東方のシェフ   作:多聞丸

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妹紅に助けられたケンは、ケンの話を聞きつけた紫に誘われ、料理を振る舞うことになった。


#2 賢者に出す品

ー紫の家ー

隙間が開いた。さっきまで妹紅の家にいたのにいつの間にか紫の家に着いていた。

 

ケン「…いつの間に…」

紫「幻想郷では当たり前のことですわ。皆、何かしらの能力を持っている…特に妖怪は」

ケン(どうやら現実の世界では無さそうだ)

紫「案内しますわ」

 

ー紫の部屋ー

紫「…さて…ケン。あなたは西洋の料理に通じているのだとか」

ケン(確かに俺の頭に思い浮かぶのは西洋料理が多い…。俺はその仕事に就いていたのか…)

紫「であるなら…東洋の料理を作ってもらいましょうか。そうね…中国の料理はどうかしら?」

妹紅「お…おい!いくらケンが外の人だからといって…」

ケン「…分かりました」

妹紅「ケン!」

ケン「…どんな料理がお望みですか?」

紫「…そうね…私は外の世界に行けるから色々な場所の料理を食べてみたけど…上海料理が一番美味しかったかしら?」

ケン「…上海…」

 

※上海料理…有名なものは小籠包や八宝菜。海鮮物が多いのも特徴。

 

紫「上海料理、それも海鮮の作ってくれるかしら?」

ケン「…分かりました、台所を借ります」スタスタ…

藍「橙、案内してあげて」

橙「分かりました。藍様!」

妹紅「お…おい!幻想郷には海がないんだろ!どうやってそんなに物を…」

紫「…あの男の腕を確かめるためよ」

妹紅「…はあ?」

紫「あの男は確かにただの料理人。だけどそれも記憶を失っている…だけどあの男は竹林に住む妖怪の心を掴んで離さなかった。その「力」を見てみたいのよ」

妹紅「…」

 

ー台所ー

橙「ここが台所だよ」

ケン「ありがとう」

ケン「…さて…食材…」

ケン(…海鮮類が極端に少ない…)

ケン(そういえば妹紅さんが言っていた…)

 

ー数日前ー

妹紅「ケン、幻想郷には海がないんだ」

ケン「海がない?」

妹紅「そう、山の中にあるからね…だから海はないんだ。月に行けば海があるとは聞いたけど…」

 

ー現在ー

ケン(…なるほど…かなりの難題だ…)

ケン「…だとすると遡上する魚…鮭なんかがそうだが…それも見当たらない…」

ケン「…」

ケン「そういえば外に行くって言っていたな…」

ケン(少し食料調達に行きたい…頼んでみよう)

 

ー紫の部屋ー

紫「分かったわ、藍」

藍「人里に繋げますね」隙間が開く

紫「終わったらまた元の場所まで戻って来て」

ケン「はい」隙間が閉まる

紫「人里に行っても海鮮ものは無いわよ。あの男はどうするのかしら?」

 

ー人里ー

ケン「ここが人里…」

ケン(妹紅さんが言っていた。人間がいる唯一の集落であると…)

ケン(…ここならあるかもしれない…)

 

ー1時間後ー

ケン(ない…ここでは相当海の幸が貴重なものなんだろう。塩でさえもかなり高額で取引されてる…)

ケン(…なにか…なにかないか…)

ケン(…)←顎に手を当てて考えている

 

ケンがしばらく歩いているとゴミ集積所にいた…。

 

ケン(こうなったら川の魚を使って…!)

 

ガサガサ…!

 

ケン「こ…これは…!!」

 

ー紫の家ー

紫「…調理し始めた?」

藍「…はい。ゴミ捨て場からなにかを取り出して戻ってきました…」

妹紅(ご…ゴミ…?!ケン…何をしてるの…!!)

 

ー数十分後ー

ケン「お待たせしました」コトッ…

藍「な…?!何だそれは!!」

ケン「魚翅…フカヒレです」

藍「フカ…鮫のことか!そんな物が食べられるか!」

ケン「…」ギロッ!

藍「?!」

ケン「私は腕によりをかけてこれを出しました。ならばこちらも食べてもらわなければ筋が通りません」

藍「…!」

紫「…頂くわ」

藍「紫様!」

紫「…この男は幻想郷には無い海の幸の料理を出してきた。食べるのが道理よ」

藍「くっ…」

紫「…」パクッ…!

藍「…」パクッ!

藍「…!美味いだと?!」ドン!

紫「…なるほど…確かにとろりとした食感に噛みごたえがある…とても美味だわ」

妹紅「や…やったね!ケン!」

紫「…こんなに美味しいものは食べたことがないわ」

ケン(フカヒレの歴史は浅い。それまでは沿岸部の人々が食べるだけにとどまった料理。其れが清の時代に皇帝に出され、一気に中国料理のトップへとのし上がる)

紫「…棄てられたフカヒレからここまで美味しい料理を作るとはね…完敗よ」

紫「お詫びになにか協力できることでもあるかしら?」

ケン「…そうですね…」

 

ーその後ー

妹紅「それじゃあ、帰ろうか」

ケン「はい」

紫「フカヒレ、美味しかったわ」

ケン「また機会があれば食事を振る舞います」

紫「その時は楽しみにしてるわ」

 

隙間が閉まる

 

藍「…しかし、ケンという男には欲がないんでしょうか?協力を申し出た時も『外の食材を持ってきて欲しい』だけだとは…」

紫「…西洋料理を中心にしているかと思いきや、中国料理、和食にも精通している…なかなか面白い人物だったわね」

紫「…あの男…使えそうかしら?」

藍「恐らく」

紫「…なら…使わせてもらいましょうか…ケンという男を…」




第2話はここまで。ちなにフカヒレは紫が外から輸入してきた際にゴミとして捨てたものです(p元ネタは天王寺砦の戦いの時の中国商人との駆け引き)。原作でもケンは度々信長からさまざまな食材を用意してもらってます(砂糖や小麦、じゃがいもなど)。信長役は紫ですかね。ケンは実際物欲がなく、ほぼ料理の物に関するものだけ信長に求めます(大金を渡された時も、井上ら仲間に全て渡してます)。次回はあの紅白の巫女が登場?

※ケンが塩の値段が高いと言っているのは現代と比べてという事です。幻想郷の住民からしたら格安っていうことです。

#9の洋菓子対決。勝者は…?(審査員は魔理沙、アリス、レミリア、パチュリー、フラン、美鈴)

  • ケンが勝者!
  • 咲夜が勝者!
  • 半々で別れて引き分け!
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