東方のシェフ   作:多聞丸

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ケンは度々訪れる霧の湖でチルノ達に菓子を提供する。そこである事件が…。


#33 仲の在り方

ー霧の湖ー

チルノ「ケン~、今日の菓子はなんだ~?」

ケン「はい。今日のお菓子、琥珀糖です」

大妖精「あれ…?でも琥珀糖は前に…」

ケン「あれは簡単に作ったものなので。今回は幽香さんに頂いた花を色素を使ったり、紅魔館で頂いた果物の果汁を使っていますのでかなり違った味わいになっているかと」

チルノ「…?よく分かんないけど、美味しいならアタイはいいよ」パクッ!

?「あ~、チルノだけずるいのだ~」

?2「私の分のお菓子はあるかな?」

?3「こんにちは、ケンさん」

ケン「大丈夫ですよ、多く作ってあります」

ルーミア「なら良かったのだ~」

リグル「今日のお菓子は何だろう…」

ミスティア「飴みたいですね」

ケン「琥珀糖です。みなさんで仲良く食べてください」」

リグル「それじゃあ、頂きます~」

ルーミア「それじゃあ頂くのだ~」

リグル「いや、ここはみんなで平等に分けるべきだよ」

チルノ「じゃあこれが大ちゃんので…」

大妖精「で…でもこのまま地面に置くのはどうかな…」

ミスティア「それなら…葉っぱを洗ってお皿替わりにしたらどうかな?」

リグル「いい案だね、じゃあ早速虫に探してもらうよ」

 

ー数分後ー

リグル「お待たせ、持ってきてくれたよ」

チルノ「それじゃあ早速みんなの分を分けよう」

大妖精「うん」

リグル「それじゃあこれがチルノので、これがミスティア、これが大ちゃんので…これが僕のだね」

チルノ「ん…?なんかリグルのだけでかくないか?」

リグル「えっ…?それならルーミアの方が大きいけど…」

ルーミア「違うのだ~!言いがかりなのだ~!」

大妖精「えっ…?」

チルノ「…もしかしてリグルが食べてるんじゃないのか…」

リグル「そ…そんなわけないじゃないか!」

ルーミア「怪しいのだ~」

リグル「だから違うって!!」

大妖精「あ…ああ…」

 

ー紅魔館のすぐ近くー

ケン「よし、咲夜さんに料理を教えて果物や野菜も頂いた。早速寺子屋に…」

?「ケンさ~ん!!」

ケン「大妖精さん?」

大妖精「た…大変です!み…皆がお菓子の事で喧嘩しちゃって…!」

ケン「えっ…」

 

ー霧の湖、畔ー

リグル「だから食べてもないしわざと小さい物を渡した訳でもないって!!」バババ!!←弾幕

ルーミア「そういう部分が怪しいのだ~!」バババ!!←弾幕

チルノ「早くこくじょうしたらどうだ~!」バババ!!←弾幕

ルーミア「それを言うなら白状なのだ~!」バババ!!

ミスティア「あ…あわわ…」オロオロ…

大妖精「み…皆!!喧嘩はやめて!!」

チルノ「えっ?大ちゃん?」

大妖精「い…今からケンさんが説明するから!」

リグル「…説明…?」

ケン「話は聞きました。お菓子のことで喧嘩してたということですね」

チルノ「…そうだ。元はと言えばケンから渡されたお菓子が原因だ!!」

大妖精「ち…チルノちゃん!ケンさんにあんまり噛みつかないで…」

ケン「すいません…ではそのお菓子はどこに?」

ルーミア「それなのだ~」指さし

ケン「…なるほど」

大妖精「な…何か分かったんですか?」

ケン「…これは目の錯覚ですね」

リグル「さっ…錯覚?」

ケン「錯覚とは感覚器に異常がないのにもかかわらず、実際とは異なる知覚を得てしまう現象です。まずはお菓子の大きさから調べてみましょう」

ケン「この3つの琥珀糖どれも同じ大きさです。大きさを重ねて見れば分かりますよ」

リグル「…本当だ」

ケン「ですが、3つの葉っぱに載せると…」スッ…

ルーミア「…!大きさが違うのだ~」

ケン「つまり同じ大きさのお菓子なのに載せる葉っぱの大きさが違うだけで見え方が変わってしまうのです」

大妖精「ほら、リグルちゃんは何も悪いことしてないよ」

チルノ「…ごめん、リグル」

ルーミア「ごめんなさいなのだ…」

リグル「ぼ…僕も持ってくる葉っぱが悪かったんだよ」

ミスティア「でもなんで大きさが違うように見えるんでしょうか?」

ケン「この現象は『デルブーフ錯視・内円の過小視』と言います。円の外側に大きな円を書くと元の円が小さく見えてしまう現象です。それなのでリグルさんの葉とチルノさん、ルーミアさんの葉で大きさが変わって見えたって言うことです」

ケン「それともう1つ。味覚の錯覚についても。こちらに丸い琥珀糖の欠片と四角い琥珀糖の欠片があります。これを大妖精さんに食べてもらいます」

大妖精「えっ…いいんですか?」

ケン「はい」

大妖精「じゃ…じゃあ…」パクッ…←丸い方を食べた

大妖精「とても美味しいですね。ではこっちも…」パクッ←四角い琥珀糖

大妖精「こっちも美味しいです」

ケン「ではどちらの方が甘く感じましたか?」

大妖精「ええと…丸い方ですね」

ケン「これは両方共、同じ琥珀糖から切り取って分けた欠片です」

ミスティア「な…なんで同じものなのに甘さに違いが出るんでしょうか?」

ケン「角がある物は危険と脳が認識しているため、丸い方よりも角がある四角い琥珀糖の方が甘味を感じなくなるわけです」

 

※味覚の錯覚は様々であり、有名なのはかき氷のシロップです(どれも同じ成分なのにその物の色やパッケージの色でイチゴやブルーハワイ、メロンなどと錯覚してしまう)。

 

ケン「料理の錯覚には料理人が最も気を使う場所なのです。色の配色、皿の大きさ…些細なことかもしれませんが今、チルノさんや大妖精さんが感じたように錯覚というものが料理に多大な影響を与えているからです」

チルノ「…よく分かんない!」

リグル「う~ん…実際体験すると分かるけど説明されると難しいね…」

ケン「では皆さんの仲を誤解とはいえ悪くさせてしまったお詫びの品を作ります」

ケン「こちらの金平糖を鍋に入れて…水です」ジュワッ…

ルーミア「あ、それこの前ケンにもらったお菓子なのだ」

大妖精(な…何が起こるんだろう…?)

 

フツフツ…

 

ケン「…!」←茶筅を鍋に突っ込んだ

ケン「…」茶筅に飴状になった砂糖が着いている

5人「…!!」

大妖精「あ…あの小さい粒が…」

リグル「細い金色の糸になっている…」

チルノ「ど…どうなっているんだ~?」

ケン「『金平糖の友好花仕立て』です。飴状になった金平糖をちぎってお食べ下さい」

チルノ「…!口に入れると一瞬で溶けちゃうな…」

リグル「だけど味は確かに金平糖の味だ」

大妖精「不思議な味だね…」

ミスティア「まるで魔法みたい…」

ルーミア「美味しいのだ~」

ケン(…仲直り出来たようだ。良かった)

 

ー夕方ー

ケン「さようなら。皆さん仲良くしてくださいね」

大妖精「ケンさん、ありがとうございました」

チルノ「ケン、次も美味い菓子を食べさせてくれな~」

ケン「はい」

 

こうして霧の湖で起こったひとつの事件は幕を閉じた。




#33はここまで。料理で味覚を使われることは多くありますが、例に挙げたかき氷のシロップやジュースの味も実は成分はほとんど同じなのに人間の舌が違うように受け取るわけです。料理において味のほとんどを目から情報を受け取ります(割合としては視覚83~87%、嗅覚2.5~3%、味覚1%)。だから芸能人格付けチェックで最高牛肉を当てるのに間違えて豚肉や別の物を当ててしまうわけです。料理において味を最も受け取っているのは実は目であり、その目の錯覚によって味や料理の大きさが変わってくるのです。

下のアンケートに御協力お願いします!

ケンは今後どうする?

  • 1 戦国時代に戻る(可能なら)
  • 2 現代に戻る(現実的)
  • 3 幻想郷に残る(これも現実的)
  • 4 その他
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