東方のシェフ   作:多聞丸

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幻想郷に馴染んできたケン。今日は、自身の安全祈願のために博麗神社を訪れていた。そこに招かれざる客が現れる。


#23 天界の桃

ー博麗神社ー

ケンは長い石段を登っている。偶にケンは自身の安全を願って博麗神社にお参りをしている。

 

ケン「…」チャリン…! カラカラ…!パンパン!←2拍手

 

そしてこの音を聞いて1人の少女が出てくる。

 

霊夢「ケン、待ってたわよ。アンタだけよ、いつもお賽銭してくれるのは」

ケン「こんにちは、安全のお参りをしに来ました」

霊夢「そう。あの…」

ケン「料理ですね。台所をお借りします」

 

だいたい博麗神社に行くと霊夢が決まってケンの料理を求めてくる。 無論、ケンは迷惑とは思っておらず、それ所か霊夢に食べてもらう料理を神社に来る度に考えている。

 

ー数十分後ー

ケン「お待たせしました。ヤツメウナギのねぎ塩焼き、干し大根の味噌和えです」

霊夢「いつ見ても美味しそうね…!頂こうかしら」パクッ!

霊夢「ん~!美味しいわね。ネギと鰻ってこんなに合うなんて初めて知ったわ」ガツガツ!

ケン「お気に召していただけて何よりです。こちらに柚子胡椒があります。好みでつけて頂ければ」

霊夢「あ、ありがとう」

 

ー10分後ー

霊夢「美味しかったわ。ケン、貴方料理の天才ね」

ケン「ありがとうございます」

霊夢「少しお話しましょう。お茶菓子でも出して…」ヒュー!

ケン「…?なんの音ですか?」

霊夢「…この音は…」

 

そう言い終わる前に『ズドーン!!』と神社の前に何か石のようなものが落ちてきた。

 

ケン「い…石?!」

?「はははは!!遊びに来てやったわよ、霊夢!」

霊夢「こら!!神社に要石落とすんじゃないわよ天子!!何しに来たのよ!」

天子「暇だから遊びに来た。天界は何もすることがないからな」

ケン「あ…貴方は…」

霊夢「ああ、前にうちの神社ぶっ壊した馬鹿天人…いや、天人くずれね。こうやって時々空から降りてくるのよ」

天子「バカって…あの時のことは反省してるし!それより、その男はなんなのよ?」

ケン「初めまして、ケンと申します」

天子「ケン…?どこかで聞いた…あ、思い出したわ。地上を見ていた時に何か美味い料理を作っている奴がいるって聞いた…それがケンという名前って聞いたわね」

霊夢「今日は家庭教師はいないのね。天子、あんたの付き人は?」

天子「衣玖か?知らないわよ、逃げてきたし。それより霊夢、桃を持ってきたわよ」

霊夢「あんたの所の桃、あまり味がしなくてドロドロしてるから好きじゃないわよ」

天子「仕方ないでしょ。天界では桃しか食べないし。私も飽きてきてんのよ… !」

天子「貴方料理が得意なのよね?」

ケン「え…ええ」

天子「ならこの桃で何か料理してちょうだい」

ケン(天界の桃…色だけ見ると黄桃に近いものだが…)

 

とりあえず、切ってみて食べてみた。

 

ケン(…原種に近いやつかな。元々桃は品種改良で甘くしたものがほとんどだ。黄桃…いわゆるシロップ漬けにするのが無難か…?)

ケン(…そういえば…黄桃を使った料理は…)

ケン(そういえば咲夜さんから頂いた紅茶があったはずだ。アールグレイ…霊夢さんも紅魔館に行っているなら飲んだことがあるはずだ。ここは紅茶にあう料理を…)

 

ケン「分かりました。お作りします」

天子「楽しみにしてるわ」

ケン「台所をお借りします」

ケン「先ずはこの桃を甘くする必要があるな…シロップにつけよう」

 

桃を皮をむいて六つ割にして、砂糖と水、レモン汁を入れて沸騰。この中に桃を入れて沸騰するまで煮る。煮る途中で灰汁はとる。沸騰したら火を止めて、鍋の中で冷やす…完全に冷えたら…。

 

ケン「桃のシロップ煮です」

霊夢「シロップ煮…あの砂糖と水を熱したやつ?」

ケン「はい、こうすることで甘くなります」

霊夢「ひとつ頂戴…うん、確かに甘くなってる」

ケン「次にパイ生地をつくります」

霊夢「ぱ…何それ?」

ケン「パイ生地です。パイなどに使う生地で焼き上がるとサクッとした食感になります」

ケン(これは永遠亭でもやった奴だ)

 

ー1時間後ー

ケン「お待たせしました。天界の桃のカスタードパイです」

天子「な…何これ。天界でも見た事ないわよ」

霊夢「さすがケンね」

ケン「こちらに咲夜さんから頂いた紅茶があります。どうぞ」

霊夢「それじゃあ頂くわね」パリッ…!

霊夢「!!美味しいわね!このねっとりした…」

ケン「カスタードクリームです。砂糖と卵、小麦粉、牛乳で作ったクリームです」

天子「!これがあの桃?ここまで甘くなるとはね…」

霊夢「紅茶にも合うし、やっぱりケンは天才ね」ゴクッ…

ケン「ありがとうございます」

 

ヒュー!

 

?「見つけましたよ!総領娘様!こんなところにいたんですね!」

天子「い…衣玖?!」

衣玖「早く帰りますよ!」

ケン「あの…貴方は…」

衣玖「も…申し遅れました。総領娘様に仕えています、永江衣玖と申します。総領娘様がご迷惑をお掛けしました」

ケン「ケンと申します。良ければお菓子を包みましょうか」

衣玖「か…菓子?」

 

ー五分後ー

衣玖「美味しいですね…。これが天界の桃を使った料理ですか」

霊夢「凄いでしょ、ケンはなんでもできるんだから」

衣玖「天界の桃は地上の人には口に合わないと聞きましたが…これは美味しいですね」

 

ー1時間後ー

衣玖「お菓子まで包んで頂きありがとうございます」

ケン「いえ、少し多めに作ったので大丈夫ですよ」

天子「ケンといったかしら。美味しかったわよ」

ケン「また料理をお出ししますので楽しみにしててください」

天子「じゃあ霊夢、帰るわよ」

霊夢「あまりうちに来ないでよね」

 

2人の天人は空へと帰っていった。

 

ケン「ではそろそろ帰ります」

霊夢「気をつけて帰りなさいよ」

 

ケンは妹紅が待つ竹林へと帰って行った。

 

霊夢「…さて…紫」

 

隙間が開いた

 

紫「何かしら、霊夢」

霊夢「あんたずっと見てたでしょ」

紫「なんの事やら。それより…」

霊夢「修行でしょ…はぁ…美味しいお菓子を食べて気分がいいのに…」

紫「ええ、貴方に『神降ろし』の修行をしてもらうわよ」

霊夢「…神降ろしね…あんた、いきなりどうしたのよ」

紫「なんでもないわよ。ただの気分」

霊夢「…あんたの気分は何か引っかかるのよね」

霊夢「…なにか企んでないでしょうね?」

紫「…さあ?」

霊夢「さて…早く修行の準備しないと…なんで私がこんな事を…」ブツブツ…

紫「…」

 

紫(天界の桃を天人に喜ばせるほど美味しく仕立てた。料理の腕は完璧。あとは…月人を陥れる策…彼に閃いてもらうしかないわね)




#23はここまで。時間が空いてすいません。
桃は日本神話にも出てくる魔を滅する果物です。古事記にはイザナギが黄泉の国からイザナミを連れてくる際にうっかりイザナミの顔を見たことで雷神に追われます。その際、イザナギが木に付いている桃を3つ投げつけると雷神たちは帰って行ったそうです。姫路城には艮(うしとら、北東(鬼門))の方角には桃の瓦がついた鬼瓦があるそうです。中国では仙人が食べるものであり、これが東方Projectの天人や月人(穢れを嫌う人々)が食べているモデルになったのではないでしょうか。現代の桃は品種改良によって甘くなったものがほとんどだそうです。

#24の行き先を決めます。アンケートよろしくお願いします!

#40の登場キャラは?

  • 博麗霊夢
  • 霧雨魔理沙
  • アリス・マーガトロイド
  • 魂魄妖夢
  • 紅魔館勢
  • 八雲紫
  • 風見幽香
  • 天狗
  • 鬼(伊吹萃香、星熊勇儀)
  • 人里(慧音、阿求)
  • 天人(天子、衣玖)
  • 命蓮寺
  • 東風谷早苗
  • 古明地姉妹
  • その他
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