケン…」
ケン「…俺がこの幻想郷に来た時…」
ーケンが幻想郷に来た時ー
妖怪「人間だ!!」
ケン(何だ…?!)ダダダ…!
妖怪「見つけたか?!」
ケン(何がどうなっている?!)←茂みに隠れた
ケン(俺は一体何者だ…どこで何をすればいい…)
ー現在ー
ケン「…俺はあの時、不安でたまらなかった…ですが…」
妹紅『明日も美味いもの食わせてくれよ』
ケン「…この一言で俺は地に足が着いた気がしました。妹紅さんは俺に帰る場所を与えてくれた人です」
ケン「…とても感謝してます」
妹紅「…ありがとう」
ケン「…もう少し飲みませんか?なにか作りますよ」
妹紅「…ありがとう」
妹紅「…ケン、私も言わなきゃいけないことがあるんだ」
ー妹紅、説明中ー
ケン「…記憶を失う…」
妹紅「…ケンは…どうする?」
ケン「…失ったとしても俺の戻る場所は妹紅さんの元だけです」
妹紅「…そっか」
ケン(…幻想郷での記憶を失う…それも覚悟しなければならないか…なら俺は…)
#20はここまで。妹紅の過去ってなかなか悲惨ですよね…。日本にカレーが伝わったのは大正時代。海軍がイギリスのシチュー(具がドロドロに解けたソースのカレー)が日本人には合わず、具を足していったところ、現在のカレーになったと言われています。だからカレーの本場、インドの人も日本のカレーはインドのものとかなり違うとか…。現在も海上自衛隊では日本海軍を引き継いで毎週金曜日に曜日の感覚を忘れない為にカレーが出されるらしいです。
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