東方のシェフ   作:多聞丸

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紫に料理の条件をクリアしたケン。自分のことを思い出すべく、博麗の巫女を尋ねることにする。その前に人里に寄ったところ…


#3 寺子屋での授業

ー妹紅の家ー

ケン「…妹紅さん。お待たせしました。『ウ・ラ・ア・ネージュ』です」※フランスの菓子。卵白、砂糖、木苺で味付けした古くからある菓子

妹紅「ありがとう、ケン」

ケン「今日市場に行ったら新鮮な卵が売ってあったので買ってきました。簡単なお菓子ですが…」

妹紅「それでも美味しいよ。幻想郷にはあまり娯楽がないからね…食事だけでも十分な娯楽だよ」

ケン(どうやら和食以外はあまり幻想郷で作られていないらしいな…)

妹紅「これってどうやって作ってるの?」

ケン「まずはメレンゲを作って…」

妹紅「…?メレンゲ?」

ケン「あ、卵の卵白を泡立てたやつです」

妹紅「ふ~ん…よく分かんないけど…やっぱケンってすごいな。人里でお店出せるよ!」

ケン「お店…」

ケン(ここに来た時にコックの格好をしていた…という事はどこかの店で料理をしていたのだろうか…)

妹紅「そうだ。霊夢ならケンの忘れた記憶を取り戻す方法を知ってるかも?」

ケン「…霊夢?」

妹紅「ああ、ケンは知らない?幻想郷の1番東にある神社が博麗神社。そこで巫女をしてるのが博麗霊夢。異変が起こったら霊夢が解決しに行くんだよ」

ケン「…巫女…」

妹紅「今から行ってみない。日もまだ高いし、歩けば行けるよ」

ケン「…行く前に人里によってってもいいですか?」

妹紅「分かった」

 

ー人里ー

妹紅「やっぱ、いつ来ても賑やかだね…。あ、あそこにいるのは…」

慧音「ん?妹紅じゃないか。そちらにいるのは…」

妹紅「あ、紹介するよ。外来人のケン。私の家で泊めているんだ」

ケン「初めまして。ケンと言います」

慧音「上白沢慧音だ。人里で寺子屋を開いている者だ」

ケン「寺子屋ですか」

慧音「ああ、私は主に歴史を教えている。と言っても幻想郷の歴史だけどな」

妹紅「ケンは料理が上手いんだ。人里でも十分通用すると思うけどな…」

慧音「そんなに凄いのか?」

妹紅「幻想郷には無い方法です料理を作ってるよ」

慧音「そうなのか…そうだ。ひとつ相談があるんだが…」

妹紅「相談?」

慧音「良ければ子供たちに料理を教えて開けてくれないか?」

ケン「料理ですか?」

慧音「ああ、どうも私の授業はつまらないらしくてな…なにか新しいことをしようと思っていたがどうも頭が固いものでいい案が浮かばなくてな…」

妹紅「まあ、慧音は頭も硬いしね」

慧音「…余計なお世話だ」

ケン「分かりました」

妹紅「ケン、いいの?」

ケン「神社はいつでも行けますし」

慧音「本当か。寺子屋まで案内するよ」

ケン(…こどもが簡単に作れるものか…)

 

ー寺子屋ー

慧音「皆、席に着いたか?今日は特別教師を呼んでいる。入ってくれ」

ケン「外来人?のケンです。皆さんにも作れる料理を教えに来ました」

子供1「外来人の人?」

子供2「料理…!」

子供3「大きい…」

ケン「今日は分かりやすい『肉じゃが』を教えようと思います」

慧音「に…肉?」

ケン「肉じゃがです。材料はじゃがいも、猪肉(豚がなかったので)、玉ねぎ、人参…」

慧音「…妹紅、肉じゃがって…なんだ?」

妹紅「ケンのいたところの料理じゃないかな?」

 

※肉じゃがが文献に登場するのは明治以降。江戸中期(と仮定している)幻想郷には肉じゃがは当然存在しない。

 

ー数十分後ー

ケン「出来ました。肉じゃがです」

慧音(確かに子供でも作れそうだ…味は…)パクッ

慧音「…美味しい!」

ケン「肉じゃがには出汁を使います。出汁はアゴ(トビウオ)や昆布が有名ですが幻想郷にはないので、椎茸を使いました」

慧音「椎茸…」

ケン「出汁を取った椎茸は具材にも使えます。材料は幻想郷にあるもので作れます」

ケン「じゃがいもに含まれるデンプンは体を動かす力を、人参に含まれるカロテンは風邪の予防、こんにゃくは食物繊維を含み腸内環境を良くする効果があります」

慧音「…何を言っているのかよく分からないが…ふむ…肉じゃがか…」

『美味しい!』『今度、お母さんに作ってもらおう!』『おかわりある?』

慧音「ありがとう、生徒にも良い息抜きになったよ」

ケン「いえ、お役に立てたなら」

慧音「博麗神社に行くんだったな。道中妖怪が出るかもしれないから気をつけて行くんだ。妹紅がいれば大丈夫だと思う…」

慧音「…そういえばケン。君は武器を持っていないのか?」

ケン「それは妹紅さんにも言われました。おそらく自分では武器も使いこなせず奪われるだけだと思うので…」

慧音「そうか…なら尚更気をつけて行った方がいい」

ケン「はい」

 

数分後、ケンと妹紅は博麗神社を目指して再び歩き始めた。日は少し傾き始めていた。

 

慧音「…しかし自分が何者なのか分からない…か…」

慧音(だが、料理の腕、知識は遥かに本物…一部だけ欠落する事があるのか…)

慧音(…ケンが自分を思い出してその場所に帰れるといいな…)




霊夢が出ると言ったな…あれは嘘だ…。ケンは自分で作るだけでなく、勘太や他の料理人にも自分の技術を教えています。武器の不所持については防具は原作の中でも何度か目にしますが、槍や刀を実際使った場面がなく、千宗易(後の利休)にその部分について2度言われています。
実は最初に作るものはカレーにしようと思いましたが、幻想郷には香辛料がないことに却下。幻想郷にあるもので比較的作りやすい肉じゃがに変更しました。

※慧音が栄養素の話がよく分かっていないのは幻想郷全体がそもそも栄養素などについて分かっていないからです。この辺りは原作と同じです(浅井長政とかも栄養素の話をされた時によく分かってませんでした)。永琳なら分かるかもしれないが…。

#10で行く目的地は?

  • 守矢神社(妖怪の山)
  • 魔法の森(香霖堂、霧雨魔法店、アリス邸)
  • 人里(稗田家、寺子屋)
  • 永遠亭
  • 妙蓮寺
  • 太陽の畑(阿求に止められた)
  • 白玉楼(冥界)
  • 玄武の沢
  • 地霊殿(現在はあまりおすすめできない)
  • 三途の川(冥界、おすすめできない)
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