東方のシェフ   作:多聞丸

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妹紅からの誘いで、ケンは幻想郷の中で少し休息をとることにした。

※アンケートの結果、妹紅とのエピソードになりました。


#30 在りし日の休日

ー妹紅の家ー

ケン「本日の朝ご飯、ホットケーキです」

妹紅「ホット…?」

ケン「卵、牛乳、小麦粉を混ぜて焼いたものです。紅魔館から頂いたジャムと蜂蜜をかけてお召し上がりください」

妹紅「…!美味しい!うん、このホットケーキ…?とジャムが合うね」

ケン「ありがとうございます」

ケン(やはり洋食がそれほど広まっていない幻想郷では、パンケーキすら知られていないらしい)

ケン(…そういえば妖怪の山に楓があったはずだ。冬になったら…)

妹紅「…ケン、今日は休もう」

ケン「えっ?」

妹紅「いくらケンでも最近どこかに行き過ぎだって。最近は太陽の畑とか妖怪の山、紅魔館にも行ってたし疲れているでしょ」

ケン「い…いえ、俺は…」

妹紅「そうやって無理をしすぎるのもケンの悪いところだよ。今日は強制的に休ませるからね」

ケン「は…はい」

妹紅「…それじゃあさ…釣りに行こう」

ケン「つ…釣りですか」

妹紅「うん、今日の晩御飯をかけて勝負しよう」

ケン「はい」

 

ー玄武の沢から少し離れた川ー

ケン「お待たせしました」

妹紅「それじゃあ釣りをしようか」

ケン「それで…何を狙うのでしょうか?」

妹紅「う~ん…まあ、釣れてからのお楽しみかな」

ケン「それじゃあ、釣りを始めましょうか」

妹紅「うん」

 

ー数時間後ー

妹紅「う~ん…そこそこ釣れたけどまだ目当てのものは釣れないね…」

ケン「もう少し時間を置いてみましょう、そろそろお昼の時間です」

妹紅「もうそんな時間か…それで、ご飯は何?」

ケン「はい、『赤紫蘇の握り飯です』

妹紅「何これ…握り飯を赤紫蘇で包むなんて見た事がないな…」

ケン「幻想郷には板海苔が無いので、妖怪の山で頂いて保存していた赤紫蘇を巻いてみました」

妹紅「板海苔…?」

ケン「あ…なんでもないです」

 

※板海苔が1717年に初めて登場。これが現在は希少と言われている浅草海苔の元となったと言われている。

 

妹紅「うん、美味しい。お腹に溜まるね」

妹紅「ケン、また美味しいものを作ってくれよ」ニコッ

 

?『ケン、また美味しいものを作ってくれよ』←女の人

 

ケン(ん?…今のは…)

妹紅「ん?どうした、ケン?」

ケン「あ…いえ、なんでもないです」

ケン(今のは…なんだ…)

妹紅「そろそろ、釣りを再開しよう」

ケン「は、はい」

 

ー数時間後ー

妹紅「う~ん…」

 

ポスッ…

 

妹紅「ん?」

ケン「…」スヤスヤ…

妹紅「フフ…やっぱり疲れていたんだね。ゆっくり休みな…ケン」

 

ー夕方ー

ケン「…?ここは…」

妹紅「あ、目が覚めた?」

ケン「?!す…すいません…」

妹紅「いいって。それより目当ての物が釣れたよ」

ケン「これは…鯰(ナマズ)?」

妹紅「そう、この時期の鯰はあまり取れないけど運良く釣れてね。何か料理してよ」

 

※鯰は冬は冬眠している。ジョジョ7部のバレンタイン大統領の『冬の鯰のように大人しくさせてやろう』の通りである。

 

ケン「はい、分かりました」

 

ー妹紅の家ー

ケン(鯰は泥を吐かせれば香魚と呼ばれるほど美味しい魚だ。この時期は多少味が落ちているが食べることは出来る)

ケン「…よし、決めた。油も沢山あるしフリットにしよう」

ケン「まず、ナマズに泥を吐かせて、三枚に下ろす。皮をはぎ、身を揚げる大きさに切り、衣をつけて…そのままフリットにする」

ケン「揚げている間に別の料理も用意しよう」

 

ー数十分後ー

ケン「お待たせしました。鯰の天ぷら、鯰の唐揚げです。お好みで塩、レモンをかけてお召し上がりください」

妹紅「おお~!美味しそう!それじゃあ早速…」

 

サクッ…!

 

妹紅「!美味しい~!」

ケン「鯰は栄養価が高い生き物です。ビタミンB1やビタミンEを多く含んでおり、疲労回復や中枢神経や手足の末端神経の機能を正常に保つ効果があります。また、ビタミンEには若返りの栄養素と言われ、生体膜や血中リポタンパク質に多く含まれる不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ、細胞の老化を予防する作用があります」

妹紅「…よく分からないけど…つまり体にいいって事だよね?」

ケン「はい」

妹紅「まあ、難しい話は分からないけど美味しいね、これ」ニコッ

ケン「ありがとうございます」

ケン(さっきの頭に浮かんだ女性…あれは幻想郷の人じゃなかった。でも妹紅さんのように明るい人だった)

ケン(…甲冑の男だったり、さっきの女性であれ…あれは俺が生きていた時代の人なのか…?)

ケン(…でもあれは早苗さんが言っていたような格好じゃなかった…。一体俺はどこから来たんだ…?)顎に手を当て

妹紅「…また悩んでるね…ケン」

ケン「えっ?」

妹紅「ケンの癖が出てるよ。ケンは考えている時、顎に手を当ててる癖があるからね」

ケン「…!」

妹紅「何かあれば私に相談してよ。私はケンの味方だからさ」

ケン「はい」

ケン(…考えても仕方がない…今は…妹紅さんとの日々を大切に生きていこう)

ケン(…もう一度、俺の記憶を覗いてみる必要があるなら…それはその時考えよう)




#30はここまで。鯰の旬は春~夏ですが、釣りでは一年中とれます。しかし、冬は冬眠してるので取りにくい点では注意です。原作でも出てきた鯰の天ぷらですが、鯰はとても栄養価が高い料理です。埼玉県吉川市では今も鯰を使った料理を作っているとか…。皆さんも1度ご賞味してみてはどうでしょうか。

ケンは今後どうする?

  • 1 戦国時代に戻る(可能なら)
  • 2 現代に戻る(現実的)
  • 3 幻想郷に残る(これも現実的)
  • 4 その他
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